無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版)   作:百男合

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 あらすじこと前回の3つ。
 主人公、ゴーレム魔術を使おうとするがうまくいかない。
 ムラサメ先生によるゴーレム魔術の授業で頭パンク寸前。
 Gメモリという外付けパーツを発明し父親が車椅子無しで歩けるように。



第5話 アリサ・バニングスから見た真木司郎について

 私の名前はアリサ・バニングス。

 今年で7歳になるバニングス家の1人娘よ!

 パパは日本とアメリカをまたにかける社長で私は社長れいじょうなの。

 すごいのよ!

 なので今日から通う小学校のクラスで私がボスになる必要がある。

 将来人の上に立つ人間になるための第一歩。手加減はしないわ。

 手始めにそこの気の弱そうな女子のカチューシャをうばって力関係をわからせてやる。

 そう思って近づこうとしたとき、1人の男の子に邪魔された。

 髪は栗色がかった黒。見た目は普通でどこにでもいそうな顔をしてたわ。

「やめときなよ。そういうの格好悪いよ」

 そいつは私が何をしようかわかっているみたいで、そいつと話している間に女の子はクラスから出て行ってしまった。

 ろうかまで追うのはスマートじゃないわ。むかついたからそいつの足を思いっきりけってやったけどすずしい顔をしてた。

 それがさらにむかつく。なにこいつ、いい子ぶっちゃって。

 でもそんな印象はお昼の休憩時間にぶっこわれたわ。

 なにあいつ。土下座までしてそんなにあの女の子と仲良くなりたかったの?

 というか、私の取り巻きになることを断るなんて何様のつもり?

 こうなったらムシよムシ。あんなやつ視界にいれたくもない!

 結局あいつのせい……おかげ? で女の子――すずかとなのはとなかよくなったけど、すずかの話を聞いてひやっとしたわ。

 なんとすずかはあの月村工業ざいばつの次女で私と同じ社長れいじょうだったの。

 もしあのまますずかをいじめていてそれがパパの耳に入っていたら……想像するだけでこわい。

 パパとすずかのパパがケンカしてひどいことになるところだった。

 子供のケンカから始まった戦争もあるのだし、あり得ないことではないわね。

 今度からケンカを売るときは相手の情報をしっかり分析しておきましょう。そうしましょう。

 

 

 

 日本の学校は遅れてるわ!

 勉強がかんたんすぎるもの。こんなの100点取れて当たり前じゃない!

 足し算引き算なんて幼稚園の頃に習ったわよ。漢字も家庭教師と1年前勉強したものばっかり。

 正直学ぶことがないわ。

 そんなことを思いながらノートに落書きしているととなりの席の真木司郎もノートに落書きしてたわ。

 いや、落書きなんてレベルじゃない。まんが雑誌に出てくる女の子のイラストみたいなものを一心不乱に描いてた。

 あまりのすごさにぼーっとしていると真木と目が合い、私のノートの落書きを見て……鼻で笑われたわ。

 きぃいいいいい! むかつく! むかつく! むかつく!

 ちょっと見直してやろうかと思ったけどやめたわ! 別にあいつのノートのイラストなんか、見たくないんだからね!

 なによすずか! 見ないわよ私は! なのはもすごいすごい言わなくていいから。

 えっ、ハチミツとク〇ーバーのイラスト描いてくれるの?

 満月を〇がしての神山〇月まで⁉

 し、しょうがないわねー。そんなにいうなら見てあげるわよ。

 

 

 

 すずかの家になのはと行ったらメイドさんに出むかえられたわ。

 で、そこで見たのは大量の子猫といっしょに土下座している真木の姿。

 あいつ、見るたびに土下座してるわね。プライドないのかしら?

 土下座されているのは恭也さん。なのはのお兄さんですずかのお姉さんとお付き合いしてる人なんだって。

 なんでも恭也さんがやっている古武術? を見せてもらいたいらしく1度でいいから見せてくれと頼んでいたみたい。

 恭也さんは困った顔をしながら人に見せるようなものじゃないからダメだよとやさしく立ち上がるようにうながしてたわ。

 それでもあいつはやめず、恭也さんにすがりついなんとしてもと頼んでたわ。

 なんなのかしら。あんたそんなことしなくても十分すごいやつじゃない。

 やめさせようと近づいていくと、あいつが小さい何かを恭也さんにわたすのが見えた。

 何かはわからなかったけどそれを受け取った恭也さんはすごい驚いて、「ま、まあ1度見せるだけなら」って折れていたわ。

 急に意見を変えた恭也さんに周りの人間も驚いていたけど、その日はお茶をしてケーキを食べてゲームをして真木がすずかの銅像を作ったりして楽しんだ。

 帰り際、真木のやつすずかのお姉さんに恭也さんの小さい銅像……フィギュア? を渡してお礼を言われてた。

 もしかして恭也さんにわたしたのって……まあ、私は何も見なかったことにするわ。

 

 

 

 最近気づいたことがある。

 真木は人をよく見ていて、たとえば体育の時間で1人あまりそうな子がいると積極的に話に行ってグループを作ったりしているの。

 他にもドッジボールで2人リーダーを決めてじゃんけんをしてからそれぞれ好きな子をチームに引き抜かせようとした先生に対して「出席番号順で2分割したほうがいい」と助言して運動が苦手な子が最後まで残らないようにしたり。

 トイレをガマンして体調悪そうな子がいたら自分から「先生トイレ行ってきます」と言ってクラスのみんなから笑われても体調が悪そうな子も行きやすいふんいきを作ったりしてるの。

 そのことについてなんで? って聞いたら「俺がしてほしかったことを今してるだけ」って言われたわ。

 よくわかんない。

 そういうわけで真木はクラスのみんなから悪くは思われていないわ。

 一部の男子が「かっこつけ」って真木のことをからかってるけど、本人は全然気にしてない。

 むしろそういうこと言う男の子のほうがカッコ悪いと思うんだけどどうなのかしら。

 まあ、気づかない人間は一生気づかないんでしょうけど。

 

 

 

 夏休みになる前になのはの家に遊びに行くと、道場に真木がいた。

 なんでも正式になのはのお父さんから古武術を学んでいるんだそうだ。

 なのはのお家は翠屋っていう喫茶店でケーキを食べながら話を聞いたんだけど、最初は教えるつもりはなかったそう。

 ただ真木が恭也さんがみせた古武術の技をあまりにも完璧に再現したのを見てお父さんが興味を持ったらしい。

 いわく、ミリ単位で恭也さんの動きをもほうしてるって。

 もほうっていうのはものまねらしいんだけどあいつ、絵や銅像づくり以外にも得意なことってあったのね。

 でも才能があるわけじゃなく、あくまでものまねがうまいだけで古武術はぜんぜん強くないらしい。

 それについてなのはのお父さんは「仏作ってたましい入れず」って言ってた。難しい言葉だから帰ったら調べてみよう。

 ただあまりにも完ぺきにもほうしているので相当1人で練習していたんだろうって話していた。

 私も柔道と空手はおけいこで習ってるから相手になれるのに。

 ま、まあ。どうしてもっていうなら手伝ってあげてもいいけど!

 そう話したらあからさまにこまった顔で断られたわ。むかつく!

 

 

 

 夏休みは家の用事がある日以外はなのはとすずかと遊び倒したわ。

 宿題? 1日目に全部終わらせたわよ。

 その間何回かは真木のやつも誘ったけどいそがしいって断られたわ。

 私のさそいをそでにするなんて、むかつく!

 そう思ってプンプンしているとすずかに「真木君のことすきなの?」とか言われたわ。

 じょうだんじゃない。あんな奴こっちから願い下げよと言っておいた。というか、天と地がひっくり返ってもあり得ない。

 あいつが得意の土下座をしてきてもぜーったいにお断りだわ。

 で、2学期。運動会だけどすずかのどくだんじょうだった。

 あの子、あんなぽわぽわしたふんいきで運動神経ばつぐんなのね。

 なのはも真木もそれなりに活躍してたわ。私とすずかほどじゃないけど。

 で、遠足。真木の奴、私たち3人が一緒に食べようって誘ったのに断りやがったの。むかつく!

 でも後をつけてみると1人で食べてる子がいないか見て回ったり、お弁当を忘れて泣きそうな子に自分の分のお弁当を半分あげたりしていた。

 はー、そういうことだと思ったわ。

 私たち3人がその子に少しずつ自分の分のお弁当を分けてあげると「ありがとう」って言われた。

 ふん、感謝することね。このアリサ・バニングスのほどこしをうけられることを。

 面と向かってクラスの子からありがとうなんていわれたの初めてだったから必死にごまかしたけど、顔が熱いのバレてないかしら。

 真木はなのはに「こういう時は頼っていいんだよ」って言われてたわ。

 なのはってときどきあつが強いというか、なんかこわい時があるのよね。真木は顔を引きつらせながら「はい」って言ってたわ。

 あっという間に12月になってうちでなのはとすずかを誘ってクリスマスパーティーをすることになった。

 なのはとすずかがあんまりいうのでしかたなく、しかたなく真木をさそったんだけど断られたわ。

 クリスマスは家族と過ごすんだって。

 そう言われた時のこと、頭が真っ白でよくおぼえていないんだけどなのはが「おはなし」してちょっとだけうちに来てくれることになったわ!

 べ、別にうれしくなんかないんだからね。本当よ!

 そんなこんなでうちに真木が来て、サンタ服をきた私の銅像がおうちに飾られることになったわ。

 パーティー? もちろん楽しかったわよ!

 私が主さいなのよ。当然じゃない!

 

 

 

 冬休みが終わって3学期が始まった。

 真木との点数勝負、両方100点で今回も引き分けだったわ。

 きぃいいいいい! むかつく! むかつく! むかつく!

 私のほうが頭いいはずなのに!

 あんな土下座と絵と銅像づくりとものまねがうまいだけの……結構できることあるわね。

 ともかくあいつと引き分けだなんて人生のお点よ!

 そんなことを考えてたらいきなり教室でチョコをわたされた。

 そういえば今日は2月14日のバレンタインデー。

 なに? あんた私のことがすきなの? とにやにやしながら聞くと「友チョコだよ」と言って他のクラスメートにも配っていた。

 確かによく見るとドラッグストアとかで見るお徳用のいっぱい入ったチョコレートだったけど。

 なんか、こう。もっとなんかさぁ! あるでしょなにか。

 変な期待をしたみたいで負けたような気がする。

 ちなみにいつも真木のことを「かっこつけ」って言ってからかってる男子も今日ばかりはチョコをもらおうと静かにしていた。

 その日はすずかの家に行って思わせぶりなことする真木ってどう思う? って文句を言いながらなのはとすずかとチョコのお菓子を食べたわ。

 その時の2人がニコニコしてたのがちょっと気になるけど。

 ちなみに真木は1か月後の3月14日にもホワイトデーの「友キャンディー」ってクラスのみんなにアメを配ってたわ。

 何人かの女子はバレンタインのお返しって真木にクッキーをおくっていた。それを一部の男子がまたからかってたけど「もらえないのは先月配らなかったお前らが悪い」「じゃあキャンディーいらないんだな」と言われてさっと散ったわ。

「アリサちゃんはわたさなくていいの?」ってすずかに言われたけどなんで私がわたさなきゃならないのよ。

 あっちが勝手にわたしてきただけで別に私は欲しがったわけじゃないし!

 で、次の日。なのはのたん生日。

 たん生会をなのはの家族が経営する翠屋でやったわよ。

 すずかはもちろん真木も強制参加。プレゼントを渡してみんなで祝ったわ。

 ……あれ? そういえば私、たん生日祝ったかしら。

 すずかのたん生日も祝わなかった気がする。

 なにか不思議な力がはたらいて私たちのたん生日がなかったことになったような……。

 まあ、深く考えるのはやめましょう。これ以上考えるなと私の第6感が言っているような気がするわ。

 真木はなのはにフェレットのぬいぐるみをプレゼントしてた。

 どこで買ったのか聞いてみると手作りらしい。器用さを上げるには裁ほうとぼうしょくスキルが1番だからっていう真木の言葉はよくわからなかったわ。

 なのはがよろこんでたからいいけどフェレットの背中に「淫獣」ってししゅうされてたのがちょっと気になった。

 

 

 4月。学年が1つ上になって2年生になった。

 クラス替えはなし。席の隣も去年と一緒。

 つまりまたこの真木と机を並べることになる。

 今年こそ負けないわよ。

 視線を合わせバチバチと火花が散る……なんてことはなく、あいつは相変わらず女の子のイラストを描いていて。

 はあ、なんでこいつってこうなのかしら。

 普通にしてれば見た目も悪くないし、いいところもあると思うのに。

 もうちょっとちゃんとしてればみんなも認めるんじゃない? こいつの良さを。

 え? ミ〇モでポンの楓ちゃん描いたの?

 ま、まあ。見てあげてもいいわよ。

 え? カードキャプターさくらの同人漫画も描いた?

 それはぜひ読ませてもらうわ! ともよ×さくらは永遠だもの!




 なのフェイまであと7話
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