無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版) 作:百男合
EXSEEDS、原種0号退治、篠宮マナ確保、子供の救出と別れ行動することに。
主人公、やりすぎてフェイトさんに怒られる。
原種0号を圧倒的な火力で倒すなのはさん。もうこの人だけでいいんじゃないかな?
時は少し巻き戻る。
夜海トワと久瀬シイナ。そして魔人狩りたちは篠宮マナを目指し基地内を進んでいた。
「邪魔!」
レッドフレームのでっかい刀で巨大化した魔人を切り払いながら夜海トワは進む。
「邪魔ぁ!」
久瀬シイナも高速移動しながら両手の銃型デバイスから放つ炎の弾丸で出てくる魔人たちを撃ち無双してく。
まさにラッセル車のようだった。2人の進んだ分だけ道が開き、それにさらに踏み込むことでまた道が開く。
だが魔人たちの数は多く、右から左からわらわらと出てくるのだった。
「トワさん、行ってください!」
「ここはあたしたちが食い止めるから!」
なんだか死亡フラグかマリオネットの魔法を自分にかけて10年ぐらい異世界で戦い続けてそうな言葉を言いながら、シオリとアオイの2人が入口に立ちはだかる。
「ここは私たちが一歩も通しませんから、トワさんは本懐を!」
「トワちゃん、ぶちかましてきちゃってー!」
戦車の中からユズがトワにエールを送る。それに続きユーナも立ち止まり応援した。
「みんな……ありがとう。必ず生きてまた会おう!」
4人を振り切り前を見て進んでいくトワ。
それを見て心の中で語りかけてくるセツナ。
『ねえしーちゃん。これ、司郎くんがよく言ってるやつだよね』
「えーっと、死亡フラグだっけ?」
トレーニングルームで聞いた「戦場でやっちゃいけないこと、言っちゃいけないこと」を見事にやっている魔人狩りたちに言うべきか否か迷っているとその部屋についた。
モニターと機械がいっぱいある部屋。その中では1人の緑髪のショートカットの女性がモニターを見つめている。
「あー、もうみんな使えないなー。鉢植えも壊されそうだしこれもうだめかもしれないね。あーあ、失敗しちゃったな―」
欠片も後悔を感じさせない無邪気な声。その声を聴き夜海トワは己の髪が逆立つのを感じた。
「篠宮マナァ!」
「やっほートワちゃん。君の方から来てくれるなんてその点は今日のラッキーに入れてもいいかも」
吸い込まれるような紫色の瞳で自分を見つめてくるマナに、トワは我を忘れて突撃した。
「うわぁあああああ!」
「トワ⁉」
シイナの悲鳴のような声が室内に響く。それを見てマナは不敵に笑った。
「お前が、お前が、お前がぁあああ! 全部壊したんだ! あの娘も、父さんも、母さんも!」
「そんなこと知らないってー。あの娘って誰よ? それに調べたけど君の両親は事故死でしょ」
「お前が炎の魔人で起こしたテロだろう!」
巨大な刀、ガーベラ・ストレートに【断刃】の能力をかけ振り下ろす。
それを魔人化した腕でマナは受け止めた。
「っとぉ。あー、そゆこと。確かにそれはうちが絡んでるけどさあ。それって近くにいた君たちが悪くない?」
「は?」
一瞬何を言われたかわからず頭の中が空白になるトワ。
その隙を見逃さず、マナは懐に入りゴーレム装甲ごとトワを蹴り飛ばす。
「がぁっ⁉」
「どっちにしろ事故に変わりはないじゃん。それなのにこっちを逆恨みするなんて天国のご両親が見たらどう思うか。きっとトワちゃん、復讐なんてやめて。復讐は何も生みださないよって言ってるよー」
明らかな煽る口調。それにシイナは銃を持つ手に力を込めた。
「っこの!」
「手を出さないで!」
思わず引き金に指をかけたシイナをトワが強い口調で止める。
それから立ち上がってもう1振りの刀、タイガーピアスを抜き、構える。
「お願いシイナ。もう少しだけ私1人でやらせて。お願いだから」
「トワ」
『しーちゃん』
体の中でセツナが頷く。シイナは銃をしまいこの戦いを見守ることにした。
「おろ? お友達に助けてもらわなくてもいいの? トワちゃん弱いんだからさあ。使える者は全部使わないと。じゃないと勝てないよー」
「心配しなくても勝ってみせる。それに――お前が父さんと母さんを語るな」
ぞっとするほどの殺意だった。
自分に向けられたわけではないと分かっているシイナでも震え上がるほどの殺意。それを正面からぶつけられ、しかし篠宮マナは笑顔を崩さない。
「無理しちゃってー。まあ、いいよ。遊んであげる。来なよトワちゃん」
腕と足を魔人化し、指を曲げて招くようにトワに見せるマナ。
「っぁああああああああああ!」
ガーベラ・ストレートとタイガーピアス、2振りの刀が光りマナに向かう。
(こんなの、すぐ受け止めて目の前で壊して見せれば)
相手は戦意を失い、取り乱すだろう。そこを仕留めればチェックメイトだ。
詰まんないなーと思いながらマナは刀を魔人化した手で受け止めた。受け止めてしまった。
「は?」
止まらない。止まるはずの刀が止まらない。
皮膚を裂き、肉を切り、骨を断ち、自分に向かってやってくる。
「はぁあああああ⁉」
この時篠宮マナには誤算があった。
1つ、Gメモリ込みの夜海トワの実力を見間違えたこと。
もう1つ、彼女が使う刀がとあるゴーレム使いのデバイスエンジニアが錬成した特別製の刀であったこと。
腕の中ほどまで切られ、慌ててその場から飛びずさり距離を開こうとするマナ。
「逃がすかぁ!」
【氷牢】の能力でマナの足が凍り付く。
「――やだ、やだやだやだ! 死ぬ、死んじゃう! このままじゃ死んじゃうよエイジくーん!」
肩先まで切られ、もうすぐ心臓に届きそうになり慌てた様子を見せるマナ。
「今までお前が奪った命、その数億分の一でも苦しみを感じながら死んで行け」
氷のように冷たい目で踏み込み、さらに刀を身体に突き刺そうとするトワ。
「なーんちゃって☆」
次の瞬間、トワは足元から生えたカギ爪月の触手に体を貫かれた。
「なっ⁉」
「ねえねえ、驚いた? やったと思った? ざーんねーん。やってませんしやられてませーん!」
マナは腕から刀を抜き、再生させながら氷を砕いて拘束されているトワに近づいていく。
「ちょっとびっくりしたけどねー。いやー、ここまで追い詰められたのは久々だよ。トワちゃんすごーい。パチパチパチ」
再生しきってない手を叩き「痛ぅ~」と顔をしかめるマナに、かみつくようにトワが吼える。
「篠宮マナァ!」
「もう、ご主人様でしょ? そもそも売買契約で売りに出されたトワちゃんを買ったのはあたしなんだから。君たちはおもちゃなの。こっちがどう扱ってもいいし、壊れたらポイしちゃってもいいおもちゃ」
切られていない右手でトワの顎をつかみ、ニタリと笑うマナ。
「そういった意味では君は期待以上だったよ。楽しませてくれたよねぇ。正義の魔人狩りごっこは楽しかった? その刀で殺せると思った? 無理無理。だって弱いもんトワちゃん」
自分と違って。という言外の言葉にトワは歯噛みする。
悔しい。こんなところで終わるのかと。
「強くなりたいならエイジ君が作った薬をトワちゃんも飲めばよかったんだよ。こんな風にさぁ!」
そう言ってどこから取り出したのか箱に入っている大量の魔人化薬をざらざらと音を立てて飲み込むマナ。
明らかに致死量の用法を守らない薬の摂取。だが、魔人化した肉体はそれすらも受け入れる。
傷が一瞬で治り、背中からトワを拘束したのと同じような触手が生えていた。
「うーん、これが魔人としての正しい「進化」だよ。まあ、トワちゃんが耐えられるかどうかは知らないけどねー」
「ガンセット」
次の瞬間、篠宮マナは壁に張り付いていた。
え? なんで? 何があった?
混乱する頭の中でこの部屋にはもう1人いたと思いいたりそちらを見る。
見れば炎のように揺れる髪と目を持つ少女がトワの拘束を解いていた。
「トワ、大丈夫? 立てる?」
「うん。このゴーレムの装甲のおかげで思ったよりもダメージはないよ」
「な、に、をしてくれるかなー君は? せっかくトワちゃんと話してたのに横入とか」
マナは拘束を外そうとしたが外れない。
そのことに目を見開き驚く。馬鹿な。あり得ない。何かの間違えだ。
よく見ると魔人化した自分の力が奪われている。この炎のような拘束弾に。
「お前、なんで。この力、アイツと同じ能力……奪ったのか? それにしては」
ぶつぶつとつぶやいているマナを無視してシイナはトワに語り掛ける。
「ごめん、トワには大事な戦いなんだけど我慢できなかった。ここからはアタシも戦わせてもらうよ」
「シイナ。私こそごめん。変な意地を張らず最初から2人で戦うべきだった」
2人の世界を作り上げるシイナとトワ。それに割って入ったのはマナだった。
「そうだ! セツナだ!」
(え、私?)
マナの突然の言葉にシイナの心の中でセツナが反応する。
「その力、セツナのでしょ? どうやって手に入れたの? 殺して奪った? あいつ死んだんだ! 殺したかったのになぁ! ずるいずるいずるい!」
1人テンションが最高潮のマナにポカンとする3人。
「いい拾い物したねキミ。その力、あたしにちょーだい☆ 君よりあたしのほうが有効活用できるよ」
「お断り、よ!」
炎の拳がマナに向かう。それを右手で受け止めるマナだが身体から生命力が奪われるのを感じる。
(やっぱりセツナの力。この娘が持ってるんだ! よかった、あたしと同じ原種の力。他の奴にとられなくて。ここで回収できて)
マナの中ではすでにシイナを倒しその能力をどう活用しようかと言う算段が頭の中ではじかれていた。
かつて自分を追い詰めた仇敵。その能力を手に入れた自分は無敵だと。
だが誤算だったのはシイナの力を見誤ったこと。
「おらぁっ!」
「がはっ!」
腹にいいのをもらい、身体がくの字に折れ曲がる。
それだけにとどまらずあらゆる方向から炎をまとった蹴りや拳が自分に向かってきた。
(あれ? 疲れてるのかなぁ……あの娘が4人に見える)
質量を持った残像。
それがF91のGメモリに搭載された特殊能力。高速移動しながらシイナは炎をまとった拳と蹴りをマナに叩き込む。
数秒後、そこには身体から煙を出しボロボロになった篠宮マナの姿があった。
「す、すごい」
『やったね、しーちゃん!』
あまりの能力差に呆然とするトワと喝采を上げるセツナ。
だがシイナはまだ油断せずマナをにらみつけていた。
「あー、もうなに君。無茶苦茶なんだけど」
口から血の混じったつばを吐き、先ほどと同じく大量の錠剤を飲み込む篠宮マナ。
髪は銀色になり白い服に灰色の肌、3つのワーム状の触手が背中から生えている。
「トワさん、無事ですか!」
「トワちゃん!」
「トワさん」
その時、間が悪いことに魔人たちを倒した魔人狩りたちが合流してきた。
篠宮マナは直感で思いつく。こいつら、使えると。
「みんな、危ない!」
注意を呼び掛けた声は一足遅かった。
地中から生えた槍のような触手に3人は刺し貫かれたのだ。
後からやってきた戦車の砲弾を受け止め、放り返す。
すると戦車が爆発し、中から子供が出てきた。ついでにそいつもハヤニエにする。
「ユズ!」
「ダメだよトワちゃん。復讐する人間が大切なもの作っちゃさぁ」
ニィと嗤い、シイナに向けてマナは言う。
「どうするEXCEEDSの女の子。キミって正義の味方なんだよねぇ。だったら人質をとった犯人には従うしかないよねぇ」
ひるんだシイナの顔にマナはほくそ笑む。やっぱり自分はついてると。
「シイナさん! 私たちに構わずやつをやって!」
「そうだよ! シイナちゃん、やっちゃって!」
「あたしたちのことはいいから」
「覚悟はできてます」
「泣かせるねー。でもそう言うと余計にあたしに従うしかないんだよねー。正義の味方ってそういうもんでしょ?」
マナの言葉に悔しそうに銃を地面に置くシイナ。後ろで魔人狩りたちがギャーギャー言っているがそれすらもマナには喝采に思えた。
「じゃあ、その力。取り出すためにちょっと痛めつけないとねー」
そこからはマナのワンマンショーだった。
シイナを蹴り、殴り、Gメモリの装甲を破壊する。
触手で薙ぎ払いっ壁に吹っ飛ばし、何度も何度も殴り気絶させる。
「お肉は下ごしらえが大事だからねー。よーく叩いて!」
拳を振り上げて、殴る。拳を振り上げて、殴る。
いつの間にか炎のような髪と目の光は消え、元の人間状態になっていた。
「よーし、下ごしらえはこんなもんかな。じゃあ、いただきまーす」
口を大きく開き、シイナを捕食しようとするマナ。
『させない!』
その時シイナの胸から光る炎の塊のようなものが出てきてマナを襲った。
「がはっ⁉」
壁際まで吹っ飛ばされ、揺れる視界の中マナが見た者は、かつて自分を追い詰めた魔人。
「お前、セツナ⁉ 生きてたの」
「しーちゃんをいじめるやつは、私が許さないんだから」
むん、と腰に手を当て自分を見下ろす炎の魔人。
ヤツとの相性は最悪だ。現に今、自分の生命力がごっそり持っていかれた。
「この、こっちには人質が」
「残念。そんなものはもういない」
声に目をやればトワが刀で触手を破壊し4人を救出している。
ちっ、失敗したか。それならば。
「逃げる気か、篠宮マナ!」
トワの声に歯噛みしながらマナは天井をぶち抜き外を目指す。
この場であの炎の魔人以外を屠るのはたやすい。
だがその後自分は必ず何かしらの怪我を負う。万全の状態でも勝てるかどうかわからない炎の魔人を前にだ。
だったらここは逃げの一手。次の機会にかける。
すでに見えなくなっている篠宮マナ。その姿に悔しがりながらも魔人狩りメンバ―4人の怪我が思ったよりひどくないことに安堵するトワ。
一方でシイナに駆け寄りその傷が命に係わるものではないと悟るとセツナはトワに向き直りこう言った。
「トワさん、私とユニゾンしてください」
「え?」
マナ「トワちゃんともっと遊びたかったのに変なのに邪魔されちゃったー。萎えるー」
シイナ「変なのとはなんだ変なのとは!」」
マナ「だって君、原作でもやりたい放題だったじゃん。属性有利だからってさー。炎のライダーキックとか腹パン昇竜拳で天井ぶち抜いたりとか、散々好き勝手してくれちゃって」
シイナ「原作とかメタなこと言わない! 真木君じゃないんだから」
セツナ(司郎くんがたまに言ってるのは言わないでおこう)
トワ「篠宮マナ、原作ではシイナに任せたけど今度は私の手で」
マナ「いいねいいね。遊ぼうよトワちゃん! セツナの力をかけてさぁ!」
セツナ(私、景品にされてる⁉)
シオリ「セツナちゃんを見て逃げ出したやつが何か言ってるわね」
ユーナ「ウケるー。写メ撮っとこ」
アオイ「情けないやつ―」
ユズ「プークスクス」
マナ「黙りなよ。この足手まといども」
しのみやマナはきんだんのことばをはなった。
まじんがりたちはちめいしょうをおった。
シイナ「み、みんなー⁉」
トワ「仇は、仇は取るから!
セツナ(死んでないよぉ)