無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版) 作:百男合
篠宮マナを倒して大団円。
司郎のおごりで女性陣は食事会へ行くことに。司郎のおごりで!
選ばれたのはラッコ鍋でした。
投獄された蔵木エイジを訪ねてきたのは、意外にも少年だった。
「誰だお前は」
「初めまして。EXCEEDS魔人化事件担当の真木司郎です。あなたにはfoundマンと言ったほうがわかりやすいでしょうか」
その言葉にエイジは目を見開く。
こんな、こんな子供に自分とマナはしてやられたのかと。
「あなたが拘束されたと聞いて上司に無理を言って会わせてもらいました。まず1つ。篠宮マナは消滅しました」
「そうか」
こいつが来たということはそういうことなのだろうなとエイジは予感していた。
そして自分の人生にもう価値がなくなったことも。
「次に、あなたの口から魔人化薬の流通ルートを吐いていただきたい」
「あぁ? そんなもん、お前はもうわかってんだろ?」
自分の居場所を突き止めテロを阻止し、関わった人間をリスト化したやつだ。そんなものはとっくにわかっているとエイジは思う。
「あなたの口から聞いた情報、というのが大事なんです。俺が独自に調べただけでは情報としての価値はまだ低いので」
なるほど、より完璧な情報のソースとして自分の証言が必要なのだろう。
エイジは言われるがまま司郎の提示する魔人化薬の流通経路を話した。もうこんな世の中には未練はない。
「なるほど、想定していた通りです。では次に」
「まだあんのかよ」
「はい、あなたの魔人化薬の知識が必要です。しばらくEXCEEDSで働く気はありませんか」
「断る」
エイジの言葉に「でしょうね」と司郎は言い、次の言葉を告げる。
「最後に……あなた死ぬつもりですね」
「ああ」
何を分かりきったことを? と告げる視線を受けながら、司郎は告げた。
「許しません」
「嫌だ。死ぬ」
「勝ち逃げは許さない。あなたと篠宮マナのやらかしたことを考えれば、あなたはもっと苦しんで死ぬべきだ」
その言葉に思わず笑いが込み上げてくる。
なんだ、このガキは。今更俺に説教か。
「あなたは苦しめた人の数だけ苦しんで苦しんで、最後にトワさんに殺されるのが正しい死に方だ」
「知るかよそんなの」
「真木さん、時間です」
EXCEEDS隊員の言葉に、真木司郎は出口へと向かっていた。
ドアノブに手をかけ、最後にこちらへと言葉を投げかける。
「ああそうそう。これは俺のただの独り言ですが――俺は篠宮マナは消滅したと言いましたが、死んだとは一言も言ってません」
その言葉にエイジの心臓が跳ねた。
「篠宮マナが言っていた原種の魔人という言葉。その天敵として存在したセツナさん。篠宮マナが消滅すればセツナさんは消滅するのが自然です。ですがその兆候は一切ない。つまり、セツナさんの能力を世界はまだ必要としている」
それは逆説的に言えば、篠宮マナはまだ生きているからではないか?
その可能性を少年は提示したのだ。
「魔人化薬の知識の提供、楽しみにしてます」
そう言い残し、少年は去っていく。
残ったエイジは着ている上着をロープ状にし、首をかけようとする。
あとはこれをベッドに結び付け、足を延ばせる状態にするだけ。
俺は篠宮マナは消滅したと言いましたが、死んだとは言っていません。
先ほどの言葉がリフレインする。
「――畜生っ!」
エイジは自殺をやめ、頭を抱えた。
わかっている。
本当は篠宮マナが死んだと自分はわかっている。
だが、期待してしまった。望んでしまった。
少年のたった一言で、泥水をすすってでも生き延びてやると思ってしまった。
「マナ」
自分にウザ絡みしてくる悪友の姿を思い浮かべる。
「絶対に、見つけてやるからな」
その日、1人の修羅が生まれた。
篠宮マナという存在に魅入られた修羅が。
「どうやった。蔵木エイジは」
「ええ。とりあえず自殺は止められたと思います」
俺は八神さんにそう言うと自販機のジンジャエールのボタンを押し、ミントのアメを口に入れてふたを開け口に入れる。
眠気が回ってきた頭にミントの辛さと炭酸の冷たさが染みていく。カフェインよりこっちのほうがよっぽど効く。
「とりあえず、蔵木の証言で裏の取れた魔人化薬の流通ルートです。お好きなようにお使いください」
「ありがとうな。うちだけやと蔵木エイジの自殺は止められんかったと思う。司郎君には感謝やね」
「やめてくださいよ。ほめられた手じゃないんですから」
そう、ほめられた手じゃない。
絶望に満ちた人間に見せかけの希望を与え、生かすなんて方法は。
相手が犯罪者じゃなければ使わない。俺のもっとも嫌悪する方法だからだ。
「あいつは魔人化薬のスペシャリストですし、いろいろと使い道があると思います」
「せやね。それもこれも、死んだ篠宮マナを探すためっていう目標があるから」
同じくジンジャエールを飲むはやてに、俺は言う。
「ええ、泥水をすすれる覚悟をした人間は強いですよ」
「せやな。たとえ最後に待ってるのが絶望でも、彼はどんな手を使ってでも生きようとするやろ」
すでにいない篠宮マナを探すために。
彼がこれから向かう場所では罪を償うという高尚な目標より、そういった執念を持った人間のほうが生き残るだろう。
「彼を許すかどうかは、夜海トワさんに任せます」
「せやな。それは被害者の当然な権利や。でも魔人化薬の解析が終わるまで待ってほしいと思う私は人でなしなんやろか?」
はやてさんが年相応な困った顔で俺に尋ねてくる。
「八神さんが人でなしなら、俺はとっくに地獄に落ちてますよ。なにしろ篠宮マナが生きてるなんて大嘘をついたんですから。彼を生かすためとはいえ、絶対ついてはいけない嘘です」
「でも、それをつかせたのはうちや。そしてこの組織でもある。ごめんな。本当に、ごめんやで、司郎君」
頭を下げるはやてさん。
「だめですよ八神さん。そんなときはふてぶてしく、笑顔でいるものです。全部わかっててその選択肢を選んだと周りに思わせること。それが頼れる上司の姿です」
「そやったな。ごめん」
だから謝らないでくださいよ。と思ってると頭を俺の肩に預けてきた。
「ごめんな、しばらくでええねん。しばらく、このままでいさせて」
さっきから謝ってばかりだなこの人。
まあ、それだけ心が追い込まれているんだろうけど。
とりあえず先ほどからこちらを見ているアインスさんとリィンⅡに人差し指を唇の前に持ってきて黙っているようにお願いする。
アインスが頷きリインⅡを捕まえて去っていった。今頃総督室に駆け込んできているこの世界の偉い人の対応はあの2人に任せよう。
今はまだ13歳の少女が、少しだけ立ち直れる時間が必要だから。
その後の話をしよう。
蔵木の証言から魔人化薬の流通にかかわっていた政治家、警察関係者、司法関係者はもれなくしょっ引かれた。
各省庁の大物がつぎつぎと逮捕される様子にマスコミは連日大わらわだ。
マスコミの正しい姿だね。これが。
で、蔵木エイジは司法取引として魔人化薬の知識を生かして魔人化抑制剤を作ったり、予防薬、特効薬なんかも作っている。
この成果で篠宮マナを探せるまでの時間が短くなるからな。彼も必死だ。
おかげですごいスピード魔人化薬の研究が進んでいる。この30年誰も解析していなかったのが嘘のように。
瑞穂の治安もよくなり、俺たちがこの世界にきた目的も大分終了しつつある。
俺たちの仕事って魚の取り方を知らない人間に釣りを教えるウル〇ラマンみたいな仕事だしな。戦いが終わったら自分の星に帰るまでが仕事だし。
そうそう。この世界でしか食べられないラッコ鍋のお店を教えたなのはさん、フェイトさん、アリシア、シイナさん、セツナちゃん、トワさん、魔人狩りの4人だが翌日声をかけるとなぜかにらまれた。
で、店の感想を聞くとひどい目にあったとのこと。内容は教えてくれなかったがラッコ肉はおいしく食べてくれたらしい。
おいしく食べたのになんで怒っているのだろう。謎だ。
あと、俺がはやてさんと守護騎士たちを誘って行こうと思ってると話すとなぜか猛烈に反対された。行くなら1人で行けと。
全員が全員そう言うので仕方なくこの世界のお別れ会は別の店で行うことにする。好評ならその店にしようと思ってたのに。
はやてさんは忙しそうだし俺の方にこういう幹事の仕事が回ってくるのはいかがなものか。
そんなことを思いながら瑞穂の宴会料理店を検索しているとルークさんが話しかけてきた。
「どうかされたんですか? 難しい顔をしていますが」
俺はこれこれこういうことでお疲れ様会の会場を探しているとルークさんに話すと、ルークさんが1軒の店を示してくれた。
なんでも各国のお偉いさんの訪問に際して使われる特別な店らしい。
そんな場所、なんで知ってるんですかと聞くと行きつけらしい。接待でよく使うのだとか。
なんだ。最初からこの人に相談しておけばよかったな。
とにかく場所は決まった。あとは日時だ。
俺とはやてさんはお疲れ様会の日程を調整。なのはさん、フェイトさん、アリシア、シイナさん、セツナちゃん、トワさん、シオリさん、ユーナさん、アオイさん、ユズさんと守護騎士たちとルークさんを集め大お疲れ様会を開いた。
今度こそ食べ物をみんな楽しんでくれたらしく、目を輝かせて味わっていた。
「お疲れ様なの、司郎君」
「お疲れ、司郎」
なのフェイが話しかけてきてくれる。幹事の俺を労ってくれるのだ。
「こんな高そうなお店、大丈夫なの?」
「また無理してない?」
違った。値段の心配だった。
「大丈夫ですよ。半分は経費で落ちますから」
俺の言葉にほっと一息ついて食事に戻るなのフェイ。
「しろうー! 楽しんでるー?」
「我が主も楽しんでいますよ、司郎」
続いてきたのはアリシアとアインスさん。はやてさんは久しぶりに会った守護騎士に囲まれてるからな。
「今回はいろいろ、頑張ってたみたいだね。おねえさんがぎゅーってしてあげようか?」
いりませんよそんな。と言うかいろいろってこの娘はどこまで知っているのだろう?
「主に似せたクレイゴーレムには助けられました。また作ってくれると嬉しいです」
とアインスさん。いいよいいよ。あれぐらいならいくらでも作れるから。
手を振って2人を送ると魔人狩りの4人がやってきた。
「この度は、トワさんのためにいろいろしてくれてありがとう」
「これであたしに腹パンしたことは許してやるよ。司郎」
「ユーナ、まだ根に持ってたの? まあ、感謝はしてるわよ。司郎」
「ありがとうございます。司郎くん」
ええどうも。あれ? なんだこの違和感?
あ、そうか。みんな俺の事名前で呼んでるんだ。お菓子の人じゃなくて。
「呼び方、お菓子の人じゃないんですけどいいんですか?」
「いいのよ。もう、私たち仲間みたいだから」
と、シオリ。
「さすがにいつまでもお菓子の人っていうのはねー」
ユーナがばつが悪そうに頭をかく。
「まあ、地下鉄の戦いではお世話になったし。ねえ」
とアオイがキャップをいじいじしながら言う。
「呼ぶのはやめてもお菓子の差し入れはやめなくてもいいですよ」
といたずらっぽく言うのはユズ。この娘、俺やなのはさんたちと同い年なんだよな。そういえば。
「じゃあねー」と手を振り他の人間に挨拶していく魔人狩りたち。それを見送った俺の肩に手をまわしたのはヴィータだ。
「おう、司郎。アタシがいない間、よくはやての騎士をしてくれたな。リインに聞いたぞ」
褒めて遣わすというように言うヴィータに、俺は「約束ですからね」と返す。
「リィンとアインスに聞いたぞ。主はやての面倒を見てくれたようだな。感謝する」
「はやてちゃん、なかなか休まないから心配してたのよねぇ」
シグナムとシャマルが手放しで俺を褒めてくれる。
なんかくすぐったいな。この2人に褒められるのは。
「よくやってくれた。司郎。おかげで俺たちも全力で主をお支えできた」
とザフィーラ。今は獣人じゃなくてオオカミモードだ。こっちのほうがリラックスできるらしい。
そして他の人からお腹や首元をわしゃわしゃされていた。元の姿を知ってるシイナさんとセツナちゃんは複雑そうな表情をしている。
「司郎君、おつかれー」
次に出てきたのははやてさんとアインスさんだ。アインスさんは2回目になる。
2人ともご機嫌ですねぇ。そんなに久しぶりに八神家集合したのが嬉しかったんですか。
「うん、それもあるんやけどな」
もじもじとするはやてさん。なんだ? そのレアな表情は?
「管理局からな。副官を指名する権限をもろたんや」
「へ―そうなんですか。じゃあ、今まで通りアインスさんであ痛ッ⁉」
なぜか俺に肘鉄を見舞うアインスさん。やめて! 暴力はやめて!
「それで、それでなんやけど……もし司郎君さえよければ」
「なーに話してるのはやてちゃん」
「面白そうな話してるねはやて」
いつの間にかなのフェイがはやてさんの背後にいた。
え? え? 全然気配なかったんだけど?
「ちょっと向こうでお話しするの」
「行こう行こう」
「ちょ、まって2人とも。私は司郎君に話が―⁉」
なんか知らんがなのフェイに連れていかれるはやてさん。仲いいなぁあの3人。
「司郎」
そんな3人を見つめているとアインスさんが俺に語り掛けてきた。
「司郎は主はやてのことをどう思っているのですか?」
どうってそりゃもちろん。
「尊敬できる上司?」
「それでは駄目なのです。駄目なのですよ司郎」
アインスさんが俺の服をつかんで訴えてくる。
「司郎は、その。主と交配するつもりはないのですか」
ぶはっ⁉ いきなり何を言い出すのこの元闇の書の意思さんは?
「年齢的にも問題ないと思いますし、我々もそれを望んでいます。もし主だけが不満と言うなら私も」
『そこまでです。この色ボケデバイス』
なんかうちのデバイスが会話に参加しだしたんですけど?
『デバイスの本望は主のサポートであり、決して主をダシに自分を売り込むことではありません』
「わ、私は自分を売り込んでなど」
『だまらっしゃい! 主だけが不満なら私もの次は何を言うつもりだったのです? その無駄にでかい乳は飾りですか! この■■■!』
「わ、私は■■■などでは」
デバイスの話はデバイス同士でするのがいいだろう。
なんだか横でリインⅡが「頑張れアインスぅ!」って応援してるし。
さて、次のお客さんは……いないな。じゃあ探すか。
俺は料理を食べてるシイナさんとトワさんに話しかける。
「どうです? 楽しんでますかお2人さん」
「あ、真木君。おかげさまで」
「ここの料理はおいしい。ただ、量が足りない」
ああ、さようですか。トワさんには高級料理より大盛料理のほうが喜んでもらえたかもしれない。
「俺の渡したGメモリは役に立ちましたか」
「おかげさまで。ただ、もらったGメモリの装甲は篠宮マナに壊されちゃったんだ。ごめんね」
「おかげで両親の仇をとることができた。ありがとう、司郎」
それぞれGメモリの感想を言ってくれる2人。
「トワさん、蔵木のことはどうします? 合法的に仇打ちできるようにも取り計らえますが」
「うん、ありがとう。でも、もういいかなって」
トワさんの言葉にシイナさんと共におや? と思う。
どういう心境の変化だろう。
「夢の中で、両親に会ったんだ。それで、いろいろ吹っ切れたというか。もちろん、蔵木にはしかるべき罰を受けてもらいたいという思いはあるよ」
でも、とトワさんは口を開いた。
「前ほど、蔵木のこと憎いって思えないんだ。多分、篠宮マナの消滅を見たせいかな。今は蔵木よりもシイナやみんなのことを大事にしたい。そう思うんだ」
そうですか。なるほど。
よく見ればシイナさんと手をつないでいるようで。
この2人いつの間に? キマシタワー!
「本当にいいの、トワ」
「うん、シイナ。大切にするね」
イチャイチャしだす2人。お邪魔みたいなので俺はもう行きますね。
で、最後に見つけたセツナちゃんは庭を見ていた。食事はすんだんだろうか。
「あ、司郎くん」
「おつかれさまですセツナちゃん。ご飯は食べましたか」
俺の問いに「うん、お腹いっぱいだよー」と返すセツナちゃん。
俺たちは庭を眺められる長椅子に2人そろって座った。
「終わったねー」
「ええ、全部終わりました」
「わたし、いつ消滅するかって思ってドキドキしてたんだけど。全然そんなことなくて」
やっぱり彼女自身も戸惑ってたんだ。今の現状。
「篠宮マナから全部は聞けなかったけど、私、原種の魔人なんだって。多分篠宮マナが消えれば一緒に消えてたはずなのに」
どっこい、生きている。いいじゃないですかそれで。
「セツナさんは、お姉さんやみんなといるのが嫌ですか?」
「そんなことない! そんなことないけど」
こんなに幸せでいいのかな? と少女は言う。
それに俺はいいに決まってます! と答えた。
「あなたがいるだけでシイナさんは嬉しいんですから。毎日喜んでいてあげてください」
「ふふ、そうだね。しーちゃん、最近嬉しそうだもん」
と笑顔のセツナちゃん。それからふと真顔になる。
「司郎くんは、これから先ここからいなくなっちゃうの?」
あー、そうですね。多分。おそらくきっと。
侵略種という脅威がなくなった瑞穂から俺たちは撤退し別の次元へと行くはずだ。
そのことを告げるとセツナちゃんは「そっか」とひとり呟く。
「ね、お願いがあるんだけど」
「はい。聞きましょう」
ちょっと耳を貸してくれる? と内緒話するようなジェスチャーをするセツナちゃんに耳を近づける。
「えい」
次の瞬間両頬を手でつかまれ、唇を奪われた。
「なっ⁉」
と息をのむなのはさんとフェイトさんとはやてさん。
「おー、やるじゃん」
と楽しそうにこちらを見ている魔人狩り4人。
「あー、やられてしまったか」
と頭を押さえる守護騎士たちとアインスさん。
「うわー、セツナ大胆」
「シイナに似たんだね」
と妹の行動に驚く姉とそれに甘える恋人。
たっぷりと10秒。口づけをしたセツナちゃんは俺に向かっていった。
「これは好きのキスじゃないから。友情のキスだからね。勘違いしちゃだめだよ」
その言葉にこくこくと頷く俺。
当然顔は真っ赤なわけで。
こうしてお疲れ様会はつつがなく終わった。
終わったということにしてくれ。
その後の混乱は語りたくないから。
ラッコ鍋を食べ始めてから1時間後。
なのは(なんか変なの)
フェイト(どう見てもシイナさんが色っぽい!)
シイナ「おっと、ボタンが飛んじゃった」
セツナ「もー、しーちゃんってば」
トワ(この害獣駆除ハンター、すけべ過ぎる!!)
アリシア「なんかクラクラしてきたかも」
フェイト「大丈夫姉さんっ」
なのは「横になるの! 今すぐに」
シオリ「胸元を開けて楽にした方がいいですね」(純粋な親切)
フェイト「下も脱がせよう」
シオリ「なんで⁉」
なのは「いや、全部だ! 全部脱がせるの!」
シオリ「だからなんで⁉」
トワ(ラッコ肉おいしい)もぐもぐ
ユーナ(ラッコ肉おいしいなー)はふはふ
アオイ(ラッコ肉おいしい)ぐぁつぐぁつ
ユズ(ラッコ肉……初めて食べるけどおいしい)もぐもぐ
シイナ「それよりなのちゃんフェイちゃん。ちょっと見ない間に急にいい女になったよね」
なのは「そ、そんなことないの」(赤面)
フェイト「シイナさんほどじゃないよ」(赤面)
シオリ(かわいい)
ユーナ(かわいい)
アオイ(かわいい)
フェイト「そういうシイナさんだって前よりもその、お胸が大きくなったように見受けられますが」
シイナ「そうかなぁ? どう思うトワ」
トワ「あ、あぅ」(赤面)
シオリ(かわいい)
ユーナ(かわいい)
アオイ(かわいい)
ユズ(かわいい)
なのは(なんなのこの感情、抑えきれない)
フェイト(こんな気持ち初めてだ。どうやって発散させればいいの?)
平気な久瀬姉妹と魔人狩りたちは食事を続ける。
なのは「駄目なの、私、もう我慢できない……ちょっと司郎君のところに行ってくるの」
フェイト「待ちなよなのは。なんでそこで司郎のことが出てくるの?」
なのは「フェイトちゃんもわかっているはずなの。この胸のもやもやを受け止めてくれるのは司郎君しかいないって」
フェイト「そ、それは」
アリシア「バインド」
なのは「ッ⁉」
フェイト「姉さん⁉」
アリシア「ごめんね2人とも。わたし、1抜けた」
なのは「逃がさないの!」
フェイト「抜け駆けは駄目だよ姉さん!」
シイナ「なのちゃんフェイちゃんアリシアちゃん、どこ行くのー?」
シオリ「うーん、ラッコ肉には滋養強壮の効果があるんだけど、瑞穂出身じゃないあの3人には効きすぎちゃった、とかかしら」
セツナ「それって危ないんじゃ」
ユーナ「なんか外から爆発音と雷の音が聞こえてくるんだけど」
アオイ「すごい光が空に向かって放たれてるし」
ユズ「もしかして、あの3人が暴れてるんじゃ」
トワ「放ってはおけないね。行こう!」
こうしてラッコ鍋の臭いに当てられた3人を止めるためシイナとセツナと魔人狩りたちは奔走し、食事会どころではなくなったそうな。