無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版) 作:百男合
主人公の赤裸々な学校生活が暴露される。
アリサ・バニングス。やっぱりツンデレチョロかわいい。
アリサ。世界の真実に気づきかけるが第6感で回避。
第6話 天使に会えたよ
どうも、真木司郎です。
原作開始まであと少しとなりました。
ここまで来るのにどれだけ血と汗と涙を流したことか。
いや、すまん。血は流してないわ。
高町家で士郎さんに永全不動八門一派・御神真刀流小太刀二刀術という古武術と剣技を教えてもらってるけど、あくまで常識の範囲内での身体づくりと護身術程度の教授に留まっているし。
血を吐きながらの殴り合いや罵声を浴びせられながらの腕立て伏せなんていう軍隊式のそれとは縁遠い生活を送らせてもらってる。
とらハ世界とは違うからね。平和平和。
いやまだ平和というべきか。これからえらいことに巻き込まれるわけだし。
プレシア・テスタロッサ事件と闇の書事件。
これが1年の間に同じ町で起こるんだから住んでる人間はたまったもんじゃないだろう。
俺もその2つから生き残るために努力はしてる。
デバイスを使って士郎さんと恭也さんの立ち合い映像を録画。ゴーレム操縦技術を俺自身の身体に使って再現というチート行為で技を盗ませてもらったりとか。
ViVidでコロナがアインハルト戦でやってたアレなんだが作中で身体への負担がえげつないといわれていた問題点はうちのデバイス様のおかげで解決した。
まずゴーレムと一体化した状態で動きを模倣して、その動きを体に覚えこませてから普段の状態で俺自身の身体をゴーレム操縦することで負担をぐっと減らしたのだ。
おかげで映像があれば大抵の動きを再現することができる。どんな武術の達人のものでもだ。
そう、できる。できるはずなのだが……。
士郎さんと恭也さん相手には全然通用しない。
2人いわく、ものまねの精度は高いが基礎部分がまだまだなので技として完成してないそうだ。
そんなのでこれから生き残れるのか。不安だ……。
そうそう。魔力ランクだがEからCにランクアップしたぞ。
まあ、限りなくD寄りのC-なんだが。
これも毎日感謝の1万回錬金のおかげかな。
幼稚園の頃使っていた油粘土を使って毎日いろんな女の子のフィギュアを錬金している。
まちカドまぞくのシャミ子とモモの像が最近のトレンドで毎日楽しくフィギュアづくりしてたよ。2年間。
かわいい女の子のフィギュアを作ってるだけで魔力が上がるなんて最高。こういう修行なら毎日できる。
で、肝心のゴーレム錬金ですが……おっと、そろそろか。
「ムラサメ、起動」
『了解です。主』
俺の言葉にアン・ムラサメが起動して機械的な鳥の姿のデバイスが宙に浮く。
「そろそろ落ちてくると思うから撮影よろしく」
『昨夜もそう言っていた気がしますが』
言葉と共に2階の窓から外に出て行く。
4月に入ってから数日、ムラサメには夜に落下してくる物体がないか見張ってもらってる。
落ちてくるものはもちろん無印のキーアイテム。ロストロギアのジュエルシードだ。
アニメではなのはさんの行くところに都合よく落ちていて騒動を起こすアレ。
事前に落ちた場所がわかっていれば巻き込まれることないんじゃね? と思い見張らせているのである。
原作の時期を考えればそろそろだと思うのだが。
『主。衛星上から飛来する複数の物体を確認。記録を開始します』
「おっしゃ来たか!」
ムラサメの言葉に思わず立ち上がって窓際に行き宙を見る。
そこにはいくつもの光る流星が散らばって落ちていくのが見えた。
この中の1つに、ユーノくんがいるんだなぁ。
今だから思うけどなのはさんに保護されるまでの流れ、完全にキュウべえだったよなぁユーノくん。もしまどマギが先に放送されてたら視聴者疑心暗鬼になってたと思う。
そんなことを思いながら眺めていると『記録が終わりました』とムラサメが降りてきた。
ご苦労と労いながらデータを見る。
ふむふむなるほど。うちの近くや住宅街には落ちてない……いや、1つだけ落ちてる。これがユーノくんか。
なんか頭に「助けて、助けて……」って念話飛んできてるし。これユーノくんだ。
一応原作通りなのはさんが保護するとこまで確認しておくか。
で、あとはジュエルシードが落ちたところには近づかない。
これで無印は生き延びられるな! 勝ち申した。
ハーッハッハッハッハ!
なんて思ってた1週間前の自分を蹴り飛ばしてやりたい。
そんなことを思いながら俺は目の前の物体を今一度見る。
全体的に青色がかった中心が黒いひし形の宝石のような物体。
どう見てもジュエルシードです。本当にありがとうございました。
そのジュエルシードが宙に浮いてるんですよ。ええ。手を伸ばせば届く距離に。
なんでこうなったんだろう。今朝からの行動を思い出す。
いつも通り学校へ行って、なのはさんのかばんに入ってたフェレット=ユーノくんをアリサとすずかがいじり倒しているのを見ながらほっこりして。
高町家の道場に顔を出して夕方まで鍛錬。その帰り道にジュエルシードが空中に浮いてるのに出くわした。
……うん。俺ぜんぜん悪くないよね?
だって自分からジュエルシード落ちてる場所に行ってないもん。完全に避けてたもん。
なのになんで当たり前のように宙に浮いてんだよこの危険物は⁉
脳内で頭を抱えて転がりながら、右腕のリストバンドに向かって声をかける。
「ムラサメ、起動。目の前の危険物を防御魔法で保護して」
『プロテクション』
もしこのまま放置して誰かがジュエルシードの被害に遭ったらダメだからな。
とりあえず触れないようにして、と。
近くの公園の砂場まで行ってガラスの瓶を錬成して戻ってくる。
「これ、触っても大丈夫?」
『解析……現在不活性状態だと判断します。問題ないかと』
ムラサメのお墨付きをもらったので防御魔法を解いて指でつまんで瓶の中に入れた。
ふー、爆発物処理完了。あとはこれをどう自然に明日なのはさんに渡すかだな。
「止まって」
そんなことを考えながら歩いていると後ろから声をかけられた。
このアニソンの女王と呼ばれる紅白歌手の声は……⁉
思わず振り返るとそこには夕日を受けて輝く黒いリボンで2つ結びにされた金髪。黒のレオタードに白いスカートとニーハイブーツ、赤い裏地の黒いマントを羽織った美少女がいた。
ふ、フェイトさんだー!
Toloveるで金色の闇が出てくるまであらゆる同人ゴロたちに薄い本が描かれた、いや今なお描かれているクイーンオブクイーン!
なのは同人のエロ担当! 将来は2人の子持ちで百合夫婦というママ属性まで付くフェイトさんだー!
同人界の現人神のような存在に思わず五体投地する。
「え、ちょ、ちょっと? 何してるの?」
困惑するフェイトさん。その顔もお美しい。
実は俺、隠してたけどなのフェイ派でありフェイト推しなんだよね。エロ同人ではフェイトさん本ばっかり買ってた。
特にSTUDI〇ふあんのエロ同人は神でしたねぇ! DLサイトやFANZAで買えるからみんなも買おう!(媚びを売る)
おっと、勝手に1人で盛り上がってしまった。
とりあえずこの場を取り繕う言葉を紡がなければ。
「この通り俺に戦闘の意思はない。宝石は今回収したばかりで非活性状態だ」
よーしよしよし。今のは我ながらよくできた詭弁だったんじゃないだろうか。
フェイトさんは戸惑っていたが俺の言葉を聞くとしばらく考えてから武器である斧、バルディッシュを構えなおした。
「私は君の持っているその石……ジュエルシードを回収したいんだ」
「どうぞお持ちください」
「きれいに見えるかもしれないかもしれないけどそれは危険なもので、もし素直に渡してくれたら危害は……え?」
会話の途中でうやうやしくジュエルシードが入った小瓶を差し出す俺に固まるフェイトさん。
本当に渡してもらえるとは思っていなかったのか戸惑っている。が、俺がさら小瓶を突き出すと受け取って中のジュエルシードをつまみ上げた。
「うん、回収完了。ありがとう譲ってくれて」
「幸先いいねフェイト。こっちに来てから初めての回収だよ」
声に目を向ければ毛皮が赤っぽい人語を話すオオカミがいて。
あ、アルフさんじゃないですか。オッスオッス。
無印では大人のお姉さんっぽい登場したのにA's以降はロリ獣人少女になってる薄い本が少ない獣人。
「これで母さんも喜んでくれるかな。暗くなってきたしとりあえず今日の探索は切り上げて母さんが持たせてくれた宝石を換金して近くのホテルに泊まろう」
「やった。フェイト、あたし肉食べたいなー」
瞬き始めた街頭を見ながらフェイトさんが言う。その発言の中にあった不穏なワードに俺の中の知識が待ったをかけた。
宝石を換金して近くのホテルに泊まる。
母さんが持たせてくれた宝石。
これって子供だからって宝石を安く買いたたかれてホテルに宿泊できなくて、男たちに体を差し出すフェイトさんとアルフっていうエロ同人フラグでは?
さらに言うと某同人誌では母親のプレシアがフェイトに偽物の宝石を渡してたという胸糞エピソードだったような。
二次創作の記憶だがこれ完全にエロ同人で見た流れだ!
「待った! 待った待った! そこの君!」
俺は立ち去ろうとするフェイトさんに対して慌てて待つように言う。
「え、何? 残念だけどこの宝石は大切なものなんだ。今更返せって言われても」
「それは差し上げますからそうじゃなくて!」
驚いた顔をするフェイトさんに今にも唸り声をあげそうな不機嫌なアルフ。
でもね、このまま放っておくと君たちのほうが危ないんだよ。
「その宝石をあげたからには俺は君にお礼をしてもらえる権利があると思うんだ」
俺は何とか少女が安全に一夜を過ごせるような方法を頭を回転させながら言葉を紡いでいく。
そもそも子供だけでホテルに泊まるという発想自体がおかしいのだ。
一般的な経営理念のホテルならまず断られるだろうし、ちょっとアングラなホテルでも2桁いかない少女が1人でいたら警察に通報するくらいには日本の治安はいい。
だったらネカフェか? いや、ネカフェも午後9時以降の18歳以下の入店は断っているし、どの道フェイトさんの見通しには無理がある。
現地の協力者の家に泊まるという都合がいい展開でもない限り。
「そうだね。確かにお礼は必要かもしれないな」
「フェイト⁉ こんな奴の言うことなんかきく必要ないよ!」
よし、食いついた。俺は緊張しながら用意した言葉を出す。
「とりあえずこの宝石1つでどうかな? 売れば結構なお金になると」
「俺の家で一緒にご飯を食べてくれませんか」
懐からプレシアが持たせた緑色の宝石を出そうとしていたフェイトさんは俺の言葉にぽかんとして固まった。
「え?」
「俺の家、このすぐ近くなんだけどどう? 今なら食後にお風呂と温かい布団もついてくるよ!」
目で問うてみればフェイトさんは瞬きを3回。それから考えるように顎に手を当て始める。
「フェイト⁉ こんな奴なんか放っておいて行こうよ」
「いや、母さんからもらった宝石も無駄にできないし、それで済むなら別に受け入れても……」
「フェイトは世間知らずだから! このオス、絶対いやらしいこと考えてるに違いないよ! やめようよ」
なんだとこの野郎。
俺はアルフをにらみつける。そんなことなんてほんの少ししか考えてないぞ。
「ちなみにうちの父さんの料理の腕はピカイチだよ。この間作った骨付きのスペアリブなんてほっぺたが落ちるくらい柔らかくて甘じょっぱいソースが最高の料理だった」
だが俺の言葉を聞いて「骨付き肉……」とよだれを出しながら舌を出すアルフ嬢。
ふっ、勝ったな。あとはこのクールに見えるけど天然で世間知らずのお嬢さんだけだ。
「どうだろう? 君としても無駄にお金を使う必要がない宿泊先は歓迎すべきものだと思うんだけど。それに君くらいの年齢の女の子がホテルに1人で泊まろうとしても門前払いされるだけだと思うよ」
「そうなの?」
俺の突きつけた事実に驚いた顔をするフェイトさん。そういうところが世間知らずなんだよね。
まあ、バリアジャケット着て住宅街歩いてる時点でこの世界の常識なんて知らないんだろうけど。
結局10分ほど悩んだ末フェイトさんとアルフを俺の家へ案内することに成功した。
息子が見知らぬ女の子を連れてきたことに最初両親は驚いていたが、俺が事情(だいぶ捏造したけど大体本編通りのフェイトさんの家庭環境)を説明して数日泊めてほしいとお願いしたところ快くうなずいてくれた。
さすが持つべきものは理解ある父母である。
連絡しなかったので肉料理がないことにアルフは念話でぶつぶつ不満を言っていたが、それ以上に驚くべきことがあった。
なんとフェイトさんが食事中に泣き出したのだ。
何か嫌いなものがあったのか? 身体の調子が悪いのかと男2人は慌てたが母親が冷静に抱きしめなだめることで事なきを得た。
その後拍子抜けするほどフェイトさんはおとなしく母さんと一緒に風呂に入り髪をドライヤーで乾かされ念入りに手入れされてたよ。
あの涙はなんだったのか。原作に変な影響与えてないよね?
その後俺は最初に建てた目標もむなしくがっつり原作に関わっていくことになるのだが。
この時はまだ知るよしもなかった。
なのフェイまであと6話