無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版) 作:百男合
修学旅行に行きました。
StrikerSの重要イベント、空港火災に遭遇しました。
なのはさんだけでなく陸戦魔導士にも活躍の場を作った主人公。また原作壊したんか?
キャロの属性魔法の才能開花がすごすぎる。
5歳にして火、水、風、雷、地の5つを習得していた。
これには教師であるプレシアさんもにっこり。才能があるとほめていた。
本人は雷魔法が得意になりたいらしいんだけどね。フェイトさんとアリシアが得意な魔法だから。
竜召喚の魔法にも順応してきていて、ついこの間巨大化した龍が森にいたので何事かと思ったらキャロが召喚したフリードリヒだった。
これ、原作より強くなってない? 大丈夫? また原作壊してない?
原作壊したといえばスカリエッティ陣営にいた騎士ゼストさん。今も普通に管理局にいます。
いや、違うんですよ。
クイントさんを生かそうとしたら必然的にあの3人を生かすことにつながるわけで。
なのでゼストさんと部下のネガーヌさんは普通に管理局で働いてます。
これ、スカリエッティ陣営どうなるんだろう。ルーテシアとガリューもいないだろうし、ドローンとナンバーズだけで戦うんだろうか?
あ、あとティアナの兄のティーダ君、死んでません。
ムラサメデバイスが管理局で広まったおかげで業務がホワイト化。無茶な任務で死ぬことがなくなったというのが俺の予想だ。
となるとティアが執務官を目指す理由がなくなるんだが、暴走フラグも同時に無くなるんだからヨシ!
よしということにしてください。お願いします。
これ以上原作を壊したという事実を直視したくないんです。
あ、アギトは異世界にいたのを回収してシグナムに預けておいた。
最初ゼストに渡すべきか悩んだんだけど最終的にシグナムとユニゾンするからね。慣れるなら早い方がいいだろう。
助けた俺のことを「主」と言ったことにムラサメがブチギレていたが。
どうやら俺のことを「主」とか「マスター」と呼ぶのはNGらしい。
難儀なデバイスだよ全く。
そんなある日、うちのデバイスが『お話があります主』と神妙な顔で言ってきた。
なんだと尋ねてみたらデバイスが欲しいらしい。
おおっ、ようやく自分以外のデバイスを俺が手にすることを受け入れたか。
と思って話を聞いてみるとどうも違うようで。
『私の人格をゴーレムタイプのデバイスに移植してください。今よりも主に尽くすことができるはずです』
「それはゴーレムタイプのデバイスが世間で何と呼ばれているか知っての言葉か? ムラサメ」
俺の言葉に迷うことなく答えるムラサメ。
『高級ダッチ〇イフですよね。理解しています』
こいつ、わかってて言いやがたのか。
「だったらわかるだろう。ゴーレムタイプのデバイスを俺が持たない意味が。それともお前はマスターを社会的に殺したいのか?」
『主はゴーレムマイスターなのですから世間の声など無視すればいいのです。むしろ我々が世間の声など払しょくするイメージキャラクターになればいいと愚考します』
ああ言えばこう言う。
というか、今私「達」っつったか?
『ドゥー、トロワ、フォウには話を通しています。とりあえず4体のゴーレムタイプのデバイスをご用意いただければと』
「待て待て待て」
1人で話を進めるデバイスに、俺は待ったを突きつける。
「まずゴーレムタイプのデバイス。買いません。理由はさっきも言ったな? で、なんで他の3体にまで話がいってんの?」
『私と同じ悩みを持っていたので。主をもっと助けたいと』
その心意気は嬉しい。嬉しいんだけどさぁ。
「その場合、俺はどのデバイスを使えばいいんだよ」
『問題ありません。戦闘の際は今のデバイスに意識を移してご一緒しますので』
「意味ねーじゃん!」
なんだ。つまりボディが欲しいってだけかお前は。
『だってずるいじゃないですかアインスだけ元デバイスなのにボディを持って! 主に髪を整えてもらったり、腕を組んで歩いたり、膝枕したり、恋人つなぎしながら波打ち際を歩いたり!』
待て、最初の方はともかく腕を組んで歩いて~からは完全にお前の妄想だろう。
『予算は主の収入から考えれば十分な余裕があると演算ができています。買いましょう、ゴーレムデバイス。さあ、さあ、さあ!』
とりあえず俺はムラサメを待機状態のリストバンドにして話を封じておいた。
こいつ、戦闘以外だとろくなこと言わん。
しかしゴーレムタイプのデバイスか。今の俺なら作れるかもしれん。
とりあえず1体。試行錯誤して作ってみた結果、できてしまった。
ゴーレム型デバイス1号である。
これに父さんのドゥー・ムラサメのデータを入れてと。
『おはようございますマスター。この度は僕のおねがいを受け入れてくれて感謝するよ』
とハスキーな声で話しかけてきた。
うん、まずは見た目をどうにかしないとな。今の見た目はまんま先行者だから。
とりあえずクレイゴーレムで体を覆ってGQuuuuuuXに登場するドゥー・ムラサメの等身大フィギュアを錬成してみる。
うん、瞬きしない以外は本物そっくりだな。これなら問題ないだろう。
俺はできたその日に父さんと母さんに紹介。桜の育児のサポートに存分に使ってくれとプレゼントした。
「シロウ、お前……」
「シロウ、お母さんあなたの性癖を否定するわけじゃないけどこれは」
違います。ゴーレム型デバイスだからって早とちりしないでください。
俺の説明に両親は「なあんだそんなことか」と笑っていたが陶器みたいに瞬きもせず冷たいドゥー・ムラサメに桜ギャン泣き。仕方ないので桜の育児の事以外で役に立ってもらうことになった。
「シロウ、母さんからもお願いなんだけど……」
母さんたってのお願いでトロワ・ムラサメにもゴーレム型デバイスのボディを作ることになった。
トロワは男性型だからね。ダッチ〇イフ扱いされることはないだろう。
まあ、使うのは母さんなんだがと、俺はゴーレム型デバイスにガ〇ダムWのトロワ・バー〇ンをモデルにしたクレイゴーレムを錬成して着せる。
これで母さんの育児と仕事も楽になるはずだ。
『どうして私のボディは作ってくれないのですか主ぃ』
と恨みがましそうなアン・ムラサメ。
だってお前だけ私欲じゃん。それにフォウのボディーも作らないぞ。
八神家はもう充分エンゲル係数高めだからな。これ以上家族が増えたらキャパオーバーだろ。
『ゴーレムに食事は不要ですが』
あ、そうか。じゃあはやてさんに御手伝いメイド欲しいですか? って聞いてみよう。うまくいけば今年の誕生日プレゼントそれで乗り切れるかもしれん。
ついでにプレシアさん用に作業用ゴーレムメイドフィフス・ムラサメを新たに作りお試しということでしばらくテスタロッサ邸で使ってもらうことになった。
反応は上々で、娘がいないときにお茶の話し相手になってくれているらしい。歳を取ってつらくなってきた掃除や洗濯も任せられるんだとか。
いやー、いいことしたら気分がいいなぁ。
一時期Sランク娘が俺を見る目は氷点下だったけど、フィフスがメイドとしてちゃんと働いているところを見ると徐々に氷解していった。
俺、そんなに生身の人間に興味がないように見えてたのかなぁ。すごいショック。
アリシアだけはそんな俺のことを慰めてくれたけど。うう、本当にこの娘は癒しだよ。
誕生日プレゼントはいいものを贈っておこう。
で、アリシアの誕生日。何が欲しい? 錬成で作れるもの何でも作ってあげるよ?
と言ったら笑顔で「しろうとのペアリング!」って爆弾を落としてくれた。
15歳の誕生日にそれって逆告白じゃん。
この娘のことだから深い意味は考えてないんだろうけどさぁ。
しかし言ってしまったものは仕方ない。俺はアリシアの指のサイズを測り、炭素を化学変化させてダイヤのペアリングを作って渡した。
迷いなく左手の薬指にはめようとしたので別の指でお願いしますと土下座してお願いした。
威厳? 社会性? 知るかそんなもん。この指輪が薬指にはめられたら俺の人生終了するビジョンが見えたんだもん。
で、続いてのフェイトさんの誕生日。同じくペアリングをご所望されました。
あの、普通の指輪じゃダメなんですか? あ、ダメ。アリシアと同じダイヤの宝石を希望と。
仕方なく錬成。アリシアが中指、フェイトさんが人差し指のペアリングとなった。
それについて「やるねー色男」とシイナさんがはやし立てる。やめてください。本気でピンチなんですよこっちは。
6月になりはやてさんの誕生日。一家に一台必須のゴーレムメイド、フォウちゃんのボディで勘弁してくださいと頭を下げたが「イ・ヤ・や」とアリシアとフェイトさん同様ペアリングを作ることを求められた。
断ろうとしたけど守護騎士とアインスさんの圧がすごいのよ圧が。
泣く泣くはやてさんとのペアリングを作る俺。これで左手の5分の3が指輪に支配されてしまった。
以前から、以前から何となく思ってたけど……いや、何かの間違いだろうと心の中で否定してきたけど。
ひょっとして、この3人。俺のこと好きなの?
いや、あり得ないとはわかってるんだよ。こんなモブのこと好きになるなんてって。
でもさぁ、15歳の誕生日に「指輪頂戴」は告白と同義じゃん! ミッドチルダの法を知ってる身からしたら。
どうして俺なんかが、という疑問が浮かぶ。もっといい男は管理局にも学校にもいるでしょうにと。
俺なんて生きるために必死で物語に介入したモブに過ぎないんですよ。
そんなののどこに惹かれるっていうんだ!
『主、主は己のことを過小評価しすぎだと思われます』
俺が1人、左指にはまった指輪を見ながら黄昏ているとムラサメが語り掛けてきた。
『主はすごいです。ゴーレム錬成の画期的な発明、Gメモリを作り出し、プレシア・テスタロッサの目的のためにジュエルシードを収集し、ご自身の家族とアースラの全面衝突を回避しました」
ああうん、そんなこともしたね。
『そして闇の書事件。主はわざと管理局の敵となる立ち位置となり八神はやてのために魔力蒐集に奔走し、闇の書の完全掌握という方法で暴走した防衛システムを停止させました。ただの一般魔導士にはできないことです』
「それはお前がいればこそだろう。お前が居なかったら俺なんてBランクの魔導士だぞ」
『そのランクの問題を破壊したのもあなたです。Gメモリは今や管理局のみならず世界中に広まり、足が動かなくて困っていた人や魔力量が少なくて満足に戦闘に参加できなかった一般職員、格闘技を目指す若者へと多大な貢献をしています。全部、あなたがやったことです』
「あー、そうそう。そのせいで裁判にかけられたりマテリアルズに襲われもしたなー」
『いずれもあなたの危険性を見抜いた一部の者たちの暴走とも取れますが、危険視されるほど主が有能であったという証明でもあります。それに、マテリアルズはあなたが居なければ聖王教会に保護されることなく管理局でモルモットになっていたかもしれません』
「どうした? 今日はいやによくしゃべるな。そしてよくそんなに褒める言葉が見つかるもんだ」
『あなたが自分の価値を正確に理解してないからです!』
と俺のデバイスは言う。そう言われてもねぇ。
『EXSEEDSや管理局でも私を、いえ、私を作ったあなたの功績がなければ数多くの人間が死んでいたかもしれません。テロを防いだのも、蔵木のセーフハウスや本拠地を見つけたのも、みんなみんなあなたのおかげです。それに管理局の不正を暴き、健全化に一役買ったのもあなたの功績です』
「いやいや、それはムラサメ。お前の手柄だろう」
俺の言葉にフリーズしたかのように沈黙するムラサメ。なんだその態度は。
『私の功績はあなたの功績でもあるのです。私を生み出したのはあなたなのですから。だから、もっと胸を張ってください。あなたは特別なんです。私を生み出した、あの日から』
どうしたムラサメ、お前変な物でも食ったか?
いや、デバイスは物を食わないな。ってことは致命的なバグが……。
『もし私に体があったのなら思いっきり主を殴れるのに。ボディーがないことが悔やまれます』
とムラサメ。こいつ、製作者に手を上げる気でいやがる。
ロボット3原則はどうした? 教えはどうなってんだ教えは!
『とにかく、自分なんか、とか自分みたいな、とか自分を卑下する言葉は今後一切禁止します。主や主を取り巻く人間皆がそう思っています。以上です!』
と言うとリストバンド状の待機モードに戻ってしまった。
なんだあいつ。どうしてあそこまで必死に俺のことを持ち上げるんだ?
まあ、マスターだからなんだろうな。きっと。Sランク4人娘と比べると俺は間違いなく凡夫だ。
それを気遣ってくれるのは嬉しい。嬉しいんだが……。
分不相応なんだよなぁ。俺があの4人の隣を歩くなんて。
ただ必死にやってきた。生き残るために。
ただ必死にあがいてきた。物語を成立させつつ抜け穴をついて多くの人が幸せになるために。
その結果がこれだよ。この指輪は10年後にはきっと黒歴史として捨てられるに違いない。
10年後と言えばvividの頃か。俺、それまで生き残れるかなぁ。
生き残れればいいなぁと思いながら俺はこれから起こる問題について頭を悩ませるのだった。
アリシア「ふんふふーん」ご満悦
フェイト「えへ、えへへ」ご満悦
はやて「んふー、ええもんやねこれ」ご満悦
なのは「ぐぎぎぎ」
アリシア「あれ? なのはどうしたの?」
フェイト「顔が怖いよなのは」
はやて「そんなに奥歯をかみしめて。どうしたんや?」
なのは「ううん、なんでもないの」
なのは(これ見よがしに指輪を見せつけてきて―! いいもん! 私も誕生日に司郎君におねだりするもん!)
フェイト「それにしても姉さん、考えたね。ペアリングなんて」
アリシア「うん、これでしろうは売約済みだってみんなに伝わるでしょー」
はやて「せやな。悪い虫がつかへんやろ」
フォウ・ムラサメ「おねえちゃん、お茶が入ったよー」
はやて「おう、フォウちゃん。ありがとうな。イヤーいいもん作ってくれたで司郎君は」
なのは「自分が1番最初に「ついに高級ダッチ〇イフに手を出しよったか司郎君」って言ってたくせに」
はやて「そ、それはもうええやんか。誤解だってわかったし」
アリシア「わたしはしろうのこと信じてたけどね」
フェイト「そうだね。偉いね姉さんは」
アリシア「フィフスには私たちがいない間キャロやママのことを助けてもらってるし感謝しないと」
なのは「本当に、司郎君には感謝させられるの」
フェイト「私なんて会った時からずっとだよ。司郎には感謝しかない」
はやて「それを言ったらうちもや。みんなもそうやろ?」
頷く4人。
アリシア「この気持ち、しろうに伝わってるといいなー」
伝わってないです。残念ながら。