無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版) 作:百男合
ホテル・アグスタのロストロギアオークションに護衛として参加。女の子になっちゃう~。
案の定襲われるオークション会場。
敵として現れた銀髪の女性ナンバーズ。一体何者なんだ……?
「ロストロギアを盗んだのはこの
はやての言葉に写真が表示される。
顔だちがフェイトとアリシアに似た、銀髪の長い髪をした少女だった。青い瞳が特徴的である。
「防衛班は彼女の追跡ができたんか?」
「ごめんなさい、はやてちゃん。こちらもドローンとの戦闘で追えなかったわ」
防衛隊のリーダーであり責任者のシャマルが頭を下げる。
会場の警護に当たっていたスバルとティアナたち含む防衛隊は突如現れたドローンにより混乱。戦闘に突入し会場から女が消えたことにすら気づかなかったらしい。
「そっかー。それはしゃーない。切り替えていこう」
「はい!」
責任を追及するのではなく次の任務を与えることで失敗の切り替えを促すはやて。
「で、真木副官。今回の敵が使ったGメモリについてやけど」
はやての言葉に真木司郎は現場から回収したGメモリを取り出す。
「これは俺が昔研究段階で破棄したデータをもとに作られたGメモリです。ブルーディステニーは人間には耐えられない。α・アジールはでかすぎて弱点を狙われやすい。バエルは単純に丈夫さ以上に誇る戦闘手段がないからボツにしました」
その言葉に「私を襲ったゴーレム、弱かったんだ」と1人ショックを受けるアリシア。
「いずれにせよ研究データは破棄しましたし、この世に存在するはずのないものです。残っていたとしても削除したデータが俺のムラサメデバイスにのみ。しかしムラサメネットワークには厳重なプロテクトがかけられてます」
『その通りです。私と妹たちのプロテクトを破るのは困難と言えるでしょう』
司郎の言葉にムラサメが答える。
だが実際にそれが存在するわけで。
「ムラサメ、俺の研究データにアクセスした痕跡は?」
『ありません。あっても私たちがすべてはじいて守ってます。主の研究はなにより重要なので』
「その王さんなんやけどなぁ。めっちゃ不思議なこと言うとったわ。マスターって」
すっとはやての目が鋭くなる。
「なんでもなのはちゃんたちのことを薄汚い雌猫とか、散々言ってくれたみたいや。で、フェイトちゃんの生まれや通った学校まで仔細に言いよった。それこそ私らしか知らんようなことを」
そう言うとはやては司郎の持つデバイスをにらみつける。
「アンちゃん。ひょっとしてこの娘の事知っとんのと違う?」
「ちょっと待ってください。ムラサメが……アンが彼女に情報を流したと?」
司郎の言葉に「その可能性が高いだけや」とはやては言う。
『そんな。あり得ません。私の主への忠誠を疑うのですか?』
「疑ってへん。だからこそや。今回の事件、君が関わってるのは間違いないと私は思ってる」
「じゃあ、どうするんですか? ムラサメデバイスは今や管理局にはなくてはならない存在なのに」
司郎の言葉に誰も何も言えなかった。
確かに今回の事件、アン・ムラサメは黒寄りのグレーだ。
だが、ムラサメデバイスがないと管理局が立ち行かないのは今やだれもが知る事実であり、それを停止するのは現実的ではないように思われた。
「せやから、疑いが晴れるまでアンちゃんにはムラサメネットワークにつなぐことの禁止。真木副官もGメモリを使った戦闘を禁止することを言い渡します」
「待って、はやて。それは」
「司郎君を信じてないの⁉」
フェイトとなのはの言葉にはやては首を振る。
「信じとるからこそや。今回の事件、今はこの課が詳細を知っとるだけやけどいずれ陸全体で情報を共有することになる。その時、君らの身の潔白を証明する必要があるんや」
だからしばらくムラサメネットワークなしで業務をしろということだろう。
「わかりました。それで俺とアンの無実が証明できるなら」
「しろう!」
アリシアの悲鳴のような声。真木司郎は目の前でムラサメの設定画面を開き、ムラサメのネットワーク設定をオフにした。
それにはやては頷き、みんなに言う。
「以上で今回の報告は終わりや。みんな、今日も頑張っていこうな!」
えー、どうも。真木司郎です。
とんでもないことになりました。
まさかGメモリを使った犯罪が起こるとは。
それを使った相手が俺の使うアン・ムラサメと深いつながりがありそうというのもマズイ。
なぜなら体外的に見れば俺がムラサメネットワークを使って悪いことしてるように見えるからだ。
俺、被害者なのに。という発言は意味をなさない。
なぜなら「デバイスが勝手にやったこと」という言い訳が通じないからだ。
基本的にデバイスって所有者の所有物扱いなんだよね。
だからデバイスのAIが暴走してもすべての責任は所有者にあるわけで。
もし件の犯人がGメモリを使ったゴーレムで管理局を襲ったりムラサメネットワークを悪用して悪さしても俺の責任になりかねないってわけ。
なぜならGメモリもムラサメネットワークを構築するムラサメも俺が発明したものだから。
「最悪、俺1人の首で済むかねぇ」
1人つぶやきながら食堂へ向かっているとムラサメが言葉を発する。
『主、あの時は言いませんでしたがあの王・M・スウィートの顔はムラサメネットワークスレッド621【安価でマスターの好みの女性作ろうぜ!】に書き込まれた女性の特徴と一致していました』
馬鹿、馬鹿ま〇こ! なんでそんな重要なことをあの場で言わなかったんだよ!
思わず懐かしのみさくら語が出ちゃったじゃないか。
『言ってほしかったんですか? 主の性癖がモロバレになりますが』
言わんでよろしいです。はい。
『思うに、目撃された女性というのはムラサメネットワークにアクセスできる能力を持つ存在であると思われます。だから、主の発明品のデータも入手できた』
「それは俺も考えたよ。でも、できるか? お前たちの防衛をかいくぐってピンポイントでデータを抜き取ることが」
俺の疑問に『無理ですね』と即否定するムラサメ。自分たちの防衛力に絶対の自信があるらしい。
『そこで発想の逆転です。この事件、人間には無理です。なので人間ではない存在の犯行ではないかと』
え? どういうこと? 教えてムラサメ先生。
『私と同じ存在。上位権限を持つムラサメシステムであればすべて説明がつくのです。ですが、ドゥー、トロワは地球に、フォウは八神家にいてそんな行動をしたログは一切ありません』
「つまり、上位存在が新しく作られたと」
確かにスカリエッティ博士ならそんな存在作れそうだけどね。
でも、だったら人間の身体を持つ必要がないと思うんだけど? そこんところはどうなのムラサメ先生。
『確かにその通りです。情報生命体なら身体を持つことはむしろマイナスです。何よりムカつきます』
ほう、その心は?
『私だってボディがないのに後から出てきたぽっと出の存在がボディを持ってる上に上位者権限を持ってるだなんて。ずるいじゃないですか』
あー、なるほど。私怨ね。
そんな会話を念話でしながら食堂へたどり着くと珍しい人物とかち合った。
「おや、お久しぶりです騎士ゼスト」
「司郎……いや、今は真木副官か」
原作ではスカリエッティ博士陣営にいる騎士ゼスト。この世界では管理局で働いてます。
せっかくなので同席をお願いするといいとの返事。同じテーブルに着く。
「どうだ、新人は」
「順調に育ってますよ。変に無理したりせずオーバーワークのしっぺ返しを食うこともありません」
俺の言葉にそうか。それはいいことだとゼストは言う。
「時期的に見ればそろそろだからな。まあ、お前の課の人間なら大丈夫だろう」
「そろそろとは?」
嫌な予感がしながら俺は尋ねる。
「ああ、教育する上官との折り合いの悪さから暴走して新人が問題を起こす時期だ」
その言葉に冷や汗が出る。
確かにティアナが暴走したのも今頃なんだよなぁ。
あれは凡人として人一倍頑張らないとと成果を焦ったティアナと基礎をじっくり教え込みたいなのはさんとのすれ違いから起きた不幸な事故だった。
この世界ではティアナの暴走フラグは折れてるし、原作では不足していた教官とのコミュニケーションもしっかり行えてるはずなのでそういった問題は起こらない。
起こらないはずだよね?
そんなことを考えながら、俺は騎士ゼストに言う。
「実は、ジェイル・スカリエッティが関わっているかもしれない事件を今担当してまして」
まあ、原作を知ってると100%関わってるんだろうけどね。まだ確証がない。
俺の言葉に目が鋭くなるゼスト。
「いずれ、あなたとメガーヌさんにも協力を仰ぐことになるかもしれません。その時は、お願いします」
「心得た」
さすがゼストさん。短い返事で了承してくれた。たよりになるー。
あ、ちなみにメガーヌさんって言うのはルーお嬢様ことルーテシアの母親のメガーヌ・アルピーノさんの事だよ。この人も普通に管理局で働いている。
引退したのはスバルとギンガの母親のクイントさんだけだ。
それから俺はゼストと一緒にご飯を食べて機動六課に戻った。
ん? フォワード陣が何か騒がしい。なになに? なにがあったの?
「今からなのちゃんとスバちゃんとティアちゃんが模擬戦やるんだって」
とシイナさん。見ればライトニングのフェイトさんとエリオ、キャロは戦闘がよく見えるかぶりつき席こと再現された街並みで観戦している。
『主?』
「いや」
万が一だよ。万が一ね。
俺、Gメモリの使用も禁止されてるから万が一なのよ。
俺はいざという時すぐに介入できるようにフェイトさんたちのいる戦闘区域の街並みに向かうのだった。
戦闘訓練は、あくまで普段の訓練が戦闘に生かされているか見る場所である。
決して勝ち負けで喜ぶケンカの場所ではない。
高町なのははそう思っていた。
だが、今高町なのはは穏やかならざる気分になっている。
1つは先日の事件。
ブルーディスティニーのゴーレムに追い詰められたこと。
司郎以外の敵にあそこまで追い詰められたのは初めてだった。それが彼女を過敏にさせている。
2つ目は新人の健闘。
なのはの弱点を着実に見抜き、追い詰める戦法をとってきた。
いつものなのはなら「頑張ってるな2人とも」と感心していただろう。
だが、先日追い詰められた記憶からなのはは別のことを考えていた。
(倒さなきゃ)
もう2度と追い詰められてはいけない。彼以外に追い詰められるなどあってはならない。
そんな焦りが予想外に手強い新人たちのコンビネーションに苛立たさせる。
「くっ」
4枚張った防御壁が1つ破られた。ティアナの射撃によって。
原作とは違う、無理な戦術で自身を犠牲にしない堅実な基本を押さえた銃撃。
(邪魔だなぁ……)
つい、殺意が漏れる。イライラがたまり、いけないと思いつつも頭の中でティアナを無力化する方法を考えてしまう。
「はぁあああああ!」
そこへスバルのストライクアーツの直撃である。
防御壁がまた1つ破られ、パニックに近い衝撃がなのはを襲った。
今は実戦訓練中。本気の勝負じゃない。
頭の中ではわかっていた。
だが数々の戦いで覚えた身体はそうはいかない。最適の行動をとり、スバルが攻撃を放つと同時にバインド魔法をかける。
(ダメ! ダメなのに!)
高町なのはの精神状態は異常があった。
それは先日の敵との戦闘の記憶が抜け落ちていなかったこと。
もう1つは敵に追い詰められた恐怖から抜け出せていなかったこと。
それが合わさり、最悪の行動をとってしまう。
肉薄したティアナの乱射。それによってまた防御壁が破壊される。
追い詰められたと思った身体は意識に反して行動してしまう。
「バインド」
銃を構えたティアナがバインドに捕らえられる。
その顔に浮かぶのは困惑。そして恐怖だった。
「ディバインバスター」
「ティアー!」
放たれた魔法はティアナに向けて一直線に向かっていく。
『アカツキ!』
それに割って入ったのは金色のゴーレム。
盾を構えた司郎がディバインバスターからティアナを守り、茫然とするなのはの胸ぐらをつかんだ。
「なにを、なにをやってるんですか高町さん⁉」
その言葉になのははデバイスを手放し、涙を流すのだった。
「さて、なんでここに呼ばれたかわかってるよな」
はやてさんの言葉に尋問室に呼ばれた俺は椅子に座り頷く。
「俺が禁止されてるのにも関わらずGメモリを使ったからです」
「ちゃう。いや、それもあるんやが……なのはちゃんの精神状態がおかしいことに気づいてたのに私らに黙ってたことや」
その言葉に、あ、そっちかぁと俺は心の中で手を打つ。
「すみません。そっちの方は完全に勘でした。嫌な予感がしたので」
「なんにせよ、情報を共有してほしかったわ。そしたらフェイトちゃんにも動いてもらえたのに」
昼間の実戦訓練での出来事は、「訓練中につい指導役がつい本気になって訓練生に手を出してしまった」というよくある事故であった。
問題はそれを誰も彼女が起こすとは考えていなかったこと。そういう事態に割って入る人間がいなかったことだった。
「おかげでスバルとティアナは無事。2人とも君に感謝しとったで」
「それで、高町さんは今」
俺の言葉にため息をつくはやてさん。
「シャマルにメンタルケアしてもらっとるわ。あの時パニック状態とはいえ新人2人に本気の魔法を放とうとしたことが相当ショックみたいでな。君が止めんかったらもっとひどかったやろ」
そうですか。手を下す前で本当によかったです。
「そんなに、ひどかったんか昨日の敵は」
「ええ。ブルーディステニーは別格です。俺がこのメモリを破棄した原因がこれをゴーレムに使って大量投入したら敵に甚大な被害を与えるからです」
俺の言葉に興味深そうな顔をするはやてさん。
「あのメモリを使ったら最後、狂戦士集団の出来上がりです。素のスペックで高町さんを追い詰めるってだけでどれだけヤバイかは理解していただけるかと」
「つまり、相手は君が危険視した戦法をとる可能性もあるってことか?」
はやてさんの言葉に俺は首を縦に振る。
ブルーディステニーの集団襲撃なんて悪夢でしかない。一体何人の管理局員が狩られるのか。
「とりあえず、なのはちゃんにはしばらく休暇をとるように言うとくわ。訓練はヴィータに引き継いでもらう」
「その方がいいと思います。というか、教官に隊長と潜入捜査員と働かせすぎなんですよ高町さんもテスタロッサさんも」
俺の言葉に「すまんな」と言うはやてさん。わかったなら働く環境を改善してよ!
原作と違ってマテリアルズとかシイナさんたちいるんだからね!
俺がそう言うと「ほんまにすまん」と謝るはやてさん。
ええんやで。君の失敗は俺の失敗だ。
間違えたら改めればいい。それがはやてさんの仕事だ。失敗は全部俺が持っていく。
『主、そうやって甘やかすのは彼女のためにならないかと』
うるさいよムラサメ。それに俺は甘やかしてないぞ。
部下として上司を支えてるだけだ。
「とにかく、しばらくスターズとライトニングは新人育成に注力し、実働部隊はオーシャンとビショップの2組に任せることにします。いいですか、真木副官」
「了解しました。八神室長」
「それとGメモリを使った命令違反の件ですが、減俸3カ月とします」
まあ、妥当だろう。俺も覚悟してたしね。
「了解しました」
そう言って尋問室から出た俺を迎えたのはなのはさんだった。
「あ、あのね司郎君。ごめん、本当にごめんなさい!」
頭を下げるなのはさんに謝る相手が違うと俺は厳しく言う。
「スバルとティアナには先に謝ってきたの2人とも許してくれて。でも、司郎君が止めてくれなかったらと思うと」
「止められたんならよかったじゃないですか。しばらくシャマル先生の元に通ってメンタルケアにつとめてください」
突き放すような言い方になっちゃったけど、これも彼女のためだ。
ここで俺がくどくど文句を言ったり慰めても彼女のためにならないからな。
俺の言葉に「はいなの」と頭を下げるなのはさん。うーん、落ち込んでるな。
フェイトさん、フェイトさん。嫁のピンチですよ。
彼女を慰めてあげてと念話で会話するとフェイトさんがなのはさんを連れて機動六課を出て行った。
ここからは濃厚ななのフェイタイムだから見せられないよ! 俺は見るけど。
こうして管理局の1日が過ぎていった。
ティアナ「」(ぽー)
ギンガ「あれ、どうしたの?」
スバル「模擬戦からずっとあんな調子で」
ティアナ(なのはさんの攻撃魔法から守ってくれた真木副官、王子様みたいだったなー)
ギンガ「ティ、ア、ナ、ちゃん♡」
ティアナ「ひゃ、ひゃい!」
ギンガ「攻撃からかばわれてドキっとしちゃった?」
ティアナ「め、めめめ、滅相もない!」
ギンガ「うんうん、わかるよー。かっこいいよね真木副官」
ティアナ「だから違いますってぇ!」
ギンガ「でもそのこと、なのはさんやフェイトさんたちの前で言わない方がいいよ」
ティアナ「え?」
ギンガ「売約済みだってわからせられるから」(一敗)
ティアナ「は、はぁ……」
ギンガ「特に薬指以外左手にはまってる指輪について聞いちゃダメ。六課が戦争になるから」
ティアナ「嘘ぉっ⁉」
ギンガ「比喩じゃなくて本当にね。なのはさん、フェイトさん、はやてさんが本気で模擬戦したら管理局が無事で済まないからね」
スバル「ギン姉、嘘でしょ?」
ギンガ「嘘じゃない。マジよ。それくらい大事になるのよ」
一方その頃の司郎君。
司郎「ヴァイスさん、ヴァイク錬金して新しく作っておいたよー」(仮面ラ〇ダーカイザのモンスターバイク)
ヴァイス「こんなのヴァイクじゃねぇ!」
司郎「こっちのほうがよかった?」(仮面ラ〇ダーファイズの人型になるバイク)
ヴァイス「違う、違うんすよ副官。ヴァイクっていうのはもっとこう! アレなんですよ!」