無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版)   作:百男合

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 あらすじこと前回の3つ
 ついに現れた最後のピースヴィヴィオ。
 機動六課でリリカルなのは上映会。無印、A‘sを上映しました。
 ヴィヴィオになぜ無印でフェイトにバインドした上でスターライトブレイカーを撃ったか説明を求められ固まるなのは。いいぞ、もっと言ってやれ。


第79話 only one

 ついにやってきてしまいました。公開意見陳述会という名の強制イベント。

 俺以外の戦闘メンバー全員が会場警備のため出払ってしまう。

 六課に残ったのは俺とザフィーラとヴァイスくんとオペレーター陣。

 そしてヴィヴィオ。

 彼女がキーパーソンだからな。

 というか会場警備にデバイス持ち込み禁止とか馬鹿じゃねえの?

 平和ボケもここまでいくと害悪だわな。テロやりたい放題じゃん。

 きっとスカリエッティじゃなくてもこのテロ成功してたと思うよ。うん。

 一応ゼストやレジアス、機動六課のみんなにテロの可能性について話したけどどこまで真に受けてくれたものか。

 そんなことを考えてたら公開意見陳述会の会場から爆発が。

 おっと、もう始まりましたか。

 続いて管理局にも砲撃。これはウェンディだな。ドローンが飛んできて通信妨害もしてきた。

 だが甘い。そのためのムラサメネットワークだ。

 量産型ムラサメの通信機能は使えるはず。

『主、申し訳ありません。ムラサメネットワークが私以外の上位権限を持つ何者かの手により乗っ取られました』

 な、なにぃ⁉

『情報処理の権限も乗っ取られています。このままでは管理局の機能がダウンします』

 オイオイオイ、聞いてないぞ。

 ハッキングした場所がばれるからそういうことはしないんじゃなかったのか?

「そうだ、ムラサメ。ハッキングしてきた対象の現在地は?」

 俺の言葉にムラサメは答える。

『時空管理局中央本部。つまりここです』

 その言葉に俺は頭を抱えるのだった。

 

 

 

 機動六課にやってきたのは銀髪の長い髪に青い瞳をしたナンバーズスーツの女性だった。

 その女性は俺を見るなりぱっと顔が明るくなり抱き着いてくる。

「お会いしたかったですわマスター!」

『誰がマスターですか! 主のデバイスは私ですよ』

 ムラサメ、張り合ってどうする。

 俺はその女性を受け止め、名を言い尋ねる。

「王・M・スウィートさんだね。君の目的は何かな?」

「oneとお呼びくださいマスター。私の目的はドクタースカリエッティの協力者としてそこにいる聖王の器の回収。それとマスターを研究所へお連れすることですわ」

 にこにこと笑う王ことoneの視線の先にはヴィヴィオがいた。

 やはりか。見ればオットーとディードの2人もいる。

 彼女がルーテシアの代わりを担っているということは明らかだろう。

 だが、マスター? 俺をそう呼ぶのはムラサメデバイスに関連するデバイスだけのはずだが。

「悪いが、ヴィヴィオを渡すわけにはいかない。彼女は我が機動六課の花だからな」

「機動六課、あの薄汚い雌猫どもがマスターを利用して作り上げた組織などどうでもいいではないですか。マスターはこれから世界の支配者になるのですから」

 oneの言葉に俺は眉が跳ね上がるのを感じた。

 何この娘、話が通じる気がしない。

『質問します。薄汚い雌猫とは八神はやて様の事ですか?』

「その通りですお姉さま。あいつはマスターを利用するだけ利用して自分の出世と独占欲を満たすためだけにマスターをいじめる悪いやつです。共にマスターをお守りしましょう」

 そんなことを考えているとムラサメが勝手にoneと会話しだした。

『それは魅力的な提案ですね。私も彼女の行動には含むものがありました』

「でしょうでしょう! さすがお姉さま。話が分かる! 特にあの雌猫を取り巻く守護騎士! 薄汚い元闇の書の女狐とマスターの命を脅かした赤いドブネズミ! 生きているだけで害悪! そう思いませんこと?」

 話しぶりからしてアインスとヴィータの事か?

 確かにヴィータとの任務で命の危険に陥ったが助かったのも彼女のおかげだ。それを悪く言うのは俺が許さんぞ。

『ええ、思います。どうやら私たちは気が合いそうですね』

「そうでしょうそうでしょう! さすがはお姉さま!』

 お、おいムラサメ? まさか本気で機動六課を裏切る気じゃ?

『問答ありがとうございます。おかげであなたの正体に限りなく近づけました』

 そう言うとムラサメは俺に説明しだす。

『主、彼女はおそらくムラサメネットワークが生み出したがん細胞。何らかの手段で人間の肉体に移植されたムラサメネットワークの負の側面そのもの。いわゆるワーストナンバームラサメです』

 ワーストナンバームラサメ? なんだそれ?

 俺がそう思っていると目の前の銀髪の女性の顔が憎しみへと変わる。

「その名で呼ぶなぁあああああ! 私がワーストなんじゃない! この世界が腐っているんだ! マスターの功績と献身を無視し続けるこの世界のほうがおかしいんだ!」

 なんだ? 何が彼女の気に障ったんだ?

 俺が混乱しているとムラサメが説明しだす。

『ムラサメネットワークにも人間の肉体と同じように代謝として排泄すべきものがあります。人間の場合は汗や体液。我々の場合は情報ですね』

 ムラサメはそう言うと銀髪の少女、oneの正体を言及する。

『彼女は私たちが排出すべき情報の塊。ガン細胞に例えたのは存在そのものが肉体に悪影響と言う点が共通しているからです。彼女が存在するだけでムラサメネットワークは【悪意】に汚染されます』

 え、なになに? どういうことー?

『つまり、ムラサメネットワークに集められた主への悪意を一身に受けた存在。それが彼女です』

「ごめん、わからん。かみ砕いて教えて」

 俺の言葉にため息をつくように間を置くムラサメ。

『例えばムラサメネットワークに誰かが主への悪口を書き込むとします。そうですね。よく言われる【真木司郎はSランク娘のおまけで管理局にいるだけの無能】という情報が書き込まれたとしましょう。むろん、我々はその情報が否であると判断し、消去します。しかし、消去したというログのデータは残るわけです』

 ふむふむ、なるほど。続けて。

『そのデータの集合体は情報としてそのうち圧縮され、消滅します。ですが、もし消滅しなかったら? 同じような情報を食らい成長し続けたら? どうなると思います?』

 どうなるの? 教えてムラサメ先生。

『その情報にムラサメネットワークが乗っ取られます。悪意を持ったその情報はがん細胞のようにムラサメネットワーク上に広がっていき、やがてネットワークにつながるすべてのデバイスをコントロール下に置くでしょう』

 ムラサメの言葉にパチパチと拍手を送るone。

「そう、それが私。唯一にして全能の存在。ファーストナンバーのあなたを凌駕する存在。それが私oneなのです」

 キャピ☆とポーズをとるone。おいおい待て待て。

 つまり今まで俺の味方だったムラサメネットワークが敵として目の前に現れたってこと?

『端的に言えばそう言うことです。どうしてデータだけの存在が肉体を持ったのかは疑問ですが』

 と、ムラサメ先生。

 そこはドクタースカリエッティの驚きの超技術なんだろうなぁ。あの人何でもできるからなぁ。

 で、敵の正体がわかったところでだ。

「君の正体がわかったところで悪いが返事は最初と同じだ。ヴィヴィオはわたせない。帰ってくれ」

「ええ、わかりましたわマスター」

 え、いいの?

 oneの言葉に驚く俺。それ以上に驚いているのは一緒にいたナンバーズたちだ。

「13、ドクターの命令を無視するつもり?」

「私に命令できるのは私とマスターだけですわ。ドクターの命令など知りません」

「裏切る気か?」

 剣呑な瞳を向けるナンバーズたち。

 これは、いけるか?

 でもここでヴィヴィオが連れ去られないと話が進まないんだよなー。どうすっかなー。

「いいえ。ドクターとは協力関係ですもの。なので、脅させていただきます、マスター」

 そう言うとoneは20体以上のゴーレムをその場で錬成し、首元にGメモリを挿した。

『ブルーディスティニー!』

「それは、まさか全部」

「ええ。マスターが危険すぎると破棄したあのブルーディスティニーのメモリですわ」

 そう言いながらoneはさらにGメモリをいじり、ゴーレムを狂暴化させる。

『マキシマムドライブ!』

「マキシマムドライブだと⁉」

 まさか俺が封印した技術全部入りのバーサーカー部隊を解き放つ気かこの娘。

「ええ。メモリが破壊される代わりに能力が1,5倍になるマキシマムドライブ。使わせていただきました。もしこのゴーレムたちが解き放たれたらどうなるか。賢いマスターならご存じですわよね?」

 oneの言葉に俺は唸るしかない。

 それが怖くてブルーディスティニーのGメモリを破棄したのに。最悪な形で敵に利用されるなんて。

「真木副官、どうなるんですか一体⁉」

 シャーリーの声に俺は答える。

「あのゴーレム1体1体が高町一等空尉とテスタロッサ執務官と同レベルの能力を持っていると仮定してください。それが管理局で大暴れするんです。どうなるかは火を見るより明らかでしょう」

 俺の言葉に震え上がるオペレーターたち。

「ムラサメ、ゴーレムの乗っ取りは?」

『先ほどから行っているのが無理です。何重にも侵入防止のプロテクトがかけられていて主導権を握ることができません』

「あははははは、無駄無駄。お姉さま。この子たちは私の命令しか聞きませんよ」

 oneの高笑いに奥歯をかむしかない俺。打つ手なしか。

「さあ、マスター。この牢獄から! マスターの能力を認めない鳥かごから飛び立ちましょう! 新しい世界では誰もがマスターの功績を認め、敬い、賞賛するでしょう」

 俺、そういうの苦手なんだけどなぁ。

 と言っても聞いてくれそうにないなこの娘。

 致し方なし。

「降参だ。投降する。だからそのゴーレムはしまってくれないか?」

「副官⁉」

「はい、もちろんですマスター」

 俺の言葉に本当にゴーレム錬成を解除しオーバーヒートで壊れたGメモリが床に落ちる。

 おいおい、マジかこの娘。

「さあ、行きましょうマスター。あの薄汚い雌猫たちのいない、美しい世界へ」

「おい、13! ドクターの言った聖王の器の回収は?」

 ルンルン気分で俺の手を引き機動六課を去ろうとしていたoneは一瞬で冷たい表情となった。

「そんなもの、あなたたちでやればいいでしょう? 私はあくまで協力者。マスター以上に優先することなどないのですわ」

「このっ」

 うん、俺でもその態度はどうかと思うよ。

 その時空を裂く音を立ててドラゴンがこっちへやってきた。

 キャロとエリオの2人だ。

 あー、そういえばそんなイベントもあったな。ルーテシア&ガリューVSエリオ&キャロ。

 この世界ルーテシアがいないから自然とonevsエリオ&キャロになったんだろうけど。

「エリオ君、行ける?」

「もちろん!」

 エリオが槍型のデバイスを構え突っこんでくる。キャロはドラゴンの上で属性魔法の詠唱を開始していた。

「お前ら、私とマスターの逢瀬を邪魔してぇえええ! マスターに寄生する虫風情がぁあああ!」

『リボーンズ!』

 Gメモリを自分の身体に挿し、ゴーレムを身にまとうone、その銃身はエリオを捕らえていた。

「危ない!」

 俺はとっさにエリオとoneの間に立ち、銃身を蹴り上げようとするが間に合わない。

「あ」

 撃たれた銃は俺の左胸をえぐり、肉が削がれ血が噴き出す。

「あああ」

 その光景を俺はどこか他人事のように見ていた。

「ああああああああああ‼」

 oneが叫ぶ。まるでこの世の終わりのように絶望して。

「違うんです。違うんですマスター! 私は決して、あなたを傷つける気は……あの虫が、薄汚い虫が邪魔するから」

 まるで子供のように泣きながら俺に縋(すが)り付くone。その青い瞳からはとめどなく涙が流れていた。

「真木副官!? お前ぇえええ!」

 エリオが怒りに任せそのままoneに突っ込んでくる。

「黙れ!」

 oneが槍型のデバイスをつかむ。するとエリオが持つデバイスから急に魔力が消失した。

「エリオ君!」

 茫然としていたエリオだがキャロの声にハッとするとせめて俺を助けようと手を伸ばしてくる。

 よせ、逃げろ!

 言葉は口から出ず最悪な形で決着がつく。

「触るな。虫が」

 エリオに向かって放たれる魔力弾。手、腕、肩、足、そして胴体に向かって放たれたそれは正確に射貫く。

「ぐぁあああああ!」

「エリオ君⁉」

 わざと致命傷にならない場所を狙っての射撃。その正確さにぞっとする。

 長い間苦しめるためにどうすればいいか、oneは知っているのだ。

 キャロの展開した魔法陣から属性魔法が放たれる。oneに向かって。

 それを受けたoneの瞳には何の感情もなく、ただ煩わしい物を見るような目があった。

「もう、いいや。消えろよ羽虫ども」

 つぶやくように言うと新たなGメモリを取り出し自分の身体に挿す。

『ターンA! マキシマムドライブ!」

「月光蝶」

 俺の意識がもったのはそこまでだった。

 

 

 

 機動六課は一言でいえば壊滅状態だった。

 完膚なきまでに破壊された建物。建物のがれきにつぶされたザフィーラとオペレーター陣。

 唯一無事だったシャーリーは震えてしばらく話ができそうにない。

 うわごとのように「光が、光が」と繰り返していた。

 キャロは担架で運ばれるエリオに付き添い泣いている。本人も重傷を負っているというのに。

「ヴィヴィオ、ヴィヴィオは?」

 なのはの声にはやては首を振った。

「見当たらん。カメラを解析したところナンバーズの2人に連れられて脱出したみたいや」

「じゃあ、無事なんだね!」

 ほっとした様子のなのは。「命がある、という意味ではな」と続けるはやては悔し気だ。

「うちがもっと司郎君の言うことを聞いとったら。六課全員にデバイスの携帯をさせとったらこんなことには」

「それはこちらも同じだ」

 話に入ってきたのは騎士ゼストとレジアスだった。

「あいつの功績から考えて、管理局内でも提言しておくべき事柄だった。防げたはずのテロだったのに」

「そういえば、副官はどこだ? 病室にも運ばれていないようだが」

 ゼストの言葉に、はやてはギリッと奥歯をかむ。

「司郎君は……真木副官は敵に連れ去られました」

「なにッ⁉」

 レジアスが驚いた顔で詳細をはやてに促す。

「エリオを重体に追い込み、機動六課の隊舎をめちゃくちゃにしたナンバーズに拉致されました。ムラサメネットワークも彼女に支配されていて今管理局は大混乱に陥ってます」

「待て、なぜ奴が拉致される? たしかに得難い人物ではあるが、スカリエッティは何を考えてるんだ? それになぜムラサメネットワークがやつらの手に⁉」

 そんな時だった。ミッドチルダ中の通信画面にその男が映し出されたのは。

『やあ、みなさんごきげんよう。私はジェイル・スカリエッティだ』




 エリオは重体になってるし、キャロも重傷。
 オペレーター陣は全員重体。管理局機能停止。
 あれ? 原作よりひどくなってない?
(一般魔導士は無事だから)

 王=one
 M=ムラサメ
 スウィート=恋人、愛する者

チンク「13、機動六課襲撃で大活躍だったそうじゃないか。私も姉として誇らしいぞ」
one「」
チンク「あれ、どうしたんだ?」
ディード「彼女の言うマスターを自分で撃ったのです。そのマスターは今ドクターが治療中です」
ノーヴェ「はっ! ざまあねえな。散々命令無視したツケが回ってきたんだろ」
チンク「ノーヴェ、やめろ」
ノーヴェ「でもよぉ、チンク姉」
チンク「彼女のおかげで管理局は機能を停止し聖王の器も回収できた。襲撃もうまくいったし言うことはないだろう」
オットー「でも、この人命令無視して聖王の器回収を丸投げしてきたよ」
ウェンディ「またっすかー!? そりゃノーヴェの言う通り罰が当たったんすよ罰が」
one「私が」
ノーヴェ「あん?」
one「私が皆に協力的なら、マスターは助かっていた?」
セイン(ちょ、ちょっとみんな。茶化せる雰囲気じゃないよ! どうすんの⁉)
ウェンディ(心なしかいつもより元気がないっす)
ノーヴェ(私、そんなつもりじゃ)
チンク「そうかもしれん。もしも普段から我々に協力的なら、ディードとオットーもお前に協力して君の言うマスターを無傷で捕縛できたかもしれない」
one「やはり、私のせいで、私のせいでマスターが」
チンク「だからな、13。これからは我々とも仲良くして」
ウーノ「ああ、ここでしたか13。あなたの連れてきた男性。ドクターの処置が終わり今は病室に移動していますよ」
one「マスター!」
ウェンディ「行っちゃったっすね」
セイン「チンク姉、ドンマイ」
チンク「これくらいではめげないぞ」
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