​ ✨『美しき天才、エルフォーリオ 〜優雅なる貴公子〜』✨ ​    作:Riho

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第14話は、ノーザンクラブのビッグボス・勝己代表による鹿野宿舎への極秘視察回!
激戦の疲労で「働く意欲マイナス1000%」のエルぼっちゃま。
あくびを必死で噛み殺した結果、ポロリと零れ落ちたダイヤの涙……そして「メロンケーキ買ってね」という小声が、服部さんのイカれた耳で『さらなる覇道の極致へ挑むのみ!』と超絶捏造通訳される大暴走劇をお楽しみください!  シャインマスカットわしづかみ! ✨


 ✨第14話:『ノーザンクラブの視察と、沈黙のカリスマ』  ️ ✨

秋季・天皇盃における、あの三冠王者コントレイル・レイを退けた衝撃的な大勝利から数日後——☀️✨

 

秋晴れの澄み渡る大空のもと、サラ学(サラブレッド育成学園)の緑豊かな広大な敷地内……その一角に佇む伝統あるレンガ造りのクラシックビルディング**【鹿野宿舎】**は、早朝から息をのむほどの重苦しい緊張感と熱気に包まれていたのです!! ピリピリ……ッ! ⚡️  

 

日当たり良好・風通し抜群を誇る学園自慢の宿舎廊下には、早朝からピカピカに磨き上げられた床、一輪挿しに生けられた真っ赤なバラ、そして異様なまでに背筋を伸ばして直立不動を決めるスタッフたちの姿!

 

それもそのはず! この日、北海道の広大な最先端施設を統括し「最高の環境から、最高のアスリートを!」を掲げる絶対王者・名門ノーザンクラブの最高責任者——**【勝己代表】**自らが、新王者となったエルフォーリオ様の様子を直接確かめるべく、学園の鹿野宿舎へ直々の極秘視察に訪れることになっていたからでございますッ!!  ✨ 

 

「おいエル! 頼む……頼むから起きてくれッ!! 今日の視察をしくじったら俺のトレーナー生命どころか、この鹿野宿舎の存続だって危ういんだぞッ!! 頼むからシャキッと立ち上がって、少しは新王者らしいシャキッとした佇まいを見せてくれぇぇぇッ!!  」

 

エルフォーリオ様専用のVIPプライベートルームの前で、顔面を蒼白にさせ、すでにキリキリと痛み出す自分の腹部を必死に押さえつけながら絶叫しているのは、専任トレーナーのタケシ!   

 

ですが……その重厚なオーク材のドアの向こう側、フランス製高級特製シルククッションの山に埋もれている当のご本人はというと……  ️ 

 

  (……はぁ……だるいな……。一昨日のレースで走らされたせいで、全身の筋肉が叫び声をあげているんだよ……。なんで朝からそんな大声で叫ぶんだい、タケシ……。静かにしてくれないと、僕の繊細な頭に響いちゃうじゃないか…… ☁️)

 

激戦の疲労、全身を苛む激しい筋肉痛、そして何よりも「部屋の扉を1ミリたりとも開けたくない」という極限の怠惰!

 

エルフォーリオ様の体調——もとい「働く意欲」は、正真正銘のゼロ……いや、マイナス1000%へと突入していたのでございます! ダラダラ……   

 

そこへ——ドスン、ドスンと響くダイナミックな足音とともに、朗らかな大歓声が伝統のレンガ廊下に爆発しました!!  ✨

 

「ガハハハ! 急に押し寄せてすまないねぇ、タケシ君! 鹿野宿舎長!」

 

高級仕立てのスーツを豪快に着こなされた勝己代表が、溢れんばかりのビッグボスオーラを全身から放ちながら姿を現したのです! 歩く太陽ッ! ☀️ 

 

「いやぁ〜一昨日の天皇盃での激走! 王者をねじ伏せたあのラストスパートは見事だった! 我がノーザン魂の真骨頂だよ! ガハハハ! 今日は我がクラブ誇りの新王者・エルの顔を直接拝みにきたんだ!」

 

「は、はいッ! 勝己代表! サラ学・鹿野宿舎へお越しいただき、ま、誠に光栄にございますッ!! バケツ  」

 

首から大量のオレンジ色のハンカチを下げ、トレードマークのマイバケツを両手で抱えた鹿野宿舎長が、ピカピカの床に膝を打ち付けて激しく平伏! タケシも直立不動の姿勢のまま、滝のような冷や汗を流して深々と頭を下げます!  ‍♂️ 

 

勝己代表は豪快に笑いながらVIPルームの前へと歩み寄り、ドアのガラス越しに、部屋の奥に佇むエルフォーリオ様とじっくり視線を交わされました。

 

その瞬間でございますッ!! ✨ 

 

直前の激戦による深い身体的疲労……そして、何よりも**「今まさに喉の奥から込み上げてきている大嫌いなあくび」**を、ビッグボスの目の前で爆発させまいと必死に噛み殺そうとしたエルフォーリオ様!

 

口をギュッと真一文字に結び、必死に目を見開いて耐えに耐え抜いた結果——そのあまりの苦痛と瞳の乾燥により、ポロリと、まるで一粒のダイヤモンドのような美しく儚い涙が、その頬を伝って零れ落ちたのですッ!!   ✨

 

  (……ふぁ〜〜〜ぁ……だめだ、あくびが出ちゃうよ……! ここであくびなんてしたら、このうるさいおじさんに何を言われるか分かったもんじゃない……っ! 駄目だ、絶対に我慢するんだ……っ! あぁ、目を開けすぎて痛いよ……涙が出てきちゃった……。お願いだから早くおうちに帰って……。じい、終わったら銀座千疋屋の特注プレミアムメロンケーキを買ってね…… メロンケーキ  )

 

必死にあくびを耐え忍び、限界を迎えて白目を剥きそうになりながら、隣に立つ服部さんの高級スーツの袖を引っ張り、小さな声で耳打ちするエルフォーリオ様!

 

  (……ふー……じい……『メロン』の……ケーキ……買って……ね……っ)

 

ですがッ!! 疲労困憊のエルフォーリオ様のかすれ過ぎた小声は、服部さんの耳の中でとんでもない大勘違いへと変換されてしまったのですッ!!   ⚡️

 

服部さんの瞳が「ピシーンッ!」と怪しく光りました! ✨ 

 

(……な、なんですと……ッ!? ぼっちゃまは今……『挑む……覇道の……極致……見せてやる』とおっしゃったのか……ッ!! ✨ )

 

服部さんは静かに銀盆を胸元に抱え直し、さも「我がぼっちゃまの魂の叫びを聞け」と言わんばかりの神聖かつ熱狂的な表情で、勝己代表に向かって大音量で朗々とお辞儀を捧げられました!

 

 ✨「勝己代表様ッ……!! 我がぼっちゃまは今、私にこのように力強く耳打ちされましたッ!! 『我は名門ノーザンの誇りを胸に、さらなる覇道の極致へ挑むのみ! たとえこの身が砕け散ろうとも、世界の頂まで駆け抜けて見せましょう』……とッ!! ️ 」

 

  「(絶対言ってねぇぇぇ!! メロンケーキ買えって耳打ちしただけだろ!! なんで『メロン』が『覇道の極致』になるんだよどんな耳してんだイカれ執事ッ!! )」

 

あまりの暴走代弁に、タケシは心の中で頭をガシガシと抱えながら悲痛な絶叫をあげます!

 

しかし! この「涙を浮かべながら静かに佇むエルフォーリオ様」と「服部さんの大暴走捏造通訳」の見事なコンボに、勝己代表の目頭が一気に熱くなられました!! カッと目を見開くッ!  ✨ 

 

 ✨「……む……ッ! なんという……なんという気高さだエルフォーリオ!!」

 

勝己代表は溢れ出る感動を抑えきれず、ポケットからガサガサと高級サプリと特製シャインマスカットをわしづかみにして取り出されたのです! 果物キュン!  ✨

 

「ガハハッ……いや素晴らしい! 世代交代を成し遂げてもなお、更なる『覇道の極致』へ挑もうというその覚悟……! これぞ我がノーザンの誇りだ! ほら、これは特製の高級シャインマスカットだ! 遠慮せずにしっかり栄養を補給しなさい! ガハハハハ!」

 

  「(代表も騙されるなァァァ!! シャインマスカットじゃなくてメロンケーキが食いたいだけなんだよぉぉぉッ!! )」

 

勝己代表は最高のアスリートの輝きに接した満足感で目尻を下げ、豪快な高笑いを廊下に響かせながら、嵐のように去っていかれました……✨  

 

——静まり返る、高級VIPルームの前。

 

ズキズキズキズキッ……!! ⚡️ キリキリキリ……!!

 

   「ぐはっ……!? 服部の大暴走のせいで代表を完璧に騙し切ってしまったとんでもない罪悪感と……次の有馬記念への絶望的なプレッシャーで……俺の……俺の胃袋が限界突破で破裂するッ!! 薬! 胃薬! 太田胃散をくれぇぇぇッ!!」

 

限界を迎えたタケシは、トレーナー執務室のデスク一番上の引き出しまで走る余裕すらなく、ポケットから服部さんに渡されていた太田胃散の缶と箱をひったくるように奪い取ると、白湯を探す猶予すらなくバリッと包装を破り捨て、大量の白い粉末をそのまま直接口の中へと叩き込みました!

 

ゴクッ……! ゲホッ! ゲホッゲホッ!!    

 

   「かはっ……! 苦い……ッ! 水なしの胃薬が苦すぎて死ぬ……ッ!! 誰か……誰か水をくれぇぇぇッ!! 喉に粉がへばりついて息ができないんだよぉぉぉッ!!」

 

廊下の冷たい床に両膝と両手をつき、涙と鼻水で顔をグチャグチャにしながら激しくむせび泣く専任トレーナー・タケシ!   

 

そのすぐ横で、エルフォーリオ様はすでに服部さんの手によってお姫様抱っこで担ぎ上げられ、待機していた専用送迎車の特製シルククッションへとダイブ! すでにすやすやと心地よい寝息を立てて深い深い眠りにつくのでございました……   ✨ 

 

  (……ふぁ〜ぁ、なんだかよく分からないけれど……じいが何か叫んだら、あのおじさんがシャインマスカットを置いて満足して帰ってくれて助かったよ……。ケーキはあとで買ってね……おやすみ……  ️✨ )

 

世界中を狂喜乱舞させた新王者の誕生劇の裏で、美しき貴公子の「沈黙のカリスマ」伝説は、服部さんのイカれた聞き間違いと大暴走によって、どこまでも神格化されていくのでございます。  ✨ 




第14話をお読みいただき、本当にありがとうございました!✨
「メロンケーキ」が「覇道の極致」に化ける服部さんの妄想代弁、ほんま絶好調で最高ですね!笑
必死にあくびを耐えて白目を剥きかけていただけのエルぼっちゃまを「なんという気高さだ!」と大絶賛して帰っていく勝己代表と、罪悪感とプレッシャーで水なし太田胃散を喉に詰まらせて床でむせび泣くタケシの悲痛な叫びを楽しんでいただけたら嬉しいです!   
「服部さんの耳どうなってんねん!」「タケシに誰か水をあげて!」「沈黙のカリスマ伝説おもしろい!」と思っていただけたら、ぜひページ下部から【評価(★★★★★)】や【ブックマーク登録】をポチッと押していただけると凄く励みになります!  ✨
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