​ ✨『美しき天才、エルフォーリオ 〜優雅なる貴公子〜』✨ ​    作:Riho

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ご訪問・お読みいただきありがとうございます!✨
第2話の舞台は、若きエリートたちが汗を流すノーザン・ジュニア・トレーニングセンター。
灼熱のトラックの傍ら、涼しい木陰で横たわるエルぼっちゃま。
周囲の勘違いと大暴走がさらに加速していく第2話、どうぞお楽しみください! ✨


 第2話:『ジュニアクラブの怪物・歩くことを拒む天才』   

日本スポーツ界の未来を担う超エリートたちが集い、日夜血の滲むような鍛錬を重ねる名門ノーザンクラブの育成聖地——『ノーザン・ジュニア・トレーニングセンター』! ️✨ 

 

広大な敷地にどこまでも青々と広がる極上の天然芝トラック ✨、最新鋭の酸素カプセルや筋力解析システムが完備された巨大なクラブハウス ✨、そして鳴り響くスパイクの踏み込み音と荒い息遣い  ‍♂️ 

 

そこはまさに、将来の頂点を目指す若き才能たちが己の限界に挑み続ける、熱気と情熱が渦巻く灼熱の戦場でございました!  ✨

 

「ハァッ……ハァッ……! 見ろ、あいつの今日のタイム! 昨日の自分をコンマ2秒更新していやがる……ッ! ‍♂️ 」

 

「負けられるかよ! 俺たちはあの絶対王者・ノーザンクラブの期待を背負っているんだ! 走って、走って、足を壊してでもトップに立つんだッ!!  ✨」

 

汗を飛散させ 、全身の筋肉を激しく躍動させながらトラックを駆け抜ける同期のジュニア選手たち! ‍♂️ 

 

誰もが少しでもスカウトの目に留まろうと、己の牙を剥き出しにして火花を散らしております!⚡️ 

 

——しかし。  

 

そんな熱血と汗の臭いが立ち込める灼熱のトラックから、ほんの数十メートルほど離れた場所…… 

 

巨大な樹齢数百年のクスノキが広大な影を落とす、涼やかで静かな木陰の下……  ✨

 

そこに、周囲の猛烈な熱気とは完全に遮断された「絶対不可侵の聖域(※ただの居心地がいい日陰)」が存在しておりました✨☁️ 

 

最高級イタリア製シルクを惜しみなく使用した特注の超低反発フェザークッションの上に☁️フェザー✨、まるで骨が存在しないかのように優雅に、そして完全に脱力して横たわる幼少期のエルフォーリオ様でございます!✨  ✨

 

太陽の木漏れ日を浴びて透き通るような白磁の肌 、黄金比で構成されたかのように無駄のない完璧なフォルム✨、そしてどこか遥か彼方の深遠な世界を見つめているかのような神秘的な瞳…… ✨

 

一見すると、彼はスポーツ界の未来の図面を頭の中で描き出し、己の精神を神の領域へと研ぎ澄ませているかのように見えました……✨ ️✨

 

……だが、真実はまったく違っておりました! ☁️

 

(……あ〜……今日の太陽、眩しすぎて本当に嫌だな……☀️メラメラ……。なんであの人たちは、あんな猛暑の中で舌を出しながらグルグル走ってるんだろう……?    バカなのかな……? 走ったら汗で服がベタベタして気持ち悪いし、何より足の裏とふくらはぎが痛くなって疲れるじゃん…… 。僕は歩くことすら大嫌いなのに、走るなんて正気の沙汰じゃないよ……。誰か僕をこのクッションに乗せたまま、どこへでも静かにカートで運んでくれないかな……ボソッ……  )

 

そう! エルフォーリオ様は、ただただ「動くのが信じられないくらいダルい」「1ミリたりとも自力で移動したくない」という宇宙規模の怠惰に全身を包まれ  、木陰の芝生でゴロゴロしながら、目の前の葉っぱの上をノロノロと這う一匹の緑色のアオムシを、半目でボーッと眺めていただけだったのです!!   

 

(……あ、あおむしさんだ……  。あおむしさんも進むのがめちゃくちゃ遅いね……ノロノロ。僕たちの仲間だね…… 。でも君はこんな暑いのに、自分の足で一歩ずつ動いていて偉いね……僕は絶対に歩きたくないけど……。はぁ〜あ、お腹減ったな……ぐぅ〜。冷たくて甘い種無しのマスカットが食べたいな……ボソッ……  )

 

その時でございます!⚡️ 

 

エルフォーリオ様のすぐ傍らに、気配を消して恭しく控えていた執事の服部さんが、怪しくその瞳をギラリと輝かせました!✨ ️ 

 

服部さんはエルぼっちゃまに人生の全てを捧げ、命すら投げ出す覚悟を持つ超一流の執事——なのですが、「ちょっとお耳が遠い」という、ただそれだけの理由で数々の大悲劇を生み出してきた恐ろしい老執事だったのでございます!  

 

ぼっちゃまの消え入りそうな蚊の鳴くようなボソボソ呟き(「…種無しのマスカット食べたい…」)を聞くと、持ち前の耳の遠さと溢れ出すぎる大妄想が奇跡のフュージョンを起こし、なぜか「覇王のありがたいお告げ」として勝手に大翻訳されてしまうのでございます! ✍️✨

 

(……ッ!! い、今……エルぼっちゃまの美しきお唇から……! ✨ 『我が肉体に含みしは、種という無駄な雑味を完璧に削ぎ落とした至高の果実のみ。過剰な負荷をすべて排除し、純粋なる極上の栄養のみを細胞に取り込む『絶対的食事管理』の真髄を見せてやろう』……という深遠なるお言葉が我が心に直接届きましたぞーーーッ!! ✨ )

 

感動のあまり、目元をかすかに熱く湿らせた服部さんは✨プロ執事の誇り✨、銀のトレーの上に用意された冷えた最高級シャインマスカット(一粒一粒厳選された超大粒・完全種無し仕様)から一粒を恭しく指でつまみ上げました!銀トレー皿✨

 

アンド、完璧な角度と寸分違わぬ絶妙なスピードで、横たわるエルフォーリオ様の口元へと滑り込ませたのです!ポリッ…… ✨ 

 

(……あ、服部さんナイス…… ✨。冷たくて甘くて美味しい……お口でとろける〜。種がないから噛む力も最小限で済むや……。楽ちんだな……。このまま噛まずに口の中で溶けて飲み込めたら最高なのに……ボソッ……  )

 

エルフォーリオ様が口を小さな口でモグモグと動かし、さらなる究極の脱力状態(ただの二度寝手前)へと落ち込んでいったその時! ☁️✨

 

トラックでの壮絶なインターバル特訓を終え、息を荒げながら汗を拭っていたライバルジュニアたちが ‍♂️ 、遠巻きにその木陰の様子を目撃いたしました!  

 

「くっ……! 見ろよ、あのノーザンクラブの秘密兵器……エルフォーリオを……!  」

 

「な、なんだあの佇まいは……!? 俺たちが血反吐を吐き、足の皮を破りながらトラックを何十周も走っている間、あいつは一度たりともその場から動いていないぞ……!?  」

 

ライバル少年たちの間に、目に見えるほどの静かな戦慄と恐怖が走ります!極寒の風吹き荒れる……吹雪❄️⚡️

 

「バカな……! 普通なら運動もせずにあんな体制で横になっていれば、体幹がブレて筋肉の出力が落ちるはずだ! なのにあいつのあの軸のブレなさ、空間に固定されたような安定感は何だ!? まるで地球の重力そのものを手懐け、味方につけているみたいじゃないか……ッ!!地球重力  」

 

「あ、あの目を見ろ……! 俺たちの血の滲むような走りを冷徹なまでに観察し、一瞬の無駄なフォームの乱れすら逃さずに完璧に解剖・分析しているんだ……! 『お前たちの必死な走りなど、その辺の葉っぱを這う虫の動きと同等だ』と言わんばかりのあの圧倒的な眼光……ッ!!   」

 

勝手に深読みを開始したライバルたちが、己の頭の中で作り上げた恐ろしい妄想によってパニックに陥り、顔面を蒼白にしてガタガタと膝を震わせ始めます!    

 

「お、恐ろしい……! あいつは己の身体を1ミリも動かすことなく、ただそこに存在する『圧』だけで俺たちの走りを上回り、精神領域で勝利を収めているというのか……ッ!!  」

 

「だ、ダメだ……! あいつのあの『静』の領域に呑まれたら、俺たちの闘争心が根こそぎ破壊される……っ!! 見るな! 引きずり込まれるぞ!! 逃げろーっ!! ‍♂️  」

 

「うわあああぁぁぁっ! エルフォーリオ、なんて怪物なんだーーーッ!!   」

 

ライバルたちは勝手に自爆し 、精神を崩壊させながら絶叫をあげて脱兎のごとく逃げ去っていきました!   

 

その遥か遠くで巻き起こった狂乱の大騒ぎを、半目でぼんやりと眺めながら ☁️、エルフォーリオ様は小さなあくびを「ふぁ〜ぁ」と噛み殺しました  

 

(……なんかあっちの人たち、急に叫びながら走って行っちゃった…… ‍♂️ 。大きな声を出すなんて疲れるのによくやるなぁ……。服部さん、うるさいから耳栓持ってきて…… あとうまうまマスカットもう一粒ちょうだい……ボソッ……  )

 

「はっ! 只ちに遮音性に優れた特製耳栓をご用意いたします……! そして、周囲の愚者どもの喧騒など意にも留めぬその絶対的なお姿……まさに静寂を統べる王者にふさわしいご佇まいでございますッ……✨  」

 

服部さんは、いつもの澄み切ったすまし顔のまま深く感動すると✨プロ執事の誇り✨、二粒目のマスカットを至高のタイミングでぼっちゃまの口元へとお運びするのでございました……  ✨ 

 

ライバルたちの勝手な勘違いによる自爆 、自由すぎる服部さんの超絶ポジティブ大変換によって✍️✨、エルフォーリオ様の「歩きたくないからゴロゴロしているだけ」の時間は、ジュニアクラブ最高峰の『神の如き観察術』としてスポーツ界の歴史に刻まれたのでございます……  ✨   ✨




第2話をお読みいただき、本当にありがとうございました!✨
木陰で「マスカット食べたい」とゴロゴロしているだけのエルぼっちゃまに、ライバルたちが勝手に戦慄して自爆していくドタバタ劇、楽しんでいただけたら嬉しいです!笑
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