✨『美しき天才、エルフォーリオ 〜優雅なる貴公子〜』✨ 作:Riho
第4話は、ついに専任トレーナー・タケシとエルぼっちゃまの運命の出会い!
期待に胸を膨らませてVIP応接室に入ったタケシを待ち受ける、あまりにも狂気的な空間と大勘違いの嵐……!
タケシの苦難の始まりを、どうぞお楽しみください! ✨
波乱の予感が漂う今回のお話、どうぞ最後まで見守ってくださいませ✨✨
北の大地・北海道安平町にたたずむ名門「ノーザンクラブ」——その本部の最奥に位置する、歴代の伝説的アスリートしか足を踏み入れることを許されない最高級VIP応接室にて、歴史的な事件は起きていたのでございます! ️✨
重厚な総マホガニー製の扉!息を呑む静寂!漂う高級アロマの香り!バカラ製のガラス細工……! ✨✨
足首まで埋まりそうなほどふかふかの特注ペルシャ絨毯の上で、一人の若き男が緊張のあまり全身をガタガタと激しく硬直させて立ち尽くしておりました…… ♂️
彼の名は、タケシ ✨
膨大なレースデータとスポーツ科学を完璧に叩き込み、熱い情熱と冷静な分析力を兼ね備えた、ノーザンクラブ期待の超・若手専任トレーナーでございます!
「(ゴクリ……! いよいよ今日から、俺があの『ノーザンクラブ最高傑作』と噂されるエルフォーリオの専任トレーナーだ……! 一体どんなストイックな天才なんだろう……。どれほどの凄まじい眼光と威圧感で俺を迎えるのか……っ!!)」
緊張でカラカラに乾いた唾を呑み込み、武者震いをしながら重厚なドアノブに手をかけ、意を決して扉を開放したタケシ……!ガチャリ……! ✨
——しかし!
そこで彼の視界に飛び込んできたのは、彼の常識とトレーナー人生を根底から粉砕する、あまりにも恐ろしい光景でございました……! ✨
最高級イタリア製シルクをあしらった超大型ソファーに、まるで骨格という概念が存在しないかのように深く沈み込み、特注フェザークッションの渦の中に完全に埋もれてゴロゴロと転がっている一人の美しい少年……! ️
そう、我らがエルフォーリオでございます ✨
太陽の光を受けてキラキラと煌めく栗色の髪、神の彫刻のごとき完璧な眉目秀麗なお顔立ち……真珠のような白磁の肌……!宝石のごとき神秘的な瞳……! ✨
ですが、その佇まいは「究極のトレーニング」などとは程遠い、重力と妥協に身を委ねきった極上の怠惰そのものでございました ✨
「(……え……? なんだあの体勢……!? ソファーと完全に一体化して……というか、ただダラダラ転がってるだけにしか見えないんだが……!?)」 ❓
タケシが開いた口が塞がらず呆然とした、まさにその時でございます!⏰✨
ソファーの影から、気配もなくすり足で現れた執事の服部さんが、ハンカチで目元をぬぐいながら熱っぽく囁いてまいりました! ♂️
「静かに……静かにしなさい、若きトレーナー様……! ぼっちゃまは今、外界の不純な音を遮断し、全身のエネルギーを『無』の境地へと凝縮しておられるのです……っ!! ✨」
「えっ……?(いやいやどう見てもただゴロゴロして二度寝しようとしてるだけだろ……!?)」
タケシのツッコミが胸の中で渦巻いたその瞬間!⚡️
ソファーの深淵からエルフォーリオ様がうっすらと半目を開け、じいへ向けて、絹のように甘い「王子様ボイス」でボソッと小さな小声で耳打ちをしたのでございます ミツバチの羽音のような細い囁き……! ✨
(……じい。なんだか急にお腹が空いてしまったよ……。甘くて美味しい至高のイチゴタルトを用意しておくれ……? それと、クッションの角度が少し低いね……あと3ミリ高く……。自ら体を動かすのは、僕の美しい美学に反するからね……ボソッ…… )
ですが……! ぼっちゃまを深く敬愛する服部さんには、その省エネすぎる呟きが、持ち前のアツすぎる勘違いによって即座に書き換えられてしまったのでございます!✍️✨
(……ッ!! い、今……エルぼっちゃまの美しきお唇から……! ✨ 『この僕と共に、胸に燃えるような情熱の赤(イチゴ)を抱き、至高の頂を目指そうではないか』……という熱き誓いのお言葉が聞こえましたぞーーーッ!! ✨ )
服部さんは感動の涙をボロボロと流しながら崩れ落ち、ハンカチで涙を拭うと、タケシの両肩を激しく揺さぶりました!
「お聞きになりましたか、タケシ様ーーッ!? ぼっちゃまは今、貴方という新たなバディを得て、静かに勝利への闘志を燃やしておられるのです……っ!! ✨」
「……はぁぁぁぁぁぁっ!?!? 」
タケシの絶叫が応接室に響き渡りました!⚡️
「聞こえてねぇだろじいさん!! 今あきらかに『イチゴタルト』って言ったろ!? あと『3ミリ高く』とか言ってたろ!! ぜんぶ都合よく聞き間違えてんじゃねぇか!!」 ️
あまりの噛み合わなさに激しく頭を抱えるタケシ! ♂️
しかし、少々お耳の遠い服部さんは全く意に介さず、感動の面持ちで深々と頷いております!
するとその時! 応接室の重厚な扉がバーンと盛大に蹴破られました!
「エルフォーリオぉぉぉぉッ!! 今日の『静』の佇まいも実に見事だぞーーーッ!! ✨」
なんと、ノーザンクラブの最高総帥・勝己代表が、大勢の護衛と幹部を引き連れて大興奮で乱入してきたのでございます!最高幹部総出!大騒ぎ! ✨
勝己代表はソファーでゴロゴロするエルフォーリオを見るや否や、目頭を強く押さえて大絶叫しました!
「見よ、タケシトレーナー! これぞ我がノーザンクラブが誇る至高の才能! 1ミリの無駄な筋肉の収縮すら許さぬ、完璧なる『完全弛緩調教法』だ! ソファーと同化することで地球の重力を無力化しておるのだよ!! ✨」
「いや代表!? ただ横になってタルト待ってるだけですって!! どこをどう見たら『完全弛緩調教法』になるんですか!? 目を覚ましてください!! 」
タケシの決死の叫びも、狂乱の渦にある大人たちには一切届きません!
勝己代表はタケシの手を強力な力で握りしめると、熱い涙を流しながら語りかけました。
「頼んだぞ、タケシ! この規格外の怪物と共に、我がノーザンクラブの新たな時代を創り上げるのだ!!」
「だーかーらー! 話を聞けって……ッ!! 」
ふとソファーへ視線を戻すと——。
エルフォーリオ様は(……なんかすごくうるさくなってきたなぁ……。早くタルト来ないかなぁ…… )と言わんばかりの優雅で無垢なお顔のまま、再び静かに目蓋を閉じ、深遠なる二度寝の旅へと旅立っておられました ✨
絶叫する勝己代表、涙を流して拝む服部さん、そして1ミリも動く気のない担当生徒——。
ズキッ……!!⚡️
その瞬間、タケシの胃の腑に、今までに経験したことのない突き刺さるような激痛と激しい胃酸の込み上げが走りました!
「ぐっ……!!(い、胃が……っ! 専任就任わずか5分で、俺の胃が……破裂しそうだ……っ!!)」
絶望に打ちひしがれるタケシは、震える手でスーツの胸ポケットに手を伸ばし、そこから白くて丸い小さな錠剤を取り出しました。
そう……これこそが、これから始まる過酷すぎる日々の相棒——**太田胃散(胃薬)**でございます ✨
水すら用意されていない狂気の応接室で、タケシは込み上げる苦汁と生唾とともに、その錠剤を喉の奥へ一気に押し込みました……!ゴクッ……!
これこそが、後にノーザンクラブの裏歴史に刻まれることとなる**『歴史的ファースト胃薬』**の瞬間でございました……!
「……やってやるよ……! この絶対に動かない天才王子と、都合よく勘違いするじいさんと、深読みが激しすぎる代表を相手に……俺の胃がどこまで持つかは知らんがな……っ!!」
胃を押さえ、青ざめた顔で絶望の天井を見上げるタケシ。
こうして、運命に導かれた(?)一人と一人の苦難の歩みが、静かに、そして激しく幕を開けたのでございます…… ✨ ✨
第4話をお読みいただき、本当にありがとうございました!✨
ソファーでゴロゴロしながらタルトを待つだけのエルぼっちゃまに、服部さんと勝己代表の勘違いが炸裂し、専任5分で胃薬を飲むハメになったタケシ……笑
楽しんでいただけたら嬉しいです!
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