なんか、嬉しそうだな。
俺? 俺もそう悪い気分じゃねーよ。
なんだよ、そういう事か。ま、悪くはねーな。
にしても、まだ俺の話聞きてーの? 面白くなんてないだろうに変なヤツだな。
あー、そういう事か。なら、もうちっと話しておこうか。何が知りたい?
ないのかよ。ふざけてんな。
そういやよ、あの邪神。あいつもふざけたやつだよな。は? ないない。あんなん自称女神で充分だ。
間抜けなだけだろ、アイツが。
復讐でもなんでも許してあげるとか言っといてな。
何がしたいんだか、わかんねーよな。
いや。したくもねーし、する理由もないだろ?
大体、俺を毒殺したっていう王様も、他の連中だってもういねーのに、誰にすんだよ。
国だって、とっくになくなっちまってんだぜ。
恐ろしい事考えるのな。それ、復讐じゃなくて虐殺だからな。そんなんやったら魔王にされるぞ。
いや、別にやりたきゃやればいいけどさ。俺はそんな気分にゃなれねーな。
俺は別に、誰が悪いとも思わんよ。
ただ巡り合わせが悪かっただけでさ。
そんくらい必死だったんじゃねーのかな? 毎日を生き残るのに。
だから別に、復讐したいとは思わない。犬も猿も雉も、良い空気吸ってたしな。
そうじゃなかったら?
多分、やんねーと思うけど。
犬も、猿も、雉だって喜ばねーよ。だってアイツら動物だし。
それよりもさ、悪かったな。
何が? じゃねーよ。
身体、辛かっただろ?
いや、俺にだって罪悪感くれーあるわ。
人を傷付けておいて平気なら、もうそれ人じゃねーだろ。王様だって、そう言ってたぞ。
人殺しは平気なのに? だって? いや、それは別だろ。必要だからやる。
王様だって、母親だって、誰だって、そうしてきたよ。だから、俺もそうしてきただけだ。
それに別に平気でもなければ、何も思わなかった訳じゃねーし。
忘れちまったけど。
必要がなければやらねーな。
やりたい事?
やりたい事か。なら、いっぱいあるぜ。
女と合体したいとか。
怒んなよ。
変な事じゃないだろ。
もっと他にか。
いや、いいよ。やっぱ友達に噂とかされると恥ずかしいし。
忘れちまえよ。俺の事なんて。
きっとその方が良いし、必要な事だから。
いいよ、お前はそのままで。
それが、俺のやりたい事だから。
なぁ、チェレステ。
なんでそこで、お前が泣くんだよ。
ハハっ。知らないじゃねーよ、私。
いいんだよ。お前は、お前のままで。
あん? 俺の名前? 忘れちまったよ。だって、誰にも呼ばれてねーし。
わかったわかった。思い出すからよ。たしか——。
お読み頂きありがとうございます。次話完結。