別室に移動したところでそれぞれの立場を教えてもらった。
さっきの部屋に置いてきた偉い人は養成所の母体『マカダミアンシャフト』の『惑星相談部』というトラブル押し付け先みたいな部署から来た課長で、移動の提案した人は課長補佐らしい。
残りの2人は『マカダミアンシャフト』系列の研究主任と『農業ロボット協会』の支部長。
どちらもロボット技術の研究者として同席するとのこと。
『失敗したら1企業の信用どころじゃない問題が発生する案件だから色々な方法でトカゲの尻尾切りが出来ないようにする必要があってね。』
養成所の子供相手の話し合いに研究者として参加するポジションじゃないんじゃ?という気持ちが顔に出てたらしい。
ボクこと『MS2821CL0455』の自己紹介は省略。
就職前の養成所の子は基本同じ経歴なので名前ぐらいしか紹介するものがない。
偉い人改め課長さんは何度か呼んでくれたけど、ボクから名乗るのは困らせるだけな気がする。
……名乗った相手の名前間違えると失礼。みたいな常識、たぶんあるでしょ。
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『農業用ヘルパーロボットは農作業の補助や、簡単な家事などを行うことができます。』
自己紹介のあと、
詳しく聞いてみると『ヘルパー』というより『アドバイザー』的な使用を想定してるっぽい。
監視カメラの映像で元人事担当が嘘ついてたから、まず訂正が必要……なるほど。
作業はヘルパーロボットがやるから管理者がやる仕事は点検だけ、は嘘、と。
今は複数人でやってる作業をヘルパーロボットがやるから管理者1人で回せるようになる……みたいな話だったはずだけど、そこの前提条件が崩れたらもうダメでは……?
『種蒔きから収穫まで一応機械化されているので、機材を使う位置やタイミングの指示もロボットが行えるようにすればこの問題については解決できるのです。』
そうかな?そうかも。
この話ボクに聞かせないほうが心象的にマシだったんじゃないか聞いたところ今度は研究主任が答えてくれた。
『既存のヘルパーロボットを改造するのではなく、これからその機能を持った新たなロボットの開発となります。今であれば実際に使う方の意見を取り入れられますよ。外見とか。』
こうして新しい機能を持ったロボット――ロボット協会の『ヘルパーロボット』との差別化で『サポートロボット』と呼ぶことになった――について意見を出すことになった。
最初に出した要望は、どことなく女の子っぽく見える外見。
生暖かい視線で見られた。そっちから『外見とか』って言ったのに。
『ロボットの外見で男色家認定されたくない。文句は女房とかハーレムとか言ってたあの人に。』
勝った。
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ロボット協会が協会性ロボットの改造に比較的寛容だったことで、農業用ヘルパーロボットが使っている農業知識データ的なモノの使用権を購入したらしい。
そこに研究主任のところの人工知能を搭載て、機材を操作するための学習機能に特化させたり。
専門家じゃないボクは大雑把に外見を決めたあと、デザインを立体的にした場合の不自然さや関節の干渉とかを調べることになった。
金属板をくっつけてそれっぽい見た目にしたラジコンに廊下を歩かせ、階段を上り下りさせ、屋外を歩かせて……。
開発からおよそ1年半。
途中で予算や人員が追加されたとかで異常に早く完成したらしい。
微妙に見た目が違うものをいくつか考えて迷ってたらデザインの使用や同型機の販売許可と引き換えに全部作ってもらえることになった。
命名権も貰えてしまったので頑張って考えた。
学習に特化させてるところから『養成』。
大きさが子供から成長しないので『コビト』。
デザインによって『養成コビト型(○○タイプ)』にする。と説明したらそのまま採用された。
個人的にはダブルミーニングのつもりだったけど、下手くそだったらしく気付いて貰えなかった。
Data:【チョコ】
主人公に同行しているサポートロボットの一体。
デザインは『養成コビト型(ブラウニータイプ)』。