東方混迷郷   作:熊殺し

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投稿が遅れてしまいました。
なかなか話が思い浮かばなかったもので。
早くスランプを脱出せねば、、、


風神録82話

~湖~

 

 

文「裏には湖まであるなんて、豪華な幻想入りですねぇ。

紅魔館でも此処まで凄く無かったですよ」

 

 

湖上の上を水しぶきを上げながら高速で飛行する。

湖には八本の御柱が均等な間隔をあけて立っており、神聖な雰囲気を醸し出していた。

何となしに興味が湧いた文は少しスピードを落としてそれを観察してみる事にした。

 

 

文「あやややや、これは立派な御柱。

新品の削りだしたばかりのように綺麗ですねぇ~」

 

?「それは嬉しいねぇ。

所有者として鼻が高いよ」

 

文「これはこれは・・・。

異変の真犯人のご登場ではないですか」

 

 

八本のうちの一本の御柱の上に胡坐をかいて座っている赤い服を着た紫色の髪の女性。

背中の大きな注連縄に、穢れの無い胸に飾られた鏡。

守矢神社の神の一人、八坂神奈子だ。

神というだけあって相応の威圧感がある。

現に、座っているだけの彼女から文はとてつもないプレッシャーを感じ取っていた。

 

 

文「ひゃあ・・・。

神というのは本来こういうものなのですね」

 

神「どうだい?

神の力を目の当たりにした感想は?」

 

文「あやや、そうですね~。

戦ってみないと解らないですね~」

 

 

そんな事は無い。

正直な感想を言うと、自分では勝てない。

それだけだった。

エネルギー的な力は何も感じなくとも、自分の生存本能が危険信号を随時発信しているのだ。

いくら文が妖怪の中で強い存在だったとしても、これは次元が違う。

文を含めた天狗の里の精鋭部隊を総動員させてやっと互角といったところだろう。

一対一?バカ言っちゃいけない。

勝負になるかすら怪しいと言うのに。

 

 

神「そうかい・・・・。

なら、見せてやるとするかね?」

 

文「!!!」

 

 

神奈子がパチンと指を鳴らすと、彼女の周囲に複数の弾幕が何処からともなく現れる。

さらにそれは分裂を繰り返し、浮いている弾幕の数が二倍、さらに二倍と勢いよく数を増していき、あっという間に文の目の前は弾幕の銀河で埋め尽くさてしまった。

この光景には流石に冷や汗が出た。

愛用の葉団扇を腰から抜いて攻撃の構えを取る。

何時にもなく真剣な表情をした彼女は、戦う覚悟が出来ている者の目をしていた。

 

 

神「・・・・行け」

 

 

クイッと指を文に指すと、浮いていたエネルギー弾が一斉に文をハチの巣にしようと動き出す。

その数、およそ3000以上。

密度の高い弾幕の壁は避けるのが困難なほど間隔が狭く、数の関係もあり遠近が取りにくくなっていた。

 

 

文「高密度の弾幕で押しつぶすつもりですか?

残念ながら、そうはいきませんよ!」

 

 

文が選んだこの状況を回避する方法。

それは、相殺させる事だった。

彼女は風を操る事で多種多様な戦術を駆使することが出来る。

風を操る程度の能力。

その風を自在に操る姿から付けられた二つ名は・・・風神。

 

 

文「はぁ!!」

 

 

葉団扇を思い切り横へ振ると、空気の渦が鮮明に見えるほど強力な旋風が出現し、弾幕を切り裂き破壊しながら空の彼方へと消えていった。

文は旋風の作り出した大穴から脱出に成功する。

 

 

文「抜けたぁ!!」

 

神「ほほう?

なかなかセンスがあるな。

しかし、その後の事も読んでおくべきだったな」

 

 

避けることに目がいってしまっていた文は、一瞬だけ注意を怠ってしまった。

目の前の危機を潜り抜けた事によって一時の安心感を感じる。

それは更なる危機を招いてしまった。

 

 

神「捉えてるんだよこっちは、アンタの動きをね」

 

 

中心に穴の空いた御柱を肩に合体させ、砲撃を文に向ける。

合計四門の御柱は完全に敵を捉えていた。

 

 

ドドドドォン!!!

 

 

爆発音と共に、御柱キャノンから四つの閃光が迸る。

音速を越えて飛来するそれは、確実に文の息の根を止めようとしていた。

 

文「あ、あぶなっ!!」

 

神「まだまだこんなもんじゃないよ!!」

 

 

それを辛うじて回避するも弾速が速く、ギリギリで避けるのが精一杯な状態だった。

四本のキャノンを連携して撃ち続け、休む間もなく文に砲弾の雨を浴びせる。

一発でも当たれば即終了。

彼女の身体は爆散してしまうだろう。

 

 

文「こんなの当たったら死んじゃいますよ私!?」

 

神「だったら頑張って避けな」

 

 

自由度の広い空を出来る限り利用して、必死に文は蛇行しながら回避を続ける。

が、避けているだけではいずれ体力が尽きる。

反撃する他に無い。

そこで彼女は、三次元の戦法で反抗に出た。

 

 

文「急上昇!」

 

神「何?

ぐっ!太陽を背にしたのか!?」

 

 

一気に上昇を掛けた文は、神奈子から見て自分の後ろに太陽が隠れるようにして目くらましを喰らわせた。

効果は覿面、文を目で追っていた神奈子は自然に太陽を直視してしまう。

 

 

神「この!」

 

 

目が見えない彼女は弾幕とキャノンを視界と関係なく撃ちまくる。

太陽を背にして真っ直ぐ向かってきているなら、間違いなく射線上に居る筈。

 

 

文「そんな分かりやすい動きする訳ないでしょ!」

 

 

射線上には誰も居ない。

弾幕が放たれている方向とは全く別の場所に文はいた。

彼女が狙ったのは神奈子の脇腹だった。

その場で弾幕を撃ち続けている動かない敵にショットを当てるなど容易な事だ。

 

 

文「風神と呼ばれた実力、嘗めないでほしいですね!」

 

 

ギュオォォォォォ!!

 

 

神「下から!?

読みが外れた!!」

 

 

竜巻が神奈子を飲み込み、食べ物を消化するかのように彼女の身体を切り裂く。

ガードするも皮膚を切り裂き続ける風の刃は治まらない。

そんな中、神奈子は文に御柱の砲身を向けた。

 

 

神「諸刃の剣さ、喰らいな!」

 

 

ドォン!

 

 

文「そんな!

あの中で動けるなんて!」

 

 

動きを封じつ続けるために動けない文は、緊急回避を行うが、砲弾が早すぎて直撃を免れそうにない。

しかし、弾は竜巻で軌道が逸らされたる同時に風に斬られて文に当たる寸前で大爆発を起こした。

 

 

ドカァァァァン!!

 

 

文「きゃぁぁ!?」

 

 

爆発の炎に巻き込まれた文は力を抜かれたように墜ちていき、そのまま湖の底へと沈んでいく。

それから彼女が上がってくることは無かった。

 

 




文の勇姿を書きたかったのですが、結局噛ませ犬みたいになっちゃいましたw
神奈子には敵いませんが、レミリアとかだったら良い勝負しますよきっと。
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