東方混迷郷   作:熊殺し

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前回消してしまった長編異変を再び始める事を決意し、緋想天編を速やかに終わらせたいと思うばかりに話が適当になっている気もしなくないです。


緋想天91話

妖怪の山の遥か上空に浮かぶ厚い雲の上。

そこには、橋で繋がれた大きな島が10個ほど浮かんでいる。

空の楽園、天界である。

 

 

~天界~

 

 

天界は、大きな島を取り囲むように小さな島が浮かんで出来ている浮遊島群だ。

殆どが芝生か一面桃の木の森だが、中心の島には大きな中華風の屋敷が建っており、其処には天人達の総領が住んでいる。

その総領の一人娘こそが、比那名居天子である。

 

 

~~~~~~~~~~~~~

 

 

彼女は心底退屈そうに芝生に寝転がっていた。

大の字になって空を見上げれば、真っ青な自由が広がっており、夜になれば満点の星空が堪能できる。

雲は島の下に海のように満たされており、天界では雨が降ることが無い。

一年中お天道様が拝める。

・・・・なんて退屈なのだろう。

何度見た景色だろうか。

特に何もすることが無い世界で暮らしても、退屈なだけだ。

 

 

天「あ~あ、異変起こしてから一週間も経ってるってのに誰も来ないじゃん。

もしかして異変だって気がついてないのかなぁ?

・・・暇だなぁ」

 

 

今日もいつもと同じ晴天が空いっぱいに広がっている。

もうこのまま昼寝でもしようか、そう考えたその時。

二つの大きな気力を持った者が地上からこちらへ飛んできていることに気がついた。

ザッと上半身を起こし、詳しく力を探ってみると、一人は人間であることが解った。

 

 

天「フフ、アハハハ!

やっと来たのね!待ちくたびれちゃったじゃない!」

 

 

軽やかにバク転で立ち上がり、腰に挿した緋色に輝く剣に肘を掛けて待つ。

すると、雲の海から勢いよく二つの物体が飛び出してきた。

 

 

響「お?着いたっぽいよ?」

 

鈴仙「うっわぁ、すごい光景!

まるでラピュタじゃない!」

 

響「うん、ガリバー旅行記の方だと思いたいけどあんまり言わない方が良いよその単語」

 

鈴仙「え?何で?」

 

響「大人の事情ってやつだよ。

あまり深く考える必要もないから気にしなくていいよ」

 

鈴仙「???」

 

 

何だか意味深なやり取りをしながら天界の地へ降り立った二人は、天子の存在に気が付くと急かさず身構えた。

期待できそうな二人を見た天子は一気にテンションが上がる。

 

 

天「あはっ!貴方達中々強そうじゃない!

楽しませてくれそうだわ!」

 

鈴仙「うっさいわね!

アンタが比那名居天子ね?

さっさと幻想郷の天気を元通りにしなさい!」

 

天「良いわよ、ただし・・・。

私に勝てたらね!」

 

鈴仙「!!」

 

 

凄まじい速さで鈴仙の懐まで詰め寄った天子は、腰から剣を抜刀して鈴仙の身体を斬り上げる。

間一髪でこれに反応できた鈴仙は後ろへ倒れるように躱し、ワイシャツを掠っただけで済んだ。

しかし、彼女の目ですらも追いつくのに一苦労だった天子の一撃。

それは、彼女の実力の表れでもあった。

 

 

天「この一撃を避けるなんて、やっぱり貴女強いわね?」

 

鈴仙「グッ!は、速い!!」

 

 

さらに天子は追い討ちをかけ、鈴仙の胴体に剣を振りかざした。

しかし・・・。

 

 

ガキィン!!

 

 

その一撃は間に入った響華の大幣で防がれた。

 

 

響「流石、この時からこんなにも強かったのね」

 

天「何だか私の事を知っているような口振りね。

博麗の巫女とは顔を合わせた記憶が無いのだけれど?」

 

 

ドガッ!

 

 

響「うぐっ!」

 

 

刀を受け止められた天子は、響華を蹴り飛ばして距離を取る。

彼女は脚力も凄まじく、防御していた響華が体勢を崩してしまう程だった。

 

 

天「やっぱり見込んだ通りだわ。

貴方達、名前は何て言うの?」

 

響「博麗響華、未来から来た博麗の巫女」

 

鈴仙「鈴仙・U・イナバ、元軍人の玉兎」

 

天「未来人に元軍人?

アハハっ!何だか全然接点が無いコンビね。

気に入ったわ、徹底的にやり合いましょう!」

 

 

高らかに笑いを上げた天子は左手で指を鳴らした。

 

 

パチンッ!

 

 

その刹那、彼女の周りにドリルのような形をした岩が無数に現れ、その全ての矛先が響華達に向けられた。

 

 

天「行きなさい、要石」

 

 

彼女の一言で全ての要石が一斉に二人へ襲い掛かる。

掘削機のように回転する岩は、見た目の重厚さとは裏腹にとてつもない速さで向かってきた。

 

 

鈴仙「こんなもので!」

 

響「優曇華!避けて!」

 

 

響華が真っ先に回避する中、近づく要石を鈴仙は両手を銃の形にして狙撃で迎撃する。

そして、その全弾が目標へ確実に着弾した。

 

 

ドドドドドドドドド!!

 

 

鈴仙「フフ、この程度の岩くらいで私が怯むとでも・・・って、何ですって!?」

 

 

驚きを隠せなかった。

確実に当たった筈の要石は、破壊どころかスピードも全く変わらず自らに向かってきていたのだ。

鈴仙の攻撃が全く効かなかったのだ。

慌てて鈴仙あその場から退避する。

すると先程まで経っていた大地は要石により掘削され、根こそぎ土の塊となって地上へと墜ちていった。

その凄まじい破壊力に、彼女は戦慄した。

 

 

鈴仙「あんなものをまともに喰らってたら・・・」

 

響「気を付けて、天子ちゃんは私が戦った事のある人の中でも上位に入る実力の持ち主だよ!」

 

天「未来での話ね?

あとでゆっくり聞かせてもらおうかしら。

でも・・・このお遊戯が済んでからね!」

 

響「望む所よ!

優曇華、同時攻撃行くよ!」

 

鈴仙「タイミングは響華に任せるわ!」

 

 

そういうと二人は一気に加速して天子との距離を詰める。

先に仕掛けたのは鈴仙だった。

 

 

鈴仙「零距離ならこれでも!」

 

 

最大加速に到達したところで慣性飛行に切り替え、さらにブレーキをかけながら両手を合わせた銃で強力なエネルギーを指先に集中させる。

しかし、隙が大きすぎる。

 

 

天「見え見えよ、何を企んでるのか知らないけど」

 

 

まさに格好の餌食である鈴仙を最初に始末しようと、天子は剣を抜いて地面を思い切り蹴る。

その時、鈴仙はニヤリと笑った。

 

 

鈴仙「かかったわね!」

 

 

ギャイン!!

 

 

天「うわっ!」

 

 

鈴仙の目が赤く光り、天子はそれを直に浴びてしまう。

しかし、怯むほどではなく、剣先は真っすぐ鈴仙を仕留めた。

 

 

スパン・・・

 

 

天「んなっ!?

軽すぎる!!

残像を斬ったとでも言うの!?」

 

 

間違いなく天子の剣は鈴仙の身体を真っ二つにしたはずだった。

にも関わらず、剣の手ごたえは空を斬ったかのように軽かった。

その一撃の軽さに気を取られていると、すぐ目の前に響華が迫っていた。

 

 

響「はぁぁぁぁ!」

 

天「!?」

 

 

驚いた天子はすかさず剣を振ろうとするが、響華の速度に追いつけず、慣性速度と同調した蹴りが腹部に直撃した。

 

 

ドゴォ!

 

 

天「ぐあぁぁぁ!」

 

 

その衝撃は大きく、防ぐことが出来なかった天子は地面へ真っ逆さまに落ちていき、巨大なクレーターを作り上げた。

そこへさらに鈴仙が、幻覚を使って時間を稼いでいる間に貯めていたエネルギーを解き放ち、追い撃ちを掛ける。

 

 

鈴仙「今よ響華!

ルナティックマグナム!」

 

響「ホーミングアミュレットぉ!」

 

 

鈴仙の特大レーザーに、響華の誘導札。

二つの爆撃をクレーターの中心に向けて撃ちまくる。

着弾の度に大きな土煙が舞い、大地を焦がしていった。

 

 

響「これだけ撃てばかなりのダメージを与えている筈」

 

鈴仙「感じる霊力も弱まってるし、もうボロボロだったりしてね」

 

 

攻撃を打ち止めた二人は霊力を探って、天子が既にダウンしているだろうと考えた。

これ以上追撃をしても彼女を虐めるだけだと。

しかし、その甘い考えは直ぐに消えた。

煙がある程度晴れると、平然とその場に立つ彼女の姿が見えたのだ。

 

 

響「そんな、あれだけの攻撃を受けたのに!」

 

鈴仙「噂に聞く鬼みたいな強さじゃないの・・・」

 

天「う~ん、これでも割と堪えた方なんだけどなぁ。

おかげで服がボロボロだよ」

 

 

首をボキボキと左右に鳴らし終わると、天子は左手の人差し指をクイッと上に上げる。

すると、再び大量の要石が今度は地中から姿を現した。

注連縄の掛かった浮遊する岩は、天子を取り囲むように周囲へ群がる。

 

 

天「さぁ、今度はどんな技を見せてくれるのかしら?」

 

 

to be continue...

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いやぁ、苦戦しますね~。
まぁ響華が本気出したら簡単に勝負が着くのですが、あの子は本当に必要な時にしか能力を使いません。
霊夢より強いですが、夢想天生を越える技を能力を抜いたら持っていないのです。
因みに、響華はリュウトと兄妹ですが、光を纏えないし神化出来ません。
その代わりに博麗の血をかなり濃く引き継いでいるという設定です。
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