東方混迷郷   作:熊殺し

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激しい高速戦闘は表現が難しくて嫌になってくるね


緋想天94話

天界の大地が望める空で、二人の少女が激しいドッグファイトを繰り広げていた。

炎の剣は振る度に火炎を撒き散らし、辺りを灼熱へと変える。

それでも響華は怯まず剣を受け止め突貫していく。

最も今の彼女は中途半端な火炎くらいで怯まない程の強さを持っているのだが。

 

 

響「熱っついなぁ!!

突っ込む方の気にもなってよ!」

 

天「どうせ全く堪える程じょないんでしょ?

まぁ、そんなに熱いのが嫌だったらやめてあげるけどさっ!」

 

 

鍔競り合いの中、響華の愚痴を聞いた天子が緋想の剣に新たな力を込める。

すると炎が消え、今度は冷気を纏った氷の剣へと姿を変えた。

その変貌ぶりに驚いた響華は一瞬だけ力を抜いてしまう。

その隙を天子が逃す訳なかった。

 

 

天「接近戦はほぼ互角。

あとは武器の強さと、一瞬の油断が勝敗を決する切欠となる」

 

響「何をっ!」

 

 

剣で響華を弾き飛ばし、懐に蹴りを入れて吹き飛ばす。

と同時に天子はさらに剣を水平に振り、無数の氷柱を撃ち出した。

地表に叩き落された響華は瞬時に起き上がり、その場から急いで退避する。

地面擦れ擦れを飛行しながら飛来する氷柱を、右、左に身体を逸らして回避していく。

その最中でも、響華は反撃を忘れてはいなかった。

 

 

響「ちぃ!もう残りの札が少ない!」

 

 

袖から封印札を投げつけながら、残りの札の枚数を手の感覚で確認する。

弾幕よりも強力なアミュレットは数に限りがあり、戦闘が長引けばそれだけ消耗する。

というよりも、札だけでなく針の数も少ない。

無くなるのも時間の問題だ。

 

 

響「当たれば少しでも動きを止められるのに!」

 

天「厄介な武器だけど、数には限りがあるみたいで助かるわ」

 

 

天子が人差し指をクイッと上げる。

すると地面が大きく隆起し、飛行している響華の進行方向に壁を作り上げた。

 

 

響「やっばぁ!?」

 

 

速度が出ていた響華は止まることが出来ずに頭から固い壁へと突っ込む。

さらに隆起した大地は彼女を包み込み、ドーム状に固まった。

 

 

天「拘束完了っと。

さぁ、このまま握りつぶしてあげるわ」

 

鈴仙「響華ぁ!

くっ・・・このぉぉ!」

 

天「無駄よ、ショット」

 

 

ビジュン!

 

 

響華が圧殺されてしまう前に阻止しようと天子にバズーカの砲身を向けるが、トリガーを引く前に拡散弾幕による先制攻撃を受けてしまう。

クラスター爆弾のように広がる爆撃は鈴仙を巻き込み、広範囲に煙を撒き散らした。

 

 

ズバババババババババン!!!

 

 

天「妖力が無くなった妖怪なんて、所詮こんなものよ。

無力なのに歯向かってきた自身の愚かさを悔やむが良いわ」

 

鈴仙「・・・・・」

 

 

確実に無事では済まされない一撃を受けた鈴仙は満身創痍となり伏した。

直後、ドームに異変が起きた。

ひび割れた表面から光線が漏れ出し、光の大爆発を巻き起こしたのだ。

ゆっくりと上昇する響華の身体には傷一つついてはいなかった。

しかし、彼女は目の前の景色に絶句した。

 

 

響「!!!!

優曇華ぇ!!」

 

 

返事をしない倒れた相棒の姿。

彼女の周辺は爆撃の後のように焼野原が広がっていた。

到底許すことは出来ない。

この時、響華の中には怒りの感情がふつふつと湧き上がっていた。

無言で亜空穴で天子の目の前までテレポートし、高速の左ストレートを突き出す。

その拳には、静かな怒りが込められていた。

天子は体を強化しての余裕を見せていたが、拳が眼前まで近付くと咄嗟に左腕で拳を防いだ。

身の危険を感じたのだ。

 

 

響「お前ぇ・・・」

 

天「何、この力は・・・!

さっきまでこんな力はなかったのに!?」

 

 

怒りの鉄拳は治まる事を知らず、再度左ストレートを左腕部に向けて繰り出す。

 

 

バゴォッ!!

 

 

天「いっ!?」

 

 

激しい痛みを右腕部に感じた天子の顔が歪む。

しかし、彼女の中では痛みよりも驚きの方が感情としては大きかった。

無念無想の境地を使用した自分の身体に傷をつけたのは彼女が初めてだったからだ。

気合いを入れて響華の拳を掃い、高速の剣技を魅せる。

しかし、彼女の振るう剣が響華に届くことはもう無い。

剣の軌道を完全に読まてしまい、最小の動きで全てを避けてみせた。

 

 

響「こうしてみると、案外大したことないね」

 

天「何ぃ!?」

 

響「だってそうでしょ?

現にあなたは今、敗けている」

 

天「このぉっ!」

 

 

緋想の剣を両手で持ち、響華の頭上へ本気で振りかぶる。

が、その渾身の一撃は片手であっさりと挟まれてしまった。

 

 

響「捕まえた・・・。

絶対逃がさない・・・絶対に!」

 

 

彼女は分かっていたのだ。

緋想の剣は比那名居の家宝。

手放すことは許されない事に。

これを掴まれた時点で比那名居天子に逃げるという選択肢は許されないのだ。

 

 

響「やりすぎなんだよ。

死んじゃったらどうするのさ」

 

天「し、死ぬ?」

 

 

蛇に睨まれた蛙のように怯える天子に響華が問う。

唐突な質問に戸惑った彼女だが、別に関係ない者が死のうと知ったことではない。

 

 

天「ハン!自分と関係ない者が死のうと知ったこと無いわ!

私は聖女ではないもの!」

 

 

その言葉を聞いた響華の手のひらは、そっと天子の胸の前へ翳された。

そして、手のひらを中心に金色に輝く巨大な結界陣が現れた。

中心の陰陽陣は輝きが金から白へと変わっていき、エネルギーが急速の収束していった。

 

 

響「じゃあ、死ぬ恐怖を教えてあげる」

 

天「アンタ、何をっ!」

 

響「大丈夫、殺しはしないから。

ただ・・・優曇華が味わった恐怖をあなたにも味わってもらうだけだから」

 

 

その刹那、陣が先程とは比べ物にならない程の輝きを放ち、天子の身体を光の渦へ巻きこんでいく。

容易く天子の身体を覆う光源の正体は超巨大なレーザーだった。

巨大なレーザーを至近距離でその身に受け、光で体の影が歪んでいく。

 

 

天「ガァァァァァァァァァ!!!???」

 

 

断末魔と共に彼女の影は消えていき、彼方へ吹き飛ばされる。

それでも尚、光線は重力に縛られず真っ直ぐ飛んで行った。

この一筋の光は地上からもはっきりと判るほど太く、美しいものだった。

しかし、効果は今一つ。

手ごたえのある一撃だったが、響華は渋い顔でその跡を凝視していた。

 

 

響「少しパワーを抑えすぎた・・・やはり防御面では鬼以上か。

天人って何でこうも厄介なんだろ、仙桃食ってるだけでこれじゃあこっちもやってられないよ」

 

 

天の大地を抉った一撃を受けても尚、比那名居天子の体力は戦闘を行うに十分な体力を残していた。

全力の一撃ではなかったが、かなり強力だった筈。

しかし、天人の硬度はそれ以上だったようで、正面から直撃した天子は深手を負いながらも未だ浮遊したままだ。

 

 

天「く、クソっ!

私がこんな・・・こんな屈辱を・・・!」

 

響「まだ諦めないの?」

 

天「私に敗北の二文字は似合わない・・・。

だって私は、天界の王の娘なのだから!」

 

響「自分が蒔いた種でしょうに。

どんだけわがままなの」

 

天「うるさい!

私はあいつらを見返してやるんだ!

地上上がりの天人を馬鹿にする奴等に・・・!」

 

響「地上上がりの天人・・・」

 

天「もうどうなったって構いやしない!

ここいらもろともお前らを消してやる!」

 

響「!!!」

 

 

天子が能力を行使し、地面を隆起させる。

しかし、先ほどまでの隆起とは桁が違い、今度は島全体を隆起させた。

大地は一直線に宙へ伸び、成層圏を突破した。

 

 

天「此処は地上から最も遠い大地。

ここをお前の墓場にしてやる!」

 

 

天に昇る彼女は剣を握り直し、その刃を響華へと向けた。

 

 

to be continue...




何か良くわからん話になってきた。
なにがしたいんだ俺は…
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