東方混迷郷   作:熊殺し

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早めに投稿しておきます。
出し惜しみする理由もありませんからね。
では本編いってみよう。


地霊殿105話

咲「・・・・う、うん?」

 

リ「ようやく起きたか、かなり強い催眠に掛かっていたのだから仕方がない。

身体の方は大丈夫か?」

 

 

咲夜が目を覚ました時、既にそこは地底の入り口ではなかった。

畳の部屋に敷かれた布団の上で寝ていた彼女は、隣にリュウトが居る事を確認すると妙に安堵した。

自分が倒れた後、リュウトが此処まで運んできてくれたらしい。

此処は一体何処なのだろうか?

 

 

リ「あぁ、君が倒れた後で宿屋を探してな。

さっき戦ったパルスィの友人が経営している宿屋に入らせてもらった」

 

咲「よく泊めてもらえましたね・・・」

 

リ「パルスィからもらった通行許可証を見せたらあっさり入れてもらえたんだ」

 

咲「通行許可証?ですか?」

 

リ「あぁ、これなんだが」

 

 

彼はポケットからそれを取り出し、咲夜に見せた。

妖怪の文字を見るのが初めてな彼女は興味津々にそれを眺めた。

 

 

咲「へぇ、これがあれば私達で出歩いて平気なのですか」

 

リ「パルスィが言うにはそうらしい。

そいつは地底の中でもトップクラスの強さを持っているそうだからな」

 

咲「この地底で・・・ということはリュウトさんの探しているお方なのでは?」

 

リ「いや違うな、俺たちの目的は地霊殿の最深部だ。

まぁ、それに匹敵するほど強力だがな」

 

咲「・・・まさかとは思いますが、先ほどから此方を襖の奥から覗いている方ですか?」

 

 

彼女の指を差す先には、襖から覗く額に立派な一本角を生やした女性が此方をじっと見ていた。

あの角を見る限り、その人が鬼であることを想像させる。

咲夜に気づかれた彼女は、思いっきり襖を開けて唐突に自己紹介を始めだした。

 

 

勇「お嬢ちゃんが気が付いたみたいだね。

私は星熊勇義、この旅館を経営している鬼の星熊とは私の事さ!」

 

咲「は、はぁ」

 

 

金髪の長い髪にグラマラスな体付き、それを見た咲夜は自分の貧相な体に悲しくなった。

 

 

咲(私だってあれくらい成長すれば・・・)

 

 

と、心の中で考えてみたものの、やはり勝ち目は無さそうだ。

星熊勇義は鬼の中でも特に強者とされる怪力乱神を操る鬼だ。

中堅妖怪ならハダシで逃げ出すほどの超大物が目の前に居るのだ。

 

 

勇「おい嬢ちゃん、具合の方は良いのかい?」

 

咲「え?はい、何ともありませんわ」

 

 

素っ頓狂な声を出してしまった咲夜に勇義は大笑いした。

 

 

勇「あっはっはっはっは!そうかそうか、それならいいんだ。

いやな、私の友が散々な事をしたというもんだから心配していたんだよ。

根は悪い奴じゃないんだけどな、ひねくれものなんだよあいつ。

許してやってくれよな」

 

 

咲「私はあまり覚えていないので何とも・・・」

 

リ「別に何もなかったから心配するな、ただ気絶しただけさ」

 

咲「それはそれは、ご迷惑をお掛けしました」

 

リ「いいさ、咲夜が無事ならそれでいい」

 

 

何故この人はこんな恥ずかしい言葉を平気で口に出来るのか、しかし嬉しい事は確かなので何とも言えない。

咲夜の顔が赤くなっている事は勇義に直ぐにバレた。

 

 

勇「おいおい、お連れさん顔真っ赤じゃないかい。

照れちゃってかわいいねぇ」

 

咲「そっそんな事は決して!」

 

勇「いいさねいいさね!

今日は泊っていって良いからさ、ゆっくりしていきなよ」

 

 

そう言うと勇義は背中越しに手を振って去ってしまった。

という事は今日はこの部屋でリュウトと二人きりという事だ。

 

 

咲(ど、どどどどうしましょう!?

お嬢様方がいらっしゃらない状況で二人きりだなんて!!)

 

 

そこで咲夜は最後にレミリアから伝えられたアドバイスを思い出した。

 

 

 

 

  咲夜、下着は新しいものを用意しておくのよ。

 

 

 

 

碌でもないアドバイスだと思ってたが、もしかすると使う時が来るかもしれない。

そういう状況だろう。

ちゃっかり持ってきておいて正解だったようだ。

 

 

咲(ほ、本当にやるのかしら・・・やっていいのかしら・・・)

 

 

不意に視界に入った自分のキャリーバッグを見つめ、生唾を飲む。

あの中には自分が持っている中でも最上級のランジェリーが入っているのだが、今それを着けるべきなのだろうか。

自分が今何をしようとしているのか冷静に考えてみると、徐々に顔が赤くなる。

 

 

リ「咲夜、顔が赤くなっているが、やはり体調が優れないのではないのか?

熱でもあるのか?」

 

咲「えぇ!?そ、そんな・・・」

 

 

直ぐに顔に出てしまうのは厄介極まりない。

頬を両手で隠しながら小走りで部屋の隅に座ると、一旦深呼吸して心を落ち着かせようとする。

しかし、反復してあの言葉が頭の中をぐるぐるとまわっており、彼女から理性を奪っていった。

 

 

咲(いけない、油断するとつい考えてしまうわ・・・)

 

 

エッチな女だという自覚は全く無いし、そういった経験も全く無いのだが、意識してしまうと恥ずかしくなってくる。

一体どうすればいいのだろうか、誰かこの状況の一番の対処方法を知っている方が居れば是非ご教授願いたいところだ。

そんな頭が大混乱な咲夜の事など気にも留めず、彼はとある提案をした。

 

 

リ「咲夜、折角だし此処で一日くつろいでからにするか」

 

咲「え?」

 

リ「あんなことがあった後で君も疲れているだろう。

丁度ここは温泉街として有名でな、身体を癒すには持ってこいの場所だ。

勇義もああ言っていたんだし、遠慮することもない」

 

咲「私の為にそんな時間を割いては・・・」

 

リ「嫌なのか?」

 

咲「い、いえ!そんな事は決して!」

 

 

嫌なわけがない、温泉も好きだ。

それが好き愛する人と一緒なら尚の事だろう。

でも何故突然そんなことを提案したのだろうか?

 

 

リ「どうしたんだ、君らしくないぞ。

いつもなら飛び跳ねて喜ぶのに、一体どうしたんだ?」

 

咲「飛び跳ねて喜んだことなんて一度もありませんわよ!!

私そんなはしたない女ではありません!」

 

 

頬を赤らめて反論する咲夜に、思わずリュウトも笑ってしまった。

 

 

リ「そうしている方が君らしいぞ、可愛いしな」

 

咲「かッ!可愛い!?」

 

リ「ハハハ!本当に顔に出る性格だな。

さぁ、温泉街を楽しもうじゃないか」

 

咲「あぁ!待ってくださいリュウトさ~ん!」

 

 

部屋を出て温泉街へと繰り出すリュウトの背中を咲夜も走って追う。

先程までのようにあまり深く考えるのを止め、今日一日はこのままでいいかな?と、素直に楽しもうとする咲夜なのであった。

 

 

to be continue...




星熊勇儀さんの登場回でした。
個人のイメージで勇儀は陽気な雰囲気してそうなんでこんなキャラになりました。
原作のキャラ感大事にしたいですが、地霊殿3面まで行ったことないんでダメですね。
ではサイナラ
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