東方混迷郷   作:熊殺し

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勇儀との戦い決着です!
本編どうぞ。


地霊殿108話

リ「おい!あれを地底でやろうというのか!?

街が壊れるどころか地下空間が崩落しかねないぞ!」

 

 

急激に妖気の濃度が増していく勇義に、リュウトは危機感を感じた。

彼はこの技を知っている、そう、未来の世界で既にこの技を見ているのだ。

故にこの技の威力も、危険性も両方知っているのだ。

その経験が警告している、此処でそれを使わせてはいけないと。

 

 

リ「勇義、考え直せ!

此処で三歩必殺を使えば威力が強すぎて地下空間が崩落するかもしれないんだぞ!」

 

勇「だったら必死で押さえつけてみなぁ!!!」

 

 

一歩進むごとに妖気が倍以上に膨れ上がっていく。

これをまともに受ければリュウトの体は一瞬で粉みじんになってしまうだろう。

普通の人間が旅客機に轢かれるときのような規格外さだ。

今のリュウトにはこれを受け止められる力が無い。

 

 

勇「死んじまっても恨むんじゃないよ!」

 

リ「流石にこれを防ぐ事は出来ない・・・俺の負けという事ではダメか?」

 

勇「だったら本気でどうにかしてみなぁ!」

 

 

究極なまでに高まった妖気がビッグバンを起こす直前、リュウトの視界にあるもの全てが静止した。

いや、正確には人間が認識できないほどの速度で動いている。

まるで世界が止まったかのように。

 

 

勇「らあぁ!!!」

 

リ「一か八か、保ってくれよ!」

 

 

光壁:ダイヤモンドウォール

 

 

勇義が拳を振り下ろした瞬間、突如現れた透明に輝く巨大な壁に阻まれた。

一瞬の衝撃で中心から全体に大きな蜘蛛の巣状のヒビが入ったが、見事に三歩必殺を受け止めた。

その壁の後ろには、先程の黒髪の青年とは似ても似つかない、輝く4枚のダイヤ形の翼を持った白髪の青年が壁を押さえ付けていた。

 

 

勇「な、何だいありゃあ!?」

 

リ「この地底世界を破壊させるわけにはいかない。

最強の矛と最強の盾、どちらが強いか勝負しようじゃないか」

 

 

激しいオーラの嵐が辺りの空気をミキサーのように掻き混ぜ、家屋の瓦を引っぺがし、立っていることすら出来ないほどの暴風を巻き起こした。

 

 

勇「貫けぇぇぇぇぇ!!!」

 

リ「ダメだ、威力が強すぎる!!

だが・・・やるしかない!」

 

 

地底街など一瞬で消えてしまうほどの威力を放つはずだった三歩必殺は、その壁を破壊寸前までボロボロにしたが、完全破壊には至らずに消失。

静寂が訪れると輝く壁も徐々に消え失せていった。

 

 

リ「フゥ、ギリギリ持ちこたえてくれたな」

 

勇「そ・・・そんな馬鹿な・・・?」

 

 

自身の持つ究極であり最強の一撃がこうもあっさりと受け止められてしまい、全力を出し切ってしまった勇義は両ひざをついてしまう。

そして思い知った。

今、目の前に居る輝きを放つ白髪の青年は自分を倒せる実力を備えた者なのだと。

 

 

リ「しかし・・・俺の負けだ」

 

勇「な、何だと!?」

 

 

その一言は彼女の怒りを買った。

無敵と呼称していた技をこうもあっさりと無力化した癖に、今更何故負けを宣言するのかが理解できなかった。

彼はその気になれば一瞬で自分を半殺しに出来る力を持っているというのに。

 

 

勇「お前、それほどの力を持っていて何で隠していた!?

その気になれば一瞬で勝敗をつける事だって出来ただろ!!」

 

リ「俺は最初に言ったはずだ、自分の実力を見る為の戦いだとな。

この力を出してしまったということは俺の実力はまだまだだったという事だ、だから俺の負けだ」

 

 

という事は、この男は本気を出さずに鬼の四天王、星熊勇義を倒すつもりでいたわけだ。

なんて嘗めた奴なのだろう、彼女はマジで殺してやろうと考えかけた。

しかし、実力差が愕然としているのでその考えは一瞬で消えた。

 

 

勇「はぁ・・・アンタには恐れ入ったよ。

それにしても凄いな、私の三歩必殺で砕けなかったものは無かったのに」

 

リ「いいや、流石に危なかった。

俺のダイアモンドウォールは最高硬度を誇る切り札だった。

しかしあの壁を貫通寸前まで削るほどの威力はなかなか無い。

更なる修行が必要だと実感した」

 

 

今以上に強くなるつもりらしいが、勇義からしてみれば、それほどまでに力を欲する理由がわからなかった。

今でも十二分に強い筈なのだが・・・。

 

 

リ「俺は今以上の力を手に入れなければならない、とある者との闘いに備えてな。

しかしそれには仲間も必要なんだ、共に戦ってくれる仲間が。

だからこうして咲夜と二人で地底に来た」

 

勇「その戦わなければならない奴ってのは私も関係するのかい?」

 

リ「あぁ、幻想郷に棲む全員の問題だ」

 

 

眉唾物の話だが、リュウトの目は嘘をついていなかった。

嘘が嫌いな鬼族だが、この話は信憑性が無くとも信じるに値する話だと勇義は確信した。

 

 

勇「それについては詳しく話してくれないのかい?」

 

リ「近いうちにわかるさ、恐らくな。

・・・できればそんな事が起こらない方が良いのだが」

 

 

遠くを見つめる彼の目には哀しみが溢れていた。

連れ添っている女性の前では全く見せることが無かった目だ。

この時、勇義は彼の言う来るべき危機について詮索しようとするのを止めた。

 

 

勇「・・・わかったよ、さぁ行きな。

地霊殿に用があるんだろ?さとりの奴も薄々アンタらが来るのを勘づいているだろうし」

 

リ「破壊した街はどうするつもりだ?」

 

勇「こんなもんは鬼の手に掛かれば元通りなんて朝飯前さね、気にしなくてもいい。

地霊殿の場所はもう知ってるみたいだしね、何故か」

 

リ「あぁ知っているとも、俺の能力と相性の良い人物が居るんでな」

 

 

そう言うとリュウトは勇義の前から去っていった。

彼の姿が見えなくなった頃、勇義は瓦礫の上に寝そべって真っ暗な空を見上げる。

今まで生きてきても知らなかったこの世界の可能性を実感し、疲れ切った体で眠気に身を委ねるのだった。

 

 

しかし彼らの戦いが起こった同時刻に、この地底世界と幻想郷を揺るがすとある事件が起きようとしていた。

 

 

To be continue...

 




リュウトの使ったスペルカードは春雪異変で咲夜を守るために使ったものと同じで、幽々子の攻撃を受けた時は無傷でした。
勇儀のフルパワーで破壊寸前なので、勇儀は幽々子よりも力はかなり上ということになります。
全国の幽々子推しの皆さんゴメンナサイ
では評価、感想お待ちしております。
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