彼女達の奮闘をご覧ください。
リュウトへのとどめの一撃を霊夢に邪魔された空は、目いっぱいの脚力を使って飛び上がり、翼を羽ばたかせて殺気を飛ばしながら一直線に彼女たちに突撃した。
空「邪魔をするなぁっっ!!」
魔「おぉおぉ、随分お怒りだぜ?」
霊「関係無いわ、やるわよ魔理沙」
魔「あぁ、お前はリュウトを回収してやれ、此処は任せろ!」
二手に分かれて空の突撃を躱すと、霊夢は急降下してリュウトを抱きかかえ、地霊殿へと向かった。
霊「あの建物の中ならどうにか安全そうね、生きててよ、リュウト」
抱えたリュウトは意識が無く、全く動かない。
息は辛うじてしているようだが、このまま放っておくのが危険な事に変わりはなかった。
霊夢が地霊殿の正面扉を蹴り開けると、そこにはさとりの姿があった。
さ「その方はこちらで応急処置を施しておきます、貴方はもう一人の方を助けてあげてください」
霊「あんた誰よ?館の主か何か?」
さ「そうです、さぁ早く」
霊「不本意だけど・・・仕方ないわね、魔理沙に任せっぱなしに出来ないし、頼んだわ」
そう言うと霊夢はさとりにリュウトを渡し、一気に魔理沙の下へ飛んだ。
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霊夢と二手に分かれた魔理沙は空の突撃を躱すと、後ろへ回り込んで攻撃を仕掛けた。
魔「まずは様子見でもするか、マジックミサイル発射!」
魔法陣から直線に飛ぶ魔力弾を連射して、相手がどの程度の強さなのかを計ろうとする。
体力全快の空であればこの程度の攻撃は何ともないだろうが、今の彼女の余力ではそうはいかない。
翼に直撃された空はバランスが崩れて墜落しかけてしまう。
空「ええい、ダメージが大きすぎた!」
魔「リュウトに随分とボコボコにされたみたいだな、余力が残って無いぜ?」
空「勘違いするなよ魔法使い、お前一人で私を倒せると思ったら大間違いだぞ」
左腕を広げて六つのエネルギー弾を生成して魔理沙に投擲する。
咄嗟にその場から回避運動を取るが、空によって操作されたそれは魔理沙を追いかけるように飛行した。
魔「クソっ、なんだこれ!振り切れない!!」
アクロバットで弾幕から逃げ切ろうとするも、追尾性能が高くどうしても振り切ることが出来なかった。
どうしたものかと考えていると、ふと思い出した。
魔「そうだ!身代わり人形!」
ポケットから取り出したにはアリスから渡された身代わり用の人形。
それを後ろへ勢いよく投げると、今までおい駆けて来ていた弾幕が人形目掛けて飛んでいき、大きな花火となった。
魔「っしゃあ!決まったぜ!」
上海「上手いわよ、魔理沙」
魔「うおっ!?いきなり出てくるなよびっくりするじゃんか」
ガッツポーズを決めていた魔理沙の肩からピョコっと上海人形が顔を出した。
突然喋り出すアリスに驚いて心臓が止まりそうになる。
ア「まだ油断しちゃだめよ、敵の追撃が来るわ」
魔「だったら私の新必殺技で倒すまでだぜ!」
高速で接近しながら弾幕を放つ空。
経験豊富な魔理沙に単純な弾幕が通用するはずもなく、容易く回避され、魔理沙も応戦した。
魔「ノンディレクションレーザー!」
弾幕の雨をすり抜けながら、巨大な魔術の手裏剣を二つ投擲する。
空「そんな大振りな攻撃に当たるわけないでしょう!」
二つのノンディレクションレーザーの間をすり抜けるように避けて突き進もうとした空がその間に入った瞬間、魔理沙が開発した新技がさく裂した。
魔「今だ!マジックマグネトロン!」
空「何!?」
その瞬間、彼女は二つの手裏剣の中心で急に身動きが取れなくなった。
まるで何かに引っかかったような、固定されているような感覚に陥った。
それは名前の通り、魔法で構成された磁場の檻に捕まってしまったのだ。
魔「どうだ私の新技その一、マジックマグネトロンの威力は!
もう逃げられないぜぇ?更に十八番の!」
スペル:マスタースパーク
動けないように固定してから一撃必殺の巨大レーザーを撃ち込む。
直線にしか飛ばないせいで今まで避けられやすいという欠点を持っていたマスタースパークを100%当てることが出来る戦術を完成させたのだ。
今はマジックマグネトロンの維持に魔力を削いでいる為、マスタースパークまでしか撃てないが、慣れればいずれはファイナルスパークもそのまま撃てるようになるだろう。
弱った空ならばマスタースパークでも致命傷だ。
空「さ、せるものかぁ!!!」
その場から抜け出せないと悟った空は無理矢理右制御棒をマスタースパークに向け、レーザー砲で相殺する。
威力は劣っていたが、どうにか直撃を免れた。
魔「こいつまじかよ、マスタースパークを打ち消して防ぎやがった・・・」
ア「拙いわ、檻が消えるわよ」
魔力を消費して枷が外れてしまい、再び空は自由の身となる。
しかし、ここから彼女が形勢逆転というわけにはいかなかった。
霊「何を手間取ってるのよ、こんな弱ってる相手に」
リュウトをさとりに預けてから少し観戦していた霊夢が呆れて魔理沙の前に現れた。
此処からは、異変解決タッグでの対決だ。
霊「蹴散らすわよ、いいわね?」
魔「愚門だな、準備は当に出来てるっての!」
霊夢が先行して空に接近戦を挑み、魔理沙は援護射撃に回る。
この戦法は個人で戦闘分担をすることで集中して攻撃をすることが出来るが、二人の息が合わなければどちらかが一方の攻撃を邪魔することとなる。
しかし、この二人の連携は完璧だ。
霊「はぁぁっ!」
空「ネズミがチョロチョロとっ!」
接近戦になると悟った空は制御棒をサーベルに変え、急接近する霊夢を両断しようと横に振る。
が、霊夢は空の目の前で宙返りして彼女の頭上を駆ける。
霊夢の背後からはサーフボードのように箒に乗った八卦炉を構えた魔理沙が現れた。
空「な、何!?」
魔「ワイドスパーク、弾けなぁっ!」
ズギャアン!!
空「グウウッ!?」
ワイドレンジ、拡散するマスタースパークを眼前で放ち、体中にダメージが行き渡った空は一瞬動けなくなった。
それを見逃さなかった霊夢は更にアミュレットによる爆撃を行い、彼女を地面に叩きつけた。
地に激突する手前でどうにか体勢を立て直し着地したが、後には追撃が待っていた。
霊「これで終わりじゃないわよ?」
自由落下で踵落としを決めた霊夢。
咄嗟に制御棒でガードするが、身体が思うようにバランスを保とうとしない。
ガクッと右足の関節が崩れ、態勢がが総崩れすると、霊夢はすかさず顔面へ蹴りを入れた。
空「ぐあぁ・・・」
霊「決まった!」
ガードもしていなかった空は膝蹴りを鼻先にもらい、意識が朦朧とし出す。
しかし、それを意地で建て直して霊夢に立ち向かった
空「小娘どもがぁぁあ!!!」
霊「なんて奴なの!?まだ戦う気力が残ってるなんて!?」
彼女は制御棒を再び霊夢に力任せに振り下ろす。
ビーム刃に当たらないように本体をお祓い棒で受け止め、跳ね返すと、今度は回し蹴りが左から飛んできた。
手で受け、馬飛びのように避けると、霊夢は封魔針を投げつける。
翼に被さったマントを盾代わりに防ぎ、お返しと言わんばかりに制御棒から砲弾を撃ちまくる。
上昇しながら結界を張ってそれを防御した霊夢は魔理沙へ援護射撃を要請した。
霊「魔理沙!今よ!」
魔「グッドポジションってやつじゃないか?」
霊夢が上昇して逃げた後、空もそれを追おうとするが、彼女の上空には5個の赤い小ビンが降ってきていた。
魔「クラスターボムの実験体にしてやるぜ!」
空の頭上で急に爆発したビンは、無数の魔力弾を豪雨のように地面に撃ちつける。
さながら戦争に使われたクラスター爆弾のようだった。
ア「魔理沙、少しやりすぎたんじゃない?」
魔「そんなことないだろ?目の前でマスパよりよっぽど優しいぜ」
爆煙で姿が見えなくなってしまったが、ダメージは相当の筈だ。
流石にもう方が着いたと考えた魔理沙が降下して様子を見ようとした時、煙の中から何かが勢いよく上昇してきた。
魔「な、なんだぁ!?」
飛び出してきたのは察しの通り、汗を流して息を切らしたボロボロの空だった。
どうやら致命傷になり得なかったようで、満身創痍ではあるものの、その目はまだ諦めていなかった。
空「はぁ・・・はぁ・・・クッソォォォォ!」
ヤケ糞になった空は天を指差し、指先にエネルギーを集中させる。
小さな光が急激に肥大化し、最終的にリュウトに放った太陽の数十倍ある超巨大人工太陽となった。
スペル:テラフレア
空「計画は達成されなかったが、こいつで何もかも消す!
これで地下の溶岩を刺激して大噴火だ!アッハハハハハ!!!」
霊「なんですって!?」
魔「こいつ正気か!?」
ア「二人とも早く阻止して!もしあいつの言う通りの事態になったら幻想郷なんて一溜りも無いわ!!」
アリスの指示で二人は最大火力を放とうとするが、空がそれを脅すように止めに入った。
空「これを破壊しようとしてるならやめた方がいいわ!
この太陽のエネルギーならどんな攻撃だって吸収してしまう!
かと言って私に攻撃すればこいつは制御を失ってその場で何もかも巻き込んで大爆発!みんな仲良くあの世行きよ!
アンタ達は何も出来ずにただ黙って死ぬのを待つか、早く逃げる事ね!
尤も、何処に逃げても無駄だけどね!アッハハハ!」
霊「鬼封陣で結界に閉じ込める・・・いえダメね、強力過ぎて封印出来ないわ、完全にお手上げね」
魔「ふざけんな!こんなあっさり幻想郷の運命投げ出して良い訳ないだろ!
リュウトなら絶対諦めない筈だぜ、だから私達も最後まで諦める訳にはいかねぇ!」
霊「でも方法が何も・・・」
霊夢が諦めようとした瞬間、巫女服のポケットから声がした。
紫{しょうがない、私の出番ね}
to be continue...
とうとうあの方が人肌脱ぐ時がやって来ました。
次回は一気に形勢逆転、新しい必殺技もでてきます、おたのしみに。
感想、評価待ってます!!