東方混迷郷   作:熊殺し

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前回の続きです。時間が重なった咲夜サイドの話となります。
それでは本編スタート。


118話

リュウトが図書館で珍しい面子茶会をしている最中、紅魔館ではもう一つのお茶会が行われていた。

それは、何時ものようにレミリアがバルコニーでティータイムを愉しんでいる時だった。

 

 

レミ「咲夜、今日の茶葉は何かしら?」

 

咲「小悪魔さんがダージリンを淹れていたので私も真似させていただきました。

お二方とも、砂糖とミルクは要りますでしょうか?」

 

フ「砂糖欲しい!二つ入れて!」

 

 

最近のフランあまり友達と遊ぶことが無く、姉のレミリアに付き合う事が多くなってきていた。

特に友人関係に問題があるわけではなく、彼女はここのところ勉学に力を入れており、主に科学に興味を示しているのだ。

その為か、常日頃から白衣を着て過ごすようになってきている。今日もお気に入りの白衣に身を包んでのご登場だ。

 

 

咲「フラン様、白衣がお似合いになられてきましたね」

 

フ「えぇ?そうかなぁ?」

 

レミ「いつもの服に白衣だから違和感が抜けないわね」

 

 

レミリアの意見は尤もで、今まで着ていたフリル付きの赤いミニスカートの上から白衣なんて来ているものだからどうも子供のごっこ遊び間が抜けないのだ。

落ち着いた服で合わせればいい話なのだが、そこは年頃の女の子。やはり周りの友達の目もあり、まだまだ可愛い服を着たいようだ。

椅子に座って足をプラプラさせている姿が実に少女らしい。

 

 

フ「私の話なんてどうだっていいよ。それよりも咲夜の話聞きたい!」

 

咲「え・・・どういったお話をしたら宜しいのでしょうか?」

 

 

唐突に話を振られた咲夜は戸惑いながらもフランに尋ねると、彼女はとんでもない事を口にし始めた。

 

 

フ「リュウトとどこまでいったかって話。エッチはしたの?」

 

咲「は、はいぃぃぃぃぃ!!??」

 

 

茹蛸のように顔を真っ赤に燃やしながら咲夜は取り乱し、持っていた御盆を落としてしまう。

大きな金属音がバルコニーに響くが、そんな音は今の咲夜には聞こえない。もう彼女の精神はそれどころではないのだ。

一体何処からこんな話が出てきたのだろうか。

 

 

咲「何故そんなことを聞かれるのですか・・・?」

 

フ「お姉ちゃんから聞いた。咲夜が勝負に出たって」

 

咲「お嬢様!!!」

 

 

またアンタか。咲夜はいい加減にしてほしいと怒鳴りつけるも、レミリアはそれを面白がって更に茶化す。

 

 

レミ「いえね?貴女達が帰ってきたら赤飯炊かなくちゃって準備してたんだけど、何で赤飯なのか聞かれたからつい言っちゃった」

 

咲「私とリュウトさんが及んでなかったらどうする気だったんです?」

 

レミ「まぁ別にいいじゃない。何?やったの?」

 

咲「やってません!」

 

レミ「なんだ、それは残念」

 

フ「咲夜のハジメテは未だ健在かぁ」

 

咲「そんなふしだらな発言はするものではありません!はしたないですよ!」

 

 

フランが何処でこんな隠語を知っているのかはさておいて、リュウトとの体の関係をこうも求められると恥ずかしくもなる。

 

 

レミ「咲夜、顔が真っ赤だけど大丈夫?」

 

咲「それもこれも全てお嬢様のせいではありませんか・・・・」

 

フ「まぁまぁそんなに気を落とさないでよ、私が作ったとっておきのものあげるからさ」

 

咲「とっておき?」

 

 

フランはにやりと笑うと、スカートの右ポケットからピンク色のキラキラと光る液体の入った小瓶を取り出して見せた。何やら怪しいにおいがするが、一体中身は何なのだろうか。

咲夜が顔を近づけて観察すると、それが妖艶な魅力を持っている事が感じられた。

 

 

咲「フラン様、これは一体?」

 

フ「図書館で偶然見つけた本に記されていた究極の媚薬だよ」

 

咲「媚薬?」

 

フ「エッチくなるクスリなんだって」

 

咲「なんてものを作ってるんですか!?」

 

フ「塗っても良し飲んでも良し。何なら嗅がせるだけでも良し、しかも効果絶大!遠慮せずに受け取ってよ」

 

 

咲夜の突っ込みも空しくフランは半ば強引にそれを咲夜に手渡す。これでリュウトを落とすしかないと。

しかし、突然そんなもの渡されても困る。

 

 

咲「こんな危険なもの私は要りません!第一リュウトさんを薬で魅了するなんて出来ません!!」

 

レミ「そうよフラン・・・この薬は罪よ。もしこれを使えばエロ同人みたいな展開になるのは目に見えてるわ」

 

 

深刻そうな顔をしながらゲンドウポーズで語りかけてくるが、その中に聞きなれないワードが入ってきた。

その{えろどーじん}というのが何なのか咲夜には想像がつかなかったが、碌な言葉でないことは今までの会話で理解出来た。

 

 

咲「そのよく分からない展開とやらは兎も角、確かに効力が強いと何かと危険です。早急に処分する事をお勧めしますわ」

 

フ「原液で使えば確かに強いけど、じゃあ薄めればいいじゃん」

 

レミ「薄めて使えるなら話は別ね。咲夜、今晩使いなさい」

 

咲「こ、今晩ですか!?」

 

 

彼女はその時、この薬を使ってリュウトとあんな事やこんな事をする妄想をしてしまった。それは急速に彼女の頭の中で膨らんでいき、一瞬でオーバーヒートさせた。

 

 

ボンッ!!!

 

 

少し治まってきていた真っ赤な頬が再び赤くなり、咲夜の頭からは湯気が立ち込めた。

一体どこまで妄想してしまったのだろうか、彼女の思考は停止し、微動だにしなくなってしまった。

 

 

レミ「ちょっ、咲夜!?大丈夫!?!?」

 

フ「どうしよ、からかいすぎて咲夜が止まっちゃった!咲夜しっかり!!」

 

咲「ハッ!?」

 

 

二人の声が思考の止まった咲夜に届き、再び意識を取り戻す。その際頭がリセットされたのか、頬の色は普通に戻っていた。

 

 

咲「わ、私一体何を・・・」

 

レミ「もう、妄想を飛躍させ過ぎよ。にしても、リュウトは今パチュリー達とお茶会の真っ最中。

向こうは私達がこんな話してるなんて思ってもいないでしょうね」

 

 

咲夜が戻ってきて安堵したレミリアは、喋りすぎて喉が乾いたのかティーカップを手に取り、ミルクを入れてかき混ぜた後ゆっくりと口に含んだ。

 

 

レミ「でも咲夜、これは冗談ではなくて本当にそういう事にも目を向けていかないと。

近いうちに関係が冷めちゃうわよ?」

 

咲「うっ、それは・・・」

 

フ「その媚薬は咲夜が持っててよ、どうしても踏み込む勇気が出なかったらそれを使って気持ちを和らげてみれば?」

 

咲「・・・そうですわね、有難くいただきますわ」

 

 

レミリアから痛いところを突かれてしまった咲夜は、一度考えて決心が付き、小瓶をエプロンのポケットへ仕込ませる。

少々不安はあるが、今夜はリュウトが部屋に戻る前に先に下準備をしておくことにした。

 

 

to be continue...




はあ、いよいよ次回が決戦の日です。
果たして咲夜は勇気を振り絞ることが出来るのか。リュウトは道程卒業となるのか。こうご期待。
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