リュウトは今ピンチに陥っている。
見知らぬ犬っぽい女性に抱きつかれている所をあろうことか咲夜に見られてしまったのだ。
このままではとんでもない誤解を生むので何とかその誤解を解こうと口を開こうとしたのだが、その前に咲夜が先端を開いた。
その目は光が一切無い氷のように冷たいものだった。
咲「リュウトさん?これは一体どういう事でしょうか・・・?」
リ「ちっちが!違うんだ!
君は誤解している!」
必死に誤解を解こうと体を使って表現するが、少女の一言で灰燼に帰す事となる。
?「お兄ちゃん私お風呂入りたい!
身体洗って~♪」
咲「なぁっ!!」
この状況でなんて爆弾発言をするんだこいつは!!
自分に恨みでもあるのかと。
このままでは咲夜のナイフで人生を終わらされてしまう為、必死に咲夜を説得する。
リ「おい!空気を読め!また誤解するだろ!
咲夜聞いてくれ!俺はこんなやつしらなi」
?「えー??もう忘れちゃったの?昨日会ったばかりなのに。
それに・・・私の裸見たでしょ?
でも・・・そんなところも好きだよ♪」
リ「はぁ!?いやいや!
そんな記憶は一切無いし!」
微笑みながら頭から生えた獣耳をピコピコと動かしてくる。
抱き着きながら割と本気でそのようなことを言うのだからもはやリュウトはその少女から悪意しか感じ取られなかった。
お願いだから少し黙ってくれ、少女にそう目で訴えかけるが・・・。
恐る恐る咲夜の顔を伺うと、そこには絶望しかなかった。
咲「リュウトさん・・・見損ないました。
・・・ユルシマセン」
リ「は!早まるんじゃあない!
落ち着いてくれ!!」
咲「覚悟はいいですね(怒)」
リ「あ・・・俺死んだかも知れん」
狂気の目でリュウトを睨み、ひっそりとナイフを構える咲夜。
この時リュウトは初めて幻想卿の恐怖を体験した。
~食堂~
食堂には朝食兼、狼少女の紹介の為に皆が集まっていた。
レミ「それじゃあ貴女は昨日の狼ってこと?」
狼「がるー♪」
レミリアの問いかけに笑顔で鳴き応える。
明るい純粋な心を顔全体で表しているような感じがした。
耳やしっぽを振りながら椅子に座ってる姿を見てパチュリーが納得した声を上げた。
パ「妖怪だったって訳ね、弱りすぎて妖力が感じられなかったのね」
美「確かに耳と尻尾がありますね・・・。
それにしてもリュウトさんよかったですね誤解が晴れて」
リ「ったく本当に死ぬかと思ったぞ、美鈴が来てなかったらホントに殺させてたかもな」
咲「も、申し訳ありません・・・」
咲夜の早とちりで死にかけたリュウトだったが間一髪美鈴が止めてくれたお陰で助かった、あのままいったら確実にリュウトは串刺しになっていただろう。
するとパチュリーが皆が気になっている質問をした
パ「貴女、名前はあるの?」
確かに狼だと呼びにくいので名前があるかどうかは気になる。
狼「あるよ?」
きょとんとした表情で当たり前のように答える。
ちゃんとした名前があるようなので、狼少女は自己紹介を始めた。
狼「私の名前は今泉影狼、竹林のルーガルーって呼ばれてる」
リ「竹林?
こんなやつがいたのか、しらなかった」
レミ「どうして死にかけてたの?それに大体の妖怪は今冬眠中じゃないかしら?」
影「私襲われてたの、よくわかんないやつだったけど・・・。
後ろから襲われたから顔は見てない・・・恐かった・・・」
酷く怯えた表情で体を震わせる。
よほど怖い経験をしたそうで、リュウトに助けてもらわなかったら本当に死んでいたかもしれなかったらしい。
リ「それであんなところに倒れてたのか・・・。それにしても妖怪が妖怪を襲うとはな、縄張りに入ったんじゃないか?」
影「違うよ!前通ったときはあんなやつ居なかったもん!
それに私幻想郷には結構長く居るけどあんな妖怪見たことない・・・」
リ「・・・よしわかった。
その妖怪、俺が探してみよう」
影狼はしばらく呆気に取られていたが、その発言は本当に命取りだから止めた方が良いと引き留めた。
体験した身からすれば、それは死を意味するに近いものだと解っているからだ。
影「え?駄目だよ!あの妖怪かなり強いよ!?
止めた方がいいよ!お兄ちゃん死んじゃうよ!」
咲「安心してください♪リュウトさんは一人で異変を解決してしまうくらい強いので。
いくら相手が強くても負けませんから!」
自身気に言う咲夜の表情からは、それを本気で言っていると感じ取れた。
影狼はリュウトの実力を全く知らないが、そこまで言うのなら、彼女はもう止めなかった。
リ「それと紫にもこの事を伝えた方が良さそうだな、もしかしたらまた影狼みたいな被害者が出るかもしれん」
フ「もしそいつと戦う事になったら私も混ざっていい?」
リ「そいつは頼もしいな、フランがいれば百人力だ」
影狼を襲った妖怪の件を紫に伝えるためリュウトと咲夜は博麗神社へ向かった。
その間、影狼を介抱する者が居ないため小悪魔が図書館で介抱することとなった。
~ヴワル大図書館~
大量に並べられた椅子の一つに影狼は腰かける。
小「影狼さん、何かあったら何時でも私を呼んでくださいね♪」
だが、早速申し付けがあるようで、うるうるとした目で小悪魔を見上げてきた。
影「小悪魔ちゃん、私お風呂に入りたいよぅ」
小「え?お風呂ですか?」
影「うん・・・この前襲われてからずっと入ってないの・・・」
その言葉に小悪魔は非常に反応し、即座に行動に出た。
小「それは女の子にとって死活問題ですね!パチュリー様、影狼さんをお風呂に連れてって良いですか?」
パ「良いわよ、でもなるべく早く帰ってきてね」
小「はぁーい!では行きましょう影狼さん♪」
影「うん!がるるるーん♪」
嬉しそうな鳴き声を上げながら小悪魔と手をつなぎ、風呂へと軽快な足取りで向かう。
怪我をしているのがウソのようだ。
パ「ご機嫌ねぇ...大怪我してるって言うのに」
大怪我をしてるのにご機嫌な影狼を他所にパチュリーは読書を続けた。
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小悪魔は怪我をしていて上手く体が洗えない影狼のために背中を流してあげようと一緒に風呂に入ろうとしていた。
~大浴場~
影「うわぁ~大きい!」
小「怪我してるんだから余りはしゃいじゃ傷口が開きますよ?」
今浴場には二人入っているが紅魔館の大浴場はスケールが段違いのため二人入った程度ではまだまだスペースに余剰がある、これを掃除しているのが咲夜なのだがリュウトはここを掃除しない、これはリュウトが断ったからなのだが理由は節度を守るためらしい。
大浴場は紅魔館の住人がほぼ女性というのもあって全て女湯なのだ。
ちなみにリュウトは普通の風呂にいつも入っている、もちろん一人用でシャワー付き、流石紅魔館。
木製の小さな椅子の座り、影狼は小悪魔に優しく頭を洗ってもらう。
小「影狼さん、頭洗いますよ~」
シャカシャカシャカシャカ・・・。
影「んー♪気持ちいい~」
ザバァァァァァ・・・。
小「はい、お顔拭きますよ~」
影「うぅ~ん」
小(かわいいなぁ…)
小悪魔は影狼の頭を洗い終えると影狼の胸辺りに目を向ける。
そして・・・。
ムニュ。
影狼の胸を揉みだした。
影「ひゃ!?
な、何やってるの!?」
小「・・・私とおんなじくらいなかぁ?」
小悪魔は自分の胸と揉み比べながら大きさを調べる。
ムニュ、ムニュ
影「あ・・・あぁ・・・。
そんなに揉まないでぇ・・・!」
小「え?あ!ごめんなさい!
あんまり柔らかそうだったのでつい・・・」
影「うぅ~・・・恥ずかしい」
他人にこんなことされるのが初めてだった影狼は胸を隠しながら恥ずかしがり、もう小悪魔とはお風呂に入らないようにしようと誓った。
そんなことをやっている一方でリュウトと咲夜は博麗神社で既に紫達と未確認妖怪の件を話し合っていた。
~博麗神社~
今回起きた謎の事件について話し合うため、紫を呼び出して居間でちゃぶ台を囲みながら霊夢を含んだ5人で会議を行っていた。
紫「なるほど、その妖怪の顔は見てないと言うことね?」
リ「あぁ、だからこれといった特徴が解らないんだ」
霊「特徴が解んないんじゃどうしようもないわね・・・」
顔も解らない、身体的特徴も解らない。
完全にお手上げ状態だ。
咲「しかも話によるとその妖怪はかなり強いらしいですよ?」
紫「でもそんな妖怪私は把握してないわ、かなり強い妖怪なら風見幽香が考えられるけど今は冬だから彼女も活動を控えてると思うわ」
霊「まぁ正体がわからなくてもそれっぽい妖怪がいたら退治すればいい話なんだし、警戒するように呼び掛けるだけでいいんじゃないかしら?」
リ「特に人里で徹底してくれ、そいつのせいで犠牲者が出るかもしれないからな」
紫「私は独自で怪しい奴を探してみるわ」
リ「そうしてくれ」
紫は事件の足跡を独自で追うと言い、先にスキマで自宅に帰っていった。
咲「では私たちはここいらで失礼するとしましょう、今度来るときは何かお土産を持ってきますわ」
霊「本当!?楽しみにしてるわ!じゃあね~♪」
リ「あぁ、また今度な」
今まで暗い話をしていたというのに、お土産という言葉に過敏に反応する霊夢を見るとどうしても笑いが起こってしまう。
リュウト達が紅魔館に帰ると影狼がよたよたしながら駆け寄ってきてリュウトに抱きつきまたまた騒ぎが起きるのであった。
原作キャラの影狼ちゃん出してみました!あと影狼を襲った妖怪はまだ出てきません!今回も友達のちゅんころさんに頼んで描いて貰いましたよ~♪思わずにやけちゃいますね地味に出てないキャラの名前出てるしw
そろそろあの二人を出そうかと思い、次回はとうとうあの異変に入ります
感想、評価待ってます!!