ちなみにリュウトは出てきません。
最近、フランドールの生活に変化が表れ始めた。
ここ最近、外で友達が出来たらしく、毎日のように昼間、外に出て遊んでいる。
吸血鬼のくせに昼間の外に出て大丈夫なのかという疑問があるが、それはレミリアにも言えること事だから触れないでおこう。
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~紅魔館玄関~
フ「お姉ちゃん、行ってきまーす」
レミ「はいはい、早めに帰ってくるのよ?」
フ「はぁ~い」
勢いよく扉を開け、日傘を差しながら飛んでいく。
最近のフランはいつもこの調子だ。
外に仲の良い友達ができるのはいいが、自分の目の届かないところで何かあったらと思うと心配になってしまう。
お姉ちゃんは心の中では不安がいっぱいだ。
そこでレミリアはあることを思いついた。
レミ「ということで、偵察にいくわよ」
咲「お嬢様・・・心配なさる気持ちはわかりますがそれはどうかと・・・」
正直心配のし過ぎなのではないかと咲夜は考えてしまう。
それもそうだろう、フランはかなりしっかり者で、たまに美鈴と花壇の水やりをしたり、咲夜本人も裁縫を手伝ってもらったりしているのだから。
どちらかというとレミリアが洗濯やらをやるほうが心配になってしまう。
料理は別だが。
レミ「いいから!早く目立たない服に着替えるのよ!」
咲「は、はぁ・・・」
あまり乗り気ではないが、主人が言うのであれば行くしかあるまい。
咲夜は私服に着替え、我儘主人のお供へ向かった。
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フ「みんなー!おはよー!」
花「あ!フランちゃんきたよ」
人里のはずれ、フランはいつものようにみんなが集まるここに来ていた。
この場所は空地のようになっており、周りも木々に囲まれいる為日陰が多く、フランにとって都合の良い場所だ。
メンバーは、花梨、大妖精、チルノ、リグルを合わせて5人だ。
大「フランちゃんおはよう!みんな揃ってるから何かして遊ぼう」
フ「うん、でも何して遊ぶ?」
毎日のように遊んでいる5人は今まで思いつく限りの遊びをやってきた為、全員で悩みこんでしまう。
するとチルノが一つ遊びを提案してきた。
チ「そうだ!虫取りしようよ!」
大「いいね!いつもしないから新鮮だよ」
花「虫取りかぁ、全然やったことなかったなぁ」
リグル「一応わたし、虫の妖怪なんだけどなぁ・・・まぁいっか」
全員一致で今日は虫取りをすることに決定した。
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霊「・・・で?なんでうちで虫取りなわけ?」
霊夢の目の前にはちびっこ5人が整列している。
疑問しかない、何で他の森ではなくて博麗神社なのか。
5人「零夜(さん)がいるから(です)!!」
あぁ、納得。
それにしてもよくもまぁここまで好かれたものだと感心してしまう。
そういう人格なのだろうか?だが、自分に迷惑が掛からないなら断る理由もない。
霊「わかったわかった、今呼んできてあげるから待ってなさい」
5人「はーい!」
そう言って霊夢は社の中に入っていく。
それからすぐに大きな影が現れた。
零「何だ、今度は虫取りして遊ぶのか?」
縁側から草履を履いて外に出てくる。
5人は零夜が出てくるなり近くに走り寄って行った。
チ「零夜!一緒にカブトムシ獲ろうよ!」
花「セミ!セミ獲りましょうよ!」
フ「とろーとろー!」
両手を引っ張られて前かがみになってしまっているその姿は、人気のある学校の先生を連想させる。
虫取りを一緒にやろうと、半ば強引に誘われている零夜だが、面倒見がいい為断ることをしない。
零「よしよしわかった、俺もやればいいんだろ?」
5人「やったあ!!」
零夜はつい苦笑してしまう。
子供の笑顔を見るとどうも断れない、こういうのをお人よしというのだろうか。
零夜は神社の蔵の中から虫取り籠の代わりになりそうなものを持っていくことにした。
零「じゃあ霊夢、行ってくる」
霊「えぇ、夕飯までには帰ってきてね、それと森の中の山菜とかもできれば取ってきてほしいかな」
零「了解した、任せてくれ」
フランたちは零夜を連れて神社の裏の森の中へと消えていった。
だがその光景を見ていた者達がいた・・・。
咲「お嬢様?こうまでして後を付けること無いと思うのですが・・・」
レミ「何言ってんのよ咲夜、尾行してるんだから隠れなきゃ意味ないじゃない」
神社の鳥居の陰に隠れているレミリアと咲夜、これでは程の良いストーカー行為である。
着ている服装もどことなく野戦服に似ているし、一体どこにそんなものあったのだろうか。
こんなものがあるくらいだ、きっともっと凄いものがあるに違いない。
だが、隠れている場所が鳥居なのでどうも隠れ切れていない。
なのでバレるのはとても早かった。
霊「アンタたち・・・何やってんのよ・・・」
いつの間にか近付いてきていた霊夢の呆れた声が聞こえてきた。
それもそうだろう、見た感じ不審者にしか見えない。
いきなり現われた霊夢に気付かなかった二人は驚いた声を出した。
レミ「きゃあ!・・・なんだ霊夢か・・・」
咲「お邪魔しております・・・」
咲夜の軽い会釈と同時に出た苦笑の声でなんとなく霊夢は理解した。
レミリアに無理やりさせられたんだな・・・と。
霊「もう一度聞くけど何やってんの?」
レミ「わが妹を心配しての行動よ!」
霊「いや、私は今あんたの今後の人生の方が心配になったわ」
威張って言うほどのことではないだろう・・・咲夜が気の毒になってくる。
まだこんなことを続けるのかとレミリアに聞くと、
レミ「あたりまえじゃない!ここでやめたら意味がないわ!」
と、凄い形相で言ってきた。
もう好きにすればいい、霊夢はこの件について何も触れなかったことにした。
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~森の中~
大「花梨ちゃ~ん!こっちにおっきいのいたよ~」
花「え?どこどこ??」
一方、こちらは既に虫取りを始めており、もう既に何匹か捕まえているようだ。
全員空を飛べる為、網を使わずとも簡単に捕れてしまう。
先程も大妖精が一匹何かを見つけたようで、近くにいた花梨を呼んでいた。
どうやら見つけたのはミヤマクワガタらしく、木に幹に留まっているのを見せてきた。
花「クワガタだ!やったね大ちゃん!」
大「うん!」
大妖精はクワガタを籠の中に入れる。
その頃フランはチルノととんでもない大物を捕まえようとしていた。
フ「チルノ・・・こんなカブトムシいるの・・・?」
チ「さぁ・・・というかこれ、カブトムシ・・・なのかなぁ・・・?」
フ「カブトムシって四本も角あったかなぁ?」
一つの木の前に突っ立っている二人が気になった零夜は声をかける。
零「どうした?何か見つけたの・・・か・・・は?」
零夜は開いた口が塞がらなかった、二人が見つけたのは・・・。
零「ネプチューンオオカブト・・・何でこんなところにいるんだ?」
黒光りした大きなネプチューンオオカブトだ。
南米のカブトムシが何故こんな場所にいるのか気になるが、零夜がカブトムシだと教えるとチルノは早速それを捕まえた。
チ「カブトムシならこいつ捕まえよう!」
木の幹にしがみついているそいつを引きはがして籠に入れる。
だが、二人の他にもすごい虫を見つけている者が一人いた。
リグル「二人とも!こっちにも凄い大きいクワガタいたよ!」
フ「え?まだいるの?」
花「何ですか?」
大「何か見つかったの?」
チ「見せて見せてー!」
みんながリグルの手のひらに注目した。
それに一同が歓喜する。
花「うっわ!何ですかこのクワガタ!私の捕まえたクワガタより断然大きい!」
大「でも名前なんて言うんでしょう?」
フ「零夜ー!これの名前教えてー!」
フランが零夜を呼び出すと、零夜が三人の頭の上から顔を覗かせそれを確認した。
零「う~ん、ギラファノコギリクワガタだったかな?」
リグル「へぇ~、かっこいいね!」
大「普通のノコギリクワガタとは全然違いますね!」
こちらも日本原産のクワガタではないが、リグルは問題なく籠に入れた。
リグル「私こんな大きなクワガタ見るの初めてだよ~」
籠の中のクワガタをまじまじと眺めて微笑む。
触角をピクピク動かしているクワガタにつられてリグルも触角をピクピクさせている。
そんなリグルの姿を見ていたフランの虫かごの中には虫一匹もいない・・・
フ「私はまだ0匹かぁ・・・何処かにいないかなぁ・・・」
フランは一人でふらふらと森の中を散策する。
どうせ捕まえるならチルノやリグルが捕まえたような大きい獲物がいいが、この際獲れれば何でもいい。
そんなフランの思いが天に届いたのか、フランが触れた木の幹に一匹のカブトムシが留まっていた。
美しい黄金の羽を携えたそのカブトムシは今まで見たカブトムシのどれよりも大きく、まさしく昆虫の王の貫禄があった。
それはパチュリーの図書館でも見たことがある、世界最大にして最強のカブトムシ。
フ「ヘラクレスオオカブトだ!!」
感動した。
内側から吹き出しそうになる興奮をなんとか抑え、ヘラクレスの角をつまみ、そっと持ち上げる。
だが、それだけで終わりではなかった。
フ「あ、もしかしてこれメスの方かなぁ?」
自分の膝より下の幹にはヘラクレスのメスも留まっていたのだ。
フ「みんなに見せてこようっと!」
オスとメスを同時に見つけたフランは二匹とも籠に入れて皆のいる場所へ走っていった・・・。
その日、一番の大物は残念ながら花梨の捕まえたアルビノのオオクワガタだったが、フランは上機嫌で紅魔館で帰っていったという。
ちなみにその後、ヘラクレスオオカブトは紅魔館で飼育することとなった。
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~バルコニー~
レミ「・・・結局途中からフランの様子見れてないじゃない・・・」
咲「しかしお嬢様、フラン様の楽しそうなお顔を見れただけでも良かったじゃありませんか」
レミ「ま、それもそうね」
咲「そうですわ」(もうやりたくないなぁ・・・)
バルコニーで紅茶を飲みながら夜の刻を主と過ごした従者は、ただただ平穏な日々を望むだけだった・・・。
最近トリビアの泉の最強のカブトムシ決定戦を見て書きたくなりました。
ムシキングも復活したし良い機会だと思いましてw
あと地味に新キャラと花梨ちゃんが出てきてますね。
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