リ「今まで隠していて本当にすまなかった。
これが俺達の世界で起こった話の全てだ」
応接間には嫌な空気が漂っていた。
それもそうだろう。
自分たちの未来がこんな結末を迎えると言い出すのだから。
だが、だとしたらリュウトはずっと昔から霊夢達の存在を知っていた事になる。
恐らく知っていると全員に悟られないように隠していたのだろう。
だから今、心の中に刺さっていた杭が抜けて気が楽になったのだろうか。
段々と、リュウトの目がしらには涙が溜まっていった。
リ「だから・・・もう一度みんなに逢えた時は本当にうれしかった。
もう・・・逢えないって・・・思ってたから・・・」
涙を流しながら話す彼を見かねて、霊夢は彼の隣に座りそっと抱きしめる。
そして、頭を撫でながら彼の興奮を和らげた。
霊「さぞ辛かったでしょうに・・・ありがとう。
私達に隠さなきゃいけなかったからずっと我慢してたのね。
今は・・・思いっきり泣いていいわ」
微笑む霊夢の顔からは、聖母のような優しい雰囲気が感じられ、霊夢の言葉がリュウトの心のダムを一気に決壊させた。
リ「う・・・ウグッ!うわァァァァァァァ!!!」
霊「よしよし、よっぽど堪えてたみたいね」
霊夢に抱き着きながら泣きじゃくるリュウトの背中をさすり、優しくささやきかける。
まるで子供を慰める母親のように。
響「リュウ兄・・・昔から私の見本にならなきゃっていつも大人ぶってたっけ。
思えば私がいつもリュウ兄を追い込んでたのかな」
妹である響華は昔から兄に甘えていたが、そういう行いが純真だった兄の心を無理矢理大人へと変えてしまった。
そう考えているのだろう。
だが、それは違うとレミリアは教えた。
レミ「そんなことはないわ。
年上ってのはね、妹や弟の為なら何でもしてあげられるものなの。
そうやって気を使われる方がよっぽど堪えるわ。
私もフランがそうなったら嫌だもの♪」
響「レミ姉・・・」
レミ「だからお兄ちゃんには今まで通りあまえてやりなさいな」
響「うん!
でも、今くらいはリュウ兄の好きにさせてあげることにする。
おばあちゃんに優しくされてずるい感じもするけど」
響華は生まれて初めてみる兄の甘える姿に少し安心し、クスリと笑う。
傍から見れば年下の少女に甘えているようだが、相手は自分たちの祖先で、自分たちよりも100歳以上年上なのだから、変な気分にもなるだろう。
しかし、同時に微笑ましくもある。
咲「リュウトさん・・・私にも甘えてほしいなぁ・・・」
ア「言えば甘えてくれるんじゃない?
メイド長さん?」
咲「そ、そんなこと言えるわけ!
でも・・・いいなぁ・・・」
二人とも血がつながったいわば家族なので、抱き合っていても何ら問題はないのだが、自分が好きな人間が親しい友と抱き合っているのを見るのには抵抗がある。
だからといってその事を本人に言うのも嫌だしと、咲夜の心のなかにはもやもやとしたものが渦巻いていた。
メイド長はしょぼんとした表情で指をくわえながらそれを見ていた。
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霊「どう?落ち着いた?」
リ「はい。
見苦しい所をお見せしました」
霊「そんなに畏まらなくたって良いのに」
泣き止んで落ち着いたのか、目をゴシゴシと腕で拭い、一息ついて何時もの冷静なリュウトに戻った。
しかし、何故口調が敬語なのだろうか。
何時もの彼はそんなもの使わないのに。
リ「俺は昔から皆さんの事を知っています。
生まれた時からずっと遊んでもらったり色々な事を教えてもらったりしたので。
本当は敬語を使わなきゃいけないのに・・・数々の無礼を許してください」
畏まった表情で彼が正座のまま皆に対面して深く御辞儀をすると、全員が大きな笑い声を出した。
魔「何いってんだ。
私たちは仲間なんだぜ?そんなこと気にするかよ」
妖「そうですよ、今更そんなこと気にする人なんて居ません。
これからも何時も通りに振る舞って貰えれば良いんですよ」
幽「妖夢の言うとおり。
私たちには気軽に接してくれれば良いのよ。
貴方の言う、昔の頃、みたいにね?」
リ「!!有難う・・・みんな・・・!」
その言葉にまた目頭が熱くなってしまう。
霊「あ!ちょっとアンタたち!折角泣き止んだのに何泣かせてんのよ!
魔「え!?私達のせいかこれ!?」
霊「当たり前よ!私の孫をよくも泣かしてくれたわね!
許さないわよアンタらぁ!」
魔「ぎゃあ!弾幕は禁止だぜ!!」
零「それにしてもお婆ちゃん・・・プフッ!」
霊「零夜・・・人の事笑ってるけど私がおばあちゃんならアンタはおじいちゃんだからね。
私と零夜の孫なんだから」
零「うぐっ!?おじいちゃんか・・・流石に傷つくな・・・」
霊「あんたにも解るわよ、孫の可愛さが」
ア「あなたたちよくそんな会話出来るわね。
結婚相手が目の前に居るんだから普通は気まずくならない?」
零・霊「・・・あっ///」
さっきまでの重苦しい空気とは裏腹に、ドタバタと騒いだりと、永遠亭は皆の笑い声で溢れ返る。
これから起こる最悪の危機を忘れた訳ではないが、この時くらいは忘れさせても良いだろう。
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~博麗神社縁側~
紫「未来の私が残した最後の希望・・・か」
縁側から月を見上げながら徳利を天に翳す。
それは、今は亡き未来の自分への手向けであり、証明でもあった・・・。
紫が何でリュウトが博麗大結界を越えたのが感知出来なかったのかというと、自分が開けていたからです。
未来の紫は半端なく強いんでしょうね、とうとうタイムマシンになっちゃうんですから。
次回は重苦しい話から日常回にしたいと思います。
まだまだ書きたい話がありますからね。
では次回もお楽しみに!