今回は気合い入れて書きました。
ではどうぞ
リュウトは自室の木製椅子に腰掛けながら、一人考えごとをしていた。
異変が終わった後の事だ。
未来の話を過去でしてしまったら、何かしら未来に影響が出る筈。
まだ生まれていない人間の話などしようものならその存在が消えてしまっても可笑しくない。
その可能性を示唆したうえで皆に何も話さなかったというのに。
リ「何で俺の存在は消えないんだ?
本当なら消えてしまっても可笑しくないというのに・・・」
謎だった。
かつて、この問題は様々な科学者が説を提唱してきたが、天才科学者である岡崎夢美も答えに到達することは無かった。
パラレルワールドという
言葉を知っているだろうか?通称、平行世界などと呼ばれる説なのだが、全ての出来事には木の枝のように分岐点があり、選ぶ道が違うと後の未来も大きく変わってしまうというものだ。
この説を今のリュウトの状況にあてはめると、既にリュウトが生まれる世界への道が何等かの影響で選ばれていた事になる。
例えば、もう霊夢は妊娠しているとか・・・。
リ「いやいやいやいや!!そんな訳ないよな!
あの二人はまだ結婚もしてないんだし・・・」
でももしかしたら・・・可能性としてはある。
これは確認の余地がありそうだ。
リ「これは・・・行くしかないな」
というわけで彼は、部屋の窓から博麗神社に向けて飛び立った。
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~博麗神社~
霊「あら?リュウトじゃない?いらっしゃい。
上がってきなさいな」
リ「ありがとう」
神社につくと、いつも通り霊夢が境内の落ち葉を掃いていた。
霊夢はリュウトをみると表情を明るくし、快く社に上げてくれた。
リュウトが住んでいたのは未来の神社だったが、今の神社と構造が全く変わっていない為、住み慣れた家のように居間へと入っていく。
・・・零夜の姿がどこにも見当たらない。
霊「あぁ零夜ね、いま呼ぶわ。
零夜~!リュウトが来たわよ~!」
大声で縁側から外に向けて叫ぶ。
するとしばらくしてから小さな返事が返って来た。
零「今行くから少し待ってくれ」
ガタゴトと何やら蔵の方から騒がしい音がする。
霊夢に言われて片づけをさせられていたのだろう。
1分ほどしたら埃まるけの服を着た零夜が咳込みながら縁側に身を乗り出してきた。
零「おぉリュウトか。
よく来たな」
リ「おじいちゃん、埃まるけだぞ?どうしたんだよ?」
零「いや、蔵の中が思ったより汚くてな。
横着をしてマスクをしなかったのがいけなかったようだ。
それと、おじいちゃんはやめろ」
零夜がそんな会話をしていると、霊夢が服についた汚れと行儀の悪さに怒り出した。
霊「ちょっと!せっかく朝掃除したんだからそんな汚い格好で縁側にのりださないでよ!
外で払ってらっしゃい!
あと、行儀悪いからせめて座るか上がってきなさい!!」
零「す!・・・すまん・・・そうする」
恐らく日常的にこうして叱られているのだろう。
凄く悲しそうな目をしている。
零夜は言われるがままに履物を脱ぎ、居間へとあがる。
しかし二人とも仲が良いようで、怒られても隣同士に座っている。
霊「それで?今日は何しに来たの?」
リ「あぁ、ええっと・・・聞きにくい質問なんだが・・・」
霊「別にいいわよ。
なんでも聞いて?」
笑顔でそういわれると余計に聞きにくい。
だが、これは至って真剣な話だ。
リュウトは一旦深呼吸をしてからあの質問をした。
リ「えっと・・・その・・・おばあちゃんたちはもうデキてるのか??」
霊・零「・・・はぁ!??」
リ「い、いや!これには真剣な訳があるんだ!!」
青年説明中・・・
零「成程、そういうことだったのか」
霊「わたしはちょっと分からないわ・・・」
質問の意図を説明したところ、一応納得してもらえたようで、真剣に考えてくれている。
霊夢はこういった話は苦手なのか、よく分からないという顔をしている。
だが、零夜はちゃんと理解したようで、原因を先程から考えてくれている。
顎に手をつき考え込み、零夜はある一つの結論を編み出した。
零「これは仮説に過ぎないが・・・第三者の介入があるのかもしれないな」
第三者からの介入。
パラレルワールドの分岐点を、何者かが何等かの手を使って一定の未来に行き着くように仕組んだのではないか。
そう考えたのだ。
紫でも不可能そうな事象だが、そんな事可能なのだろうか?
リ「レミ姉の能力ならできなくもなさそうだが・・・俺の正体を知っていないと無理だしなぁ」
霊「ま、一番怪しいのはレミリアだけどね。
運命が見えてるんなら未来予知もできるってことでしょ?
あいつならリュウトが正体を明かす前でも既に知ってておかしくないわ」
リ「確かにそうなんだが、確かレミ姉って昔は能力が不安定に発動したって言っていたような・・・。
だとしたら可能性が薄れるな」
答えが一向に出てこない。
しかし、霊夢はそれでも良いのではないかと言い出した。
霊「別に答えなんて出なくても良いんじゃないかしら?
だって、現にリュウトはここにいるんだから、答えなんか出したところで何も変わらないと思うわよ?
それに私の勘が言ってるわ、少なくとも悪い奴が仕組んだことではないってね」
リ「!!!」
リュウトは目が覚めた。
こんなことをいちいち気にしてもしょうがないことに気が付いたのだ。
誰かが意図的に仕組んだことだとしても、生きているのだからそれでいいではないか。
それに、今までの話も仮説に過ぎないのだから。
リ「それもそうだな。
なんか吹っ切れた感じがするよ。
あ、それともう一ついいかな?」
霊「え?まだ何かあるの??」
リ「これは別に大した話じゃないんだが・・・異変で皆に迷惑をかけたから自分なりに何か償いをしようと思って・・・。」
永夜異変時、リュウトは狂気に駆られてなりふり構わず敵味方関係なしに大暴れしてしまった。
その時のお詫びに何かをしようというのだ。
リ「そこで色々考えたんだが・・・外の世界に旅行へ連れて行こうと・・・」
霊「外の世界に旅行!?」
思いもしなかった言葉に思わず大きな声を出してしまう。
それもそうだろう。
いくらお詫びとはいえ唐突に外の世界に連れていくなどと言われればこうもなる。
リ「うん・・・そこで相談なんだが・・・何処へ行こうか決めていないんだ。
出来れば何がしたいかとか、何処へ行きたいとかを具体的に教えてくれないか?」
零「だとさ。
どうするんだ?折角の孫からのプレゼントだぞ?」
霊「い、いきなりそんな事言われたって・・・」
今そんな事を聞かれてもパッと出てこない。
だが、折角の機会なのだから何か案を出さないと・・・そうだ!
霊夢は一つだけ思い当たるものを見つけた。
霊「海・・・海に行きたい!
幻想郷には湖しかないし・・・一回だけでも見てみたいわ!!」
リ「成程、海か・・・。
良いかもしれないな。
そうなると綺麗なところにしないと・・・」
リュウトは腕を組みながら行先を考える。
リ「う~む・・・よし、決まった。
何処へ行くかは秘密だが、4日後に出発する予定だ」
霊「ホント!?ありがとう♪」
零「旅行か・・・なら、それなりの準備をしておかないとな」
霊「フフッ、楽しみだわ♪」
歳相応に女の子らしく喜ぶ霊夢。
未来の世界で報われなかったのもあり、彼女のその無邪気な姿が見れただけで、リュウトは嬉しく感じられた。
願わくば、いつまでもこの二人が幸せでありますように・・・。
霊夢と零夜は未来の世界では幽閉されてどうなったか解らないので、この時代では幸せになってほしいものです。
ちなみに零夜は尻に敷かれるタイプです。
強いのにね。