もし違ったらゴメンナサイ。
静かな波の音と潮の香が鼻を刺激し、日差しは皮膚をジリジリと焼いてくる。
真っ白な砂浜には、観光客が立てたパラソルがそこいらじゅうに刺さっており、日光浴を楽しむ者や、海でサーフィンを楽しむ者などであふれかえっていた。
目の前に広がるオーシャンビューは、まさに地球の神秘だ。
魔「おぉ!これが海か!!」
鈴仙「地球の海はこんな感じなんだ・・・。
綺麗ねぇ・・・」
光の反射でスカイブルーに見える母なる海は、照りつく太陽でエメラルドに輝き、見るものを魅了した。
日本では秋真っ盛りだというのに、ここでは気候が全く違うおかげで海水浴がこの時期でも普通に楽しめるのだ。
なんて素晴らしいところなのだろうか。
リ「んじゃ、俺達は場所を取りに行くから、みんなはその間に着替えてくるといい」
咲「そうですね、ではそうさせていただきます」
早速女性陣は水着に着替えるために外に置いてある個室型の仮設更衣室に向かう。
その間、男性陣は場所取りをするために砂浜に残る事となった。
しかし、場所取りと言ってもかなりのスペースが空いており、適当な場所にビニルシートを敷くだけだったが。
しかも今回は中々良い立地があり、近くに売店もあって不自由が無い場所を獲得することが出来た。
男二人はシートの上に座り、女子陣が返ってくるのを待っていた。
リ「案外砂浜が大きかったお陰で楽に場所取りが出来たな」
零「こちらとしては大いに助かっているからいいさ。
それよりどっちが迎えに行くんだ?
霊夢達が着替え終わってもこの場所が解らないだろう?」
リ「あ、それもそうだな。
どうする?おじいちゃん行くか?」
零「別に構わんが・・・。
あ、おじいちゃんはやめろよ」
リ「実際そうだから仕方がない」
零「・・・、、行ってくるよ」
ため息をついて泣き寝入りし、零夜は後ろを向いてそのまま歩いて行った。
だが、その顔はまんざら嫌そうではなかった。
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~更衣室前~
霊「あら、待っててくれてたの?ありがとう♪」
零「待っていないとリュウトが待ってる場所が解らないだろ」
霊夢が更衣室の扉を開けると、砂浜にポツンと立っている零夜を見つけた。
待っていてくれたのだと悟った霊夢は、自分の水着姿を零夜に惜しみなく披露した。
霊「零夜、どう?私の水着姿!
似合ってる?」
くるりと一回転して上目づかいで零夜の目をとらえると、頬を掻きながら。
零「あ、あぁ。
似合っているぞ・・・、」
と、照れくさそうに言った。
だが、まさかこの会話を聞かれているとは思っていなかった。
ア「あらあら!霊夢はおませさんなのね。
純・情・乙・女♪」
霊「/////!!!」
突然、零夜の後ろに隠れていたアリスが現れてそうからかうと霊夢は顔を真っ赤に染め上げて顔を手で隠してしまう。
少し扉の前で待っていると、咲夜達も着替えを終えて出てきた。
色はそれぞれのパーソナルカラーを基調としているが、個性に合ったものを選んでいてとても似合っている。
レミリアとフランはワンピースタイプに日傘をさし、妖夢と霊夢、アリスはビキニ。
咲夜と鈴仙はビキニにパレオを着用。
魔理沙はビキニの上に薄茶のパーカーを着ている。
美人ぞろいな為か周りの観光客の視線を集めてしまっているが、高嶺の花が勢ぞろいなのだ、無理はないだろう。
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フ「わあ!ホントに日焼けしないよ!」
レミ「凄いわね、吸血鬼の弱点を一つ克服しちゃったじゃないの」
鈴仙「当ったり前よ。
なんたって師匠の作った成功作の一つ、八意印のUVカットクリームなんだから」
鈴仙に貰った日焼け止めを塗ったレミリアとフランは、太陽の下に出ても平気な体へと変化していた。
本来、吸血鬼という種族は太陽の光に極端に弱く、皮膚が焼けてしまうほど日焼けをするのだが、クリームを塗ってからは全くその兆しが見られない。
正直、二人は驚いていた。
自分達の全身を確認しても、塗っていない時とその差は歴然なのだから。
そんな驚く二人を見て胸を張っている鈴仙だが、彼女が作ったわけではない。
というか、そんなに反っていると視線を集めてしまう・・・。
鈴仙「あ・・・はうぅ・・・」
主に男性陣の視線を釘づけにし、それに気づいた鈴仙は、薄紫の水着に覆われた胸を隠してその場に座り込んでしまう。
外界に出る前にウサギの耳は隠してしまったが、もし今それがあれば、今頃シュンと垂れ下がっているだろう。
レミ「ま、感謝はするわよ。
確かに助かったし、これで心置きなく海で遊べるしね。
フラン!行くわよ!」
フ「うん!やったぁ!!」
海に向かって走り、波打ち際で水をかけあう二人はとても楽しそうだ。
二人の姉妹らしい一面を微笑ましく思いながら、それを眺めている二人もまた、このひと時を自分達なりに楽しんでいた。
咲「お嬢様方・・・なんて仲のよろしい事でしょう」
リ「紅魔館にいる時もそれなりに仲良さげだが、こうして二人で一緒に楽しんでるのは俺も久しぶりに見たような気がするな」
二人は海の家からレンタルパラソルを借り、シートに出来た日陰で寄り添い座って語り合う。
未来の世界でも二人は仲が良かったが、150年という年月は妖怪から見ても長く、吸血鬼姉妹の身体と精神を成長させていった。
故に、二人一緒に居る時はあってもそれは一緒に居るだけなのだ。
それ以上何かをするわけでもない、あれば少し二人で話をするくらいだった。
リュウトは小さい頃、紅魔館に遊びに行くたびにそんな二人の様子を見てきたのだ。
唯一、二人が一緒に遊んでいたのは、幼い響華と遊んでやっている時だけだった。
咲「そうですか・・・未来ではお二方はそのような事に・・・。
でも、仲がよろしかったならそれで良いですわ」
従者として、二人の将来を心配していた咲夜は、それを聞いて安堵する。
咲夜は人間だ。
寿命には限界があり、リュウトの居た世界では当の昔に帰らぬ人となっている。
彼女もそれは、リュウトに聞かされた彼の過去の話で聞いていたため既に知っている。
だからこそ、咲夜は知っておきたかったのだ。
主人達は、自分が居なくなっても今まで通りやっていけるのかどうか・・・を。
リ「咲夜・・・」
咲「フフッ♪そんな顔しなくても、私はまだくたばる気はありませんことよ?」
リ「あぁ、わかっているとも」
冗談交じりにそう言って笑う彼女にリュウトも笑顔で応える。
少し雰囲気も明るい方向へ取り戻し始めたところで彼女は、ちょっとした皮肉を交えた言葉をリュウトに掛けた。
咲「それはそうとリュウトさん?この私の姿を見て一言も無しとは酷くありませんこと?」
咲夜はそういうと、下から顔を覗き込むようにしながら微笑みかけてきた。
その笑顔は、何を期待しているかは流石のリュウトでも簡単に理解出来た。
リ「う、うん。
とても似合っていると・・・思うぞ?」
咲「う~ん・・・何だか曖昧な言い方ですね・・・。
もしかして照れてるんですか??」
リ「う・・・うぅむ・・・」
どうにもやりにくい。
いつの間にか会話を咲夜のペースに持っていかれ、リュウトは自分のペースを乱しつつあった。
頬をかいて顔を染め、目をそらしてしまう。
意識してみているつもりは無かったが、言われてしまうとどうしても見てしまう。
リュウトも男なのだから、そういう目で女性を見てしまう事だってある。
水着の女性が隣に座っていれば尚更だ。
咲「もうっ。
罰として私の我儘に付き合ってもらっちゃいますよ?」
リ「その程度で許されるのなら何でもいいぞ」
腕を組んでリュウトの曖昧な表現に不満を持ち、頬を膨らませる咲夜は、何気なしに行ってみた一言を聞いてくれると言ってくれたリュウトに、少し驚きながらも、何をお願いしようか少し悩んで考えてみた。
咲「え?良いんですか?
なら・・・そうですね・・・」
リ「何でもいいぞ?限度はあるけどな。
咲夜なら大丈夫だろうが」
本気で聞いてくれるらしいので、余計に悩んでいると、波打ち際の方から呼ぶ声が聞こえてきた。
霊「アンタ達折角ここまで来たんだから、そんな所に座ってないでこっちに来て一緒に遊びましょうよ!」
妖「楽しいですよ~!」
霊夢と妖夢が手を振りながらこっちに来いと言っている。
鈴仙もいつの間にか立ち直って一緒に混ざって遊んでいて、レミリア達も輪の中に入っていたようだ。
咲「・・・とりあえず、今は皆さんと一緒に遊びましょうか」
リ「ははっそうだな!」
リュウトはリードして咲夜の手を取り立ち上がるのを助けると、彼女の手を引っ張り海へと走っていった。
やはり行ったことの無いしかも実在する場所を舞台に書くのは大変ですね、、、、いつもより疲れました
ちなみにレミリアとフランの羽は収納出来る設定です。
原作では鈴仙は着脱式の耳という設定でしたが、本作は二次創作なので本物の耳という設定にしてます。
なのに何故耳が無いのかというと、永琳が耳を髪の中に隠せるように細工してます。
こういうとき便利だよね永琳って。