東方混迷郷   作:熊殺し

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完全にオリジナルストーリーです。
ゲームのストーリーではありません。



花映塚69話

リュウトが幻想郷に来てから早くも一年が経過した。

この一年間で色々な異変が起きたが、その分だけ周囲には仲間が増えていった。

そして、彼がこの時代に来てから二度目の春が迎えられようとしていた。

 

 

_____________

 

 

紅魔館の中庭には菜園や花畑といった、植物を育てている場所がある。

といっても、リュウトが落ちてきた時に大半が破壊されてしまってからはパチュリーが研究で使う薬草等を育てている花壇もあるくらいだ。

だが病弱な彼女は外に出て世話をするだけでも一苦労。

そこで代わりに小悪魔が全ての管理を任されていた。

晴天の日、今日も頼まれた調合用植物の回収の為に花壇へ来ていたのだが、今日は植物たちが何時もと違っていた。

 

 

小「花が・・・全部の草が花をつけてる」

 

 

昨日まで咲いてなかった花が一斉に咲き乱れていた。

 

 

 

東方花映塚~Phantasmagoria of Flower View~

 

 

 

花が一斉に咲き乱れる現象は、門番の紅美鈴も認識していた。

この現象に彼女は腕を組みながら首をかしげて考え込んでいた。

 

 

美「おっかしいですねぇ。

昨日まではこんな状態じゃ無かったのに。

しかも・・・まさか幻想郷全体がこうなっているとは・・・」

 

 

開いた門の向こうには、自然の緑の中に映える色とりどりの花達が見えた。

幻想郷全体で全ての花が咲き誇っているのだ。

 

 

_____________

 

 

~博麗神社~

 

 

魔「おい霊夢!

こんな異変時に何やってんだよ!」

 

 

微風で神社の桜の木が花びらを散らす。

境内に降り立つなり慌てた様子で神社の住人の元へ駆けていく魔理沙。

霊夢は零夜と共に桜の下にシートを敷いて花見をしている真っ最中であった。

突然の魔理沙の訪問に驚いた霊夢が酒の入ったお猪口を溢しそうになり、不機嫌そうな声で魔理沙に用を聞いた。

 

 

霊「危なっ!うるさいわよ魔理沙!

なんかあった訳?」

 

魔「何って・・・今幻想郷で何が起こってるのか知らないのか!?」

 

 

魔理沙の右手には、朝刊の新聞が握られていた。

バッと渡された新聞を霊夢が広げて読むと、一番前の記事にはでかでかとこう書かれていた。

 

 

{幻想郷花祭り}

 

 

零「花祭りか・・・。

確かに花見に持って来いの天気だが」

 

霊「春でお花見シーズンってだけでしょ?

これの何処が異変なのよ」

 

魔「確かに花だけどよ!

季節関係なく全部の花が咲いてるんだぜ!?」

 

零「別に害無いだろう?

放っておいても問題ないんじゃないか?」

 

魔「え?う~ん・・・確かに言えてるなぁ」

 

 

今回は零夜の意見に一理ある。

花が咲いているだけで実害が無ければ気にするものも殆ど居ない。

と、魔理沙がどうするか悩んでいると、零夜が再び口を開いた。

 

 

零「それより魔理沙も一緒にどうだ?

二人だけの花見は味気ないからな、やはり花見は大人数でやるものだ」

 

魔「花見かぁ・・・。

そうだな、私も仲間に入れさせてもらうぜ」

 

 

少し霊夢が不満そうな顔をしていたが、魔理沙は言われるがままに二人と一緒に花見に興じる事にした。

が・・・。

 

 

魔「あ、でも大人数が良いんだろ?

なら私が暇そうなやつ手あたり次第呼んできてやるぜ!」

 

零「な、なに?

いや、そんなに多く呼ばれても困るんだが」

 

 

零夜の静止を聞くことなく箒に跨りアクセル全開で飛び立ち、一瞬で彼女の姿は見えなくなってしまった。

かなりの人数が来ることを悟った二人は、花見を一時中断して宴会の準備を始める事にした。

 

 

~~~~~~~~~~~

 

 

零夜は桜の木の下にシートを敷き、酒を倉から何本か出して来る。

ツマミを作り終えた霊夢も大皿を持ってやって来た。

 

 

霊「あいつ、まだ帰ってこないの?」

 

零「おそらく本当に手当たり次第声を掛けているんだろう」

 

 

勝手なやつだ。

霊夢はため息がでたが、魔理沙は何時もあんな感じだ。

今更どうもすることは無かった。

 

 

妖「霊夢さん、零夜さん。

こんにちは」

 

霊「妖夢?こんにちは。

珍しいわね、こっちに来てるなんて」

 

妖「はい。

花見をやると聞かされて」

 

 

石階段を登って来たのは冥界の魂魄妖夢だった。

若草色の大きな風呂敷を担いで石段を登ってくるとは流石は剣術指南役として体を鍛えているだけの事はある。

その隣には冥界の主、西行寺幽々子が立っていた。

 

 

零「もしかして魔理沙に呼ばれたのか?」

 

幽「えぇ、冥界も桜は満開でとても美しいのだけれど。

やっぱり空が暗いと寒く感じるのよね~」

 

零「確かにあそこは一年中曇天だからな」

 

 

冥界の空は暗いのが当たり前。

晴れた日なんて一度たりとも無い世界だ。

だが、同時に天気が崩れたことも無い。

要は一年中天気が一緒なのだ。

雨も降らなければ日が照ることも無い。

そんな世界で花見をしても気分が落ち込むだけだ。

幽々子はそれに不満を感じており、魔理沙の誘いに乗ったのだと言う。

 

 

幽「そういう事♪

お仲間に入れてくれるかしら?」

 

零「構わんよ。

その為の用意もしていたところだ。

だが、そうなるともっと用意した方が良いか?」

 

妖「任せてください。

お手伝いさせていただきます」

 

零「助かる。

妖夢は霊夢とつまみを準備してくれ。

魔理沙の事だ、手あたり次第に声をかけるだろうからな」

 

妖「大丈夫ですよ。

食材や酒は十分な量を白玉楼から持参していますから」

 

 

そう言って妖夢は風呂敷をシートの上に見ろげ、中身を取り出して見せた。

正直多すぎるのではないかと言えるほどの酒、酒、酒に、つまみの数々。

博麗神社で用意する必要も無かったのではないかと言えるほどの量がそこにはあった。

これには零夜も何も言えなかった。

食材の下ごしらえも全て妖夢が一人で、霊夢の手を煩わせるまでも無い、と全て終わらせてしまい、後は魔理沙が帰ってくるのを待つだけとなった。

そして、魔理沙が帰ってくるまでの間、博麗神社へ続々と人が集まって来た。

紅魔館に永遠亭。

人里や竹林に住む者も集まり、最終的に大宴会となった。

と、そこに漸く魔理沙が到着し、霊夢の隣に座った。

 

 

魔「おぉ、凄い数だなこれは」

 

霊「魔理沙、アンタ一体何人に声かけてんのよ」

 

魔「言っただろ?‘‘手あたり次第‘‘ってな」

 

霊「バカ!掛け過ぎよ!」

 

 

神社に入りきらない程の人数が一斉に入って来たせいで用意していたシートは満席となり、零夜の予想通りの展開となった。

その零夜は宴会が始まると、色々な所から引っ張りだことなって何処にいるか分からなくなってしまっていた。

折角、零夜と二人で静かに花見を楽しんでいたのにとため息交じりに霊夢はぼやいた。

 

 

霊「もうっ零夜と二人きりの花見だったのに飛んだ展開になっちゃったじゃない」

 

魔「なんだぁ?

零夜とラブラブしたかったのか?」

 

霊「なっ!何よその言い方!」

 

魔「だってそういう風に聞こえるぜ?」

 

霊「うるさいうるさい!

私はそんな事思ってない!」

 

 

顔を真っ赤にした霊夢が牙を出して反論するが、全く説得力が無い。

図星を突かれて照れいるのだろう。

やけ酒として霊夢はお猪口では足りないと一升瓶を一気飲みし始めた。

 

 

魔「おいおい、そんなムキになること無いだろ・・・」

 

霊「うるひゃい!

もう零夜にゃんてひらない!」

 

魔「飲みながらしゃべれるのか・・・器用なやつだなぁ」

 

 

半ばあきれ気味でそれを見ていると、隣にさらに珍しい客人がやって来た。

 

 

幽香「随分と楽しそうね。

噂の旦那様に逢いに来たのだけれど?」

 

 

日傘を射した幽香は見下ろしながら魔理沙に聞いた。

 

 

魔「零夜なら色んな所に引っ張り出されて此処にはもう居ないぜ。

というか隕石ぶっ壊した時に見たろ?」

 

幽香「私はお話がしたいの。

見たい訳じゃないわ。

そうね、居ないならもう一人の方にしようかしら?」

 

魔「もう一人?」

 

幽香「未来から来た彼の子供なんでしょ?

リュウト君って言ってたわね」

 

魔「あぁ、リュウトか。

何か用でもあるのか?

・・・まさかお前、リュウトとタイマン張る気じゃないだろうな?」

 

 

嫌な予感がした魔理沙は怪しいものを見る目で幽香に問いただした。

やりかねないと思ったからだ。

だが幽香は呆れた顔で反論した。

 

 

幽香「私をどんな奴だと思ってるのよアンタは。

別に世間話をしたいだけよ。

興味深いでしょ?

神の国から来た男と未来から来た男。

どっちも面白そうな話の1つや2つ持ってそうじゃない?」

 

魔「あー、止めといた方がいいぜ?

リュウトの過去は悲しいからな。

それに、おまえも未来は知らない方がいいぜ」

 

幽香「彼は・・・いえ、何でもないわ。

それじゃあ私は帰ることにするわ」

 

 

何か言おうとしたのだろうが、途中で切り上げて幽香は回れ右をして石階段へと歩きだした。

 

 

魔「あ、おい!

どうして帰るんだよ?」

 

幽香「桜の花もいいけど、やっぱり私は向日葵の方が正に合ってるから」

 

 

その台詞には、何処か悲しいものも含まれていたが、魔理沙はそれ以上何も言うこと無く彼女を見送った。

 

 

______________

 

 

〜地獄~

 

 

死神「な、なんて事だ。

結界がもう持たない・・・」

 

死神2「なんて馬鹿デカい妖気なんだ・・・。

こ、こんなの初めてだぁ・・・」

 

 

地獄の最新部。

二人の見張りの死神が鎌を構えながら震えていた。

彼の目の前に置かれた巨大な鉄扉。

正方形で天から鎖で吊るされた檻は大きな音を立てて揺さぶられいる。

彼が上司に聞かされて知っているのは、この檻の中には代々の博麗の巫女が倒してきた凶悪な大妖怪がひしめき合って封印されているという事。

そして、その封印は60年周期で緩み始めると言う事だ。

今日、その日が結界が緩み始める日でもあった。

 

 

ガギャアン!!バギャアン!!

 

 

死神2「は、早く応援を呼んでこい!

大至急、精鋭部隊を召集するんだ!」

 

 

一人の死神が同僚に指示を出した瞬間、悲劇は起こった。

 

 

死神「あ・・・あぁ・・・」

 

 

鉄の扉に施された結界は無理矢理抉じ開けられ、隙間から真っ黒な腕が少しだけ出てきた。

直後、結界は壊れ、鉄は紙のようにくしゃりと変形し、化け物は出てきた。

 

 

???「・・・」

 

 

殆ど人間と大差ない大きさだが、放出される妖気は台風のように激しく、そして大きい。

二人は絶望し、膝をついた。

 

 

死神「終わったな・・・。

映姫様、お怒りになられるだろうなぁ」

 

死神2「そうなればいいな・・・」

 

 

死ななければ、映姫の説教と罰を受けるだけで済む。

しかし、そんなことがある筈も無かった。

本当の地獄はここからだったのだから。

 

 

???「始めるぞ・・・戦争だ」

 

 

黒い妖怪は檻の中の百鬼夜行を率いて飛んだ。

目指す場所は・・・幻想郷。

 

 

To Be Continue




オリジナルの設定で作った敵です。
見た目は真っ黒な肌の禿げたムキムキです。
日焼けじゃなくてガチの黒です。
かなりヤバイ展開ですが、じごくで戦うことになります。
奴等は復讐するために封印を破るまでの間、ずっと力を溜めていた化け物達です。
黒いのが一番強いですが、どれだけ強いかはまだ分からないですね~
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