戦闘シーンが薄味ですが、そこはシンプルにしたと解釈してください。
二人が融合した新キャラならぬ神キャラはどれほど強いんでしょうかね?
空亡「グオオオオ・・・・」
空亡はリュウトと零夜を始末すると、邪魔する者が居ないのを良い事に徐々に地獄の入り口へと進んでいた。
死神の戦力は壊滅的にそぎ落とされ、空亡に反抗することも出来ない。
虫一匹居ない不毛の大地を、真っ黒な悪魔の羽を広げ、見た目の巨体からは想像できない速さの低空飛行で移動する。
しかし、空亡は唐突にその足を止め、地に足をつけた。
地面をえぐりながら脚力でブレーキをかけ、前のめりの姿勢でその場に留まる。目の前には、八卦のリングを背中に背負った謎の青年が立っていた。
龍「よお、やっと来たか。
図体がでかい分、スピードは此方の方が上だったようだな」
左右で色の違う髪は、白と黒のコントラストで彩られた髪は何処かで見たような雰囲気を醸し出す。
きりっとした目つきに服の裾から見える筋肉質な腕。
上は白、下は黒を基調とした服で身を包み、恰好は先程倒した筈の一人にそっくりだった。
空亡「・・・・?」
龍「お前、急激に強くなりすぎて脳筋になったのか?
俺だよ、さっき会ったばかりだろう?」
そういうと龍夜は神力を全面開放し、一帯の空気を震えさせた。地面には亀裂が入り、彼の周囲には無数の魔法陣が展開される。
空亡はこれを見て確信した。
空亡「!」
龍「やっとわかったようだな。お前を地獄に叩き落とす為に復活してやったぞ。
どうやら合体したらしくてな、とりあえず二人分合わせてリュウヤとでも名乗ろう。
・・・歯ぁ食いしばれ」
ダァン!!
空亡「グオォォ!?」
気合い砲を飛ばし、相手の目を潰した瞬間、懐に思い切り飛んで正拳突きを繰り出す。
足で踏ん張るも、勢いが強くて堪え切れない。
さらにラッシュが続き、空亡の胴体には拳の跡が大量に付けられた。
龍夜の腕から高速で放たれる拳に対して応戦しようとするも、図体が大きい空亡の大振りなパンチでは遅すぎて、パワーはあっても掠りもしない。
龍「ほらほら、どうしたぁ?」
しかも、大きな体は弱点を狙われやすく、拳を振るうと同時に関節を逆方向に曲がるよう攻撃され、カウンターを返される。
痛みに苦しみながら腕を薙ぎ払うが、もうそこには彼の姿が無い。
消えた龍夜を探して廻りを見渡すと、周囲には無数の魔法陣で構成された結界が完成されていた。
龍「本気で来いよ、お前死ぬぞ?」
ドーム状に広がる魔法陣から銀色の弾幕が放たれると、轟音と舞い上がった煙で何方も視界がゼロとなる。
確実に空亡にはダメージがあった。
しかし、倒すまでには至っていなかった。
龍「怒ったか?」
空亡「ガァァァ!!」
妖気を常時感じ取りながら戦っている龍夜には、空亡の動きが手に取るように判る。
無論、次に奴がどういう行動に出るかも予測できる。
煙の中から不意打ちを仕掛けようと飛びかかってくる空亡の蹴りも寸前で受け止めた。
両者の力はほぼ互角と思われた・・・が、龍夜の足には力が殆ど入っていない。
脚力を使わずに、腕力だけで空亡の蹴りを抑えたのだ。単純な力は既に空亡は龍夜に負けていた。
軽く受け止めた蹴りを跳ね返すと、空亡は翼を広げて空へ逃げた。
そして、その姿が米粒大よりも小さく見える高さまで上がっていった。
龍「諦めろ、お前に勝ち目は無くなった。
今度こそチェックメイトだ」
空亡「グ・・・ガァァァ!!!」
龍「やれやれ、退治されたのは自業自得なのだろうに。
巫女を恨むなんてお門違いだ」
怒りを露わにした空亡が、体内の妖気を両手の平に凝縮させ、地上へ向ける。
標的は真下、龍夜だ。
直径400mの巨大なエネルギーの塊は地上に向けて情け容赦なく斉射された。
迫りくる死の奔流は、大地と共に龍夜を消し去ろうと口を開ける。
黙って彼はそれが眼前に来るのを待った。
龍「それがお前の答えだと言うのなら、俺も容赦はしない」
神撃:ツインライトニングスパーク
彼は両手を天にかざし、体に流れる神の気を空に流した。
合体前の二人が放つ十倍の力を持つそれは、まさに神が放つ天の御柱の如く姿だった。妖怪が太刀打ちできるような力ではない。
空亡の妖力はいとも簡単に消し飛ばされ、かき消されていった。
空亡「ガァオオオオオオン!!??」
龍「もう一度、地獄へ墜ちやがれ!」
神力の巨大レーザーに呑み込まれた空亡の身体は徐々に細胞単位の崩壊を始め、末端部から消滅していった。
羽は捥げて灰になり、腕、足と剥がれ落ちるように消えていく。
こうして、地獄で封印されていた妖怪達の野望は儚く散っていく事となった。
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~二日後、博麗神社~
地獄の異変が終った次の日。あの世は平常運転を取り戻し始め、現世に残されて花に憑依していた幽霊達も次第に姿を消していった。
見事空亡を倒した二人には、映姫から成功報酬として金一封が贈呈された。
本当は地獄の通行証や、死後に天国へ行ける切符などを渡そうとしていたらしいが、部下や秘書が全力で阻止したらしい。
融合した二人もその後直ぐに元通りとなり、それぞれ帰路に就いた。
ペンダントも二つに分かれ、リュウトと零夜で一つずつ持っている。
零夜は霊夢の隣で盃に入った酒を飲みながら境内の桜を眺めていた。
霊「映姫から聞いたわよ?
今回復活した妖怪は私を殺そうとしていたらしいじゃない。
私の為に戦ってくれたんでしょ?」
零「幻想郷を守るためでもあったがな。第一優先は霊夢だ」
霊「優しいのね、ありがとう♪」
不意に笑顔を向けられた零夜は霊夢から目を逸らし、舞い散る桜に目線を合わせた。
風に乗った桜吹雪が境内を染め、その光景に心を奪われた。
零「綺麗だな、地獄の殺風景の後に見ているから余計に美しく見える」
霊「アンタもそういう事言うのね、あまり四季の風情に関心無さそうなのに」
零「聞き捨てならんな、俺だって風情を感じる心くらい持ち合わせている」
霊「あらそう?
ま、こんなに綺麗なんだもの。この美しさが分からない奴は可哀そうなやつよ」
お猪口を傾け喉に流すと、彼女の桃色の唇が潤う。
その瞬間、零夜の脳内に一つの単語がよぎった。
今、この瞬間に言わなければいけない事だと直感で感じた。
それが頭の中に出てきた時には既に口に出していた。
零「霊夢・・・結婚しよう」
霊「ブッ!!ごほっごほっ!!」
彼の衝撃的な一言に霊夢はむせる。
あまりに唐突だったので、霊夢はそのまま零夜に抗議した。
霊「あんたねぇ!もっと時と場所を選びなさいよ!」
零「今、言わなければいけない気がしたんだ。俺はお前と一緒に居たい」
霊「~~~~!!」
酒が入ってほんのり赤かった彼女の頬は一気に真っ赤に染まる。
目は見開き、髪の毛が羞恥心で逆立ちなっていた。
しかし、同時に嬉しさが溢れだしてきてしまい、それが涙となって零れだした。
零「お!おい霊夢どうした!?
なぜ泣くんだ!?俺と一緒に居るのが嫌だとか!?」
霊「そんなじゃないわよ・・・バカ。
これはね、嬉し涙って言うのよ・・・」
涙を袖で拭いながら、霊夢はひくついて答える。
ずっと今まで待っていた、念願の言葉が彼から聞けたのだ。
感極まった霊夢はもっていたお猪口を投げ出して、思い切り零夜に抱き着くと、彼の耳元で囁くように返事を応えた。
無論、返事は決まっている。
霊「イエスよ。これからよろしくね・・・大好き」
零「ありがとう霊夢。俺も君が大好きだ」
絡み合う二人は黙って意思疎通し、そっと口づけを交わす。
この日、博麗神社に本当の春が訪れた・・・。
花映塚 完
まさかまさかの零夜さん告白です。
リュウトがお付き合いに対して彼は交際無しの結婚ですからね。
映姫から貰った金一封の使い道、決定ですね。
因みに零夜は恋愛に疎いので、結婚というのが何なのかを知っていても何が必要なのか知りません。