どうしょう、、、
店員「毎度ありやしたー!」
昼時も過ぎ、腹ごしらえを終えた二人は、ショッピングモールの中を散策することにした。
主に洋服を取り扱う店が多く、若い女の子の出入りが大多数を占めていた。
それに目をつけた咲夜がリュウトの手を引っ張りながら中へ入ると、その店は人里の洋服店とは比較にならないほどの品揃えを有していた。
洋服に目が無い彼女にとっては楽しいひと時であり、リュウトも出来るだけ付き合う姿勢を示して後を付いていく。
咲「あ、これ可愛いわね・・・。
リュウトさん、少し試着してみても宜しいですか?」
リ「あぁ、好きにすると良い。
俺も待っていてやるから」
気になる洋服を見つけて試着室に入り、暫く中で着替えをする。
外で待っているリュウトは、カーテン越しに聞こえる肌と布が擦れる音に何かイケない事を想像してしまい、顔を赤くして首を振って冷静を保とうとしている。
すると、着替えを終えた咲夜がカーテンを開けた。
ノースリーブの水色のワンピースだ。
咲「どうですか?
少し露出が多い気がしますが・・・」
リ「いや、似合っているぞ」
咲「本当に?
では・・・」
再びカーテンを閉じて、次の服へ着替える。
今度は黒いフリルのついたミニスカートにジャケットだ。
咲「どうですか?」
リ「あぁ、似合っているぞ」
また違う服へ着替える。
咲「リュウトさん!
これはどうですか?」
リ「似合っているぞ」
次の服に着替える。
咲「これはどうでしょうか??」
リ「うむ、似合っているぞ」
咲「・・・・何だかどうでも良いという感じですわね」
リ「えぇ?そんな事は無いんだが・・・」
ずっと同じような反応を繰り返すリュウトに面白みを感じない咲夜は頬を餅のように膨らませる。
悪気があるわけではなく、単に咲夜が全て着こなすので言っていただけなのだが、彼女はそれにご不満なようだ。
リ「いや、余りに君が全部着こなすから他に何も言えないんだ」
咲「え?う~ん。
それは嬉しいですが・・・何か面白みがありませんわ」
リ「そんなこと言われてもなぁ・・・」
咲「そうだ!
リュウトさんも試着すればよいのでは?」
リ「え?俺は別に・・・」
咲「良いから!
服は私が選んで差し上げますから♪」
リ「ち、ちょっと!
押すな!」
咲「まぁまぁ、これだけ豊富なのですから、リュウトさんにピッタリなお洋服もありますわよ♪。
あ、先程試着した物は全て買いますわ」
リ「・・・好きにすればいいさ」
試着し終えた服を全て籠に入れ、レジで精算を済ませると、紙袋全てをリュウトに任せる。
大した量ではなかったが、いつかの買い物癖は健在だったと、懐かしく感じた。
グアムでのショッピングは最悪だったせいか、今回の量は可愛く思える。
が、しかし・・・。
咲「折角なのでリュウトさんの試着した服も買いましょう!」
リ「え‘‘・・・」
結局、後から増えてしまう事となった。
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~墨田区郊外~
咲「わぁ・・・すごく高いですね」
リ「こう間近で見上げると首が痛くなるな」
墨田区の閑静な下町の中に聳え立つ一本の巨大な電波塔。
700mを越える巨大な塔は、真っすぐに天を差していた。
リュウトが行こうと言い出した場所だったが、それには理由があった。
リ「よし、昇ろうか」
咲「上がれるのですか?」
リ「有料だがな。
おっと、まだ時間があるな」
腕時計が差す時刻は午後三時近く。
何故この時間ではダメなのか、咲夜は聞くが、彼は何も教えてはくれなかった。
ただ、楽しみにしておいてくれ、と一言言うだけだった。
リ「近くに水族館がある。
そこで時間を潰そう」
咲「すいぞくかんとは何ですか?」
リ「海の生き物がたくさんいる所さ。
きっと驚くぞ」
相変わらず紙袋を提げたままだが、彼は咲夜の手を牽いて歩く。
手を握られた咲夜の表情は嬉しそうに見えた。
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~巨大水槽前~
咲「これは・・・お魚が泳いでいますわ!」
リ「海の魚さ。
海の中ではこうやって魚達が泳いでいるんだ」
水槽の中ではイワシが群れを成して泳ぎ、光のカーテンを作り出している。
幻想的な光景が目の前に広がっていた。
咲「神秘的ですね、イワシがああやって泳いでいるなんて知らなかったです」
リ「弱いから群れを作って集団で泳ぐ事で大きな魚に見せているんだ。
魚なりに考えた結果なんだよ」
咲「生き抜くための知恵なのですね・・・。
昔の私みたい・・・」
リ「何か言ったか?」
咲「あ!いえ、何も。
それより、次行きましょう!」
リ「え?あぁ」
手をブンブンと振り、何かを誤魔化すように彼の手を引っ張って先へと進む。
ちらりと見えた咲夜の顔が少し強張っていたようにも見えたが、あまり気には留めなかった。
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珍しい海の生物たちを堪能し、それなりに楽しめた頃に時間を見ると、既に日が沈む時間帯となっていた。
丁度良い暇つぶしになったと思う。
そして、退館しようと出口に向かおうとした時。
目の前を横切った女子高生がストラップを落としたまま歩いて行ってしまった。
しかし、早期に気付いたリュウトが拾い、その子を呼び止めた。
リ「君、落としたぞ」
?「え?ア!ありがとうございます!!」
小走りで駆け寄って来た緑髪の少女は、白蛇のストラップを受け取ると大事そうに両手に握り、彼に礼を言った。
?「これ大切なものなんです!
危うく無くすところでした!」
リ「今度から気をつけろよ」
と、普通に会話をしていると、リュウトはある事に気が付いた。
この少女、何処かで見覚えがある。
リ(この子・・・どこかで会ったような・・・。
なるほど、そういう事か。
これも運命ってところだな)
確かに見覚えがあり、何処で見たかも思い出した。
一人で納得していると、遠くからその少女を呼ぶ声が聞こえた。
恐らく一緒に来ていた友達だろう。
彼女はその子の名前を呼んだ。
少女「早苗ー!
早く行こうよ~!
今日は早苗が引っ越しするっていうから東京まで来たんだよ?」
早「ごめんごめん!
ではさようなら!」
一礼して早苗という少女は友達の所まで走っていく。
近いうち、彼女と再会することになるだろう。
咲「お知り合いですか?」
リ「さぁな。
さ、俺達も行こう」
リュウトは少女の去る姿を見送り、水族館を出る。
既に日の光は照っておらず、夜の街灯が街を明るく照らしていた。
その中でも一際光を放っていたのが、あの電波塔だった。
鮮やかな紫の光が塔を螺旋状に流れる。
さらに、空色の光で照らされた展望台が一層に美を産んでいた。
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ホールからエレベーターで一気に展望台へ昇る。
一面ガラス張りの展望台は、夜の東京を映し出していた。
リ「これを君に見せたかったんだ。
昼の東京も良いが、夜はとても幻想的なんだ」
強化ガラスの床の上に立ち、咲夜は下を見下ろす。
さっきまで自分達が居た街がまるでミニチュアの世界のように感じられ、そのミクロな世界が地平線の彼方まで広がっている。
宵闇に映える真っ赤なビルの灯火の点滅が優しく夜を彩り、まるで生きているかのようだ。
咲「とっても明るいですわね。
それでいて美しい景色・・・。
この街には一体何人の人々が住んでいるのでしょう?」
リ「考えたくも無いな。
途方も無く多くの人々がひしめき合って存在しているのだから」
夜景に見惚れる咲夜の横顔を見るリュウトは、小恥ずかしそうに咳払いをする。
リ「ま、またこうして咲夜と出掛けたい・・・」
顔を見せたくないのか、向こう向きに顔を逸らし、照れながらで声が小さい。
咲夜はリュウトの腕にそっと抱き着く。
咲「奇遇ですわね、私もそう思っていた所ですわ♪」
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翌日、夜のうちに帰って来た二人の距離はより一層近くなっていた。
この日を境に、二人は休日を何処か一緒に出掛ける事が多くなったという。
上手く書けてないので終わりかたが微妙な気がしますが、他に何も思い付かないのと忙しくて書く暇無いのでこうなってしまいました。
早苗はフラグです。