東方混迷郷   作:熊殺し

98 / 144
今日は仕事帰りのバスで執筆してたら隣に座った女の子がこの小説読んでたんです!!
嬉しいですねぇ!自分が書いた小説が読まれるってのは!
てなわけで季節は秋です。


風神録78話

~外界、とある神社~

 

 

落ち葉が風に揺られる季節の注連縄が掛かった鳥居を持つ深夜の神社。

丑三つ時と呼ばれる時間なのにも関わらず、未だに社には灯りが付いていた。

その中で、一人の少女が誰かと話すような独り言を淡々と続けていた。

 

 

早「もうこれで、みんなとはお別れですね・・・」

 

?「怖いか?」

 

早「寂しくはあります。

でも、それでいてワクワクしている自分も居るんです」

 

?「ほう?何故?

あちらの世界は此処とは全く違う世界なんだよ?」

 

早「だからですよ。

きっと新しい出会いが待っている筈です」

 

?「フフッ良い考え方だねぇ。

・・・それじゃ、準備は良いね?」

 

早「勿論。

何時でも行けます」

 

?「なら行こうか。

‘‘幻想郷‘‘へ」

 

 

その翌日。

とある街から一つの神社が忽然と姿を消した。

 

 

_________

 

 

~博麗神社~

 

 

零「ズズッ・・・・。

ほほう、妖怪の山に謎の神社現る・・・か」

 

 

朝、味噌汁を啜りながら新聞を広げていた零夜は、見出し記事に注目していた。

妖怪の山の頂上に、神社と大きな湖が突然現れたと書かれている。

天狗の里と距離が近く、今は警戒が厳となっているそうだ。

大変な事である。

書かれている記事によると、神社には強力な神が二人存在し、いつ戦争になるか分からない状態らしい。

 

 

霊「いい加減にしてほしいものね。

神なんて出てこられたら面倒この上ないじゃないの」

 

 

霊夢が朝からやや不機嫌なのは、十中八九この異変のせいだろう。

ほぼ100%外から来たのであろうこの神社は、名前を守矢神社と言うそうだ。

神社という辺りは、垣つね同業者といった所だろうか。

 

 

霊「ん?

・・・誰か来るわ」

 

 

箸を止め、ピクリと霊夢が何かに反応する。

彼も同様に感じ取っていた。

知らない霊力の波長だ。

しかも大きい。

真っ直ぐ此処に向かってきていた。

急いで霊夢は居間から飛び出し、縁側から外に出た。

臨戦態勢で迎え撃とうと言うのだ。

 

 

霊「さぁ、何処からでもかかって来なさい!

勘が言ってるわ、今から来るのは敵よ!!」

 

?「随分物騒ですね。

今日はお話をしに来ただけなのに」

 

霊「!!」

 

 

上から聞こえた女の声に反応して霊夢は見上げる。

空には、青い巫女装束を纏ったロングヘアの緑髪が似合う少女が浮いていた。

博麗の巫女以外に巫女が居るのはあそこしかない。

 

 

早「おはようございます。

はじめまして、守矢神社から来た東風谷早苗というものです」

 

霊「守矢・・・?

山の頂上に突然現れた訳の分からない神社の巫女?」

 

早「聞き捨てなりませんね、私達の神社を訳わからない呼ばわりだなんて。

貴方こそ、神社のくせに碌に信仰を集めようともしないで。

神を祀らない神社なんて存在意義がありません」

 

霊「神様ならいるわよ。

最も、この神社の神様じゃないし、しかも私の旦那だけどね」

 

早「・・・はい?」

 

 

縁側に立つ零夜に視線を合わせる早苗。

人間には存在を感じ取れない神は、霊力を探ったところで無意味。

要は、霊力を探っても反応が無ければ神なのだ。

しかし、早苗は神の気を感じ取り、零夜が本物の神である事を確信した。

 

 

早「・・・本当に神のようですね。

貴方、何者なんです?」

 

零「俺の名は零夜。

かつての地球ではトール神と呼ばれていた」

 

早「トール!?

北欧神話最強の神の一人じゃないですか!!」

 

 

ひっくり返る勢いで驚く早苗の反応も無理はない。

事実、神話時代に刻まれたトール神は最強の戦神として、オーディン、フレイと共に祀られている。

伝わっている性格や姿は全く違うが。

 

 

早「私では敵う相手ではありませんね・・・。

しかし、今回は話をしに来ただけで戦う気はありません。

私は貴方方と交渉に来たのです」

 

霊「交渉?」

 

早「はい、此処に守矢神社の分社を建てさせてもらいます」

 

霊「はぁ!?

勝手に人様の敷地に変な物建てようとしないでよ!」

 

早「そのための交渉です。

貴方達のメリットは参拝客が増える事。

私達のメリットは信仰が増える事。

分社に入った賽銭は全て貴女達に差し上げます、これでどうです?」

 

 

悪い話ではない。

基本的に妖怪退治で生計を立てていて、賽銭は殆ど入っていない。

相応の金額が手に入るならば許可しても良いが。

 

 

霊「悪いわね。

私は今の生活に満足してるの。

お金が無くたって零夜も一緒に働いてくれるし、それにね、私達の憩いの場に余計な物を入れたくないのよ」

 

零「霊夢・・・」

 

 

正直、零夜は霊夢が承諾するのではないかと考えていた。

特に不自由なく暮らしてはいるものの、あまり贅沢が出来ている訳でもなく、零夜も人里に行って仕事を見つけようとするが、神様を働かせれば罰が当たると言われて働かせてくれない。

結局は霊夢の手伝いと少しの信仰で金を足しているくらいだ。

二人の稼いだ金額を足しても多くは無い。

零夜は霊夢の幸せの為には金が必要だと考えていた。

しかし、霊夢はそれを望まずに、零夜と一緒に居る事が幸せだと言ったのだ。

 

 

早「泣かせますね。

しかし、これで交渉決裂です。

私達は博麗神社を敵対対象として見ます」

 

 

そういうと早苗はスカートのポケットから小さな杭を取り出して地面に突き刺した。

 

 

早「この神社の土着神の呪いを掛けました。

三日後にこの土地は呪いで消え去ります。

神社もろともね」

 

霊「何ですって!?」

 

 

次の瞬間、早苗の身体が透け始める。

何かしらの能力を使ったのか、彼女の体から徐々に実体が無くなっていった。

 

 

早「もし止めたいのなら、守矢神社に来てください。

決着はそこで決めます」

 

霊「あ!ちょっと!

待ちなさい!!」

 

 

霊夢が手を伸ばして腕を掴もうとした時には既に早苗の姿は消えていた。

零夜は今の術に見覚えがあった。

 

 

零「今の術から神の気が感じられた。

恐らく神力を使った空間転移術だろう」

 

霊「何よ、ってことはあの女も神だってこと?」

 

零「それは無い。

あの子から感じられた気ではなかった。

神社で祀られている神の手によるものだろう。

それより・・・これは早く抜いておいた方が良い」

 

 

地面に突き刺さった禍々しい杭。

零夜はそれに手を伸ばし、引っこ抜こうとする。

しかし、霊夢がそれに待ったを掛けた。

 

 

霊「ちょ、ちょっと!

そんな雑に抜いて大丈夫な物なの!?

もし抜いて此処が無くなったら洒落にならないわよ!?」

 

零「安心しろ。

この手の呪いは大体作るために掛けた力よりも強い力を籠めれば壊れるんだ」

 

 

そういうと零夜は杭を握った右手に神力を集中させ、杭を地面から引き抜いた。

・・・・どうやら成功したらしく、抜いても何も起こらなかった。

 

 

霊「ふぅ。

恐い事してくれるわね、心臓に悪いわよ」

 

零「確信も無いのに無責任な事はしないさ。

どうする?

守矢神社、行ってみるか?」

 

霊「当ったり前よ。

売られた喧嘩は買うわ。

でも、零夜は此処で留守番ね」

 

零「何故だ?」

 

霊「私の仕事だからよ。

手伝ってもらう訳にはいかないわ」

 

零「・・・解った。

俺は手出ししない」

 

霊「よろしい♪

頼むわよ!」

 

零「そちらもな」

 

 

パンッ!!

 

 

ニッと笑い合い、ハイタッチをして霊夢は空へと舞い上がる。

 

 

零「霊夢!受け取れ!!」

 

 

忘れ物だと零夜から投げられたお祓い棒と陰陽玉をキャッチし、空の彼方へ消えていった。

 

 

to be continue...

 

 




早苗さんは元高校生という設定です。
今回の異変は咲夜達が絡みません。
原作通りの流れを創作で少しねじります。
異変解決に向かうのは霊夢と魔理沙だけとなりますが、ゲストを一人迎えようかと検討中です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。