誠にありがとうございます。
誤字報告も大変助かっておりますが、『あえてこの表現にしてるんすよ・・・・』という箇所は修正しておりません。
ご容赦ください・・・・(頭を垂れて平伏)
「――――と!言う訳で!」
「気を取り直して、るるかさんの調査!!行くわよ!!」
大也がるるかに宣戦布告した数日後。
警察による捜査も終わり、やっと規制が解かれたことで。
改めて、マコトジュエルが砕かれたという現場にやってきた一行。
「みくる殿、傷の具合は如何か?」
「無理はすんなよ」
「ありがとうございます!オミネさんのお陰で、ばっちりです!」
「それに、わたしとポチタンもいるので!」
「ポチ!」
「大也さんこそ、腕の火傷は大丈夫なんですか?」
「ああ、ばっちりだ」
病み上がりを気遣い合いながらやってきたのは、取水棟のある湖だった。
「あっ、ここ来たことがある!」
真っ先に反応したのは、あんなだ。
「そうなの?」
「うん!小学校の頃の遠足で!あそこでお弁当のハンバーグを落としちゃったんだよね・・・・楽しみに取っておいたのに~!」
「それって最悪だねぇ」
思い出話に、『確かに悲しいのう・・・・』とモンドも一緒にしょんぼりしている中。
取水棟の色が違うことにもあんなが言及し始めると、
「って、いやいや・・・・森亜るるかの調査に来たんだろ」
「「はい・・・・」」
「ポチ・・・・」
我に返ったジェットが、彼女達を窘めた。
「モンドも頼むぜ、大人だろ?」
「むぅ、すまぬ・・・・食べ物の話となるとどうにも・・・・」
幾多もの犯罪者を捕らえて来た猛者と言えども、好きなものの話題となると夢中になってしまうらしい。
「――――やっぱり、未来のことは知らない方がいい」
モンドもあんな達と一緒に反省していると、湖を見つめたジェットがぽつりと零す。
「ジェット先輩?」
「お前達にも話しただろう、『未来は絶えず変わる』って」
首を傾げるあんな達へ、真面目な顔を向けたものだから。
その話を今初めて聞いた大也達も、自然と背筋を伸ばす。
「ウソノワールが、未來自由の書を使っているのを見て、思ったんだ・・・・答えありきで動くなんて、まっぴらだって」
「左様、それ即ち、己の意志を、心を・・・・放り捨てているのと等しいからのう・・・・」
モンドもまた、深く頷いて同意すると。
「何より、恐ろしいものじゃぞ・・・・他者に答えを委ね切り、思考を放棄した集団というものは」
ハンバーグで一喜一憂していた先ほどとは、打って変わって。
真剣な顔であんなとみくる、それから大也を見る。
「お主達は、そうなってくれるな・・・・真実を追い求め、己で選ぶことを、捨ててくれるな」
それは、幾千、幾万の、様々な犯罪者と対峙してきたからこその言葉。
その重みが伝わったからこそ、若者達は己の一部とすべく、息と共に飲み込んで。
「「はい!」」
「分かった」
各々、こっくり頷いたのだった。
「――――手紙によると、半年ほど前にここでマコトジュエルが砕けたそう」
「ウソノワールが言ってたやつだね」
気を取り直して。
改めて手紙と照らし合わせながら、情報を確認する面々。
――――以前ウソノワールは。
一つの巨大な塊であったマコトジュエルを、あと少しのところで手に入れようとしていたらしい。
寸でのところで、『キュアット探偵事務所の手の者』によって阻まれたが。
結果としてマコトジュエルは砕け散った。
そしてまことみらい市を中心に、あちこちに散らばっていったと言う。
今、あんな達が怪盗団と取り合っているのは、その欠片なのだ。
「で、森亜は?」
「その直後に行方を眩ませちゃったって・・・・」
「手紙で分かったことはそれだけか・・・・」
・・・・正直。
るるかの目的を知るには、情報が心もとなさすぎる。
他に手掛かりはあるのだろうか。
あるとしたら、どこに。
「――――なるほどね」
考え始めた、その時だった。
「大した事、書いてないんだ」
行き止まりであるはずの、取水棟から歩いてくる人物。
るるかだ。
「ッ森亜・・・・!」
大也は即座に十手に手をかけ、るるかを睨みつける。
「アルカナ・シャドウ・・・・ううん、森亜るるかさん!」
遅れて身構えたあんなごと、無視しながら。
大胆にも脇を通り過ぎていくるるか。
「どうしてファントムにいるの!?」
そんな彼女へ、あんなは果敢にも問いを投げる。
「・・・・知ってどうするの?」
歩みを止めないまま、吐き捨てて立ち去ろうとするるるか。
「ちょっと・・・・!」
「ッ待てや!オイッ!」
『お前には何もできない』とばかりの態度。
あんなは手を伸ばし、大也に至っては飛び掛かろうとして。
「わ・・・・!」
「ッ・・・・!」
しかして、突如として吹き荒れた突風に視界を奪われてしまう。
風が止む成り、慌てて前を見るが。
一瞬の間に、るるかは忽然と姿を消してしまっていた。
「・・・・クソッ」
大也は十手を修めながら、るるかが去った後を睨みつける。
「あの、大也さん」
「何かあったんですか?」
「ぁ・・・・ああ、すまん・・・・」
その、ただならぬ雰囲気に、あんなとみくるが思わず問いかけると。
自分が酷い顔をしていると気付いた大也は、ばつの悪そうに頭をかく。
「・・・・ちょっと、色々あったんだ」
そして、落ち着きを取り戻しながらも、るるかが去った後をしばらく見つめていた大也は。
それきりを呟いて、黙りこくってしまって。
「「・・・・」」
そんな彼を目の当たりしたあんな達は、それ以上の追及が出来なかったのだった。
「――――見えたわ!やっぱり重要な手紙だって!」
「手紙を切欠に、名探偵が新たな秘密を見つけるって占いに出てるわ」
「――――秘密?」
「――――あんな?」
「急にどうした?」
さて、三度気を取り直して。
取水棟のすぐ近くまでやって来た一行。
するとあんなが、砂がつくのも構わず膝立ちになる。
「るるかさんの手掛かりがないかなーって」
「この辺りは、ロンドン本部のみんなが徹底的に調べたそうだ」
「となると、そう簡単に見つかるとは・・・・」
しゃがんでまで探す彼女へ、ジェットは知っていることを。
モンドは発見までの道のりが、遠いことを口にした。
確かに調査済みと来れば、一見手掛かりはなさそうに見えるが。
「自分の目で確かめたいの」
あんなはとうとう這いつくばってしまいながら、真剣に観察を始める。
「るるかさん、悪い人じゃないから」
「・・・・何故、そう思う?」
「あの時、助けてくれた」
モンドが問いかけると、姿勢を変えないままあんなは答える。
「これって証拠もないし、本人も予言が出たからって言ってたけど・・・・助けられたのは、ホントだから」
「確かに・・・・あの時、わたし達を見捨ててもよかったのに、それをしなかった」
みくるも、同じ光景を思い出しているのだろう。
顎に指を当てて、ポチタンと一緒に大きく頷いている。
「ファントムにいる理由が、何かあるんだよ・・・・わたし、その理由を知りたい」
「うん、天才探偵が、ウソに覆われた世界を望むはずないもんね!」
・・・・ジェットとモンドが。
『自分で考えることの大切さ』について、話した直後だったからだろう。
安易な答えに満足せず、自らの目で真実を見極めようとする姿勢に。
年長者二人は、どこかくすぐったそうに笑い合った。
「ん"っん"・・・・これこれ、年頃の娘がそのような姿勢をするものではない」
「その通り!ボクの作ったミラールーペを使えよ、新しい手掛かりが見つかるかも」
「そっか!」
照れくさい気持ちのままに、揃ってあんなにアドバイス。
みくるも一緒になってミラーループを起動させ、改めて周囲を探っていく。
すると、
「――――はなまる発見!」
ほどなくして、何かを見つけた様だ。
走り出したあんなを追って、彼女が拾い上げたものをみんなで覗き込む。
「・・・・紙?」
メモ用紙サイズの、随分と古びた紙きれ。
中央に何か描かれていた痕跡があるが、今この場では確かめる術がない。
「これが手掛かりなの?」
「何も見えないな・・・・?」
一体何なんだろうか。
これは有用なものか、それとも違うのか。
考えかけた、その時。
「ポチー!!マコトジュエル!!」
「わ、ポチタン!?」
ポチタンが熱くシャウトしたと思ったら、肩ひもをあんなに引っかけて連れ出してしまう。
「ッ調査の途中だけど、行こう!」
「ええ!」
中断させられる形となってしまったが、ファントムにマコトジュエルを渡すわけにもいかない。
「もー!忙しいな!」
「致し方あるまい!!」
思わず悪態をつくジェットを、モンドが宥めながら。
一行は、ポチタンの引率で走り出していく。
取水棟と離れ、湖畔を通り、雑木林を抜けて。
「ッあれ?ここ?」
「ポチ!」
湖の周回道で、ポチタンは止まった。
「結構近かったね」
「さっきのとこからほとんど離れてないな」
現場が目の前であったことに拍子抜けしたものの。
『マコトジュエル、ないない!』というポチタンの主張を信じて、周囲を見渡してみると。
「あれ・・・・」
「あの人は・・・・」
一行が立っている、取水棟への道から繋がった本道。
鞄のそばに、男性が一人。
「宇都見さーん!」
『誰だろうか』と首を傾げる大也とは対照的に、あんなとみくるは彼の名を呼びながら歩み寄っていく。
「知り合いか?」
「はい、わたしとあんなが、初めて解決した事件で会ったんです!」
みくる曰く、結婚式場でのティアラ盗難事件に置いて。
式場に雇われたカメラマンとしていたということだった。
「何か、探し物ですか?」
「あ、ああ・・・・カメラが無いんだ」
どこか強張った顔をしている『宇都見将太』は、あんなの問いかけにこっくり頷く。
曰く、『バッグの上に置いておいたカメラがなくなった』とのこと。
父親から譲り受けた、大切なものだとも教えてくれた。。
「きっと、ファントムの仕業だね」
「わたし達に任せて下さい!」
「何か、気付いた事はありませんか?」
早速手帳を開き、聞き込みをするあんなとみくる。
問いかけに対し、宇都見はしばし悩んだ後。
「あ、そういえば・・・・あっちに、走っていく人影が!」
と、一点を指さしたが。
「あっちって・・・・」
「わたし達が走って来た道?」
そう。
彼の言う『人影』が去っていった先は、つい今しがた探偵達が通って来た道。
「・・・・誰かいたか?」
念のため大也が確認すると、モンドは宇都見にバレない様に黙して首を振った。
「とにかく、直接警察に行ってくるよ。ここ、携帯の電波が届かなくて・・・・!」
「・・・・蓋が」
大切なカメラが無くなって、相当慌てているのだろう。
慌てて荷造りをする宇都見だったが。
その様子を見ていたみくるは、ひっかかりを覚える。
「逃げ足の速い連中だ!無茶苦茶早く現場に着いたのに!」
「・・・・速く、ついた」
一方のあんなもまた、ジェットのぼやきにひっかかりを覚えて。
・・・・現着までの時間、いるはずの第三者。
そして、荷造りに手間取る宇都見。
「「見えた!これが答えだ!」」
『ひらめきの羽根』を散らしたあんなとみくるは。
「「犯人が分かりました!」」
自信満々に、宇都見へ宣言した。
オリジナルを続け過ぎると、原作を凌辱していないか気になってしまう・・・・原作沿いにすると、大也達が薄くなってしまう・・・・。
ううーん!!難しい!!!()