ようこそデカグラマトンのいる教室へ   作:和崎

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今回でストックはなくなります。つまり、毎日投稿はこれで最後だということです。ついてきて、くださった皆様には感謝しかありません。


特別試験

 

 

 夕食の時間になり、集合場所へ向かうと昼食の時と同じくらいに豪華な食事が並べられていました。全員が集まったところで食事が開始となりましたが、先生が何やら話したいことがあるようです。

 

 

「全員、食べながらで良いから聞いてくれ。只今より、本年度最初の特別試験の説明を行わせてもらう」

 

 

 サバイバルはなくても特別試験はあるのですね。やはり、高育はただのバカンスを行わせる気はなかったということですか。

 

 

「初めに言っておくが、この試験に参加する資格のある者は特異現象捜査部とその関係者のみだ。それ以外の者は参加することはできないので、安心してバカンスを過ごすように」

 

 

 その言葉が聞こえると心の底から安堵した声が聞こえてきました。バカンスだと聞いていたのに、試験を受けさせられるのは嫌ですからね。まぁ、私は強制参加なのですが。

 

 

「今回の試験の内容はこの島とは別の火山島にいるとされているオカルトを討伐、もしくは撃退してもらうことになる」

 

 

 この島とは別の火山島ということはこの島では戦わないということですよね。であれば何故、この島を確認させるような行動を豪華客船はしたのでしょうか。

 

 

「ちなみにそのオカルトは昨日までこの島にいたらしくてな。この島で決戦するのだと勘違いした船員が地形を把握させるために周回させたらしい。また、体操服に着替えさせたのは安全に動けるように配慮したためだ。疑念を抱かせるような行動を取らせてしまって申し訳ない」

 

 

 船上で抱いていた疑問が一気に解消されたような気がします。これで他の人は純粋にこのバカンスを楽しむことができますね。

 

 

「そのオカルトは何故、この島を離れたのですか?」

 

「それはおそらく、この島に火山がなかったからだろう。奴の目的は火山を噴火させることで間違いない。現に火山活動が活発になっている」

 

 

 火山を噴火させるオカルトですか。ただのオカルトだと私達は呼ばれないと思いますし、デカグラマトンの預言者か何かでしょうか。

 

 

「さて、ここからが試験の本題になる。まず、こちらが用意できる武器や防具はこのマニュアルに書かれているからそれを読むように」

 

「無償で用意してくれるのですか?」

 

「いや、ポイントで買う必要がある。使えるポイントは全部で三百ポイントだ。使われなかった分のポイントはクラスポイントに還元されることになる。つまり、最大で三百ポイントが手に入るチャンスだと思ってほしい」

 

 

 これは物資を揃えづらくなることを言ってくれますね。参加しない他の生徒にとってみれば、あまり武器や防具を買ってほしくないはずです。

 

 

「ただし、当初の目的である討伐もしくは撃退が達成できない場合はクラスポイントへの還元はない。つまり、手に入るポイントは0だ。そこら辺をしっかりと考えて、準備するように」

 

「作戦を決行する日はいつ頃ですか?」

 

「無人島でのバカンスの最終日、つまり八月七日だ」

 

 

 この特別試験は学年で協力しなければならないものですが、クラスの納得を得られなければ協力することも難しいかもしれません。どこまで、ポイントを出せるかは話し合わなければいけませんね。

 

 

「もしも、討伐もしくは撃退ができなかった時は島はどうなるんですか?」

 

「島民は避難済みだが、火山災害によってしばらくは帰れなくなるだろうな」

 

「なら、こんなお遊びのようなことをすべきではないと思いますが?」

 

「俺もそう思ったが、何しろ上からの命令でな。上がそのような方針にした以上、我々は従う義務がある。嫌なことではあるがな。あぁ、上とは国のことだ」

 

 

 前回、ロケットランチャーでケセドを倒せたから今回もロケットランチャーを用意していれば勝てるだろうという驕りでしょうね。もしかしたら、想定しているよりも遥かに強いかもしれませんが、その時はどうするのでしょうか。

 

 

「説明は以上だ。マニュアルは明星に渡しておく。後でじっくりと見ておくように」

 

 

 真嶋先生からマニュアルが渡されると、早速ではありますが、その中身を見ることにしました。色々な武器や防具が載っており、確かにこんなに準備をするのであれば勝てるのではないかと思えるほどでした。特に私が注目したのは以下の項目です。

 

 

・防護服(耐熱性あり) 十ポイント

 

・ロケットランチャー 五十ポイント

 

・戦闘員の増員(一クラス五人まで) 二十ポイント

 

 

 火山島で火山を噴火させるために行動しているのだとすれば、オカルトが陣取っている場所は火山のある場所でしょう。そのため、耐熱性のある防護服を新たに手に入れた方が良いと思います。ロケットランチャーは前回、大活躍したらしいので注目しているだけですが。

 

 そして最後の戦闘員の増員についてですが、選んだ際の注意事項が書かれています。増える人員の装備は万全であるため、この者達の装備については考慮しなくても良いと。これは最大まで選ぶことを前提に作られているように感じます。つまり事実上、使えるポイントは二百ポイントまでということですか。

 

 

 

 

 

 

 夕飯を終えた私達はメールでオカルトについての詳細な情報を知りました。名前はコクマーと言い、デカグラマトンの預言者だそうです。預言者であることを話すことができなかったのは間違いなく、機密事項だからでしょうね。

 

 私はメールで神室さんと葛城君をリビングに呼び出しました。もっとも、神室さんに関しては同じ部屋なので直接、声をかけても良かったのですが。話したい内容は勿論、預言者をどのように討伐もしくは撃退するかについてです。

 

 

「何故、火山が噴火するかどうかという時に国はこんなことをするのだ! まるで、見せ物にされているみたいではないか!」

 

「しばらくは噴火しないと考えているからだと思うけど、それだけじゃない気がするのよね」

 

「どういうことだ?」

 

「だって、これは私達の管轄外だもの。学外のことなんて学外にいる普通の軍人がやれば良いことでしょ。それをわざわざ私達に任せたってことは葛城の言う通り、見せ物にされている可能性は充分にあるよね。まぁ、それでも私達は文句を言っちゃいけないんだけどさ」

 

 

 見せ物にされている可能性ですか。まぁ、ゼロではないでしょうね。オカルトを倒す様子なんて、まさに見せ物に相応しいでしょうし。問題は誰が誰に向けて見せ物にしているかについてですが。

 

 

「見せ物のことは一旦、置いておきましょう。今すぐに解決できる問題ではありませんから。それよりも今の問題はどの装備を買うかについてです」

 

「クラスポイントが増えるチャンスだからあまり買わないでほしいと思っている者もいるだろうな。リーダーとしてはなるべくその期待に応えねばならん」

 

「とはいえ、絶対に買わなきゃいけない物もありますからね。明日以降は他クラスとどこまで使うかの会議が必要そうです」

 

 

 ロケットランチャーのような武器は全クラスが所有しておく意味はありません。あの武器は弾数が揃っていれば最強クラスの能力はありますからね。どこかのクラスに負担してもらいたいところですが、五十ポイントも負担してくれるクラスなんてないでしょう。

 

 

「とりあえず、耐熱性のある防護服を買うことは決定事項ですね。あれがなければお話になりません」

 

「流石にあの防護服は火山で活動することを想定していないだろうからな。それについては俺も異論はない」

 

「私も同意見。でも、これは何着買うの?」

 

「というと?」

 

「ほら、クラスには忍者もいるわけじゃん。その忍者達も戦力に加えて良いんじゃないかって思っているわけだけど」

 

「可能なのでしょうか?」

 

 

 それができるのであれば大助かりですが、肝心の忍者が普段の護衛か情報提供以外に仕事をしているところを見たことがありません。認識ができないので、見たことないのは当然ではあるのですが。

 

 

「ほら、先生は特異現象捜査部とその関係者が参加できるって言っていたわけでしょ。軍の人間と忍者はその関係者に当てはまると思うんだけど」

 

「そうでなければ、部員のいないBクラスは試験に参加しないまま三百ポイントを手に入れられるかどうかを祈るという非常につまらない試験になるだろうしな」

 

「軍の人間と忍者が参加できるであろうことは分かっています。私が言いたいのは、忍者が預言者相手に戦えるのかどうかということですよ」

 

「あぁ、そういうことね。確かに忍者が戦っているところなんて見たことないかも。あくまでも暗殺者だもんね」

 

 

 その暗殺の技術が預言者相手に通用するのかどうかは分かりません。忍者を参加させられるかもしれないと考えていた神室さんは忍者の恐ろしさを知っているのでしょうか。

 

 

「前に一度だけ忍者が預言者と戦うならどうするのかを聞いたことがあるの。預言者相手だと認識阻害が効かないから普通に銃を使って戦うって言ってた」

 

「忍者も銃を使うんですね。てっきり、クナイなどを武器に戦うのだと思っていました」

 

「相手を殺すなら道具は拘らないんだって。狙撃銃を使ったこともあるみたい」

 

 

 狙撃銃を使う忍者ですか。あまりイメージが湧きませんが、現代の武器も使っていかないと対抗できないということなのでしょう。

 

 

「どこにいるのかは知らないが、忍者から話が聞ければ良いのだが」

 

「呼びましたか?」

 

 

 いるとは思っていなかったのか、葛城君はガタッと席から立ち上がりました。私の護衛役ですから私の側を離れるわけがないと思っていましたが、予想通りでしたね。

 

 

「それで、私達と共に預言者と戦ってくれますか?」

 

「話を聞く限り、私も参加できるようですし、構いませんよ。ちなみに戦うための武器は持参しているので、そこは気にしないでください」

 

 

 普段使っている武器は私達も万が一に備えて持ってきています。なので、その分の出費は抑えられるでしょうが、トドメを刺せるほどの武器は持ってきていません。なので、ロケットランチャーなどが必要なのですが、これは今言っても仕方ありませんね。

 

 

「ところで、貴女にはもう一人の仲間がこのクラスにいたと思うのですが、その方は今どちらに?」

 

「橋本君のことですか? 彼なら今頃、外にいると思いますが」

 

「今の時間に外出しているのですか?」

 

「彼は最終的には自分が勝てれば良いという性格ですからね。今頃、他クラスの動向を偵察している頃だと思いますよ」

 

 

 こんな時間に山に入ると危ないのですが、流石は忍者、夜目が利くのでしょう。それにしても、他クラスへの偵察ですか。この試験は協力型のものだと思っていましたが、足の引っ張り合いでもする気なのでしょうか。

 




Bクラスの軍人は既に決まっているので、いつ出そうか迷っている最中です。
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