リゼロを復習していたらこれまた唐突に執筆欲が刺激されたことで、投降させていただきます。
因みに、『カチコミ侍ニン任にん』はアニメのみ視聴のにわか勢のため、設定がガバガバの可能性があるため、ご了承ください。
それでは、どうぞ!
————冷たい
「ユーマ先輩ッ!!」
「園丘!」
「ユーマ!!」
「ゆうっち…!!」
「園丘さん!」
…いや、冷たいというよりは、‶寒い″が正しいのだろうか…? 身体から流れ出ていく血を見て、まるで他人事の様に俺はそう思った。
「ごぽっ……(力が…抜けていく……。端の方から、どんどん……身体が…冷めていくのが、わかる…………)」
周りから先生、先輩、後輩たちの声が聞こえてくるが、それに答えようと思っても上手く口が動いてくれない。頭はちゃんと回っているはずなのに、まるで金縛りにあったかのように俺の身体は言うことを聞いてくれない。
「……(『反転術式』は……無理、だな……。さっきので…呪力が、スッカラカン……だ………。————そうか……これが、『死』か……)」
俺は無駄に回る頭の中にて、自分は死ぬのだと悟った。といっても、宿儺の『世界を断つ斬撃』を受けたことにより、身体を上下に真っ二つとされているのだから当たり前と言えば当たり前なのだが。
血が抜けていくと共に、視界がぼやけ耳が遠くなっていくのを感じた。これが死ぬということなんだなと、俺は思った。
そんな俺の耳に、ふと声が聞こえて来た。
「——残念だったな」
みんなからの声が聞こえなくなってきているのに、その声に関してだけは不思議とよく聴こえて来た。
「『園丘 雄馬』。五条悟ほどではなかったが、お前も中々に俺を楽しませた」
その声——宿儺からの言葉に、俺は耳を傾けながら目線を奴へと向けた。宿儺は3対1だというにも関わらず、日下部先生たちの攻撃をいなしながら俺へ向けて称賛の言葉を送って来た。
「故に————誇れ。お前は強かったぞ」
「……!!」
宿儺からのその言葉に、俺は眼を見開いた。今まで俺の胸中に広がっていたのは途中で脱落してしまうことへの罪悪感、自分自身の弱さへの怒り、生きて帰るという約束を破ってしまうことへの申し訳なさといったものが大半を占めていたが、宿儺という『最強の呪術師』からの称賛の言葉が響いて来たことで、俺の胸中はそれらを塗りつぶすほどの『嬉しさ』が占めて行った。
「——は、ははっ…………(これじゃ……俺も、鹿紫雲さんのこと…言えないなぁ…………)」
別に戦闘狂と言うわけではないつもりだったが、強者からの称賛の言葉に今までにないほど嬉しくなっているという事実に、俺は自分も鹿紫雲さんほどでないにしろそんな一面があったんだということを自覚した。
俺は自身の隠された一面を自覚し、こんな状況ながら思わず笑ってしまう。
しかし、そんなことをしている間も俺の身体から血は流れ続けており、着実に死へと近づいて行っている。
自分の身体ゆえに分かるのだ。俺はもう、あと何秒も生きてられないと。
「(『未練はない!』……って、言えれば…カッコよかったんだけどなぁ……。残念ながら俺は、マンガの主人公じゃないから……未練、たらたら…だ……。……でも、————後悔はない、と…断言は、できる…。呪術師として生きてきたことに、みんなと出会えたことに、宿儺との戦いに参加したことに、後悔なんてない。……これだけは、断言…できる……)」
俺は一度目を閉じてから、目線を宿儺から戦っている3人へと移した。
恐らく偶然なのだろうが、その時日下部先生と悠二と視線が合った気がした。俺は最後の力を振り絞って3人の方へと顔を向けると、人生における最後の言葉を送った。
「————後は、お願いします」
「「ッ!!」」
口が上手く動かない上に視界がぼやけているので2人に言葉が伝わったのかが分からないが、あの2人なら伝わっていると思うしその姿が瞳に映らないのは今は反っていいと思えた。
だって……2人共‶優しい人″だから。きっと俺の状態を見て、悲しい顔をしていると思うから。死ぬ前に映るのが、先生と後輩のそんな顔だなんて俺としては嫌だから。
「(もう、だめ………だ……な………………)」
ついに身体が何も感じなくなり、視界がだんだんと闇に覆われていった。そうして、数秒と経たずして俺の意識は、完全に暗闇へと落ちて行ったのだった。
こうして、俺こと『園丘 雄馬』は死んだ。
………
……
…
————だめ
駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目……ッ!!
貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと貴方じゃないと……!
彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が彼女が……!!
生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない生きれない……ッ!!
彼女が私を——殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない殺してくれない……!!
だからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだから
————‶生きて″
「……は?」
死んだはずの俺は、森の中で目を覚ました。
——『園丘 雄馬』は、第二の人生を歩むこととなる。