この『一場面くり抜き編』は、私が呪術回戦の話の中で個人的にいせかるメンバーに見せたいと思う一場面を執筆した物であり、『死滅回遊 仙台コロニー編』のように原作における一章分や数話分ほどの長いものではありませんので、そのことをご理解の上で呼んでいただけると幸いです。
今回においては、一話目はコメディ路線、二話目はシリアス路線といった感じに分かれているので、もしかしたら一話目と二話目の話の温度差で風を引く可能性がありますので、その点についてもご注意ください。
また、番外編の話は作者の力量不足により、セリフと効果音のみにて書かせていただいております。
そのためそれらが苦手な方は、Uターンすることをお勧めいたします。また、この話はリゼロ陣営の人間関係がネタバレになると思われますので、その点もご注意ください。
『』←映像内の人の声
「」←いせかるメンバーの声
と、上記の様にそれぞれで大雑把にですがかぎかっこが分けられておりますので、その点もご了承ください。
話が長くなってしまいました。それでは本編へどうぞ!
いせかる上映会編 【一場面くり抜き編】➀
★タイトル:【虎杖悠二と一級呪術師『七海 建人/ななみ けんと』の出会い】
スタスタスタ…(五条と虎杖が、目的に向かって高専内にある地下道を歩いている音)
『五条先生は一緒じゃねぇの?』
『アッハハハハ。嬉しい事言ってくれるじゃん悠二~! でもごめんね! ちょっと任務が入ってて、今回僕は引率出来ないんだよね~』
『でも安心して! その代わりに信用できる奴を選んである。しかも2人!』
『悠二にとっては、僕以外の初めての先輩呪術師だろうけど、しっかりと学んで糧にしてきてほしい』
「先輩呪術師、か…。この目隠しの様な変な奴でなければいいが…」
「で、ですけど、ユーマさんや伏黒さん、伊地知さんみたいな人かもしれないですし…!」
「いや、でもそのユーマが言ってたじゃねぇか。呪術師はどこか壊れてるというか、個性が強い人が多いって」
「それに真面目だからと言っても、言葉通りには受け取れないかもしれないぞ? この学校の学長なんてその最たる例だったわけだし」
「た、確かに…」
ぽわぽわ~ん(全員の脳内に、真面目な人であったものの完全にヤクザにしか見えない大男がぬいぐるみを作成しているというシュールな場面を思い出している音)
『着いたよ』
ギィィィ(五条が扉を開けた音)
『————5分遅刻ですよ、五条さん』
「あれが五条さんが言っていた、信用できる人って奴か」
「ん? どうかしましたか、コキュートス?」
「…イヤ、良ク鍛エラレテイルト思ッテナ」
「ほぉ。アナタがそこまで言いますか」
「確かに、コキュートス様の言う通りですな。出で立ちからでも、鍛えられているのがわかります」
「ほぅ…(コキュートスとセバスの2人がそこまで言うなんてな~。ということは、この七海っていう人はそれほどまでに強いってことか)」
『ごっめーん♪ ほら、僕って人気者だから色々と忙しくてさ~。許してちょんまげ~!』
『5分前行動は社会人として当たり前だと思うのですが?』
『何それ正論? 僕正論って嫌いなんだよね~』
ピキピキッ(表情は変らないものの、七海のこめかみに青筋が浮かび上がる音)
『ところで、ユーマはどしたの? あいつが遅刻なんて珍しいじゃん』
『遅刻ではありません。どうやら園丘くんの元に緊急の任務が言い渡されたようでして、30分ほど前に彼から合流が遅れることに関する謝罪の連絡がありました。アナタとは違ってね』
『え? マジで? 僕聞いてないんだけど?』
『電話に出ないから、メールと伊地知くんに連絡をしていると聞いたのですが?』
『えー、本当~? ……あっ、マジだわ。んだよ、伊地知の奴。連絡受けてたんならさっき言ってくれよな~。今度会ったらまじビンタ一発だな』
『……(どうせ、言おうとしたけど五条さんが話を聞かずに行ってしまったんでしょうね…)』
『あ、あの~……五条先生…?』
『ん~? ああ、ごめんごめん。紹介するよ!』
ガシッ(五条が七海の方に近寄って肩を組む音)
『こちら、脱サラ一級呪術師の『七海建人』くんで~す! 仲良くしてあげてね♪』
『その言い方止めてください』
『呪術師って変な奴が多いけど、コイツは会社務めてただけあってしっかりしてんだよね~』
『他の方も、アナタには言われたくないでしょうね』
「「「「「(それはそう)」」」」」×会場全員
うんうん(会場の全員が、七海の意見を心の中にて深~く頷きながら同意している音)
「というか、呪術師に脱サラした人っているんだな。以外だ」
「確かにな。全員高専を卒業したら呪術師になんのかと思ってたけど」
「でも、呪術師ってと~っても危険なお仕事ってユーマも言っていたし、そういうこともあるんじゃないかしら」
「実際七海という御仁がそうなのだから、そういうものなのではないか? そこを深く考えたところで、私たちにはそんなに関係ない事であるし」
「…ま、それもそうだな」
『(グラサン…眼ェ隠してる多いな。何かそういう決まりでもあんのかな…?) 脱サラって言ってたけど、何で最初から呪術師になんなかったんですか?』
『先ずは挨拶からでしょう。改めまして、七海建人です。はじめまして、虎杖くん』
『あ、ハイ。ドウイタシ、マシテ…?』
ペコリ。ぺ、ペコリ…(七海が慣れた動作で頭を下げると、ぎこちないながらも同じく頭を下げる虎杖の音)
「ふむ…(確かに、雰囲気はサラリーマンに似ているな)」
「……(あー、確かにいたなぁ。エリート層にこういう感じの人。俺の会社に一時期いた人は仕事も出来て理不尽なことも言わなかったから、上司としては超助かってたなぁ)」
『私が高専で学び気づいた事、それは……————‶呪術師″はクソということです!!』
『——はぇ?』
「「「「「……(——はい?)」」」」」×会場全員
ポカーン…(七海の発言により、映像の中にいる虎杖どころか会場にいる全員が呆然となった音)
『そして、私が一般企業で働き気づいた事、それは……————‶労働″はクソということです!!』
『そうなのぉ!?』
「「「「「……」」」」」
「「「「「……(それはわかる……!!)」」」」」
えぇ……(会場のほとんどの者が、真面目な人物だと思っていた七海からのクソ発言に脳の処理が追い付いてない音)
うんうん、わかるわ~!(元の世界において労働において碌な思い出のないアインズ、ターニャ、レルゲン、ゼートゥーア、ルーデルドルフの5人が、後半の七海の発言に対して心の中で強く頷いている音)
『同じクソならより適性のある方へ。出戻った理由なんて、そんなもんです』
『暗いねぇ~』
『だね~』
ヒソヒソ…(五条と虎杖が、七海からの話を聞いて小声で話す音)
「えー……」
「何と言うか、その……」
「ああ、これまた別の意味で個性の強い奴が来たな…」
「というか、あんな真面目そうな外見してんのに、『労働はクソ』とか断言してたし…」
「人間ってみんなそうなの? 私たちにとっては考えられないけど」
「だ、だよねお姉ちゃんっ」
「まぁ、所詮は人間でありんすから、妾たちの様な忠誠心を期待する方が間違っているともいえるでありんしょうねぇ」
「あら、アナタにしては珍しく良いことを言うじゃない」
「それはどういう意味でありんすかっ!?」
『虎杖くん。私が五条さんと同じ考えだとは思わないでください。私はこの人のことを信用しているし、信頼しています』
『フッ♪』
キランッ♪(七海からの称賛の言葉を聞いてキメ顔をしている音)
『うわっ』
『——でも尊敬はしていませんッ!!』
『あ゙ぁ゙ん!?』
「何と言うか、本当に…」
「呪術師って、個性が強いのばかりなんだな…」
「ユーマの言う通りでしたね…」
「だな…」
『上のやり口は嫌いですが、あくまで私は規定側です。……話が長くなりましたね』
『——要するに、私もアナタを術師として認めていません』
『っ』
『‶宿儺″という爆弾を抱えていても、己は有用であることを示すことに尽力してください』
「…(あくまでも規定側、か。確かに、模範的なサラリーマンのような男だな)」
「術師として認めてないって……」
「じゃあ、この七海って人は一応敵側?ってことなのか…?」
「いやでも、五条って人は信用できるって言ってたしなぁ」
「でも、この七海って人からは嫌~な感じはしないわよ」
「そうだなー。何というか……そうだ、あれだ。ベア子に似てる感じだな!」
「どうしてそこでベティーの名前が出てくるのよ…っ!!」
「だってさぁ、ベア子って言い方はキツイけど何だかんだ言って優しくしてくれるじゃん。ほら、ツンツンツン、ツンツンツンツンツン……デレ♪ みたいなさぁ」
「お前が言う『つん』とか『でれ』というのはよく分からないけど、バカにされているのは何となくわかるかしら……!!」
「じゃあこの七海っていう人は『ツンデレ』ってやつなのか?」
「おっさんのツンデレとか誰得だよ…」
『……俺が弱くて使えない事なんて、ここ最近で嫌と言う程思い知らされたよ』
パッ。パッ。パッ(虎杖の脳内にて最近起こった出来事が蘇っていき映像に現れている音)
『——でも、俺は強くなるよ。強くなきゃ死に方さえ選べねぇからさ』
『言われなくても、認めさせてやっからさ。もうちょい待っててよ』
「…やはり、虎杖殿もスバル殿やユーマ殿同様に、素晴らしい精神をお持ちのようですな」
「ええ、そのようですな」
『いえ、私ではなく上に言ってください』
ガクッ(ちょっとカッコイイこと言ったのに、それを無視するような正論を言われてしまい思わずコケそうになった音)
『あっ、はい…』
『——ぶっちゃけ私はどうでもいい!!』
『はいはい!!』
「…これ、本当に大丈夫なのか……?」
「き、きっと大丈夫よ! たぶん……」
「エミリアた~ん? 目ェ泳いでっけど~?」
「ま、まぁ、後で雄馬も合流するって言ってんだし、アイツが来たら何とかしてくれんだろ!」
「いやそれ、ユーマの負担が増えるだけなんじゃ…」
「……(ユーマが元居た世界の話をする時、目が遠くなっている理由がなんとなく分かった気がする……)」
「ユーマも苦労していたのだな…」
ドンマイ…!(会場にいる苦労人たちが、この場にはいない雄馬に対してご愁傷様ですという感情で憐れむ音)
★タイトル:【『脹相/ちょうそう』と『九十九 由基/つくも ゆき』の決戦前の会話】
カラン…(バーのような場所で、九十九由基、脹相、天元の3人が、それぞれ制式に則った服装を纏った様子が映し出される音)
『んっんっ……はぁ~! ……虎杖悠二の未来に、君は必要ないのかい?』
『……どういう意味だ?』
『どうもこうも、そのまんまの意味さ。弟の未来のために命張っても、その未来に君がいないなら意味がないんじゃない?ってこと』
『……九十九。俺は……————‶人″か?』
『……』
「それは……」
「……」
「——はっきりと言うなら、‶人″ではないのだろうな」
「! おい!? そんな言い方…!!」
「だが、紛れもない事実だ。それとも、他に何か言い方があるのかね?」
「だからって……!!」
「おい!? 落ち着けって、カズマっ!!」
パンッ!(ターニャとカズマで口論が始まりそうなタイミングで、アインズが手を叩いた音)
「「!!」」
「——2人とも、そこまでだ。まずは映像を見ることとしよう」
「…ふぅ。私としたことが、少々熱くなっていたな……」
「……」
「カズマ…」
「…わかってるよ」
ストンッ(カズマが少々不満がありそうな表情をしながらも、めぐみんに声をかけられたことで席に座って続きを見始めた音)
『弟達が受肉した時、思ったんだ。異形の肉体を持つ弟達を、‶人″は受け入れられないだろうと』
「否定は出来んな。人間同士でさえ、髪や目、肌色などの身体的特徴に収まらず、出身地や所属する組織、仕える宗教、果てには単なる好き嫌いなどによって相手を差別する。それが異形の相手ともなれば、どうなるかはより容易に想像できるであろうな」
「……(俺も、ゲームの頃はよく『異業種狩り』にあってたしなぁ…)」
「差別……」
「エミリアたん…」
「——大丈夫よ、スバル。だって私には、みんながいてくれるから」
ニコッ(エミリアが不安そうにしているスバルに笑顔を向ける音)
「そっか」
「……」
「レム…」
「クソ…ッ」
「ガーフィール…」
「身体的、特徴……(確かに、そうかもしれないわね……)」
グッ……!(アルファを始めとする七陰のメンバーが、自身が『悪魔憑き』となり迫害されてきた過去を思い出したことで無意識の内に掌を握っていた音)
『だから、‶呪い″として生きる道を選んだんだ。だから……渋谷で大勢殺した』
『だが、俺が殺したのは人間だけじゃない。……『血塗/けちず』と『壊相/えそう』を殺したのも、‶俺″だ』
『……』
シャカシャカ…(バーテンダーの装いをしている天元が、無言でシェイカーを振りながらも脹相の話を聞いている音)
『俺が…‶人″として生きる道を選んでいれば、弟達が殺し合うことにはならなかった……っ』
『……何でだろうな。なんであの時、俺は……なんで………——‶楽な道″を選んだんだ……っ』
ポタッ。ポタタ……ッ(脹相がこれまでの行いを後悔している表情をしており、目から涙、鼻から鼻水が流れていってカウンターに滴り落ちる音)
『……いや、そんなこと分かりきっているっ。————‶人″として苦しむ2人の姿を、‶俺″が見たくなかっただけだ……!』
『俺は……! 2人が、そんなに弱くないことなど…わかっていた! わかっていた…はずなのに、俺は……っ!!』
『脹相……』
「脹相…」
「脹相さん……」
キュ…ッ(尚文とラフタリアが、涙ながらに語る脹相の様子を見て悲しそうな表情を浮かべながら、無意識の内にお互いの手を握っている音)
『…そしたらどうだ。まるで罰の様に、‶人″として苦しんでいる悠二が現れた』
『——きっと、俺たちは四人で戦う運命だったんだ…』
パッ(虎杖と脹相、壊相、血塗の4人が、横一列なって笑みを浮かべている様子や各々が構えて何かに立ち向かおうとする、という‶もしかしたらあり得たかもしれない世界″の様子が映っている音)
『——だが……‶俺″が楽をしたせいで、雄二を独りにしてしまったっ』
パッ(映像が映り替わり、今度は何もない灰色の空間に背を向けた虎杖が独りでポツンと立っている、という先程とは真逆と言っていい様子が映る音)
『ただでさえ苦しんでいる悠二に、『兄弟殺し』という‶業″まで背負わせてしまったっ!! 全て、俺の所為で……! 弟達を守らなければならないはずの、俺が……っ!!』
ポタッ! ポタタタッ!(先程以上に、脹相の涙と鼻水がカウンターに滴り落ちる音)
「脹相…」
「……でも、仮に。仮に、ですよ? 脹相が‶人″として生きる選択をしてたとしたら、どうなっていたんでしょうか…?」
「そればかりは、私たちには分からぬことだろう。世界が違う上に、この映像はもう既に過去のものを映しているだけだ。私たちが望むそんな‶もしもな世界″は、見ることが出来ない」
「アインズの言う通りだ。忌々しい限りだが、それこそ『神のみぞ知ること』であろうよ」
「そう、ですよね……」
「めぐみん……」
『……君が死んだら、また彼は独りになるだろ』
『……九十九。お前は、優しいなっ』
ぐしぐし……(脹相が袖で涙や鼻水を拭う音)
『——でも、駄目なんだっ。俺は…なんの信念もなく、人を大勢殺した…! これ以上、雄二とは一緒に生きれない…』
『……ここしか、ないんだ。俺の命の使いどころは……ッ。ここしか……!』
チラッ。グッ…!(脹相が自身の掌を見た後に、力強く握りしめた音)
「! もしかして脹相の奴…!?」
「死ぬつもり、だろうな…」
「っ」
「そんな……っ」
「だって……脹相は悪くないじゃないっ!? 150年もの間、『呪物』として封印されて! そんな長い年月の中、兄弟だけが支えだった脹相が! 2人のためにそう判断したことが悪いわけないじゃない……!!」
「……そうだな、悪いとは言えないな。——しかし、それは全てを知っている我々だから言えることだ。受肉に利用された者や渋谷にて殺された者たちからしたら、脹相たちはただの人殺しの化け物でしかない」
「っ。そ、それは……っ」
「勿論、それだって脹相たちが望んでやったことではない。少なくとも、私は彼らを悪だとは言わない。全ての元凶は……」
「! ——『羂索/けんじゃく』……ッ!!」
あの野郎……ッ!!(会場にいる者全員(一部を除く)の脳内に、現在は『天内 理子/あまない りこ』の身体を使用している羂索の姿が浮かび上がり、殺意が湧き上がってくる音)
「そうだ。見ることしか出来ない我々がせめて出来ることと言えば、脹相の敵討ちが果たされること、そして少しでもこの先彼に幸福があらんことを願うしかあるまい」
「脹相……」
「脹相さん……」
どうか……!(会場にいる者たちの何人かが、せめてこれから先脹相が少しでも報われるようにと祈る音)
いかがだったでしょうか?
何だが最近、いせかるメンバーに呪術回戦の話を見せたらどうなるのかと言うのにとても嵌っていまして、気づいたら今回の話が書き上がっていました。というのも、意外と呪術回戦のギャクな部分もダークな部分も、いせかるメンバーとの相性が結構いいことに改めて気づいたからですね? ギャク方面はカズマたちに合うし、ダークな部分はスバルやアインズ、ターニャ、尚文、七陰たちに合うしで、マジで相性抜群じゃないかと思う今日この頃です。
……話が長くなってしまいましたね。
この話を読んで面白いと思ってくれた方は、『高評価』と『感想』、『お気に入り登録』のほど、どうかよろしくお願いいたします!
それではみなさん! さようなら!