稲荷様はマブラヴ世界でも平穏に暮らしたい 作:名無しのペロリスト
カシュガルハイヴの攻略は短期決戦だ。
一分一秒でも早くオリジナルハイヴの最奥に居るとされる、あ号標的を倒さないといけない。
BETAが人類の兵器や戦略の解析を終えて、対策を講じる前にだ。
なので私たちは、急ぎ最深部を目指す。
圧倒的な数に押し潰される前に、最短ルートを突っ切っていく。
本来なら、敵の出現率が一番低いルートを選択する。
しかし今の私たちは、言うなればRTA走者だ。
タイムは命より重いという言葉があるように、最速ルートをひた走る。
進路上のBETAを無視して突っ切れば、ロスタイムゼロという脳筋ゴリ押しだ。
実際には、ちょっとだけ時間がかかるけど、回り道をするより早い。
BETAは人類の戦略を学習していることから、もっとも数が少ないルートを通ると予測し、伏兵を潜ませている可能性もあった。
だからこそ裏をかいて、敵戦力が集まっている最短ルートを強引に突破するのだ。
これが一番早いと思いますとは言わないが、回り道するよりも早く最深部に到達できれば、文句はないだろう。
途中の巨大な隔壁も、本来は開放剤を注入して開く。
しかし時間が勿体ないので、拳でぶち抜いた。
香月副司令が一生懸命考えてくれた、最速安全チャートはボロボロだ。
私がバグ技を乱用して、オリチャーが発動していた。
ケツワープや地面にめり込んでショートカットしないだけ、まだ常識があるほうだろう。
それに私も、勝手に作戦を変えて申し訳ないとは思っている。
しかしここ最近は、人類のことを学習したBETAに裏をかかれてばかりだ。
やはり突入作戦の対策は万全と考えるべきで、隔壁付近で胴体直径が百七十メートルもある、巨大なBETAが出てきた。
私たちの行動を予測し、待ち伏せしていたのだろう。
高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処するのが正解だと実感する。
取りあえず、ワームのような超巨大BETAは、母艦級と名付けることにした。
私は念話で素早く退避の指示を出し、大きな口の中に小さな狐火をポイッと投げ込む。
「薬は注射より、飲むのに限りますよ! BETAさん!」
青い炎は内部でBETAを薪のように焼きながら、火の勢いを強めて急激に拡大していく。
すぐに外側のワームまで燃え始めて、炭化してボロボロと崩れていく。
なお、この台詞に特に意味はない。
色々と、いっぱいいっぱいだったので、つい素が出てしまった。
とにかく出現してから、一分もかからずに討伐完了する。
コイツは恐らく中ボスだ。
あ号標的は、もう一つの隔壁の奥に居る。
これで終わりではないが、ラストバトルは近い。
心の中で気合を入れ、腕まくりをしたあとに、最後の壁も躊躇なく拳で吹き飛ばすのだった。
私たちはとうとう、オリジナルハイヴの最深部に到達する。
そこは目玉と触手がたくさんついた巨大なBETAがいた。
あ号標的である可能性は、非常に高い。
この場の全員が速攻で破壊しようとするが、私はそこに待ったをかけた。
「その前に、交渉をさせてください!
上手くいけば戦いを回避して、講和できるかも知れません!」
私は通信で、そのように提案した。
だが周囲の人たちが返事をする前に、あ号標的は触手を高速でこちらに伸ばしてくる。
目標は凄乃皇のようだ。
何を企んでいるかは不明だが、見過ごすことはできない。
私は盾になるように素早く前方に飛び、巨大な触手を手で受け止める。
「何をする気か知りませんが、取りあえずお話しましょうか」
余裕の態度で、にっこりと微笑みながら話しかける。
触手の先から思念らしきモノを感じ取った。
さらには、私に強引に干渉しようとしてくる。
良く見れば、目はたくさんあっても口がない。きっと喋れないのだろう。
なのでネットワークから隔離した小さな仮想空間を作成して、そこに彼の意識を受け入れる。
『通信は苦手なんですけどね。これで話せますか?』
『肯定。会話、可能』
どうやらちゃんとした自我があって、会話ができるようだ。
ラスボスをワンパンで沈めなくて良かった。
だが、ここからが大変だ。
何とか穏便に収めなくてはいけない。
『鑑さん、あ号標的との会話内容を、皆に伝えてください』
『えっ!? わっ、私!?』
『はい、お願いします』
『わっ、わかりました!』
兵士級に頼んでも良いが、ネットミームや掲示板ネタをこっそり入れそうだ。
ラスボスとの会話なので、シリアスに決まってる。
なので、彼女なら内容をそのまま伝えてくれそうだから、お願いさせてもらう。
そういうことで仕切り直して、コホンと咳払いしてから話を続ける。
『貴方は何者ですか?』
『固有の上位存在であり、個ではない』
自らを上位存在と言い切られた。
地球人なら名前を口にするところだが、今の話通りならBETAは個がないのだろう。
『何故、地球を侵略するのですか?』
『地球、該当ない』
『地球はこの惑星のことですよ』
心の中で、まずそこからかーと思った。
しかし確かに、この惑星を地球だと認識しているのは、私たち地球人だけだ。
『侵略、該当ない』
つまり彼にとっては、地球を侵略しているつもりはないということだろう。
私は、はてと首を傾げていると、親切かどうかはわからないが、その点について説明してくれる。
『上位存在は、存在に対して重大災害の防止策を実施した。
存在は、存在の一部を高速で分離し、上位存在の一部に接触した』
私は頭の中で整理しながら、彼の行動理由を分析していく。
『ええと、つまり私たちを災害だと判断して、自らの分身を生み出し、これを排除したということですか?』
『肯定』
なるほどなーと理解はできたが、納得はできない。
鑑さんも皆に伝えてくれてはいるけど、若干声が乱れている。
あまりの理不尽さに、ちょっとキレているのかも知れない。
なお私も眷族をぽこじゃが増やしているので、やっていることは彼と似たようなことだ。
『ですが、貴方が行ったことは地球の侵略です。
この星には人類という種が、既に存在しているのですから』
『人類、該当ない。
ゆえに、上位存在は、地球で侵略を行った事実はない』
まるで話が通じない。
この手詰まり感に、どうしたものかと考えながらも、別に角度から尋ねてみることにする。
『では貴方は、何のために地球に来たのですか?』
『上位存在の目的は、資源の回収。
そして、上位存在を送り出した惑星に送る』
確かにハイヴから宇宙に向けて、何かが発射されているようだし、きっと嘘ではない。
人類にとっては、あまりよろしくない結果だが、進展はあった。
『つまり貴方は、人類を災害の一種だと考えていて、資源回収の邪魔をするから排除したと』
『肯定、人類は上位存在と同等の非創造物であり、再利用すべき資源』
『生命体とさえ、認識されていないのですね』
情報が得られたのは良いが、さっきから全然話が通じない。
もう本当にどうしようもないなと思いながらも、他に知っておきたいことを尋ねる。
『貴方のような存在は、他にどれぐらいいるのですか?』
『計算上では、十の三十七乗』
『オリジナルハイヴの数が、それでないことを切に願います』
他のハイヴの頭脳級や、BETAの総数でも相当多い。
だが彼のような総司令官がその数だったら、悪夢でしかない。
『では、貴方は誰に作られたのですか?』
『創造主』
『創造主とは?』
『生命体』
『ならば、貴方は生命体ではないのですか?』
『肯定する。上位存在は生命体ではない』
自分は生命体でないと言い切り、彼を作った創造主は生命体と言う。
ちゃんと意志があるように思えるのに、何とも不思議なことだ。
『では、貴方が認識している生命体とは?』
『ケイ素を基質とし、自己形成、自己増殖する散逸構造』
説明を聞いてもさっぱりわからない。
しかし神皇として恥ずかしい姿は見せられないので、わかったフリをする。
(けど、私は人類ではないのでお友達になりましょうと言っても、無理そう)
自分の体がどのように構成されているかは、良くわかっていない。
しかし、少なくともシリコンで出来てはいないはずだ。
つまり彼にとっての、知的生命体には該当しない。
その後、どれだけ話して人類を生命体とは認めようとしなかった。
交渉は堂々巡りになってしまい、私は肩を落として溜息を吐いてしまう。
『つまり、太陽系から退く気はないと?』
『肯定する。上位存在は創造主の命令を果たすため、災害に対処する』
ここまで頑張って講和の糸口を探したが、どうやら無駄だったようだ。
だったら創造主と話をさせて欲しいと頼んでも、生命体じゃないから駄目と言われる有様で、取り付く島もないとはこのことだ。
私は精神的にかなり疲れたが、情報を得られたし完全に無駄ではないと判断する。
最後に、あ号標的に声をかける。
『わかりました。
ならば私も、貴方たちを人類の存続を脅かす敵と断定し、排除させてもらいます』
『上位存在は肯定する。しかし私は他の災害とは異なり、意思疎通が可能。
上位存在に近い存在は、極めて希少』
それはつまり、私は地球人の中では話しやすい。
なので、失うのが惜しいということだろう。
評価が低いよりは高いほうが良いが、褒められても嬉しくなかった。
『ありがとうございます。では最後に、私から一つ提案があります』
私はにっこりと微笑んで、提案を出す。
『貴方も眷族になりませんか?』
『眷族、否定』
『そうですか。受け入れてくれれば自我が残り、情報手に入るかも知れなかったのですが、……残念です』
私は念話をクローズドに設定し、裏でセブンズに指示を出す。
そして、触手から手を離した。
次に超高速で移動することで、あ号標的の視界から消えて背後に回り込んだ。
声は聞こえないが、驚いているのが伝わってきた。
巨大な触手で攻撃しようとするが、そっちは一足早くドミニオンズモデルの各機が押さえ込んだ。
まな板の上の鯉とはこのことだろう。
彼は私に、好き放題されるしかないのだ。
髪の毛を一本抜いて神気を込めて、あ号標的の体に埋め込む。
無力化に成功したので、拘束していた兵士級たちが離れる。
変化はすぐに起きた。
彼は無数の触手をだらんと垂らしたまま、陸に打ち上げられた魚のようにビクンビクンと痙攣する。
人類軍も警戒して距離を取り、しばらく様子を伺う。
私も少し離れて注意深く観察していると、やがて結晶化が始まった。
彼の全身が狐色の結晶に覆われて眩く輝き、光が収まったあとは巨大な水球へと姿が変わっていた。
それは他の反応炉よりも、遥かに巨大だ。
『おはようございます。お母様』
念話が送られてきたので、返事をする。
『ええ、おはようございます。
貴方はカシュガルの頭脳級で、間違いありませんか?』
『はい、私がカシュガルの頭脳級です』
無事にとは言えないが、カシュガルハイヴも攻略できたようだ。
何とかなって良かったと、ホッと息を吐いたあと、早速命令を出す。
『貴方が生み出した全てのハイヴの活動を、停止してもらえますか?』
『不可能です。
私はBETAの頭脳級とは別の存在。お母様の眷族に生まれ変わりました』
つまり閉じたネットワークで、他のハイヴに命令は出せないということだ。
何となくそんな気はしていたけど、頭を潰せただけでもヨシとしておく。
『BETAに関する情報は、どの程度残っていますか?』
『……申し訳ありません。
重頭脳級が眷族化に抵抗したため、BETAの情報の殆どが消失しました』
それでも、少しは残っているようだ。
まあ、その辺りを調べるのは追々ということにして、今はオリジナルハイヴの攻略成功を他の人類に伝えるのが先だろう。
『わかりました。では貴女も、兵士級の生産を命じます』
『了解致しました』
巨大な水球から、物凄い速度で全裸の幼女が生まれてくる。
絵的に色々アレなので、人類軍にはなるべく見ないようにしてもらう。
そして、今後の対応を相談する。
BETAに関する新しい情報が得られたが、この先を考えると気が重い。
何しろ駆除対象が、とてつもなく多いことが判明したのだ。
眷族を量産して、一つずつ地道に潰していくしかない。
もしくは創造主の星に乗り込んで、直接止めさせるかだ。
何にせよ、地球のBETAの頭は潰したので、以降は駆除が楽になった。
まだまだやることは山積みだが、それでも人類の勝利に一歩近づいたのだった。
私と上位存在の交渉の記録は、全世界に拡散される。
別に隠すようなことでもないし、この世界の地球人類は危機感が足りていない。
いい加減に、内輪揉めは止めて欲しい。
最後の最後に団結はしたが、どうせ喉元過ぎれば熱さを忘れる。
宇宙にもBETAがウジャウジャ居ることを知り、他の星に移住しても決して安全でないと理解した。
人類同士で争っている場合ではないと、ようやくわかってくれたのだ。
それと私としては、正直やりたくないが、こっちの世界も狐色に染めるしかなかった。
それが犠牲が少なく、人類を一致団結させて恒久平和をもたらす、もっともお手軽な方法だ。
BETAに蹂躙されまくって、治安がゴミカスで人心も乱れまくっていて、食料も資源も人員も何もかもが足りていない世界である。
私がやらなきゃ誰がやるという感じだ。
アメリカが、ノリノリで椅子から立ち上がって立候補するだろうが、しかし現実はお前じゃねえ座ってろである。
こればかりは損得勘定を切り捨てて、地球人類のために骨身を削って奉仕する精神が必要だ。
一度壊れた文明を、元通りに復興するには、途方もない時間がかかるだろう。
そして、その間はずっと初志貫徹を保たないといけない。
こっちの人間は色んな意味で信用できない。
早々に腐敗したり、また内輪揉めを始めそうだ。
まだ数百年経っても成長はしないが、マイペースな狐っ娘のほうがマシまである。
取りあえず日本の賛同は得られたし、蒼穹作戦に参戦した各国も同じくだ。
アメリカはちょっとゴネたが、何とかOKが出た。
皆に認められたとはいえ、消去法で選ばれたのは言われなくてもわかっている。
私も地球の復興が完了するか任期が終われば、退位する気満々だ。
その時は誰か適当な人にバトンを渡せば、文句はないはずだ。
普通の女の子に戻れるし、権力を独占したいアメリカや他国もニコニコだろう。
誰も損はしていないと思いたい。
とにかくそういうことで、蒼穹作戦は人類の勝利で終わった。
その後は全世界の団結や協力体制を維持するために、Earth Defense Forcesの頭文字を取って、EDFが設立する。
日本語に訳すと、全地球防衛機構軍だ。
まんまゲームのアレだが、人類同士で足の引っ張り合いをしている余裕はない。
国連軍はアメリカや他国の影や陰謀が絶えずちらつくし、いざという時に満足に動けない軍隊は困る。
なので青い地球を守るために、一致団結して敵を排除できる組織が欲しい。
あとはI元素の取り扱いや、眷族の割り振りや立場も難しい。
日本帝国だけズルいという声が、大きくなったのもある。
そのような理由で、EDFは五歳ほどの狐っ娘が大勢在籍していた。
国連を抜けて入隊した軍人、祖国を取り戻すために自ら志願した兵士、あとはそれでも守りたい世界がある人々など、国際色豊かでとても賑やかだ。
ちなみに言うまでもなく、トップに立つのは私である。
地球大統領も兼任しているので、余計に多忙になった。
あっちの日本では積極的に政務に関わったりはしないのだが、こっちでは放って置くとすぐに人類同士で争いだすので、目を離せない。
狐色に染まれば少しはマシになるかもだけど、それはそれでワッショイワッショイされるので、羞恥心が酷いことになる。
何より民意が圧倒的すぎて、トントン拍子で決定した。
私にとってはあまり良くないが、人類が滅びるよりはマシだ。
おかげで少しずつ状況はマシになって、仕事が減ってきた。
しかし政務はしなくて良いから、トップに立っていて欲しいと、民衆から懇願される。
なので、この宇宙からBETAを排除するか、彼らの創造主に話をつけて荒らすのを止めてもらうかするまで、最高統治者としての責務を強いられそうだ。
私はただ平穏に暮らしたいだけなのに、どうしてこうなったと心の内で嘆く。
それでも今日も、地球大統領による大本営発表という本音トークを行うのだった。
<稲荷神様に対する世界の反応>
日本「稲荷神様大勝利! 希望の未来にレディゴー! ワッショイワッショイ! お御足ペロペロ!」
アメリカ「ぐぬぬ! これで勝ったと思わないでね!
でも世話になったし、お礼は言っておくわ!」
その他「やったぜ! 流石は稲荷神様! さすイナ!
一生ついていきますぜ! 代わりに、人類の面倒をよろしく!」
<プロジェクトI ~挑戦者たち~>
今でこそ広く普及して受け入れられているクロッシングだが、その道は決して平坦なものではなかった。
全ての始まりは、稲荷神様から眷族専用の戦術機を命じられたことだ。
日本全ての企業や団体、組織が協力する、一大国家プロジェクトである。
かつての初の国産戦術機の不知火を思い出すが、新機体は基本コンセプトが全く違う。
何しろ、機械化はコックピット部分だけだからだ。
他は特殊なコアを用いたI元素の循環により、まるで肉体の延長のように戦術機を動かせる。
ただし非常に高度な情報処理が必要になるので、衛士の負担は大きい。
しかし、心身が優れた眷族が乗ることで、戦闘力のさらなる向上が見込める。
ただし、最初期は人類が試験的に動かした。
あまりの負荷に酷い船酔のような状態になり、起動すらできずに降りることになる。
本来なら機械にやらせていることを、クロッシングによって衛士と精神的に繋げて、肉体の延長ののように動かすのだ。
心身にかかる負荷も相当なものになる。
優れた性能を発揮するが、旧人類には早すぎる機体なのが判明する。
だが基礎フレームしかできていなくても、I元素を循環させられば機体を動かせるのは、大きな利点だ。
しかし、旧時代の戦場の主役は人類である。
それに稲荷神様が急ぎ開発を命じられても、他の全てを犠牲にするようにとは言われていない。
なので各企業からは手の空いている者を集めて、短期間ので何とか形にする。
生産ラインや資源もあまり多くは使えなかったが、未知の技術には興味はあった。
他に優先すべきことが山程あるので、なかなか難しい立場だったらしい。
幸い蒼穹作戦までには、何とか形になった。
また試作段階の調整不足だが、ドミニオンズモデルが七体、実戦投入されたのだ。
そこで華々しい戦果を上げる。
以降は日本だけでなく、世界中がクロッシングが行える戦術機の開発に着手する。
最初は兵士級しか乗りこなせていなかったが、世代を重ねるごとに血が混ざって眷族化が進む。
または血清を打つことで、適正を得られるようになる。
百年も経つ頃には、純粋な人類はほぼ居なくなってしまう。
彼女たちの血が混じると、狐耳や尻尾は生えなくても、五感が鋭くなって身体能力も強化される。
BETAの兵士級や戦車級なら、素手で倒せるようになるのだ。
さらには寿命も伸びるし、怪我や病気に強くなるなど、良いことばかりだ。
最初は副作用があるのではないかと、警戒していた。
しかし人類と眷族のハーフが生まれて研究が進んでからは、そのような者は少しずつ減っていく。
それに戦術機だけでなく、他の兵器、様々な機械、家電にまでI元素やクロッシングが使われ始めたのだ。
旧世代の人類は不便な生活を余儀なくされたが、文明や科学の発展を押し留めるのは愚策だ。
やがては全ての人類が稲荷神様の眷族となり、恩恵を授かる時代が来る。
彼女は人類に変革をもたらし、BETAをこの宇宙から完全に排除する。
誰もが心安らかに過ごせる恒久平和を与えてくださったのだ。
そういう意味でも、ドミニオンズモデルの果たした功績は非常に大きいのだった。
この物語は、これで終わりです。
以降は月や火星を奪還して、BETAの母星に話し合いという名の殴り込みに行くのですが、今の状況が良くわからないので、ハッピーエンドという結末だけが残ります。
まあ世界が狐色に染まることが、稲荷様にとっての幸せかどうかはさておき、ここまでお読みいただきありがとうございます。
少しでも楽しんでいただければ、幸いです。
なお最初のブロットでは、日本国召喚のように、日本帝国の隣に稲荷時空の日本が出現してドッタンバッタンの大騒ぎでした。
しかし作者の原作知識と執筆力が全く足りていないせいで、今回の二次創作よりも遥かに、ツッコミどころが満載になるので止めました。
それでは、また何処かでお会いできることを願って、短いですがこれで失礼させていただきます。