えっ?!TSした僕が世界を救う?!できらぁっ!! 作:希捨酸
えっ!?立場的にに逆らえないイケメン女にいじめられてるTS娘が見たい?!?
なんて酷い人達だ…
あ、今回はまだTSしません。2話目でTSして上記のことが起こります。
今回は導入・説明回なので面倒だったら次話のまえがきであらすじ書くので飛ばしても構いません。
どこかの誰かがこう言った。
『代わり映えの無い日々を生きるくらいなら、死んだ方がマシだ』
これを言ったヤツは実際に死にかけたことがないヤツなんだろう。
少なくとも俺は今日普段と違うこと、例えばいつも通らない道をネコを追いかけて通ってみたりなんてのは『人生でやってはならないことリスト』のトップにあるべきってことが分かった。
一つ問題があるとすれば……そのリストを活用できる機会は無いかもしれない
「いい?キミ!!私が戻ってくるまでそこから絶対離れるんじゃないぞ!!!」
たった今、人生が終了直前だからねッ!!
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水をワインに変えるグラス、燃え尽きないマッチ、いくら切っても元の長さまで伸びる紐、津波を起こせる杖、人を支配する
人類の英智にケンカを売る物体群の総称で紀元前からその存在は知られていたが、限られた上級層以外には明かされていなかった。
長きにわたってその存在は秘匿され、あらゆる反現実体がらみの事件は神の奇跡や事故などの形で隠蔽されてきた。
しかし2076年、Aクラス反現実体『パンドラの箱』によりユーラシア大陸の87パーセントが消失、及びヨーロッパ大陸全域でのIV度ミーム汚染が起こる。
『大厄災』と呼ばれるこの事件後、隠蔽は不可能と判断され方針を一転、国連はは反現実体の存在を公表、積極的に利用し西暦3000年までかかるとされた復興作業を八年で終えた。
大厄災後に残った八つの国はそれぞれ強力な反現実体を持ち互いに表面上は協力して世界は新たな形でのバランスを取り戻した。
(『ポスト大厄災〜その時政府は〜』序文より引用)
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「じゃ〜な〜」
「また明日〜〜」
俺の名前は
犬も歩けば超常に当たる末法の世の中にしては運良く新東京市で平和に学生をしている。
両親は大厄災で行方不明だけど緊急で建てられた孤児院と厄災孤児保護法のおかげで住む所も食うものも困らなかったし、今こうして高校生活を謳歌できている。
「んなぁ〜ん〜」
こうして道端で呑気にネコを見てられるのも世界が平和な証拠だ。
かわいい〜〜
「あっ」
ネコはこちらをちらりと見て路地裏に消えてしまった。
……てかあのネコ、首輪してた?
あんまりよく見えなかったけど確かに黒い首輪だった。
飼い猫なのかもしれないし、もしかしたら脱走して飼い主が探しているかもしれない。
そう、これはべつにもうちょっと見てたかったとかじゃなくて見ず知らずの飼い主のためだ。この辺は平和とはいえ猫攫いだっているかもしれない!!
「怖くないよ〜こっちおいで〜〜」
路地裏で始まる鬼ごっこ。
走る。見つける。逃げられる。
追う。見つける。逃げられる。
しっぽだけ見えてそこまで行くと次の角にしっぽが見える。
……もしかして遊ばれてる?
そんなこんなでしばらく追いかけたけど見失っちゃった……
いつの間にか周りの景色は見覚えないものばかり。
とりあえず地図を見…ソシャゲのやりすぎで電池がない。
完璧に迷子だね。うん。
とりあえずその辺の人にここがどこか聞かないと。
「あのーすみません〜そこのおじさ〜ん〜」
目の前にいた人に話しかけると相手はこちらへ体を向ける。身長は高く、春先にしては結構な厚着、そして腰には銃…銃!?
顔には傷跡、目つきは鋭い。やけに厚着なのは……防弾チョッキでも着ているのだろうか。
「んだこのガキィ……?」
あっ……これアングラな人……
男は無線機を取り出しスイッチを入れる。
あれ…?おじさんの顔になんか赤い……点?
「おい!ガキが1匹紛れkパァン!!
瞬間、破裂音。
目の前の人だったモノの頭がスイカのように消し飛ぶ。
生暖かいものが顔に降り注ぐ。
ああ、あの赤い点はレーザーポインターか、最近見たアニメでそんなシーンがあったなぁ、と思考が現実逃避を始める。
「突入ッ!突入ー!!!」
周りから銃を持った人が押し寄せてくる。
さっきの男とは違う見た目をしていて…テレビで見た事がある。新東京市を守る国防軍だ。
そのうち一人がこちらへ向かってくる。
少しちっちゃい。女の人?髪は肩の上で短く切りそろえられ、
「いい?キミ!!私が戻ってくるまでそこから絶対離れるんじゃないぞ!!!」
無理矢理ゴミ箱の中に押しやられてトランシーバーを渡され、彼女はそのまま走り去っていった。
沢山の人の走る音、鳴り響く銃声、怒号。
ああ、この音には聞き覚えがある。
これは『大厄災』の日と同じ…………
日常が壊れる音だ。
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どのくらい時間が経ったんだろう。
辺りに鳴り響いていた銃声は静まり、血と硝煙の匂いがたちこめている。きっと少し顔を上げれば地獄絵図が広がっているんだろう。
俺は押し込められたゴミ箱の影で息を潜めていた。
だんだん足音が近づいてくる。
手元のトランシーバーは沈黙を貫いている。
「オイ!」
身体が跳ねる。
「もう隠れたってしゃあねぇだろ?」
震えが止まらない。
…どうしよう。殺されるんだろうか。頭を撃ち抜かれて、脳が飛び散って動かなくなって、それだけ。慎ましさも神聖さも何も無い。死。
「…投降すると思ってるワケ?」
女性の声が向こう側から聞こえた。
俺に向けて言っていた訳じゃないみたいだ。
「お前だって死にたくないだろ?その綺麗な顔がグチャグチャになるのなんて見たくねぇし弾だってタダじゃねぇ」
「はッ!コレを壊すのが怖いだけでしょ!腰抜け共め!!」
恐る恐る顔を出す。
数メートル先にさっきの軍人さんがいた。
土嚢の裏に追い詰められて…何か白いものを掲げている。
その前にはアングラな人の仲間らしき男が数人銃を構えている。ひと目見て分かる四面楚歌な状況。
そして遠くから俯瞰しているせいで気づいてしまう。
軍人さんの後ろに一人が回り込んでいて、草むらの中から撃とうとしている。
軍人さんからは草むらの中は完全に死角で見えていない。まさに絶体絶命。
ああ、きっと軍人さんは後ろから頭を撃たれて、そして死ぬんだろう。そしてあの白い何かを盗まれる。
辺りは暗いし目標を達成した彼らは帰るだろう。
きっと俺はバレない。
明日になったら助けが来て、事情聴取されて、その後日常に戻る。
そう、今出ていっても何にもできない。俺は一瞬注意を引けてもすぐ死んで軍人さんが死ぬまでの時間が少し伸びるだけ。
瞼を閉じる。
『私の代わりにこの子を先に。』
『何言ってるの!一緒にいよう!!』
銃が構えられ、スコープを覗く。
『怜。お母さんは大丈夫だから。ね?』
『母さん!』
引き金に指がかかり、そして……
「うわああああああああ!!」
ゴミ箱から飛び出し、軍人さんに体当たりをする。直後銃弾が近くを掠める。
突然の乱入者に場にいる全員が動きを止める。
勝負は一瞬。勝ち筋は一つ。
きっとこの白いのは反現実体だ。
しかもこんなテロリストの奴らが狙うんだ。戦闘に何か使えるはず!
……あれ?でももし戦闘に役に立つなら軍人さんが使ってるはずか…
ああッ!!俺のバカッ!!!
もう知らんッ!これしか逆転の一手はないんだッ!
手を伸ばして軍人さんの手から白いなにかをひったくる。瞬間、視界が白に染まる。
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「なに…が……?」
A級の反現実体、“白の胎児”が盗まれた。始め聞いた時は聞き間違いかと思った。A級、つまり世界を滅ぼしうる力を持ち、厳重管理されていて実験はおろかデータの閲覧すらも厳しいルールに縛られている。
しかしそれが盗まれ、あまつさえ普段なら数分で位置を特定する情報部は機材トラブルだのほざきやがった。
結果として近くにいた民間人に気づけず慌てた新人が無理に突入。そして返り討ち。
普段ならば相手の位置は特定され周辺1キロの民間人の立ち入りは制限。戦闘はほとんど防衛戦。反現実体が盗まれるなんて前代未聞だ。
全てがイレギュラーで、当然のごとく失敗。万全の敵と全滅した味方。
もう死ぬ。せめて最後まで抵抗を。そう腹をくくっていた。
目の前で起こっているのはきっと奇跡なんだろう。
辺りが白い光に満たされる。
周囲を見やると地面に染み込んだ血が浮き上がり、倒れた身体に入っていく。死んだはずの仲間達の指先が動く。
あの少年だ。
さっきの少年が『白の胎児』を上に掲げそこから暖かい光の奔流が溢れ出している。
『白の胎児』その名の通り白く、ヒトの胚のような見た目をしている。
一切の特異性を持たない。にも関わらずG級反現実体『オーディン』で検査した結果、戦略兵器に匹敵する抗現実力を持つことが判明した。
これまでの全ての実験で異常が発見されておらず、一部からは『オーディン』の知覚を歪めることこそが能力なんじゃないかとまで言われていた。
だが、違ったんだ。いままでは眠っていただけ。
この少年のことを待っていたんだ。
「暖かい……」
光に触れた敵たちは糸を切るように気絶していく。
しばらくすると仕事を終えたと言わんばかりに光が収束し、空高く飛び去って行った。
自分以外が全て倒れた戦場で私はしばらくの間光の残渣に身を預けていた。
次回、TSそして拉致
主人公がいじめられます。かわいい子には可哀想な目に遭わせましょう。
TSしても違和感がないって事で名前が決まりました。ア〇ロも綾〇もレイだからね。
◇Tips
反現実体はその能力によってランク分けされている。
・G級
国家の運営に致命的な影響を与えるもの。
・A級
取り扱いによっては世界を滅ぼしうるもの。実験には厳しい規則が定められており、その全規則を記した本は六法全書程の厚みがあるが、取り扱いを許される研究者には全文の暗記が求められる。
・B級
取り扱いによっては付近の地形に多大な影響を及ぼすもの。基本的に国営または国認可の施設でしか研究、実験ができない。
・C級
A、B級程の破壊能力を持たない反現実体のこと。民間で自由に研究が許可されており、その能力はピンキリ。
『大厄災』への反省として作られたものである為使用不可能になる土地が増えるか否かという点が判断基準となっている。
そのため例えばプールの中の水を全て金に変化させる反現実体があったとしても世界経済を破壊することは確かだがC級に分類される。