えっ?!TSした僕が世界を救う?!できらぁっ!! 作:希捨酸
TSっ娘が行くべき所?女子校一択だね
────ティーエ・スイイヨネ三世
「と、言う訳で手続きは済ませてあるから今日からソフィア女子高等学校に通って貰う。遅刻するぞ〜早く制服を着ろ〜〜?」
「ちょ、ちょっと!待って!!」
「なんだ?時間は待ってくれないぞ。初日から遅刻でいいのか〜?」
「いや、あの、説明!説明を!」
タ、タイム!タイムだ!
「ふむ...本来なら私が直々に教える義理はないんだが……特別に教えてやろう」
ありがとう!感謝感激リネア様!!
リネアはゆっくりと口を開く。
「今回の潜入先であるソフィア女子高等学校についてお前はどのくらい知っている?」
「えーっと...確かものすごくお金持ちの人が通うお嬢様学校的な?後は…なんか盗撮しようとした人が消された〜みたいな噂があるくらい?」
「おお!よく分かってるじゃないか。すごいすごい。これなら問題ないな。」
「心が!!!篭ってないッ!!」
やはりお前は弄りがいがある。とリネアは笑う。
「あながちその認識で間違いでは無い。」
「ただし通ってるのはただの金持ちじゃない、政府にとって重要な奴らの子供たちだ。」
「悲しいことに我が国は子供を人質に取られるくらいで屈する情けない奴ばかりだからな。外交的優位を保つために必要なんだ」
リネア基準での『情けなくない奴』なんてこの世にいるんだろうか。
あれ──それなら───
「なんで俺が潜入しなきゃ行けないんだ?国が運営してるなら必要なくないか?」
「生徒の様子について知るための潜入であればその通り。別にお前がわざわざ見なくても校内は監視されている。」
ではなぜか。とリネアは続ける。
「今回お前が手に入れるべきは生徒の情報ではなくその親。政治やカルテルの重鎮についての情報だ。」
生徒じゃなくて、その親。つまり必要なのは……
「つまり──俺はお嬢様達と仲良くなって家のこととかを聞けばいいのか?」
「その通りだ。」
リネアの意に沿う回答ができたようだ。
「では改めて──」とリネアが話を切る。
ああ…せっかく目を逸らしていた現実が……
「制服を着ようか。かわいらしくリボンでもつけるか〜?スカートの丈はどうする?いやまずはその寝ぐせまみれの髪を何とかするところからか〜?そうだ!思い切って髪色でも変えてみるか?本部にある反現実体を使えば今からやっても間に合うぞ!」
この後家から出るまでのことについて俺から語ることはない。
ないったら無いッ!!
─────────────────────
「えー本日は皆さんに大事なお知らせがあります。」
大丈夫だ。大丈夫。問題ない。
「今日からこの1-6組に新しい仲間が加わることになりました。」
えーっとそう。無難。無難に行くんだ。初日から飛ばす必要なんてない。1年間よろしくお願いしますって言って頭下げて終わりだ。
「というわけで入ってきてください。」
ふう。よく考えたら全然楽チンじゃないか。自己紹介とか大体毎年クラスでやってるし?別に女の子の前だからって緊張とかしないし?よく考えたら俺だって今は女の子じゃないか。人生楽勝チャンネルじゃんね。
「レイさ〜ん?」
「ひゃ、ひゃいっ!」
えっ、あっ、待って、
いつから呼ばれてた!?
と、とにかく早く入らないと!
「あっ」
がしゃーん
かくして俺の新生活はしたたかに頭を床に打ち付けるところから始まってしまった。
終わった。
ドジっ子とかいう次元じゃ無さすぎる。
何が楽チンだよ。見た目は女の子だけど中身は男なんだぞ?女の子と話す時顔が赤くなってないかいっつも気にしてるんだぞ?
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないです……」
顔を上げるとひとりの女の子がティッシュを差し出していた。
「鼻血が出てしまっているようです。これで拭いてください。」
て、天使だ……そ、そうだ!自己紹介!
「あ、ありがとうございます。お、俺は春風怜です。えっと…あなたのお名前は?」
「私の名前は
「えーっと。ちょっと頭が痛いかも」
「先生。怜さんを保健室に連れて行きます。1時限目に少し遅れますので担当教師に報告お願いします。」
「ええ、わかりました。」
て、テキパキガールだ……
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「では先生、後はお願いします。失礼しました。」
優里さんは俺を保健室に連れていき、保健の先生に俺のビックリするほどぽんこつな行動のあらましを説明し終えると教室に戻って行った。
───で、
「なんでレオノラがここにいるの??」
びっくりした。マジで。優里さんの目の前で声出す訳にも行かなかったから抑えたけど。
「ここってNTPDの管轄だから結構融通効くんだよね〜」
絶対権力の濫用だよなっ!?
「ああ、そういえばさっきの見てたよ。おもわず頭抱えちゃったよ。リネアは笑ってたけど」
「き、記憶から消せーっ!」
うーん無理かなぁ。とレオノラは笑い真面目な顔になる。
「いきなりで悪いけどさっそく指令があってね。」
レオノラは書類を取り出す。
「ついさっきレイちゃんを連れてきてくれた子、冬山優里ちゃん。彼女のお父さんに大規模な書類改竄の容疑がかかっているの。」
「そこで1週間後の夜、冬山邸で開催されるパーティに参加してきてほしいの。コネはあるから参加自体はできるけど……怪しまれない程度に優里ちゃんと仲良くなっておいてね?」
……初めての任務でビビってたけどあんなに優しい子とちょっと仲良くなるくらいなら余裕かな。
この完璧諜報員、レイにとってはベイビーサブミッション……
[【MISSION】冬山優里と仲良くせよ!]
「えーっと...優里さん。そのー休みの日とかって何してるの?」
「なぜあなたにプライベートのことについて話す必要が?」
そんなことを思っていた時期が
「ほら、クラスメイトだし仲良くしたいな〜って」
「不要です。」
ぼくにもありました。
つらい
「レイちゃん?でいいかな?優里さんはやめといた方がいいよ?」
優里さんが立ち去った後、クラスメイトが話しかけてくる。
「なんかすっごく厳しいし普段から怒ってるんだよね〜」
「わかる!この前なんて持ってくるの忘れたから教科書貸してって言っただけなのにソフィア生としての自覚が〜なんて言ってきてさ。」
「親がやたら金あるからってチョーシ乗ってんのよ」
「え、えっと……その……」
俺をおいてけぼりにして会話は盛り上がる。
こんなの優里さんに直接聞かれたら……と思い周りを見渡すと優里さんは教室の扉の前からこちらを───怒りでも、悲しみでもない、ただ冷めた眼でこちらを見ていた。
いや〜自己紹介は強敵でしたね。まあこんなに優しい子の攻略なんて朝飯前ですね(n敗)。
◇Tips
ソフィア女子高等学校について
表向きはお嬢様学校。
もちろん間違ってはないが政治家の子供や留学生などを危険から守るために建てられた。普通の人は細かく身元を調べられ、少しでも怪しければ成績関係なく落とされるし、逆にそれ以外の人は入学テストでどんな点をとっても合格できる。
寮のほか売店や各種施設が充実してるため一切学園から出ずに生活ができる。教師のみならず清掃員や庭師までも身元管理された人が勤めている。