忍殺世界にTS転生した話   作:下駄ロボ

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主人公視点の話なのでかなり忍殺文法から外れてます。
ご了承ください。


前日譚:リィンカーネーション・アゲイン 1/2

貴方は、ニンジャスレイヤーという小説を御存知だろうか?

 

ニンジャスレイヤーとは、サイバーパンクでニンジャが跋扈するディストピア世界を生きる主人公フジキド・ケンジが邪悪なニンジャソウル「ナラク・ニンジャ」の力を借りて妻子の仇を討つ復讐譚である。

 

なお、世界観がマッポーすぎるとか、治安が悪すぎるとか語るべき所は沢山あるが、一先ず後回しにする。

 

今問題なのは、私がこのニンジャスレイヤーの世界に生まれてしまったこと。しかも低身長で豊満な胸を持ったマケグミの女の子として産まれてしまったのだ。世界観的にどの時代に産まれても地獄なので産まれたタイミング等は誤差である。

 

ニンジャやヨタモノ、ヤクザというモータル視点で理不尽なデスエンカが割とある上に些細な事で失脚するからどの産まれでも安心できないのだ。くそが。

 

賢明な読者の中には、【転生者だし、自殺ディセンションでニンジャソウルガチャ回そうぜ】と思う人がいるかもしれないが、そもそも自殺とか怖くてできない。そう安々と死にたくないのだ。いのちをだいじに。

 

それに、産まれた時から一緒なだけに今世の家族に情が湧いているのだ。

 

『ネトリ=サンにネンゴロになれと言われた?なんですぐ受けなかったんだ!お前さえ我慢して前後されていれば、ネトリ=サンの覚えが良くなるんだぞ!』

 

情が……

 

『夕飯?弟の為にも外で食べて来なさい。貴方はモツアキの教育に悪いのよ』

 

情が……

 

『サユリ!前後させろよ!どうせネトリ=サンと前後してるんだから、相手が一人増えたって別に良いだろ?させなきゃ全部バラすぞ』

 

湧いて……

 

うん、マケグミサラリマンの娘がカチグミ上司に目を付けられたからと言って娘を差し出すとかムラハチ考えると理解できるけど、そんな事されたら情なんて欠片も残らないわ。弟に至っては思考回路がエロ同人だったよ、くそが。

 

『お前は俺の子分だから、これからずっと昔のサンシタみたいに語尾にヤンス付けて話せよ!自分の事を〝私〟とか言わずにちゃんと〝アッシ〟と呼ぶのを忘れるなよな!

やらなきゃ親父に言いつけて一家丸ごとムラハチだからな!』

 

私と同い年なカチグミ上司の息子も日常的に脅しをかけて言う事聞かせてくるクソガキで嫌になる。ひでぇ。

 

というわけで、私がこれからハッピーに過ごすには少なくともセンタ試験突破……すなわち忍殺世界におけるカチグミの登竜門を抜けて他社へ就職し、独り立ちして逃げる必要があるのだ。

 

というわけで、うおぉぉぉ!!

カチグミ上司の下手くそな前後に耐えつつ、少しでも参考書の内容を脳みそに詰め込むぞ!!

 

━━━

 

「これより中間テストの結果発表会を始める。サユリ=サン、テスト結果を見せなさい」

「ハイ」

 

という訳で、皆さんごきげんよう。

今、私は高層マンションにあるカチグミ上司ことネトリ家の家で両家族が集まって塾の中間テスト結果発表会を兼ねた恒例のホームパーティーに参加している。

無駄にプレッシャーかけるとか逆効果にしかならないと思うんだけど、こんな事するとか正気かな?

 

「おお……数学87点、国語75点、化学82点、歴史90点、古典91点……素晴らしい成績だ。」

「お褒め頂き、ありがとうございます」

 

〝後でご褒美をあげよう。パーティーの後に寝室に来なさい〟

〝ハイ、わかりました〟

 

家長であるスルゾウが私の肩を抱き寄せ、耳元で囁きかける。それに答えるとスルゾウは私を離して息子のサレルを呼んだ。

 

「サレル!お前の番だぞ!」

 

サレルからの返事は無い。少なくともリビングにはいないようだ。

 

「サレル?サレルは何処に行った?」

スルゾウが困惑しながら周囲を見回した。

 

KABOOM!!!

 

突然視界がホワイトアウトして全身を衝撃が突き抜けた。

そのまま私の意識は電源を落とすように消えていく。

意識が消える瞬間、私の中に何か入り込むような感覚を覚えた。

 

━━━

 

「もはや非常事態宣言レベルの年間自殺者数を抱える我が国において、またしても悲痛な事件が発生しました。ネオサイタマのとある高層マンションで殺人事件が発生。ホームパーティー会場が爆破されました。

被害者の名前はネトリ・スルゾウ、ネトリ・サレコ……」

 

テレビから流れるニュースをぼんやり眺めながら、私は病院のベッドに横たわっていた。

爆発に巻き込まれたのに服だけ吹き飛んで怪我無くネトリ家にいた事に医師やデッカーも頭を抱えて大慌てだ。

 

家族が死んだというのに何も感じない。

これまでの事があったとはいえ、ここまで何も感じないのはディセンションしたニンジャソウル故だろうか?

 

そんな事を考えていると、病室のドアを開けてスーツを着た長身の男が中に入って来た。

 

「ドーモ、サユリ=サン、フマトニです。お会いできて嬉しいです」

「アイエッ!ドーモ、フマトニ=サン、初めまして、ワタナベ・サユリです。」

 

90度のオジギをされた事に私は慌て、セイザしてアイサツを返した。

 

「実に礼儀正しくて素晴らしい。良い教育を受けたのですね。

では、本題から入りましょう。私は貴方の身元引受人です」




胸が豊満なマケグミ女性が処女を守れる気がしないや。

幼馴染のサレル君はNTRと思い込んだBSSによる脳破壊で頭がおかしくなり、学んだ知識で爆弾を作って両家族を吹き飛ばしました。
そもそも日常的にムラハチで脅して言う事を聞かせてた奴を好きになる道理なんて無いけれど、サレル本人はサユリが自分に惚れてるという認識でした。

なんで前後がサユリに軽い扱いされてるかって?
ネオサイタマのヤバさを思えば前後だけで済むならマシな方と認識してるからだよ。
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