忍殺世界にTS転生した話   作:下駄ロボ

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やっとネオサイタマを燃やせる。


ネオサイタマ・イン・フレイム

蛍光レッドの刺激的な髪を持つオイランアナウンサーが和服と競泳ボディスーツが融合したコスチュームに身を包み、艶めかしいヒップを視聴者に向けつつラオモト=カンとアークボンズ・タダオ等、各界の著名人の対談の司会進行をしている。グリーンスクリーンとリアルタイム3D描画を駆使したWeb会議的な選挙特番だ。

 

そんなテレビ番組をアパートの一室でコタツに入って見ていたクチュリエールは唐突に谷間からIRC端末を取り出してLAN直結した。

 

キャバァーン!そのまま端末から自身が保有するネコソギ・ファンドの株券を売り払うとケーブルを外し、コタツから抜け出した。

 

「どうしたんだ?急に端末なんて取り出して」

「なんだか物凄く嫌な予感がしたでヤンス……ネオサイタマ・イン・フレイムって感じの」

「ネオサイタマ炎上とは胡乱な事を言うじゃねェか。で、何をしたんだ?」

「手持ちのネコソギ・ファンドの株券を全部売ったでヤンス」

「「「エッ?」」」

 

同じくコタツに入っていたインターラプターとソニックブームからの疑問に対するクチュリエールの回答にコタツの中の三人は揃って驚いた。

 

年末年始を休めず、正月を過ぎた一月半ばにようやく四人揃って休みを取れたこの日にクチュリエールはとんでもない事をやりだしたのだ。

 

クチュリエールはニンジャ装束をジツ生成して女子部屋に入った。彼女の嫌な予感はそこまでの物らしい。

 

クチュリエールの様子に三人のニンジャ第六感がようやく嫌な予感を訴え出し、互いに顔を見合わせた。

 

キャバァーン!キャバァーン!キャバァーン!三人揃ってIRC端末を取り出し、手持ちのネコソギ・ファンドの株券を売った十秒後、番組の様子がおかしくなった。

 

ネコネコカワイイがラオモトの隣に現れる筈が機材トラブルによる物か現れない。代わりにUNIX画面が二つ現れる。オイランアナウンサーはボディスーツのボタンを外し、増やした露出で誤魔化そうとした。

 

その直後、大量のUNIX画面が出現し、緑色の文字が流れる。

 

「エッ?」

 

オイランアナウンサーが何か言おうとした瞬間、それら全てのUNIX画面に映像が流れ始めた。数々のスキャンダル隠し撮り映像だ。全裸オイランの上に盛られたサシミを暗黒メガコーポ重役とラオモトが食す映像、積み上げられた大金を前に市警要人と握手を交わす映像……

 

ラオモトの予測得票率が急降下し、ラオモトが怒りでグンバイをへし折り、カタナのような目付きで席を立つと3Dインタビュー画面に合成されていたラオモトの姿が消えた。

 

三人の間に沈黙が流れる。ニンジャスレイヤー戦で常に正解を引き続ける等、クチュリエールのニンジャ第六感は調子の良い時は恐ろしく鋭い事を知っているのだ。

 

「そろそろ準備した方が良いでヤンス。この感じだとニンジャスレイヤー=サンがそろそろラオモト=サンの所まで着く筈でヤンス」

 

女子部屋からニンジャ装束に身を包んだクチュリエールが出てきて冷蔵庫を漁り、ジツ生成したケースに作り置きのイナリズシを詰め込み、身に着ける。両手にはスナイパースリケン投擲用ガントレットを身に着けている。

 

「もうちょっとしたらラオモト=サンがニンジャスレイヤー=サンに殺されるでヤンス。屋上で待ってるから戦う準備をして欲しいでヤンス」

 

胡乱な物を見る目で三人がクチュリエールを見た。

 

「ザイバツが来るよ」

 

━━━

 

トコロザワ・ピラー天守閣。黄金カワラ屋根の一角が吹き飛び、二人のニンジャが飛び出す。ニンジャスレイヤーとラオモト=カンだ。

 

二人のニンジャがぶつかり合い、至近距離でカラテの応酬を繰り広げる。上空の凧に乗ったニンジャがレーザーを撃ち込む。

 

その様子をアパートの屋上からニンジャ装束に身を包んだインターラプター、ソニックブーム、ブロッサムが双眼鏡で観戦していた。凄まじいカラテの応酬を前に何も言えず見入っている。

 

その横でクチュリエールが右手のガントレットに装着されたスコープで狙いを定め、左手のガントレットに装着されたピッチングマシンめいた装置を用いて最大までカラテをチャージしたスリケンを発射した。

 

ラオモトがビッグニンジャ・クランの力を使えばニンジャスレイヤーは速さで対抗し、ラオモトがイタミニンジャ・クランの力を使えばニンジャスレイヤーは無痛で斬り裂く。ラオモトがサソリニンジャ・クランの力でニンジャスレイヤーのウカツな飛び蹴りを迎撃する。

 

ニンジャスレイヤーが屋根に叩きつけられた隙にラオモトは高く飛び上がり、凧で飛びながら援護していたヘルカイトをサイコキネシスで引き寄せ踏み台にする!

 

ラオモトがヘルカイトを蹴ったその瞬間、ラオモトの足首を巻き込んでスリケンがヘルカイトに着弾!ラオモトの両足首を切断しながらヘルカイトの心臓を撃ち抜いた!

 

切断面が滑って勢いを得られなかったラオモトはブザマに落下し、ヘルカイトは爆発四散!

 

ニンジャスレイヤーがドラゴン・トビゲリで落ちてきたラオモトに追撃し、そのままサミング!ラオモトの両目を潰す!そのまま一方的に殴り続け、最後は天守閣から蹴り落とした!

 

「ナンシー=サン。聞こえるでヤンスか?一発だけ援護射撃させて貰ったでヤンス」

 

IRC越しにナンシーに連絡したクチュリエールの台詞を聞いた三人は、思わずクチュリエールの方を向いた。

 

「ダイダロス=サンとゲイトキーパー=サンへの恨みはラオモト=サンに受けて貰ったでヤンス。部下の管理責任でヤンス」

「そうだな……」

 

据わった目で語るクチュリエールを前にソニックブームはなんとか言葉を搾り出した。クチュリエールが受けた仕打ちを思えばこのような凶行に出るのも納得だ。表に出さないだけで、やはりダイダロスから受けた半年間のセクハラを超えた行為の黙認を根に持っていたようだ。

 

トコロザワ・ピラーが「御用」の漢字サーチライトで照らされる。ネオサイタマ市警による選挙特番で流出したスキャンダルの摘発だろう。

 

天守閣ではその場で座り込んだニンジャスレイヤーの元にナンシーが天守閣の穴を通って合流していた。

 

クチュリエールがガントレットを外してドウグ社製オーダーメイドブレーサーに着け替え、フラフープ大のチャクラムスリケンを生成して手首に引っかけて回し始める。

 

回転が加速する程にチャクラムスリケンにカラテがチャージされてゆく。

 

その時、マルノウチ・スゴイタカイビルが爆発!同じくトコシマ区、ノビドメ、リョウゴク、マグロツェッペリンも爆発!

 

ネオサイタマが。炎上している。

 

「ハイーッ!」

 

クチュリエールはマルノウチ・スゴイタカイビルに向けて最大までカラテをチャージしたツヨイ・タタミ・スリケンを投擲!音速を超えたスピードで飛んで行く!

 

クチュリエールは再びフラフープ大のチャクラムスリケンを生成して手首に引っかけて回し始めた。

 

「アッシはここから爆発した各地点に一発ずつスリケンを投げて、ザイバツニンジャの数を減らしてからトコロザワ・ピラーに向かってラオモト・チバ=サンの援護に行くでヤンス!父親殺しに関わっておいてアレだけど、子供を見捨てるのは後味が悪いでヤンス!できれば手伝って欲しいでヤンス!」

「今殺したラオモト=サンの子供を助けに行くの!?」

 

とんでもない事を言い出したクチュリエールにブロッサムが驚く。

 

「親の罪を子に問う趣味は無いでヤンス!それに、ソウカイヤの後継組織作りを手伝わないとザイバツと交渉出来なくて、またネオサイタマが炎上するでヤンス!」

「まあ、それはそうだな。それに、舐めた真似をしてくれた連中をシメにいかないとな」

 

ソニックブームが同意してインターラプターが頷く。ブロッサムも納得した。

 

「ハイーッ!」

 

クチュリエールがカラテチャージを終えたツヨイ・タタミ・スリケンを再び投擲!トコシマ区に向けてフラフープ大のチャクラムスリケンが飛んで行った。




クチュリエールは選挙特番を見てネオサイタマ・イン・フレイムに入った事に気付きました。慌てているのでテンションがおかしな事になってます。

Q.なんでみんなネコソギ・ファンドの株を持ってるの?

A.ソウカイヤの福利厚生の一環で株券も貰っていた物としました。
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