忍殺世界にTS転生した話   作:下駄ロボ

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前日譚はここまでになる予定でしたが続きます。
大体1話の一年から二年くらい前の話としてます。


前日譚:リィンカーネーション・アゲイン 2/2

バタンと車のドアが閉まる。車内が周囲と隔離され、サユリと二人きりになった瞬間、フマトニの雰囲気が一変した。

 

「改めてドーモ、サユリ=サン、ソニックブームです。」

「ド、ドーモ、ソニックブーム=サン、ワタナベ・サユリです。」

 

突然の改まったアイサツに戸惑いながらサユリが返す。

 

「これからお前はソウカイ・シンジケートのニンジャになる。拒否権はねえぞ、しらばっくれても無駄だ、見ればすぐにわかる。お前はニンジャだ」

 

断定的口調!ソニックブームは一目でサユリがニンジャになった事を見抜いているのだ。

キーを回してエンジンがかかる。車が走り出した。

 

「不束者ですが、よろしくお願いするでヤンス」

 

サユリの返答にソニックブームは戸惑った。ほとんどのニュービーニンジャはニンジャソウルに酔った跳ねっ返りだからだ。

 

「……随分と古風な話し方をするんだな、素直なお嬢ちゃん」

「アッシはこれが素でヤンス。……行く所が無いから断る気はないでヤンス。それに、貴方が格上なのはわかるでヤンス」

 

ソニックブームの言葉にサユリは素直に返答した。

 

「ニュービー共が皆、お前みたいに物分かりが良いと楽なんだがな」

「殺せるなら殺したい奴が全員死んで急に解放されただけでヤンス。抵抗する気になれないだけでヤンスよ」

「お前を爆破したガキは良いのか?お嬢ちゃん」

 

サユリの回答にソニックブームは面白がって返す。

 

「……アレは実害はあったけど、鬱陶しいの方が強いでヤンス。アッシの代わりに殺してくれたと思うと、追いかけて殺す程憎くは無いでヤンス」

「……目の前にいたら殺す程度には憎かったか」

 

答えるサユリの顔を見たソニックブームはニヤニヤ笑った。

 

━━━

 

スカウトから2週間後、トコロザワ・ピラーのトレーニンググラウンド・フロアの一室ではザゼン・トレーニング・プロトコルを完了したサユリが自ら志願した追加のスリケンターゲット・プログラムに挑戦していた。

 

「イヤーッ!」

 

立ったままその場で高速回転したサユリが周囲のスリケン用ターゲットにチャクラムスリケンを連射!ターゲットは全て真っ二つだ!まだまだ勢いを失わないチャクラムスリケンが物足りないとばかりに真っ二つになったターゲットへ血に飢えたピラニアのように襲いかかる!ターゲットは全て細切れだ!

 

「ドーモ、サユリ=サン。思っていた以上に仕上がったな。スリケンをカラテミサイルにする程のワザマエになるとは思わなかったぜ」

 

ヨタモノめいた声に喜色が混じっている。ソニックブームだ。自動フスマを開いて入室した彼は金糸入りのニンジャ装束に身を包み、手にマキモノを携えている。

 

「ドーモ、ソニックブーム=サン」

 

サユリは深々とオジギした。

サユリが頭を上げるのを待ってソニックブームはマキモノを開いて見せた。そこにはミンチョ体で「クチュリエール」というカタカナが書かれている。

 

「これがお嬢ちゃんの新しい名前だ。俺様がゴッドファーザーだ。良いセンスだろう?」

「アッシみたいなニュービーにこんな立派な名前を……」

 

ソニックブームは自慢気に鼻を鳴らした。

 

「お嬢ちゃんがこれまでのトレーニング中に何度もジツで装束を改造してたからな。俺のようなオシャレになれる見込みのあるニュービーにはピッタリな名前だ」

 

ソニックブームがシャープかつ威圧的なメンポを装着した。

 

「それじゃ初ミッションと行こうか、スカウトミッションだ。偵察諜報部門に配属されてからお前が関わることは無いだろうが、ニンジャ戦が想定されるから良い経験になるはずだ」

 

ソニックブームは懐からポラロイド写真を取り出してクチュリエールに見せた。

写真には如何にもヨタモノといった風体の男が写っている。

 

「こいつの名前はツキ・ゴロウ。ヨタモノ上がりのニュービーだ。

お嬢ちゃんのジツで変装して繁華街で釣り出し、路地裏で取り巻きを殺してからスカウトする。

お嬢ちゃんのスリケンだとニュービーが死ぬから取り巻き殺しまでならやっていいぞ、そこから先は俺様の仕事だ」

「わかったでヤンス」

「よォし、行くぜ、ついて来い!」

 

二人は足早に廊下を突き進んだ。

 

━━━

 

夜のネオサイタマ、繁華街を長身のスーツを着た男と腕を組んでセーラー服を着た小柄な少女が繁華街を歩いている。その胸は豊満であった。

そんな二人の行く手にヨタモノ達が現れ、道を塞ぐ。ヨタモノの一人はポラロイド写真に載っていたスカウト予定のニュービーニンジャだ。

 

「おアツいねーッ、オフタリサン。イイ所に案内するヨォ」

「ヘヘッ、オフタリサマごあんなーい」

 

ヨタモノ達は二人を掴み、路地裏へ引きずり込んだ。

 

「フィヒッ、俺はお嬢ちゃんみたいな豊満な女の子が大好きなんだ。俺とキスして前後しようぜ」

「オニイチャンは俺達に財布を渡してサンドバッグになりな!」

 

ヨタモノの一人が少女の腕を掴んで引っ張ると、膝丈のスカートの中からリング状の薄い板が二枚落ちる。

 

「アッ?」

 

別のヨタモノがそれを不思議そうに眺めた。

 

「アバーッ!」「アバーッ!」「アバーッ!」「アバーッ!」「アバーッ!」「アバーッ!」

「アイエェェ!」

 

二枚の板は地面に落ちた瞬間、勢い良く跳ね跳び、壁や床を跳弾して瞬く間にニュービー以外のヨタモノの首を跳ね飛ばす!これは板ではない、高速回転しているチャクラムスリケンだ!アスファルトを斬りつけた際のキックバックで跳ね跳んだのだ!

噴水のように噴き上がった血を少女は瞬時に生成した大きな傘で受け止めた!

男と少女の身体に血の一滴も汚れ無し!見事なワザマエだ!

一番奥で全てを見ていたニュービーニンジャはあまりの事態に驚いた!

 

「ゴウランガ!惚れ惚れするワザマエじゃねぇか、今度は俺様の番だな」

 

スーツの男が左手の袖に仕込まれた紐を右手で引き抜くと、スーツの縫い目が全て外れ、布切れと化してキャストオフ!

中から出てきたのは金糸入りのニンジャ装束だ!

男はそのまま、少女が差し出したシャープな威圧的メンポを装着する。ソウカイ・シックスゲイツの一人、ソニックブームだ!

 

少女のセーラー服も縫い目が解けてキャストオフ!

中から出てきたのはニンジャ装束!ソウカイ・シンジケートのニュービーニンジャ、クチュリエールだ!

 

「ドーモ、ツキ・ゴロウ=サン、ソニックブームです」

「ドーモ、クチュリエールです」

「ドーモ、ソニックブーム=サン、クチュリエール=サン、ツキ・ゴロウです」

 

互いにアイサツが交わされる。アイサツは神聖不可侵。されたのならば返さねばならない。

 

「ナ、ナンコラーッ!」

「スカウトだクソガキ、てめえみたいなニュービーはソウカイ・シンジケートのニンジャになると決まってるんだよ」

 

ツキ・ゴロウのヤクザスラングによる問いかけにソニックブームが答えた。

クチュリエールは事前の取り決めに従い、見学に徹している。

舎弟達を全て殺した女のツレが放つ巫山戯た回答にツキ・ゴロウのカンニンブクロが爆発した!

 

「ザッケンナコラー!」

「イヤーッ!」

「グワーッ!」

 

ヤクザスラングを叫んで突撃したツキ・ゴロウをソニックブームがヤクザキックでカラテ迎撃!

顎を蹴り上げられたツキ・ゴロウはブザマに空中一回転!ドゲザ姿勢でソニックブームの目の前に落下した!

 

「グワーッ!」

 

ソニックブームは蹴り上げた足をそのまま振り下ろし、ツキ・ゴロウの頭を踏みつけてタバコに火を付け一服!

額が割れて流血するツキ・ゴロウの背中に灰を落とした。

 

「今すぐ決めなヒヨッコ!お前のケチなケンカがシンジケートの耳に入った!俺と来るか、それともここで死ぬか今すぐ選びな!」

「グワーッ!」

 

ツキ・ゴロウの頭にストンピング!ガードするが効果は薄い!手加減してなおカラテに差があり過ぎるのだ!

 

「オラッ!早く!決めろ!」

「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」

 

そのまま躾を兼ねた連続ストンピング!

ツキ・ゴロウの頭は血塗れだ!クチュリエールはソニックブームの仕事ぶりを見逃すまいと手を出さずに注視している!

 

「アバッ!行きます!行かせてください!ソニックブーム=サン!アバッ……」

「それで良いんだよ。よォし、お嬢ちゃん、伸びちまったコイツを車に運べ、俺は清掃班を呼ぶ」

「わかったでヤンス!車でお待ちしてるでヤンス!」

 

かろうじて回答した後、気絶したツキ・ゴロウはハリコ・ジツで生成した猫車に載せられ、クチュリエールの手で軽快なスピードで通りを抜けて車まで運ばれた。

 

━━━

 

トコロザワピラー、トレーニンググラウンド・フロアの一室にて、気絶したままのツキ・ゴロウの側でソニックブームとクチュリエールはドリンク片手にデリバリーのスシを食べている。

 

この後ソニックブームには次のニュービーであるツキ・ゴロウにザゼン・トレーニング・プロトコルを受けさせる業務があり、クチュリエールは未成年なので二人共ノンアルコールのジンジャーエールを飲んでいる。

 

今日はソニックブームがメンターを務める最終日であった為、これは壮行会を兼ねた仕事終わりの打ち上げだ。

 

「おめでとう、コレでお嬢ちゃんはソウカイ・ニンジャの仲間入りだ」

「ありがとうございます」

「おう、ここまでの優等生は初めてだからな、プレゼントを用意したんだ。

トレーニング中に上半身を捻った勢いでフラフープみたいなスリケンを投げるワザが上手くいかないって言ってたよな。

良いメンターの都合がついたから、次はそいつの元でインストラクションを受けて来い」

「どんな方でヤンスか?」

「ソウカイ・シックスゲイツの一人、インターラプター=サンだ」




Q.ソニックブーム=サンのキャラが本編と違うのでは?これは下駄ロボ=サンのケジメ案件では?

A.サユリが一切抵抗せずに進んでついて来てくれた上に自分を立ててくれて、更にとんでもないスリケンのワザマエを見せる程に成長した事で上機嫌だからこんな感じになってます。
オシャレなニンジャネームを付けたり、本来なら明日から偵察諜報部門で業務に入る所を曲げてインターラプター=サンをメンターとして紹介してくれたのもソニックブーム=サンがサユリの事を気に入っているからですね。

Q.サンシタ詐欺では?

A.サンシタ詐欺です。
サユリことクチュリエールの自認がサンシタというだけで、1話時点のクチュリエールはニンジャ全体で見ると上位に入る実力者です。
ニンジャスレイヤーが強過ぎてスリケンとカラダチ以外で対抗出来なかっただけで、カラテはニンジャスレイヤー相手に数合持つ位の実力です。

Q.家族や上司一家の名前が酷過ぎませんか?

A.元々劇中で殺す予定の人達なので巫山戯た名前にしました。

Q.ヤンス口調が素ってどういう事?強制されてたんじゃないの?

A.長年ヤンス口調を続けてた結果、染み付いて素の話し方がヤンス口調になってしまいました。
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