忍殺世界にTS転生した話   作:下駄ロボ

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木箱のレプリカ等、サイバーゴス関係のハリコ・ジツ生成物が頑丈すぎたので修正しました。


ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル 3/?

KABOOOM! マケグミ・クラス車両の横腹に、小型のコケシロケット弾が命中した。

 

「アイエエエエ!」

「押さないでください!」

「ちくわ大明神」

「誰だ今の」

 

激しく揺れる車内。明滅する非常ボンボリ。怒号と喧騒の中を、ゲイシャと変装したクチュリエールは黙々と前進する。その後ろに続くのは、硬く手を握り合ったサイバーゴスの二人。

 

彼らはさらに数ダースのマケグミ・クラス車輛を抜け、貨物室へと到着した。 四人の背後で重いドアが閉じ、圧縮空気がホースから吐き出される。まるで別世界だ。外部の騒音が劇的に減り、揺れも少ない。

 

彼女はすぐに、車輛の装甲がぶ厚くなった事に気付いた。

 

「この先はもう、カチグミ車輛ですよね」

「無断で入ったら、警棒で叩かれると思います」

「大丈夫ですよ。車内放送もありましたし、ロック解除素子を見せれば通して貰えますよ」

 

ゲイシャに扮したクチュリエールがサイバーゴス達の不安そうな声に答える。ヤンス口調だとゲイシャ感が無くなるので普通に話しているのだ。

 

「そういえば、警備員がいない……」

 

ゲイシャは眉を顰めながら、薄暗い貨物室内を見渡した。これまでの車輛には必ず警備員がおり、先へ進むよう彼女たちを促したのだが……まさか、この貨物車輛が目的地というわけでもあるまい。

 

「何か聞こえる」

 

サイバーゴスの片割れが、左手の平にインプラントした粗悪なサイバネティック集音機をかざし、左右に動かす。レッドアラートの警告音やジェットエンジンの騒音を、ノイズとして消去する。

 

「あっちだ……」

 

震える人差し指で、貨物室の最も暗い角を指差した。

 

「あっちの……鋼鉄棺桶めいた積荷のほうから……呻き声が……」

 

「もしかして……着弾の衝撃で、警備員が積荷の下敷きになってるんじゃ……」

「……だとしたら、もう死んでる。この号車内で、オーガニック心拍音は四人分しかトレスできない」

「死体もありますね。寄らない方が良いですよ」

 

ピンク髪のサイバーゴスの発言に紫髪の集音機サイバーゴスが反論するが。クチュリエールが指差した先にある頭を輪切りにされた警備員の死体を見てサイバーゴス達は青ざめる。しばしの沈黙。四人は見なかった事にして鋼鉄棺桶に近づくことなく次の車両に足を進めようとした。

 

(((ARRRRRRGH!)))

 

鋼鉄棺桶の中から、怒り狂ったゾンビーニンジャの呻き声が漏れる。クチュリエールは前方の車両から複数のニンジャソウルの接近を感じ取った。

 

蓋の閉じられた鋼鉄棺桶の中からは回転ノコギリの異様な回転音が響く。 四人は警備員の死因を察し、サイバーゴス二名は腰を抜かした。

 

(((この音……!)))

「もしかして、ジェノサイド=サン……?」

 

ゲイシャは何かに気付き、棺桶を見つめてその場に立ち尽くす。彼女は、鋼鉄棺桶の中から響いてくる男の呻き声とバズソー回転音を聞き、夢遊病者めいた歩調でふらふらと鋼鉄棺桶に向かって歩き、死体のように冷たい蓋に触れ、そう問いかけた。

 

「中に、いるの?」

 

ゲイシャの白く細い手が、覗き窓の蓋へと伸びる。ゲイシャの注意が逸れた瞬間にクチュリエールはサイバーゴス達の頭を掴んで軽くシェイク!脳を揺らして気絶させ、ジツ生成した布でミイラのように巻いて貨物室の棚に押し込むと、ジツ生成した木箱のレプリカを被せた。

 

これなら戦闘が起きても邪魔にならず、意図的にスリケンを投げつけられる事はそう無いだろう。当たった場合は確実に死ぬだろうが、そこまでの面倒は見られない。

 

「ノー! ユリコ=サン! ノー!」

 

棺桶の中身が叫んだ。

 

「蓋に手を触れるな! 俺を放っておいてくれ!」

「そんな……!」

 

ユリコと呼ばれたゲイシャはそれを拒絶と受け止め、瞳に絶望の色を浮かべる。事情はわからないが、棺桶の中身とユリコの間に何かがあったのだろう。不意にカチグミ車輛側の扉が開いた!

 

「「「ザッケンナコラー!」」」

 

黒いスーツに身を包んだザイバツ・シャドーギルドのクローンヤクザ十体が、一斉に貨物室内に雪崩れ込んできたのだ! 彼らがエスコートするのは、黒いフード付レザーコートで正体を隠した、二人のザイバツ・ニンジャである!

 

二メートルを超える巨体と大きな棍棒が印象的なニンジャ、サイクロプス! もう片方は、サイクロプスの半分ほどの身長しかない小兵、ヘッジホッグ!

 

「「アイエエエエエエエ!」」

 

ゲイシャとクチュリエールが絶叫する! 彼女たちの到着を待ちわびたサイクロプスが、クローンヤクザを引き連れて、ダイミョ・クラス車輛から出向いてきたのだ。

 

「ウォーッ!サイバーゴスは何処だ!」

 

怒りと興奮を隠しきれないサイクロプスは、フードを払って棍棒を床に叩きつける!

 

「さんざん待たせやがって!」

「アイエエ……」

 

ビッグニンジャ・クランのニンジャソウル憑依者サイクロプスは、棍棒を右手で高く掲げながら、尻餅をついて動けない振りをするクチュリエールの腕を掴んだ。掴まれたクチュリエールは叫び声を詰まらせた。

 

「あれまあ、お嬢さん方。こりゃあ大変だぞ!」

 

ユリコとクチュリエールの恐怖する顔を見たヘッジホッグは、黒いフードの奥でシニカルな笑みを作る。

 

「来いやコラー!」

「スッゾコラー!」

 

ユリコ達をクローンヤクザが恫喝する。

 

「アイエエ……」

 

ユリコは叫び声を詰まらせた。何故ゲイシャが緊急呼び出しされたのか、その理由を悟ったからだ。

 

「ジェノ……」

 

そう言い掛け、ユリコは言葉を吞みこむ。自分は拒絶されたからだ。

 

「……何だ? ヤクザ? ザイバツか?」

 

ジェノサイドが困惑し、内側から棺桶を叩く。

 

「ユリコ=サン? どうなってやがる! 畜生! 何たる責め苦だ!」

「おい、ジェノサイド=サンが起きているのか!」

 

サイクロプスはクチュリエールを自分の後ろに追いやり、棍棒を構え警戒する。

 

「大丈夫だ!奴の力はアンタイ・ゾンビー・ウイルスで弱っている!」

 

KRASH! ヘッジホッグの返答と共に不意に貨物号車が揺れ、天井の一部が拳の形に落ち窪んだ! まるで誰かがカラテパンチを叩き込んだかのように!

 

「ジェノサイドのジツか?」

「違う!奴にそんなジツは無い!」

 

サイクロプスは棍棒を構え警戒する。

 

「イヤーッ!」

 

車輛外から恐るべきカラテシャウトが聞こえた。KRASH! 再び深く落ち窪む天井! 明らかにカラテだ!

 

クチュリエールはニンジャとクローンヤクザ達の背後でジツを使って瞬時にゲイシャ衣装からニンジャ装束に着替える。

 

「イヤーッ!!」

 

KRASH! いまやニンジャとクローンヤクザの目は、そのカラテへと注がれている!

 

彼らの背後のクチュリエールは後ろを向いた!否、上半身を極限まで捻ったのだ!そのままフラフープ程の大きさのチャクラムスリケンを両腕に5枚ずつ引っ掛けるような形で生成する!

 

「イイイイヤアアアアーッ!」

「ハイーッ!」

 

KRAAAAAAASH! 天井がついに打ち破られる!同時にザイバツニンジャとクローンヤクザ達の後ろでクチュリエールの上半身が霞む!捻りを利用した急加速による大型チャクラムスリケンの十枚同時投擲!タタミ・スリケンだ!

 

「「「「「「「「「「アバーッ!」」」」」」」」」」

「「サヨナラ!」」

「Wasshoi!」

 

ザイバツ勢がバラバラ死体と化し、サイクロプスとヘッジホッグが爆発四散すると同時に、天井の穴から飛び降りた赤黒い影が、ユリコの側へと落雷の如きスピードで着地した! 腕組みで直立不動の姿勢を取るこの新たなニンジャは、「忍」「殺」の文字が刻まれた鋼鉄メンポからジゴクめいた蒸気を吐き出しオジギする!

 

「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」

「ドーモ、クチュリエールです」

「ドーモ、ジェノサイドです」

 

ザイバツニンジャとクローンヤクザ達を仕留めた大型チャクラムスリケンの群れはユリコ、クチュリエール、ニンジャスレイヤーを躱して壁で反射して飛翔!空中でチャクラムスリケン同士で衝突し、全て砕け散った!




アンブッシュが鬼畜過ぎて草
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