忍殺世界にTS転生した話   作:下駄ロボ

75 / 75
難産でした。


不滅のニンジャソウル
タイガー・ダンジョン・クエスト 1/?


日光が部屋に差し込み、目が覚める。ブロッサムは顔を埋めている柔らかい感触から名残惜しそうに身体を離した。フートンの中には小柄で豊満な同じ顔の少女が二人。クチュリエールとメイルシュトロムだ。

 

アマクダリからの疑いを晴らす為、単身キョートに潜入した親友にしてメンターであるクチュリエールの帰還を祝ったのは昨日の事であった。

 

ネオサイタマ空港でクチュリエールとシャドウウィーヴを出迎え、祝う為に予約した高級レストランの個室で何があったかを詳細に至るまで報告されたブロッサム、ソニックブーム、インターラプターの三人はとりあえず帰還を祝う事にした。

 

ニンジャソウルを抜く、二人に増える等、突っ込みたいアレコレはそれなりにあったが、ラオモト=カンが死んだ日のヤバイ級の勘働きを思うと、やらなければ死んでいたのではないかと思わずには居られなかった為に責められなかったのだ。

 

レストランでの食事の後はキョートで世話になったというシャドウウィーヴもそのまま巻き込んで一緒にニチョームへ向かい、〝絵馴染〟で二次会を行った後、そのままシャドウウィーヴと別れて家に帰り、その後はブロッサムがクチュリエールとメイルシュトロムを抱き枕にして眠り、今に至る。

 

クチュリエールとソニックブームが不仲になったなどという事ではない。家で同じフートンに入ると自制出来なくなるからと元々フートンを分けているのだ。

 

ブロッサムに遅れてクチュリエールとメイルシュトロムが目を覚まして起き上がると、朝食の支度を始めた。今日はクチュリエールとメイルシュトロムとソニックブームがデートする予定だ。三日は帰らないと聞いている。

 

ブロッサムのニューロンにソニックブームが数日前から精力剤を買い込み、ジャラジャラと大量に飲んでいる姿が想起された。

 

「オハヨ。クチュリエール=サン、メイルシュトロム=サン」

「「オハヨ。ブロッサム=サン」」

「デートするに当たって頼みたい事があるんだけど」

「どうしたでヤンスか?」

「何かあったでヤンス?」

「ソニックブーム=サンの体力にも限界があるから、程々にして帰って来て」

「「アッハイ」」

 

二人揃って頷いた。

 

━━━

 

「ねえソニックブーム=サン」

「どうした?」

 

退廃ホテルの一室。フートンの中でクチュリエールがソニックブームに声をかけた。メイルシュトロムは同じくフートンの中でソニックブームにくっついている。

 

「ザイバツが無くなってアマクダリ一強になったから、ネオサイタマがまた荒れそうな気がするでヤンス」

「食料品の買い占めとか変な物を混ぜられたりもしそうでヤンス」

「おいおい、怖い事を言うなよ……メガコーポに好き勝手やられたら俺達にはどうする事も出来ねェぞ?お前らが言うとシャレにならねえよ」

 

二人の予想にソニックブームは嫌そうな顔をした。

 

「そんな訳で、チバ=サンとアガメムノン=サンへの報告はアッシのワザマエの上達だけ伏せて、やった事だけ報告するつもりでヤンス。契約にもアッシのワザマエについて報告する旨は無いでヤンス」

「具体的に言うと、アッシが増えた事は伏せるでヤンス。アッシの身体はブロッサム=サンとクチュリエールのジツで維持出来るから、基本的にブロッサム=サンの影の中に潜む事にするでヤンス」

「奥の手を持つ事は大事だからな。契約違反でも無いから別に良いんじゃないか?」

 

裏社会の常識的に何もおかしくないが、前後の繋がりを感じられない事を言われてソニックブームは怪訝に思った。クチュリエールの思考回路なら何かトンチキな事をしでかす筈だ。ましてや二人に増えたのなら予想できる気がしない。

 

「〝ザイバツ潰しに大きく関わりました〟と正直に話すだけでチバ=サンとアガメムノン=サンはアッシに支払う首輪を着けたいと思う筈でヤンスから、それを利用して子会社を貰うつもりでヤンス」

「前々から家庭菜園の延長でアクアポニックスをやりたいと思ってたでヤンスから、それと雑用の為にオイランドロイド、ついでにニンジャ向けのトレーニング設備をおねだりしてそれらを取り扱うオナタカミの子会社を貰うつもりでヤンス」

「そう来たか……アクアポニックスってのはよくわからねェが、ザイバツ潰しの報酬なんざ面子との兼ね合いもあって確かに支払いに困るな。お前が設備を買おうとしてみせるだけで、首輪を着けつつ支払いを済ませる為に子会社一つくらいポンとくれそうだ」

 

二人の尻を揉みながらソニックブームは思案する。しかし、自分から鎖で繋がれに行ってどうしようというのだろうか?

 

「あッ……おねだりしたトレーニング設備も使ってニンジャ向けジムを運営して、アマクダリのニンジャをこちら側に引き込むつもりでヤンス。新鮮なスシを食べられるニンジャ向けジムとか強いニンジャ程来たがる筈でヤンス」

「シャーテックは大体来るだろうし、オイランドロイドのテストと称してハニトラも仕掛けられるから、ん……末端の切り崩しも仕掛けられるでヤンスね」

「今度はアマクダリか?今からそこまで考えるって事は、直接話したお前達から見てチバ=サン……いや、あのアガメムノン=サンは相当にヤバそうだな」

 

ソニックブームの手が二人を抱きしめ、そのまま胸に伸びる。無抵抗に受け入れられ、そのまま揉みしだいた。

 

「ん……まだアッシの勘の範囲だけど、絶対ろくでもない事を考えてるでヤンス。それに……これまでソウカイヤやザイバツの崩壊に深く関わって来たから、〝身内にしたくないけど手元に置いておきたいニンジャ〟とは絶対思われてるでヤンス」

「ふぅ……少なくともザイバツと協定結んでたニチョームは見せしめの為に狙われるし、アッシを始末しようとする時は必ず来ると思うから、想定外の手札で思いっきり殴る準備は絶対必要でヤンス」

「そうだな。それにしても、やる前にしっかり報告できて偉いじゃねェか。俺様からも追加のご褒美をやらないとな。……お前達がインストラクションしてくれたチャドー呼吸があるとはいえ、加減はしてくれよ?」

 

二人はソニックブームの首筋にキスマークを着けて答えた。

 

━━━

 

「オムラの養殖設備はオナタカミで作られました。オムラの製品じゃありません。我らがオナタカミのオリジナルです。下請けとして良いように使われてきましたが、今や巻き返しの時です」

「この手の設備は頑丈なのが欲しいでヤンス」

 

オナタカミ社の実機確認用の展示プラントを歩く少女と男が一人ずつ。男はオナタカミ社の社員で、少女はクチュリエール本人だ。二人はプラントに面した窓が並ぶ見学用廊下を歩いている。

 

「頑丈なのがお好き? 結構。ではますます好きになりますよ。さあさ、どうぞ我が社のニューモデルです」

「ワオ……」

 

廊下から目的のアクアポニックス装置を眺める。魚の養殖設備と水耕栽培設備を組み合わせたアクアポニックスは魚の排せつ物を肥料としてそのまま再利用出来る為、別々に設備を用意して動かすよりもランニングコストが安く上がるのだ。

 

「シンプルで効率的でしょう? ん、ああ仰らないで。コンソールがタッチパネル、でも今時キーボードやボタンなんて服が引っかかって誤作動しやすいし、特注品で高いわ、わかりにくいわ、ろくな事はない。水槽の深さもたっぷりありますよ、どんなサイズの魚でも大丈夫。どうぞポンプの音も聞いてみて下さい、静かでしょう。余裕の音だ、トルクが違いますよ」

 

矢継ぎ早に放たれる営業トークにクチュリエールは謎の既視感を覚えながらも圧倒された。どこかで聞いたような言い回しが妙に耳に残る。

 

「一番気に入ってるのは…」

「何です?」

「信頼性でヤンス」

 

クチュリエールの発言に気を良くしたオナタカミ社員の口角が上がる。株で儲けて金だけ持った小娘だと思っていたが、見る目は中々あるようだ。

 

BEEP!BEEP!BEEP!

 

「すいません、少しの間失礼します」

 

オナタカミ社員がIRC通信で呼び出される。クチュリエールに一言告げてから応答した。

 

「はい、オートモです。はい、はい、わかりました……」

 

オートモが少し話すと通信が切られ、クチュリエールの方を向いた。

 

「あの……ワタナベ様。特別顧問がお呼びです」




業務報告しながらの前後ってかなりエロい気がします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ニンジャ・スーパースシ・エンカウント(作者:腐りかけのシュールストレミング)(原作:ニンジャスレイヤー)

『スーパーで売られている寿司を生み出す能力』をもって忍殺世界に飛ばされた男の話▼※某掲示板のスレを見て書きたくなったので初投稿です


総合評価:2255/評価:8.83/短編:2話/更新日時:2026年05月19日(火) 23:03 小説情報

MODマシマシTSドヴァーキン(雌堕ち済)四方世界にて小鬼殺しと邂逅す(作者:最初の仲間)(原作:ゴブリンスレイヤー)

四方世界に一人。異界(ムンダス)よりドラゴンボーンが降り立った。▼その運命は神々の振るった賽の目によるものか、エイドラによる導きか、はたまたデイドラの悪戯か、―――それとも……?▼ ▼ゴブリンスレイヤー×スカイリム(MOD環境)SSとかいう完全に自分の性へk……趣味を書き殴ったもの▼ ▼《R-18版》も投稿させていただきました▼https://h.syose…


総合評価:2882/評価:8.66/連載:20話/更新日時:2026年11月04日(水) 20:00 小説情報

習作:マブガル世界にTS転生した一般レイヴンのお話(作者:ぱんそうこう)(原作:Muv-Luv)

知らないロボ世界に転生した。▼どうやら美少女×ロボ作品らしく、パイロットは右を見ても左を見ても女の子ばかり。▼ついでに俺も女の子になっちまったが、人型ロボに乗れる代償だと思えば軽いもの。▼いざ、鉄の軋みでファンファーレを鳴らせ。▼この手の銃は祝福のクラッカーだ。▼さあ、自由な空へ飛び立とう。あの日憧れたワタリガラスのように。▼さあ、自由に大地を駆け巡ろう。あ…


総合評価:4979/評価:8.69/連載:18話/更新日時:2026年11月07日(土) 21:15 小説情報

だって私、頭のおかしい女だもの!(作者:だら子)(原作:鬼太郎誕生ゲゲゲの謎)

龍賀家四女に転生してしまった人間が、あれやこれやと生存戦略を練り、逃げようとするも、上手くいかずに最前線送りになる話。


総合評価:5991/評価:8.95/短編:1話/更新日時:2026年07月06日(月) 20:20 小説情報

腐った連邦軍高官の娘にTS転生して、ケネス大佐の首席補佐官をやる話(作者:TSペルペト)(原作:ガンダム)

マフティーの粛清対象になりそうな腐った連邦軍高官の娘に生まれた主人公が、父親の無茶振りや特権階級の政治的横槍、体制の仕組みの深さに悩まされながらも、地球圏に少しでもマシな未来を描こうとする話です。▼なお、主人公はガンダム作品についてほとんど知らない模様。▼備考:地球連邦の組織体系や法制度などについて言及がありますが、なるべく原作設定を調べながら書いているもの…


総合評価:6497/評価:8.73/連載:9話/更新日時:2026年09月19日(土) 18:47 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>