東方救世録   作:ZED

1 / 3
1話 プロローグ

「号外!号外ー!」

 

急かすように騒ぎ立てる文。

しかし彼女の周りには誰一人いない。

 

「・・・ブン屋じゃない。神社の前で何してんのよ」

「号外ですよ。こうでもしないと出てこないと思って」

「もうちょっと普通に来れないの・・・」

「それじゃー」

「あ、ちょっと!」

 

霊夢の声も聞かず、天狗は忙しそうに走り去っていってしまった。

 

「全く・・・一体何なのかしら」

 

霊夢は配られた紙にさらりと目を通した。

そこにはこう書いてあった。

 

「謎の館・・・突然出現・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「霊夢ー」

「わっ!?」

 

昼下がり、日が照らす神社に、突如として現れたのは紫だった。

驚いた霊夢の顔を見て、クスクスと笑い出す。

 

「何?驚かさないでよ」

「ふふふ、ごめんなさいね。・・・早速だけど、これは知ってるかしら?」

 

紫はスキマから1枚の紙を取り出す。それは先程配られた、文々。新聞の号外だった。

 

「ああ・・・来たわよ。それがどうかしたの?」

「貴女ちゃんと見たの?」

「いや全然」

「ちょっとここ見てみなさい」

 

紫が指差す場所を良く見る。

 

「『彼らは何か目的を持って行動している様だ。』・・・?」

「そう。目的を持って。その目的は不明だけども・・・」

 

そう言って、紫は霊夢をちらりと見た。

 

「・・・もしかして」

「お察しの通りよ。幻想郷の平和を、荒らされては困る。それが僅かな可能性でもね。視察に行って頂戴?」

 

その言葉に、霊夢は少し考える。

そして冷めたような口調でこう答えた。

 

「いやだ」

「そう言うと思ったわ。」

「今日はやけに素直じゃないの」

「そんな訳無いでしょう?」

 

紫は霊夢にグイと詰め寄る。

思わず身を引く霊夢。

 

「私は『博霊の巫女』である霊夢に、『突然館が現れる異変』を解決してもらいに『依頼』しに来たんだけど」

「興味無いの。別に私に害がある訳でもないし」

「へー、それはどうかしら」

「?」

 

紫は新聞の、今度は別の場所を指さした。

 

「『幻想郷では同時期に、人の物が壊されたり、盗まれたりする事件が多発している。こちらも調査中である。』」

「困るでしょう、大切な賽銭箱が盗まれたらどうしましょうかね?」

「盗まれて困るほどお金は入ってないわよ」

 

その言葉に思わず苦笑いする紫。

 

「・・・兎に角。これは命令よ、霊夢。異変を解決しなさい!」

「ほれ来た。全く、博霊の巫女に拒否権は無いのかしら」

「無いわよ?」

「ハァ・・・」

 

思わずため息をつく霊夢。

 

「・・・終わったら団子でも奢ってもらうわよ」

「そう来なくっちゃ♪」

 

そう言うと霊夢は早速支度を始めた。

リボンを結びなおし、お払い棒を取り出し、戸締りを始める。

 

「あら、もう行ってくれるの?意外ね」

「面倒事はさっさと終わらせたいのよ・・・団子も待ってるしね」

「ま、早いに越した事は無いんだけども」

 

「で、その館はどこに?」

「ここから魔法の森の方面に。2,3里かしらね」

「了解。」

「それでは、気をつけてー」

 

 

霊夢は飛んでいった。行き先は、例の館。

そしてこの先、多くの苦難が待ち受ける事になるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「工作は順調かな?」

「はい。・・・しかし、館が急に現れたのは不自然だったようで」

「ああ・・・まあ、しょうがない。どちらにせよ、もう少しなのだから」

「なー。これってヤバいパターンじゃねえの?幻想郷のオーバーパワー野朗が計画ぶっ壊しに来るかもよ。」

「問題ないだろう。私達も、多少の実力は持ち合わせている。・・・それに、この計画を阻止するという事は彼らにとっても不利益になる。」

「その通りです。今はまだ準備を続ける時です。完璧な実行の為にも。」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。