親愛なる隣人のさらに隣人   作:九曜の翁

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ザ・カミングアウト・ファンタズムⅢ

 Hey皆…マックス・ジョンソンだよ。

 

 突然だけど皆は会いたくない昔の知り合いが自分の身近な所へ現れたらどう思う?

 

 僕は最悪な気分だ。

 

「メリア、よりにもよってあの子かニューヨークへやって来るなんて…まだ決まったわけじゃないか」

 

 メリア・ジョンソン、大の犯罪者嫌いかつそれ以上に僕の事が嫌いな僕の妹。

 

「あの子は町を出ないと思っていたのに、どうやら予想が外れたらしい」

 

 あの子は家を何よりも重視する

  

 だから、僕が町を出て何処か遠くへ行ってしまえばもうあの子に追い回されないと思ったんだ。

 

「あっ」

 

 机の上に置いてあったフォトフレームが乾いた音をたてて床に落ちた。

 

 慌ててをそれを拾い上げると、フォトフレームに入った写真のの中の人物と目があったような気がする。

 

「なんで僕なんかに家業を継がせたんだよ」

 

 笑顔で肩を組む親子3人の写真。

 

 妹によって僕の顔だけが切り取られたそれは、僕の手元に唯一残った家族との繋がりを象徴する思い出の品。

 

「…仕事の時間だ」

 

 少し罅割れたフォトフレームを机の上に戻しながら1つ思った。

 

 この先何が起こるにせよ、それはあの子を置いて過去の全てを捨て去った僕の責任だ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

 

「Heyジェファーソンさん、話があるって警察署の方から声がかかったんだけど何があったの?」

 

「おぉマックス、来てくれて嬉しいよ」

 

 この人はジェファーソン・モラレス、マイルズのお父さんで職業は警察官。

 

 めっちゃ厳しいけど心の底からマイルズを愛してる良いお父さんだ。

 

「それで?今回はどんな厄介事が飛び込んで来たのかな?」

 

「そうだな、まずは現場を見てくれ」

 

 うわっ、何これめちゃくちゃグロい。

 

「ねぇこれ何があったの?これもうニュースには流せないレベルのR18禁Gじゃん」

 

 めっちゃ目立つイエローのバリケードテープをくぐって中に入ったら、壁一面は血だらけだしなんか肉片とか飛び散ってるし。

 

 その血溜まりの中で2人の男が倒れている。

 

「通行人からの通報で駆けつけたら既にこの状態でな。どうにもこの2人が急に言い争い始めてその後すぐに殺し合いになったらしい。

 こいつらはこの辺だとそこそこ有名な質の悪い奴らで、いつも2人で組んで通行人から金をせびったり暴力を振るっていたりしたんだ」

 

「だけど今回はその2人で殺し合った」

 

「それだけならただの良くあるごろつきの仲間割れなんだがな。問題はその後だ」

 

 うわぁすっごい嫌な予感がする。

 

「現場検証をやってた鑑識が急に暴れ始めて周りの警察官に襲いかかったんだよ。

 どう見ても普通じゃなかったから何とかその鑑識を拘束して検査をしてみたんだが、そうしたらその鑑識の体から出処不明の謎の薬が検出された。

 死んだごろつき2人の体からも同じものが出ている」

 

「…こんな事を出来る奴に1人心当たりがある。そいつは独自配合した人の猜疑心と敵対心を増幅する薬を使って犯罪者同士を殺し合わせるのが趣味の奴でね。

 そいつは今まで小さい町でしか活動していなかったから。多分ニューヨークじゃ初の犯行なんじゃないか?だからジェファーソンさんが知らなくて仕方ないよ」

 

「マックス、そいつはいったい何者なんだ?」

 

「ターモイル、そいつはそう呼ばれている」

 

 そして、僕の妹だ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 同時刻、ピーターが通うハイスクール。

 

「ピーター、マックスさん大丈夫かな?」

 

「僕も心配してる。昨日のマックスは何か様子がおかしかったし」

 

 昨日のマックスは、凄く顔色が悪くてまるで何かに怯えているかのようだった。

 

「やっぱり今日帰ったらもう1回マックスに聞いてみよう!普段からお世話になってる人が困っているなら助けないとね」

 

 マイルズと一緒にそう決めた時、後ろから僕たちに声がかかった。

 

「Heyピーター」

 

「あっ、メリア!」

 

 メリア・ジョンソン、昨日転校してきたばかりのちょっと不思議な女の子。

 

 僕とネッド、マイルズの3人でいつもみたいに最近の映画やゲームの話をしていたらいつの間にか会話に混ざってて仲良くなったんだよね。

 

「もしかして何か困ってる事があるの?」

 

「えっと、僕たちじゃないんだけど中の良い人がちょっと元気がないみたいで」

 

「へぇ、その人名前はなんていうの?」

 

「マックスだよ、マックス・ジョンソン、いつも僕たち3人と一緒にご飯食べたりしてるんだ」

 

 あれ、なんか今日のメリアちょっと怖い?

 

「ねぇピーター、その人私にも紹介してくれないかしら」

 

「それは良いけど、彼はいつも色んな所を飛び回ってるから部屋にいるかわかんないよ?」

 

「ふふふ、今日は多分いると思うわよ」

 

「?」

 

 メリアは薄く微笑みながら僕たちを見つめている。

 

 その笑顔を見て、僕は目の前のメリアの姿がとても恐ろしく感じた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 同時刻、事件現場。

 

「ジェファーソンさん注意してくれ、奴は物凄く厄介で質の悪い犯罪者だ」

 

「マックスお前も気をつけろよ。最近は今回の件以外にも物騒な事件が増えてる。

 ちょっと前にもブルックリンの旧倉庫街で銃撃戦があったらしいぞ」

 

「うん、気をつけるよ」

 

 やっべ、その件噂になってるんだ。

 




【登場人物紹介】

『ジェファーソン・モラレス』

・マイルズのお父さん、めちゃくちゃ厳しいけど息子思いの良いお父さん。

『ピーター・パーカー』

・様子のおかしかったマックスを心配している。

・最近仲良くなった女の子がグイグイ来るけど何か怖い。

『マイルズ・モラレス』

・今回はほぼ空気だったがピーター同様マックスを心配している。
・何かあの転校生の子、ピーターと距離近くない?距離感の詰め方が何か怖い。

『マックス・ジョンソン』

・ストレスマックス!!!

主人公マックス・ジョンソンの変身後の姿『オールド・メア』のイメージイラストって必要でしょうか?

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