親愛なる隣人のさらに隣人   作:九曜の翁

22 / 23
ザ・グローイング・ホリデーⅢ

 やぁ皆、僕の名前はマックス・ジョンソン。

 

 ニューヨーク中の怖いおじさんたちにこき使われてる冴えないなんでも屋だ。

 

 今もどっかのクソみたいな社長のせいで酷く厄介な案件の真っ只中にぶち込まれてるわけだけどね。

 


 

「えっ君たち普通に仲良しな感じ?」

 

『そう俺たちはリッパー、相棒は悪人をぶち殺したい!俺は悪人を食うのが大好き!これ以上ないくらい最高の相性だ!』

 

 話している間にもリッパーは突進を続けている。

 

 全身に無数の刃を生やしたリッパーはまさに歩くシュレッダーかミキサーのようで、下手に近づいたら簡単にバラバラになっちゃいそう。

 

「何なの君たち?本当にすっごい仲良しそうじゃん!ああもう羨ましいなぁ!」

 

 僕なんてクソみたいな雇用主にクソみたいな仕事押し付けられて、めちゃくちゃ怖い眼帯おじさんと弁護士さんにいっつもこってり詰められてるんだからね!?

 

『なんならお前らも一緒に悪人ぶっ殺すかぁ?お前らも俺も余計な争いをしなくて済むし、俺はまた悪人を腹いっぱい食える。

 これなら何も問題ねぇだろう?俺は無駄に腹が減るから悪人以外と争うのは面倒なんだよ』

 

 う〜ん、なんかやりにくいぞ。

 

 調子が狂うっていうか、提案が物凄く魅力的というか、こいつフランクに紹介したら全部丸く収まるんじゃないかという考えがよぎるんだよね。

 

 でもそれには1つ大きな問題があるんだ。

 

「ねぇねぇリッパー君、君コーデックスって知ってる?」

 

『あぁ?お前なんでそんなもん知ってんだ!?あれは俺たちシンビオートだけが知ってる秘密の筈だぞ』

 

 あっやっぱ知ってるのね?じゃあ話が早い。

 

「ちょっと前においたが過ぎたシンビオートを1人捕まえてね?その子から聞き出したんだけどさ。

 君ら、相方が死にかけの状態で共生して蘇生させちゃったら君らが散々苦労して折角封じ込めた親御さんを解き放っちゃうんだってね?」

 

『さてはフィアーのやつだな?あいつはずる賢いが毎回飯で遊ぶせいで痛い目見てるポンコツだ。

 おまけに俺たちにとって1番喋っちゃいけねぇ秘密をばらすなんてな?後でしめてやらねぇと』

 

「あの、そこでなんだけどさ?今このニューヨークには君たちシンビオートの事を狙ってる人が沢山いて、そのうち君も君の相棒もその両方が命の危機に曝されちゃう可能性があるんだよね。

 

 だからさ、今のうちに相棒さんとは一旦離れてほとぼりが冷めた頃にもっかい組むっていうのはどうかな?それなら僕も丁度良い場所と悪人ぶちのめすの大好きなお友達を紹介出来るんだけど?」

 

『う〜む、コーデックスができちまう事を防ぎつつ相棒を守れるのか…どう思う相棒?』

 

 シンビオートの体が蠢き、その中から1人の男の顔が現れる。

 

「お前と離れるのは寂しいが、それでお互いの安全が守られるなら仕方のない事だ。

 おいそこのあんた!あんた確かフランクのやつと知り合いのなんでも屋だろ?」

 

「ありゃ、もしかして僕の事知ってる感じ?」

 

「俺はマイクってんだ!フランクのやつからは前から自警団に加わらないかって誘われててな。

 あんたがもしフランクとの間を取り持ってくれるんなら俺はあんたの提案にも乗ろうじゃないか」

 

 えっまじ?君は本当にMARVEL世界の住人か?*1

 

「それじゃ契約成立って事で…」

 

 話が纏まりかけたその時、それは現れた。

 

「待ってマックス!何か来る!」

 

 ピーターのシンビオートセンス*2に強烈な反応が来たのだ。

 

「はっ?ちょっ待っ!?」

 

 急に降ってきたそれに僕は押し潰されかけたが、辛うじて避ける事に成功した。

 

 だけど、起き上がった瞬間そこにあった光景を見て僕は本日何度目かもわからない驚愕の声をあげることになる。

 

 それは目の前を覆い尽くす程の巨体、その全身に蠢く深緑色の流動体。

 

『おいおいなんてこった!冗談じゃねぇぞ!?よりにもよってこいつに見つかるなんて最悪だ!!!』

 

「何これ!?」

 

 リッパーは怯え、ピーターは僕と一緒で驚愕の声をあげる。

 

 無理もない、急に目の前へ推定8メートルはあろうかというとんでもサイズの化物が降ってきたんだから。

 

「リッパー!こいつ何なの!?」

 

『こいつはファタール!俺たちをこの星に連れてきやがった張本人でコーデックスを作る事を何よりも優先してるマジモンの気狂い野郎だ!』

 

 はぁ!?そんな頭おかしいシンビオートがいるとか聞いてないよ???

 

 君らの親玉、普通にサノスより怖い化物じゃん?しかも君らそいつの支配から解放されてすぐにそいつの事を裏切って封印したからそいつにおもいっきり恨まれてるじゃん?普通そんなやつ解放したがる!?

 

 てか参ったなぁ…まじで勘弁してよ、こいつノーマンが寄越してきたデータに載ってないやつじゃん。

 

『■■■■?』

 

「えっ?」

 

 急に目の前が真っ暗になった。

 

 何故…目の前にそれがいたから。

 

『■■■■?■■■■?』

 

 何を言っているのか理解出来ない謎言語を撒き散らしながらその化物。

 

 ファタールが僕の目の前、本当に目と鼻の先にいる。

 

 そして、急に僕の体へ奇妙な変化が起きた。

 

『なんで?夜じゃないのに!』

 

 夜はまだ来ていないのに何故か僕の体はオールド・メアへと変化していた。

 

 だがそれ以上に…なんだこの感覚?懐かしい?

 

「嘘でしょ?マックスが真っ黒お化けになっちゃった!」

 

『おい坊主今すぐ奴からあのマックスってやつを引き離せ!何か物凄くやべぇ事が起こる気配がしていやがる!!!』

 

「わかった!覚悟しろこのメロンゼリーのお化けめ!!!」

 

 あっ、これ駄目なやつだ。

 

『来ちゃ駄目だピーター!!!』

 

 ファタールとやらの意識が僕からこちらに駆け寄ろうとするピーターへ完全に移っている。

 

 その直後だ。

 

『寄るな!』

 

 僕たちがファタールの言葉で初めて理解出来たそれは、何故か僕たちの…僕とピーターの頭の中だけに直接響いた。

 

『急に頭なんか押さえてどうした坊主ども?』

 

「頭の中に物凄く怖い声が響いたんだ」

 

『まさかやつと共鳴しやがったのか!?このままじゃまずい!』

 

「マックス!!!」

 

 焦りの混じったリッパーとピーターの声が何処か遠くから聞こえる。

 

 違う、2人が遠いんじゃない。

 

 僕が2人から離れていってる?何故?…あっ。

 

『■■■■!■■■■!』

 

 遠のきつつある意識の中で僕は理解した。

 

 僕はいつの間にかリッパーがファタールと呼んだそれに全身を絡め取られ、そしてまるで抱き抱えられるようにして運ばれていた。

 

『くそっ!?離せ!離せよ!!!』

 

 僕がもがく程、ファタールの体を構成する大量のシンビオートがより強く僕の体へしっかりと絡みつき離そうとしない。

 

 ねぇ、もしかしてこれって?

 

 …野郎の触手プレイとか誰得だよこの変態シンビオートめ!!!*3

*1:
MARVEL世界の模範的登場人物は、人の話をまるで聞きやしないしすぐに殴ってきます

*2:
仮称

*3:
グリーンゴブリンもとあるシンビオートを変態扱いしてました




【登場人物】

『リッパー&マイク』

・中央病院付近で犯罪者狩りをしていた男マイクと脱走直後のシンビオートが意気投合して融合した姿。
 マイクは主に強盗を狙って狩りをしていた為、リッパーの食事の好み的にも相性が物凄く良かったのである。
・宿主であるマイク自身が刃物を用いた戦闘の達人だったせいでアホみたいに強い。
 話がうまく纏まりそうだったのに、何かクソやべぇやつがサプライズニンジャ理論のごとく降ってきたせいでめちゃくちゃになった。
・脱走組シンビオートの中では1番の知識人なので、見た目や言動とは裏腹に実は文官とか参謀役も行けるタイプ。

『ピーター・パーカー/スパイダーマン』

・リッパーと戦っていたら何か物凄く大きな気配を感知、その直後に降ってきたとんでもないバケモンにめっちゃ驚いてる。
・何気にベンおじさん助けてくれたオールド・メアと初の邂逅を果たしているが、シチュエーションが考え得る限り最悪なのは本当に可哀想。

『ファタール/???』

・ヌル信奉者のクソヤバシンビオート、リッパー曰くシンビオートを地球に連れてきた張本人。
・今回ピーターとマックス相手に謎の共鳴現象を起こしたが?

『マックス・ジョンソン』

・何故か触手プレイみたいになってる可愛そうな男(寄生されたシンビオートに体を弄られて女の子に改造されちゃうマックス概念とかいう特級呪物が作者の頭の中にはある)
・最近こいつ可哀想な目に合う比率多くなってないと?と思ったそこの君!ここ一応スパイダーマン世界だし、元より序盤からしてろくな目に合ってないぞこいつ(主に妹とフューリーのせい)

どうもオリキャラメインの話が一部読者から不評らしいので該当エピソードの大幅修正(または削除)アンケートを実施します。下記のアンケートの結果によっては該当エピソードの削除及び関連するエピソードの大幅見直しもあり得ます(主にザ・カミングアウト・ファンタズム編)

  • ザ・カミングアウト・ファンタズムⅢ〜Ⅵ
  • ザ・カミングアウト・ファンタズム全話
  • 変更無し
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。