親愛なる隣人のさらに隣人 作:九曜の翁
後これ本人に言ったらぶち○されそうだけど、作者がデップーの中の人知る切っ掛けになった作品はグリーンランタンとX-MEN ZEROである。
後1話でピーターの友人ネッ"ド"の事を間違えてネッ"ト"と書いてしまっていた事が読者様のご指摘で発覚したので直しておきました。
これからもなんか間違ってるところがありましたらどんどんご指摘ください(その部分が二次創作部分であった場合はその旨をお伝えします)
Hey皆!僕の名前はピーター・パーカー!今はとある用事で病院に来てるんだ。
「おぉピーター!来てくれて嬉しいよ」
「ベンおじさん僕もおじさんに会えて凄く嬉しいよ」
ベンおじさんは1ヶ月前に路地裏でチンピラたちが女の人を襲ってた所を止めようとした拍子に転んで怪我をしちゃったんだ。
それで偶々通りかかった人が病院に連れて行ってくれたらしいんだけど、どうやら転んだ時に足の骨に罅が入っちゃったみたいで入院する事になっちゃったんだ。
「あの時は本当にどうなる事かと思ったが、通りかかった誰かが私をここまで運んでくれて助かったよ。
あの時の黒い服の、彼なのか彼女なのかはわからないが今度会うことがあったら是非ともお礼が言いたいね」
「所でベンおじさん、その黒い服の人って何者なんだろうね?」
「それなんだが、私はもしかしたらオールド・メアなんじゃないかと思っている」
「それって都市伝説の?」
オールド・メア、ベンおじさんのおじさんのひいおじいちゃんくらいの頃からアメリカで伝わってる古い話で、夜に外を出歩いて悪事を働くと彼がやって来るっていうある種の都市伝説みたいなものがあるんだ。
僕もだいぶ前にベンおじさんから聞かされて、その日の夜はいつもより早くベッドに潜り込んで眠ったっけ。
「今の子たちにはもう殆ど忘れかけられているが、彼は確かに存在するんだ
私の小さい頃はよく彼の目撃談が新聞に載っていたものだよ、年月が過ぎるうちに人はいつしか彼の事を頭の隅に追いやってしまったが、それでも彼はずっといる」
「でもおかしいよおじさん、その話が本当ならそのオールド・メアって人は少なくとも数百歳になるよ?」
オールド・メアに関する最も古い記述は150年以上前から存在し、あのキャプテンアメリカが生きた時代にも目撃談がある。
それって本当に人間なの?
「だがなピーター、彼は確かに存在するんだ...お前にもいずれわかる時が来る、彼は悪事を働いた者の前だけではなく迷える若者の前にも姿を現すと伝えられているんだ」
「僕が凄く迷った時には彼が来て相談に乗ってくれたりするって事?」
「あぁそうだとも、彼は未来ある若者を見捨てない」
面会し終わって病院を出た後もベンおじさんの言葉が頭から離れなかった。
まるで焼きごてで脳に直接焼き付けられたみたいだ。
でも、不思議と不快感は感じなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・時間は遡り1ヶ月前。
「誰か助けて!」
「そのバッグを寄越せ!」
夜のニューヨーク、その暗い路地裏で1人の女性がチンピラたちに襲われていた。
チンピラたちはこの辺りを縄張りにしているギャングの末端で、課せられた重いノルマを達成する為にとうとう強盗という手段へ手を染めてしまった。
「クソっ、早く渡しやがれ!」
「何をしているんだ!」
そこへ駆け寄って来たのは1人の男性、それこそがピーターの叔父であるベン・パーカーであった。
「乱暴はよすんだ!その人を離してあげなさい!」
「あっちへ行けじじい!てめぇもこうなりてぇか!!!」
「うわっ!?」
ベン・パーカーの足の怪我、それは転んだのではなくチンピラたちに突き飛ばされたのが本当の原因だった。
だがそんな時だ。
『駄目じゃないか、良い子はもう寝る時間だ』
「うおっ!?なんだてめぇ!!!」
チンピラたちの目の前に真っ黒いトレンチコートを着た帽子の男が現れ、彼らをじっと見定めるように見つめていた。
「ったくどいつもこいつも邪魔しやがって!」
『私の目を見なさい』
「はっ?おわぁぁぁ!!!」
気づけば黒いトレンチコートの男は目の前に立ち、チンピラのリーダーであろう男の肩をしっかりと掴んでいた。
『私の目を見なさい』
「なんだよ、なんなんだよお前!」
『君に君自身の未来になり得る悪夢を見せてあげよう』
「おい離せよ!離してくれぇ!!!」
トレンチコートの男の、表情すらわからない真っ黒にぼやけた顔の中で黄色い2つの光が怪しく揺らめいた。
それは目だった。
何処までも奥へ奥へと誘う大きくて恐ろしい目、それがチンピラのまさに眼前でこちらの顔をゆっくりと見つめているのだ。
そうしているうちに男は不可解な事に気づいた。
周囲の風景が変わっている、さっきまでは暗い裏路地にいた筈なのに今は昼間のように明るい何処かの道に立っている。
いつの間にかトレンチコートの男の姿は消えていた。
「なんなんだこれは?」
『望まぬ悪夢を見ると良い、そうすればどうすべきかきっとわかる』
トレンチコートの男の声が何処か遠くから聞こえてくる、しかし姿は見えない。
そして、目の前の風景がまた少しずつ変わり始めた。
自分がいた、目の前にチンピラ自身が立っている、その姿は酷くボロボロで疲れ果てているように見える。
服は所々破れ、靴は擦り切れていつからそのままなのかもわからない。
何より、目の前の自分には片手がなかった。
『これは酷い悪夢だ』
トレンチコートの男の声が聞こえると同時に、また風景が変わり始める
「この甘ったれの穀潰しが!お前がどれだけの間上納金を持ってきてないと思っている!!!」
「すいません、すいません...うっ!?」
「さっさと金持ってこいこの間抜け!」
目の前のチンピラ自身であろうボロボロの男は、周りを取り囲む男たちから何度も何度も蹴られ続ける。
やがて男たちが蹴りつける音が止んだ時、チンピラ自身であろう男はピクリとも動こうとしない。
「ん?こいつなんか静かじゃねぇか?」
「気絶してんだろ放っておけ」
「いやこいつ...はっ?こいつ死んでやがるぞ!?」
あぁ、嘘だ。
「やり過ぎたか?まぁさっさと金を持ってこないこいつが悪いんだ」
うわぁぁぁぁぁ!!!
ごろんと転がされたボロボロの男の顔は、苦痛と絶望に歪んでいた。
「はっ!?今のは何だ?」
『今お前が見たものはいずれ辿るであろう末路、お前が心の中で最も恐れている結末だ』
「うわぁ!」
トレンチコートの男は以前としてチンピラの肩をしっかりと掴んでいた。
だがその顔には先程までのような恐ろしい黄色い2つの光はもうない。
『友人たちを連れてここから去れ、そして家についたら考えるといい...これからどうすべきかを』
「「「うわぁぁぁ!!!」」」
大慌てで逃げ出すチンピラたちの後ろからもう一度声が響く。
『そして、もしすべき事がわかっていても理由があってそれが果たせないのなら再び夜に此処へ来ると良い、私は悩みのある者を拒まない』
チンピラたちが去った後、怪我をしたベン・パーカーを担いでトレンチコートの男は病院へと歩いていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おや?こんな時間に会うとは珍しいねピーター」
「Heyマックス!実はベンおじさんのお見舞いの帰りなんだ」
病院を出た後、ピーターは帰りの道で偶々マックスと鉢合わせていた。
「マックスはまだ仕事の途中?後ろにいるその人たちは?」
「あぁね、守秘義務あるからあんまり詳しく話せないんだけど、ある人から頼まれてこいつら全員を送り届けなきゃいけないんだよ」
マックスの後ろには数人の若者が何か決意を固めたような表情で立っていた。
「本人たち曰くやらかした事の責任を取りたいらしいんだけどね」
「マックスも大変だね」
「なんでも屋だからね、こういう厄介な案件も転がり込んで来るんだよ」
「そっか、それじゃまたねマックス」
「うん、ピーターも気をつけて帰るんだよ」
手を振りながら去っていくマックスの姿を見送った後、ピーターはポツリと独り言を漏らした。
「そういえば、マックスっていつもあんな服着てたっけ?」
普段マックスは大抵作業用エプロン姿で、そうじゃない時は大抵ラフなカジュアル服を好んで着ている。
でもさっき着ていたのは...
「真っ黒いコート、まさかね?」
【登場人物紹介】
『オールド・メア』
・本作のオリジナルヒーロー、作中のアメリカで古くから伝わる民間伝承の中に登場する謎の人物で、怪しく光る黄色い目を持つ真っ黒い服の大男だと伝えられている。
・夜に悪事を働くと何処からともなくやって来て悪人に罰を与える。
・彼の黄色い目を見た者は深層心理の中にある最も恐れている未来が映像のように流れ始める。
因みに見える未来はやらかした事がでかければでかいほど酷い末路になる、要するに死んだり廃人になったりしないだけちょっと優しいペナンス・ステア(ゴーストライダーの能力)みたいなもので原理は内緒、何気に魂がない奴とかにも条件次第で効く。
『ベンおじさん』
・強盗に襲われたけどオールド・メアのおかげで助かった模様、小さい頃のピーターにオールド・メアの言い伝えを教えたらめっちゃ怖がっちゃったので後でちゃんと謝った。
・カノンイベントが潰れたらヤバいんじゃないかって?スパイダーバースが絡み始めたら多分言及するよ。