親愛なる隣人のさらに隣人   作:九曜の翁

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ザ・カミングアウト・ファンタズムⅠ

 Hey皆!マックス・ジョンソンだよ。

 

 突然だけど僕はまた困っているんだ。

 

「カーティスさんその姿はいったい?」

 

「「ダニエル(ダリオ)お前その姿はどうしてしまったんだ?」」

 

 わ〜おなんてことでしょう!この場にいる皆が僕のこの姿について質問攻めをしてきているんだ。

 

『取り敢えず場所を変えない?此処で話すと誰が聞いてるかわかんないからさ』

 

「確かにそれもそうだな、我々の預かり知らないところで部隊が動かされていた以上は上層部が他にどんな策を講じているかもわからん」

 

『フューリー、今回の件も含めて今度じっくり話そう…それによっては今後の信頼関係を見直す必要がありそうだから』

 

「…それについては追って話をしよう、今は移動が優先だ」

 

 このブルックリン旧倉庫街は至る所に僕の仮拠点がある。

 

 今回はその中の1つ、古びたコンテナに偽装した隠れ家を使用する事にした。

 

『さて、この姿についてだったね』

 

「カーティスさん、貴方はもしかしてミュータントだったりするんでしょうか?」

 

『良い質問だけど答えはNO、僕はミュータントではないね』

 

 まぁこの姿を見たらミュータントと間違えても仕方のない事ではある。

 

『まず経緯を説明しようか、あれは僕が妹によって毒殺されかけた時の話だ』

 

「「「???」」」

 

 あらら、マット以外全員目の前で自分のケーキを取られちゃった子供みたいな顔しちゃって。

 

『マットにはもう説明したと思うんだけど、僕は妹との仲がすこぶる悪くてね。

 あんまりにも折り合いが悪くて嫌になったものだから実家からニューヨークへ出てきたんだけど』

 

 あっ、そういえばフランクにも1回話したんだっけ?あんまり覚えてないけど。

 

『そんな決断をした理由が妹による僕の毒殺未遂…そして、それこそが僕の体がこうなった原因だ』

 

 いやぁ〜あれは本当に苦い思い出だよ。

 

『君たちはオールド・メアっていう都市伝説については知っているかな?』

 

「有名な都市伝説だな」

 

「私も父から聞かされた事があります」

 

「私は知らないな」

 

「俺はお袋から」

 

 マットは知らないんだ…まぁ良いか。

 

『まぁざっくり説明すると、そのオールド・メアとしての役目を家業として代々引き継いで来たのが僕の家。

 

 で、僕はぶっちゃけ家業を継ぐつもりなんてこれっぽっちもなかったし、僕よりも妹の方がやる気も資格もバッチリだったから当然妹が家業を継ぐ事になると思ってた』

 

「しかしそうはならなかった」

 

『そう…マットの言う通り家業を継いだのは何故か僕で、妹は直前に父さんからその事を聞かされて激昂。

 

 それはもう凄まじい兄妹喧嘩をする羽目になっちゃって、僕はそんな事望んじゃいなかったから父さんが止めるのも聞かず妹にオールド・メアとしての知識を全て渡そうとした。

 

 問題はこれが妹の神経を逆撫でしちゃったってところ。これが致命打になって僕たちの兄妹関係は完全に壊れた。

 

 本人曰く「父さんから全てを引き継いでおいて逃げるつもり?」だってさ?ちょっと理不尽じゃないかな』

 

「「いや、それは多分お前(君)が悪い」」

 

 なんでさ!だって直前まで僕が家業を継ぐ事にめちゃくちゃ怒ってたんだよ?まさか譲ろうとしたら余計に怒るとは思わないじゃん!!!

 

『ここまでは前にも家業の内容はぼかしながらマットにも話したね。

 でも、今から話すのはマットにも話していない部分。

 

 ブチ切れた妹はよりにもよってうちの家に伝わる秘薬「カヴンの祝福」と呼ばれる常人なら匂いを少し嗅いだだけで死にかける劇薬を瓶1本丸ごと僕の口にねじ込んだんだよ。

 

 ただし妹にとって想定外だったのは、その薬はただの劇薬じゃなかったって事。

 

 …あの薬はね、飲んだ者の体を皆からオールド・メアなんて呼ばれてる化物に作り替える薬だったんだ』

 

 うわぁ空気変わったなぁ?フューリーが凄い顔してこっち見てるじゃん。

 

『勿論飲んだ者が薬に適合出来る体である事が条件だよ?もし適合出来なかったら、飲んだ者は精神が死ぬまで現実世界に帰って来れなくなるおまけ付き。

 

 そして、よりにもよってその姿に誰よりも憧れていた妹の前で、僕は初めてこのオールド・メアの姿になってしまった。

 

 後はわかるだろ?自分の姿が変わった事に困惑しながら僕は妹の顔を見たんだ

 そうしたら、つい昨日まで家族へと向けられていた妹の笑顔は全てを奪った仇敵に向ける憎悪の表情へと変わっていたよ』

 

「それで家を出たのか」

 

『僕は家から出たんじゃない、逃げ出したんだ』

 

 あぁもう、空気が冷え過ぎてお通夜みたいになっちゃったよ。

 

『まぁお家騒動なんて良くある話だろう?僕の家もその例に漏れなかったってだけ。

 まぁあれだ…今はもう気にしてないから質問があったらどんどん聞いてね』

 

「では私から1つ、お前のその体はどういう原理でその姿に変わるんだ?」

 

 そうそうお前はそういう奴だよフューリー。

 

『作り替えられた体には、血液が変化した幻覚作用のある薬が少しずつ溜まっていく。

 これをある程度貯め込み放出する事でオールド・メアの姿に変わる事が出来る。

 

 ただ問題は、血液が変化した幻覚剤は日常生活を送るうえでも少しずつ体の外に排出され続けているってところで、僕の近くにいるとちょっと薬の影響を受けちゃうんだよね』

 

 なんか皆ちょっと心当たりありそうだね?

 

『幻覚剤の影響で、僕と接触した人間は僕の姿を正しく認識出来ない。

 ここにいる皆は僕の顔を思い出そうとしても無理だろう?その原因こそ薬に変化した僕の血液による影響さ。

 

 あぁでも、抑えようと思えば抑えられるんだよ?普段の日常生活では誰にも迷惑をかけないように薬の放出を抑えてる。

 

 でも危ない仕事をする時は別、誰が見てるかわからないし何が僕の日常を壊すのかもわからないでしょう?だから保険として僕の顔や姿が認識出来なくなる程度に薄めた幻覚剤を常に放出してるんだ』

 

「それは我々の体に害はないのか?」

 

『そこは大丈夫、君たちの体に健康被害は起きない』

 

「何故確信出来る」

 

『ニューヨークに来るまでの間に散々チンピラとかギャングで実験したから、どの程度の濃度なら人体で自然分解されるかとか全部把握出来てるんだよ』

 

 これあんまり話したくなかったんだよね、めちゃくちゃ怒りそうな人が約1名いるじゃん?

 

「ダリオ、殺してはいないんだな?」

 

 ほらぁ!!!

 

『そこはまぁうん、死なない程度には加減してあるさ』

 

 あっ、嘘は許さんって顔してる。

 

『殺してはいない。ただ約1名バッドトリップして変な方向に目覚めさせちゃったみたいで、その人「この世のありとあらゆる食べ物の頂点はタコスである」って思想に目覚めちゃったんだよね』

 

「すまん、俺は頭が痛くなってきた」

 

『悪いねフランク、後で弾薬パックBセットを1つサービスするよ』

 

「話は終わりか?なら最後にもう一つ、その薬の製法をSHIELDに引き渡す意思はあるか?」

 

『…お前僕の店出禁な』

 




【登場人物紹介】

『マックス・ジョンソン/オールド・メア』

・出自がだいぶ可哀想な事が発覚した男、それはそれとしてちょっとノンデリなところがある。
・『カヴンの祝福』と呼ばれる薬を飲まされた事により民間伝承に登場する怪人『オールド・メア』への変身能力を手に入れた。

『ニック・フューリー』

・話を黙って聞いていたが、別に家族との確執はとうでも良いから薬の詳細だけ聞かせてくれと思っていた。

・出禁にされた。

『フィル・コールソン』

・フューリー長官が出禁を食らったので、今後一切の取引をこの人が担当する事になる。
・後日胃薬を大量購入した。

『フランク・キャッスル/パニッシャー』

・ノリで話聞いてたらなんか想像以上にお辛い話が始まってどう反応すれば良いのかわからなくなった(フランクは元2児のパパです)
・それはそれとしてそのタコス野郎ってどうなったんだ?

『マット・マードック/デアデビル』

・いつも話していた相手がとんでもない闇を抱えていたので何とかしてあげないといけないと思っている。
・なおチンピラやギャングにお薬をぶち込んだ件は詳しく聞かなければならないとも思っているので、多分後日マックスはお説教を食らう。

どうもオリキャラメインの話が一部読者から不評らしいので該当エピソードの大幅修正(または削除)アンケートを実施します。下記のアンケートの結果によっては該当エピソードの削除及び関連するエピソードの大幅見直しもあり得ます(主にザ・カミングアウト・ファンタズム編)

  • ザ・カミングアウト・ファンタズムⅢ〜Ⅵ
  • ザ・カミングアウト・ファンタズム全話
  • 変更無し
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