ロリ爆乳(虚乳)系魔法少女 パイ☆ズリーシャ!日曜朝七時より放送予定! 見てね~! 作:性の悦び
時は、19190721年。
突如、異界より『アクメンダー』と名乗る謎の勢力が侵攻。世界は混沌に包まれた!
しかし、世に悪の栄えた例はなし。『マスコット』と呼ばれる謎生物を連れた少女たちが、不可思議な力を使い、『アクメンダー』と戦いを繰り広げる!
人々は、摩訶不思議な力を行使するその少女たちを──『魔法少女』と呼んだ!
今日もまた、世界のどこかで正義と悪が! 激突する!
崩れたビル、燃え上がる瓦礫、逃げ惑う人々。街はまさに、阿鼻叫喚!
治安最悪、居住性最低、住みやすい場所ランキング最下位!
市政担当は今頃頭を抱えていることでしょうね!
そんな大混乱の只中へ、桃色の影が舞い降りた!
「この世の悪を抹殺するため、パイ☆ズリーシャ、魔法の国から只今参上☆」
現れたのは、桃色の頭髪を二つに結び、同じく桃色を基調とした衣装に身を包む一人の可憐な美少女!
その名も、パイ☆ズリーシャ! 愛と正義と夢を慎ましやかな胸に秘め、悪と戦う魔法の国の戦士だ!
「出やがったな! キチガイピンクが!」
開幕暴言はヒールの嗜み! 良い子の皆は真似しちゃダメだぞ? 私との約束だ!
そして、アクメンダー! 彼女の姿を見るなり臨戦態勢へと入る! 無駄に練度が高いぞコイツら!! 悪役のクセに!
「アクメンダー! またそんな下品な言葉を使って! 子供達が真似したらどうするの!! 私たちの活躍はニチアサで放送される予定なのよ!」
なんたる教育的配慮! 未来を担う子供達への影響まで考えて戦うとは、まさしく魔法少女の鑑である! これにはPTAも大絶賛!
全国のママさん! パイ☆ズリーシャなりきり変身セット(税抜¥13000)は全国のおもちゃ売り場で好評発売中! 今なら在庫処分セールで50%OFFと大変お買い得だァ!
急げ! おもちゃ売り場に!!
「発禁処分だろ、んなもん」
悪の戯言、聞く価値なし!
都合の悪い発言はシャッツアウツ!!
「もういいわ! 貴方達の悪事もここまで! 今すぐ涅槃に連れてって、あ・げ・る☆」
【
一切の
「―に入る」
私、教育的な実況も目指しているのでね!
「やれるもんならやってみやがれ! 野郎ぶっ殺してやる! 行け! 野郎共!!」
「「「「イッー!」」」」
号令と共に、黒ずくめの戦闘員達が一斉に飛びかかるゥ!
前、 右、 左、後方!
四方を敵に囲まれてなお、パイ☆ズリーシャの顔から笑みが消えることはなァい! むしろ待っていましたと言わんばかりに、両腕を大きく広げる!
「くらいなさい! 必ず殺す技と書いて、必殺技! 『万乳引力
出たァァ! 必殺『万乳引力
世界が! 乳へ! 引かれて行くゥ!
パイ☆ズリーシャの胸元を中心に凄まじい引力が発生中だ!
私の目も釘付けだぁ!!!
「イッ!?」
「な、なんだこりゃあ!?」
戦闘員達の身体が浮かび上がる!
瓦礫が舞い、鉄骨が軋み、道路標識が根元から引き抜かれ、放置されていた車までもがゆっくりと宙へ持ち上がっていく!!
あらゆるものが抗うことのできぬ力によって、ただ一点──パイ☆ズリーシャの胸元へと引き寄せられていく!
これぞ、乳のブラックホール!!
別に乳首が黒化していると言う意味ではありませんので、あしからず!
逃げようとしても無駄! 地面にしがみついても無駄。 そこに質量が存在する限り、何人たりとも乳の引力から逃れることはできない!!
「ちょっ、待て! 洒落になって──」
哀れアクメンダー! その叫びは最後まで続く事なく、爆発四散! サヨナラ!
轟音。激震。巻き上がる粉塵。
そして──静寂。
しばらくして煙が晴れた頃、そこに立っていたのはただ一人!
無傷の魔法少女、パイ☆ズリーシャだけだった⋯⋯。
「…………全ては乳に還るのよ」
なんとも深遠な言葉である。
その真意を理解できる者がこの世に何人いるのだろうか。そもそも本人は理解しているのか。
そんな些末な疑問など、どうでもいい!
パイ☆ズリーシャは瓦礫の山を背にして歩き出す。
決して、彼女は振り返らない。
正義の味方は、倒した悪を振り返らないのだから。
こうして今日もまた一つ、この世から
ありがとう、パイ☆ズリーシャ。
世界の平和は、今日も彼女の慎ましやかな胸によって守られたのである。
「はぁ~やっちまった」
変身を解いた俺は、瓦礫の山を眺めながら深々とため息を吐いた。
ついさっきまで桃色のツインテールを揺らし、「全ては乳に還るのよ」などと意味深な台詞を吐いていた魔法少女の姿はもうない。
今ここにいるのは、どこにでもいる冴えない三十三歳の男。佐藤アキラである。
いや、どこにでもいるかどうかは知らん。
三十三歳の無職童貞がどの程度の割合で世間に存在しているのかなんて、調べたこともないし、調べたくもない。
「何をやっちまったハメ? 今日も今日とてあのゴキブリよりもしぶとい
俺の隣をふよふよ漂う謎生物が、さも当然のことのように言った。
青い、丸っこい鶏を模した身体。
愛嬌のある顔。
無駄に可愛らしい仕草。
そして全てを台無しにする「ハメ」という語尾。
そう、我が愛しの『マスコット』。ハメ
「その事じゃあない。いや、ある意味そのことなのか? なんで俺ァ変身したらあんなんになっちまうんだ⋯⋯」
思い返しただけで頭が痛くなる。
桃色の髪。
フリフリの衣装。
どう見ても十代前半くらいの可憐な少女の身体。
そして何より問題なのが、中身である。
なんだよ「今すぐ涅槃に連れてって、あ・げ・る☆」って。なんだよ「全ては乳に還るのよ」って。
誰だよあれ? 俺かあれ。
死にたい。
「変身後の言動に関しては、変身した時にはちょっとハイになれる成分が発生するせいだと前に説明したはずハメ。決して、違法性はないハメ。そして、変身後の姿は自身の
聞いてもいないのに違法性を否定するな、余計に不安になるだろうが。
というか、問題はその後だ。
「それじゃあ俺がまるでロリへのTS願望持ちのド変態みたいじゃないか」
「そう言ってるハメ」
「ふざけるなーっ!!」
思わず叫んだ。
違う。断じて違う。
俺はそんな人間じゃない。俺はただ、ちょっと魔法少女という文化に造詣が深くて、可愛い衣装とか変身バンクとかそういうものに多少の理解があって、あと胸は必要に応じて大きくなった方がロマンがあると思っているだけだ。ただそれだけの中年のオッサンなのだ。
いや、違う。今のは忘れよう。
「そんなこと言っても無駄ハメ。キミの
「ハメハメハメハメうるせぇんだよ! なんだよテメェのそのふざけた語尾はよ!」
さっきから聞いていれば、ハメハメハメハメと。
真面目な話をしているだけで、妙に卑猥な響きになるんだよ。
「僕のこの姿も、この言葉使いも。キミが自身の思い描く、魔法少女のマスコットそのものだハメ。いったい、何が不満ハメ」
「全部だよ!」
なんで俺の理想のマスコットがそんな語尾なんだよ。俺の深層心理はどうなってんだ⋯⋯。
何一つ認めたくない。
「本当、マジでどうしてこうなった」
空を見上げる。
思えば、ほんの少し前まで俺は魔法少女でも何でもない、ただの無職だった。
童貞ではあったが、それは今も変わらない。が、少なくとも、胸から重力を発生させて敵を圧殺するような生活とは無縁だった。無縁でいたかった。
「ここから過去回想ハメ。定番ハメね〜」
「……お前、誰に説明してんだよ」
返事はなかった。
いや、正確には満足そうな顔をされた。
怖い。
俺は佐藤アキラ。無職童貞33歳。
そんな俺は何故かいま──。
「待ちやがれ! お前ら! 絶対に逃がすな!!」
「「「「「イッー!」」」」」
全力疾走していた。いや正確には、逃げていた。
何故かと言うと、後ろから得体の知れない連中が集団で追いかけてきていたからだ。
黒ずくめの全身タイツみたいな服装。
目元を隠す奇妙な仮面。
そして、何を言われても「イッー!」としか返さない謎の集団。
どう見てもまともじゃない。
「お前らなんなんだよ!!」
走りながら振り返り、叫ぶ。
すると先頭を走っていた、他の連中より少しだけ偉そうな格好をした男が胸を張った。
「我らがボスは、30歳を超えた男の童貞を食い荒らすのが趣味なんだ! お前には、ボスの趣味の餌食になってもらう!」
「バッカじゃねぇの!?」
思わず本音が出た。
いや、だってそうだろう。世界にはもっと色々あるだろ。金とか権力とか世界征服とか。なんでよりによって、三十過ぎの童貞なんだよ。
性癖がピンポイント過ぎる。
「追えっ! 追え〜!」
俺の至極真っ当な指摘など聞く耳も持たず、連中はさらに速度を上げてきた。
「クソッ!」
俺は脇道へ飛び込み、そのまま細い路地を駆け抜ける。
右へ。
左へ。
また右へ。
息が上がり、脇腹も痛い。
30過ぎの身体に全力疾走はきつい。運動なんて、自家発電くらいしかしないんだぞ? 無理だよ。
「ハァッ、ハァッ……クソッ」
どうにか連中を撒き、俺は物陰に身を潜め、口を押さえて息を殺す。
やがて、複数の足音が近づいてきた。
「隠れたか……まだ近くに居るはずだ! 探せ!」
「イッー……」
「口答えするな! 捕まえられなければ私がボスのエグ……イイ趣味につき合わされる事になるんだぞ!!」
「イッー」
「ならお前が変われ」
「イッー!!」
何を話しているのか大体分かるのが嫌だった。
頼むから悪は悪のままでいてくれ。
「よし。気合い入れて探せよ。無理は嘘つきの言葉だからな!」
和の民じゃねぇか。アイツの言葉はあんな変態共にまで広まってるんだな。最悪すぎる。
足音が少しずつ遠ざかっていく。
俺はしばらくその場でじっとしてから、ようやく息を吐いた。
「アイツら、いい加減あきらめろよ。てかなんだよ30過ぎの童貞を食い荒らすのが趣味って……ピンポイント過ぎんだろ……ここまで守り抜いた童貞をこんな所で散らしてたまるかってんだクソッ」
三十三年間守り続けてきたものだ。
別に、好きで守ってきたわけではない。ないが、こんな訳の分からない理由で失うのは絶対に嫌だ。
「お困りみたいだね」
「あぁ?」
突然、声がした。
俺は辺りを見回すも、人はいない。
代わりに、目の前の空中に何かが浮いていた。
光る珠だった。
本当に、ただの珠だ。淡い光を放ちながら、ふわふわと俺の目の高さを漂っている。
その珠が、喋っていた。
「やあ。ボクはこことは異なる次元に存在する魔法の国。プロクリヴィティ・アイランドから来た、癖の妖精さ」
「なにのなにのなんだって?」
一つも頭に入ってこなかった。
魔法の国?
なんとかアイランド?
癖の妖精?
情報量が多い。というよりも、カスの情報すぎて処理したくない。
「この次元では滅多に見られないくらい、高い魔力を持ったキミがお困りのようだからね。こうして、声をかけたというわけさ。どしたん? 話聞こか?」
急に距離感が気持ち悪くなった。頼むから死んでくれ。
「いや、別に求めてないので、お引き取りください」
怪しい奴には関わらない。
三十三年間生きてきて身につけた最低限の処世術である。
「あーそれは
「は?」
俺、何も相談してないんだけど。
そう思った時には遅かった。
謎の珠は勝手に一人で話を完結させると、その丸い身体の一部をにゅるりと変形させた。
突起が生える。
嫌な形だった。
「おい、待──」
ぶすり。
突起が俺の身体へ突き刺さった。
「待て、おま、なにを」
言葉が続かない。視界が明滅する。
赤、青、黄、紫。世界が一瞬にして極彩色へと塗り替えられていく。
頭の芯が熱く、身体も軽い。恐怖も混乱も、急速にどうでもよくなっていく。
代わりに胸の奥から、理由の分からない幸福感が湧き上がってきた。
楽しい。
なんだこれ。
気持ちいい。
空気の流れが見え、遠くの音まで鮮明に聞こえる。
自分と世界との境界が曖昧になっていくような、圧倒的な多幸感が五感すべてを支配していた。
やばい。絶対これやばいやつだ。
そう思っているのに、なぜか笑いが込み上げてくる。
「ここからは変身シーンハメ。ちょっと過激なので、ここでは載せられないハメよ。ごめんハメ」
誰に謝ってんだ。というか、さっきまで普通に喋ってただろお前。なんで急に語尾変わった。
そんな疑問を口にする暇もなく、俺の意識は眩い光の中へと呑み込まれていった。
そして──。
佐藤アキラという男は、一時的にこの場から姿を消した。
代わりに世界へ降り立ったのは、桃色の髪をツインテールに結び、可憐な衣装に身を包んだ一人の少女。
いや。
この時の俺にとっては、そんな説明すら必要なかった。なぜなら、その瞬間の私は心の底から理解していたからだ。
これこそが、自分のあるべき姿なのだと。
そうして、私──パイ☆ズリーシャが世界に爆誕した。
見失った佐藤アキラを探すアクメンダーの背後に、桃色の影が着地する!
スーパーヒーロー着地! スーパーヒーロー着地だ! 膝痛そう!
「天呼ぶ地呼ぶ人が呼ぶ! 数多の性癖股にかけ、魔法少女! パイ☆ズリーシャ!! ここに見参☆」
現れたのは、一人の可憐な少女。その名も、パイ☆ズリーシャ!!
我らが主人公! 我らがヒーロー! You are very, very, very perfect hero!! (ネイティブ発音)
華麗に登場! 可憐に着地!! 美麗に決めポーズゥ!! フーウ↑!
その姿はまさしく、天上より舞い降りたヴィーナスそのもの!
あー!! 美しさで目が眩む!!!
「げっ、頭のおかしい国の頭のおかしい刺客じゃねえか!! 俺たちゃ今日はまだなにもしてねぇぞ!!」
開幕早々ひどい言われよう!
しかしアクメンダー達の顔には明確な恐怖!!
敵が現れた顔ではない! まるで近所で有名なヤベー奴と路地裏で鉢合わせしたみたいな顔ですね。
「あんたら、私を誘拐しようとしたでしょ!! というか、そんなのはどうでもいいのよ」
誘拐未遂をどうでもいいと言い切り、パイ☆ズリーシャはない胸を張る。彼女にとって、戦う理由に私怨など必要ないのである!
「悪は鏖殺。それが、このパイ☆ズリーシャの鉄の掟よ☆」
「やっぱコイツら頭おかしいよ」
アクメンダーの言葉にも一理あるような気がしないでもないでもないが、悪の言葉である以上、桃源郷に住む天女よりも清らかな彼女の心には一切届かないのである!!
「魔力が高まる……溢れる……うおおおおお!」
果たして高まってるのは魔力だけなのか? 殺意も高まり溢れていやしないか!?
答えは、自ずとわかることだろう!!
「溢れちゃったかぁ……」
「イッー……」
「お前たちが戦う意志を見せなければ、私はお前たちを殺し尽くすだけよ!!」
「おまえなんなんだよ!!」
「イッ──!」
戦えば殺す!!
戦わなくても殺す!!
逃げても追いかけて殺す!!
それがパイ☆ズリーシャの美学である!
魔法少女の姿か? これが? 実はホラゲーの追跡者とかだったりしない?
あっそう。魔法少女だそうです。
「
説明しよう! 本気狩るタイムとは、ハイになったパイ☆ズリーシャが編み出した絶対殺戮時間である!
効果は単純、目の前にいる敵をぶっ殺す。ただそれだけ! 唐突に思いついた単語なので、設定は何もない! 多分、以後登場もしない!
「クソがよぉッ! 童貞狩り特選隊! 戦闘配備ィ!! あのキチガイをぶっ殺せ!!!」
「「「「「「イッー!!!!」」」」」」
対するは、アクメンダーが誇る精鋭部隊!!
その名も童貞狩り特選隊!
名前はアレだが動きは一流!
号令と同時に一斉散開!! 先ほどまでドン引きしていた連中とは思えぬ統率力だ!
「第一班、正面! 第二班は左右から回り込め! 第三班、射撃用意ィ!!」
「イッ!」
「イッー!」
「イィッ!!」
正面固定!!
左右包囲!!
後方射撃!!
僅か数秒で完成する必殺タクティクス!
ところでこれ、下手したらフレンドリーファイアしない? 十字砲火って多体一の場合、愚策じゃない?
へーそう。
⋯⋯強い!! これは強い!!
しかし、敵の必殺は大抵必殺にならないのが世の真理! 多分パイ☆ズリーシャには効かないぞ!!
「撃てェ!!」
「「「イッ──!!!」」」
一斉射撃!!
赤黒い光弾が四方八方から殺到!!
これぞ、アクメンダー⋯射撃⋯アリーナ。
逃げ場なし、防ぐのみ、友撃あり。
普通ならここで終わり! 絶体絶命大ピンチ!!
「射撃など花拳繍腿!! 肉体言語こそ覇者の技!!!!」
しかし! 避けない! 防がない!! 仁王立ちィ!!!
「意味分かんねぇよ!!」
赤黒い閃光がパイ☆ズリーシャを完全に呑み込む!!
爆音!! 爆風!! 大粉塵!!
戦闘が出来るくらいの広さのある都合の良い路地全体が揺れる!
まともに食らった!!
これは死んだ!! DEAD END!
しかしここで思い出していただきたい!!
彼女は! 主人公!!
あぁ、メインテーマが聴こえてきます。これが勝ち確BGM!
リリカル・トカレフ・キルゼムオール。
極楽浄土につれてってあげる。
あぁ、なんと心に染みる歌詞でしょうか!
そして直後!! 爆煙の中から伸びる腕!!
「イッ!?」
最前列の戦闘員の顔面を鷲掴み!
彼はどうやら、ここで終わりのようです。次の戦闘員はもっとうまくやってくれるでしょう。
ザー⋯失礼。アーメン。
「つ☆か☆ま☆え☆た☆」
「イィィィィィッ!?」
そして煙を突き破って現れる桃色の影!!
無傷! 完全無傷!! ニチアサ枠なので衣装破損すら生じない!
露出は深夜枠でないとダメなのだ!! それが、BPOとのお・や・く・そ・く☆
「なっ、何故!?」
「この私がァ! 初戦闘のォ!! チュートリアルごときでェ!!! 殺られる理由がァ!!! ないだろォがァァよォォォォォ!!!!!!」
メタ補正! しかし理由はそれで良い!!
ミシミシ言っております。
戦闘員の頭、ミシミシ言っております。
あぁ〜! 命の音ォ〜!!
今! ここで! 蝉の如き儚い生命が散ろうとしている!!
「イ……イ……」
そしてパーンと弾ける頭! 飛び散る脳漿!
汚ぇ花火が咲きました!
汚ぇ花火、上から見るか、下から見るか。
7・7・7なので、川柳にはなりません。残念!
「ひっ、ひぃ~……」
恐怖!! 戦慄!!
童貞狩り特選隊、完全に心が折れた!
ここから先は戦闘ではない!
蹂躙! 弱者を甚振る蹂躙劇!!
一人殴る!!
一人蹴る!!
一人投げる!!
投げた一人で二人まとめて薙ぎ倒す!!
エコ!! 敵を武器として再利用する環境配慮型バトル!! SDGsも真っ青だ!
環境省もパイ☆ズリーシャを応援中!
環境大臣も夢じゃない! 皆様の尊い一票お待ちしてます!!
えーここでCMです。
リユースショップ使い捨ては、不要なアクメンダーを引き取ります。壊れていても、大丈夫! 1個からでも承ります! では! 以後夜露死苦!
以上。
「あ、悪魔だ……」
「悪魔ぁ? 違う。私は、清楚系清純派最強最カワ一生推せる爆乳ロリ魔法美少女No.1の、パイ☆ズリーシャよ!! そして食らいなさい!!! 必殺の『
出たァ! 必殺の『
パイ☆ズリーシャの慎ましやかな胸が、見る見る膨らみ始める!!
膨らむ! 膨らむ!! 膨らむ!!!
そこにもう絶壁は無ァい!! あるのは、乳房山よりさらに巨大になった
果たして、詰まっているのは夢か希望か!?
脂肪なんて言う空気読めねェ奴は月に代わってお仕置きだァ!!
そして迫りくる乳! 逃げるはアクメンダー!!
しかし、魔法少女からは逃げられない!
残念! 無念! また来世!
「やっぱ。コイツら頭おかしいよ……」
それが、彼らの最期の言葉となった!
『やっぱ、コイツら頭おかしいよ⋯⋯』
アクメンダー辞世の句。
俳句になっておりませんっ! やりなおしっ!
巨大な胸がアクメンダーを呑み込み、凄まじい衝撃と共に地面へと叩き伏せる!
なんて羨ましい! 奴らは夢に押し潰されて圧死! 恐らくこの世で最も幸福な死に方だろう!
こんちくしょう!!
こうしてこの日も、悪は滅びた!
正義は勝利し、男の夢は現実となったのである!!!
めでたし、めでたし!
「うっ」
「気絶したハメか。初回の変身は毎回こうなるハメ。人間、脆いハメね」
「ここで回想終了ハメ」
その一言で、俺の意識は過去から現実へと引き戻された。
目の前には、謎生物。相変わらず俺の周囲をふよふよと漂いながら、どこか満足げな顔をしている。
「お前誰に話しかけてんだよ恐ぇよ」
さっきからこいつ、時々こういうことを言う。
俺以外の誰かがここにいるみたいな、あるいは俺には見えない何かに向かって説明しているみたいな。
やめてほしい。
魔法少女に変身するようになっただけでも十分人生がおかしくなっているのに、これ以上オカルト要素を増やさないでくれ。
「キミには知覚も認識も出来ないお友達ハメ。気にする必要はないハメ。知覚出来ないのなら、存在しないのと同じハメ」
何ひとつ安心できない回答だった。
むしろ聞く前より怖くなった。
誰だよ、そのお友達。
どこにいるんだよ。
今も俺のこと見てんのかよ。
気にするなと言われて気にしないでいられるほど、俺の神経は太くない。
「なんなんお前……てか、その言葉づかい。俺の影響みたいな事言ってたけど、初めて会ったときはちゃんと話してたよな?」
思い返してみればそうだ。
最初に会った時、こいつはもっと普通だった。
『やあ。ボクはこことは異なる次元に存在する、魔法の国。プロクリヴィティ・アイランドから来た、癖の妖精さ』
……内容そのものは全然普通じゃなかったが、少なくとも語尾に「ハメ」なんて付いてはいなかった。
「キミに入れて、キミの願望や趣味嗜好と触れ合った結果、こういうふうに改修されたハメ。ボクたち、癖の妖精の定めハメ」
さらっととんでもないことを言った。
「いや、あとから自分を作り替えられるとか普通にヤバいだろ」
こいつにとっては当然のことなのかもしれないが、俺からすれば結構な恐怖である。
だってそうだろ。
昨日まで普通に喋っていた奴が、俺と接触したせいで人格から言葉遣いまで変わってしまったのだ。しかも原因が俺の願望と趣味嗜好。
責任を取りたくない。
何より、「ハメ」という語尾が俺由来だと認めたくない。
「そんな事は些事ハメ。結局のところ、自我なんていうものは学習の結果作り上げられた後付けのソフトウェアにすぎないハメ。むしろ、そんな事にこだわるキミたち地球人類の方が、ボクたちから見ればおかしく見えるハメ。端的に言って、ヤバいハメ」
何やら難しい事を言っていた気はするが、刺激のない無職生活のせいで萎縮した脳味噌には何一つ理解できない。だから、俺は一言だけいってやった。
「何こいつキモっ」
ハメ
「酷いハメね」
酷いのはお前だよ。