ロリ爆乳(虚乳)系魔法少女 パイ☆ズリーシャ!日曜朝七時より放送予定! 見てね~! 作:性の悦び
とある昼下がり。午睡にちょうどよい陽射しが差し込むのどかな公園。
そこで、全身ピンク色の少女──パイ☆ズリーシャが、ギロチンやアイアンメイデン、頭蓋骨粉砕機、ファラリスの雄牛等の様々なステキな道具を並べながら、鼻歌を歌っていた。
そして、パイ☆ズリーシャの足元には、縄で簀巻きにされた、無数の黒ずくめの男たち──アクメンダーが、転がされていた。
「ねぇ、ハメ鶏くん。どの道具を使うのが一番ステキかしらね?」
「うーん」
「マジカル☆処刑具も、こんなに種類があるとちょっと迷っちゃうわよね」
「⋯⋯パイ☆ズリーシャ。アクメンダーの処刑は一旦置いておくハメ。ちょっとマズイことになったハメ」
ハメ鶏くんが、どこからともなく取り出した端末を覗き込みながら言った。
その表情は、いつものふざけた調子とは違い、珍しく少しばかり真剣である。
「なによハメ鶏くん。処刑は中世では娯楽だったのよ? ちびっ子達の人生の彩りの為にも、置いておいて良いはずがないでしょ」
パイ☆ズリーシャは心底不満そうに頬を膨らませる。
ちびっ子の人生に、そんな彩りは必要ない。
必要なのは、こいつが即刻ちびっ子たちの人生から立ち退くことである。
「置いておくハメ。番組OPがちょっと炎上してるハメ。流石に議事堂燃やしたのはマズかったハメ。放火自体はゴミ《アクメンダー》に擦り付けたから問題なかったハメが、流石にその映像をOPに使ったのはマズかったハメ。不謹慎だとかで滅茶苦茶叩かれてるハメ」
「えぇ〜」
「赤い炎が国会議事堂を彩って、とっても綺麗なのに? というか、皇居でやんなかっただけ十分配慮してるわよね? 誰よ炎上を炎上させてるバカは。あっ、ちょっと今の上手いかも」
「全然上手くねーハメ」
「まぁ、というか、火消しなら簡単でしょ。炎上させてるバカを一人残らず消せば、火も消えるわ」
「物理的消火は求めてねーハメ。というか、殺人は犯罪ハメ」
「アクメンダーは?」
「アイツらは人じゃないからセーフハメ」
「まぁゴミだしね」
「じゃあどうすんのよ。こんな事で放送差し止め食らったら、全国のちびっ子に私の活躍を届けられないけど」
それは困る。と言うように、パイ☆ズリーシャは眉根を寄せる。
誰もお前の活躍など見たくはない。
なぜなら、こいつの活躍=血と臓物で彩られたスプラッタなのだから。
「この際、炎上は捨て置くハメ。肝要なのは、スポンサーに逃げられない事と、局が日和らない事ハメ」
ハメ鶏くんが端末を閉じる。
「つまり?」
パイ☆ズリーシャが身を乗り出した。
一拍。
「スポンサーと局を脅すハメ」
「だから気に入った」
「そう言うと思ってたハメ」
差し出された手と手が、固く結ばれる。
ガッシリ握手。互いの意思を確かめ合うような、実に爽やかな光景である。
まさに友☆情。
なお、話し合われている内容については考えないものとする。
π π
「さて、突撃! 隣のTV局〜! と言う事で、スポンサーとはお☆は☆な☆し☆してきたので、次はここね」
パイ☆ズリーシャは、眼前にそびえるテレビ局を見上げながら、実に晴れやかな声で宣言した。
つい先ほどまでスポンサー企業で何が行われていたのか。その笑顔から察することは難しい。
「血を見る羽目になったハメね。まぁ全部アクメンダーのせいになるから問題ねーハメ」
隣を飛ぶハメ鶏くんが、さも些細なことのように言った。
「あのウジ虫共にも困ったものよね。まさか、スポンサー企業にテロを仕掛けるなんて。私たちが
「けしかけたの、キミハメけどな」
「なによ。計画したのはあなたでしょう」
「「⋯⋯ヘッヘッヘ」」
「テロを起こさせて、それから救って恩を売る。そして、その過程で不要な道具は処分出来ると……完璧な計画ハメね。自分の才能が恐ろしいハメ」
「いいえ、怖がる必要はないわ! 何故なら、私たちは正義! そして正義は私たちよ! つまり、私たちの成すその全てが正義! つまり! これは正義の行い!!!」
パイ☆ズリーシャは胸を張った。
己こそが正義である以上、己の行いもまた正義である。
なるほど、完璧な論理である。本人の中だけという点に目を瞑れば。
「うーん、この自己正当化の権化⋯⋯もういいハメ。会話長すぎてもう読者飽き始めてるハメ。さっさと進めるハメよ」
「はいはい。そんじゃ、全速全壊!」
言うが早いか、パイ☆ズリーシャはテレビ局の正面玄関へ突撃した。
轟音。
本来ならば人の接近を感知して自動で開くはずのガラス扉が、粉々になって館内へ吹き飛んでいく。
「たのもーう!!」
意気揚々と乗り込んだパイ☆ズリーシャだったが、その足がぴたりと止まる。
そこには、閑散としたロビーが広がっていた。
受付も、警備員も、社員も、誰も居ない。
照明だけが煌々と点いているというのに、人の気配だけが綺麗さっぱり消えていた。
「え? なにこれ。新手のドッキリ? もしかして、モニ〇リング?」
パイ☆ズリーシャが、周囲を見回す。しかし、どこからもスタッフが飛び出してくる様子はない。
お前をドッキリに掛けるような命知らずは誰も居ないだろう。居たとするなら、それは多分自殺志願者だ。
「この時間に人っ子一人居ないのはおかしいハメね⋯⋯ミステリーハメ」
ハメ鶏くんの声だけが、クリスマスイブを一人孤独に過ごした時のような、そんな虚しさを伴って妙に広いロビーへ反響した。
「とりあえず、受付の電話でテキトーに内線かけてみるハメ」
「りょー、よっこらセックスっと」
パイ☆ズリーシャは軽い掛け声と共に受付の机を飛び越えると、その内側に置かれていた電話機を手に取った。
交渉に訪れた者の態度ではない。
もっとも、正面玄関を吹き飛ばして入ってきた時点で、今更では⋯⋯いや、交渉ではなく、暴行をしに来たのだから、行動としては正解であると言えようか。
「え~と、とりあえずスタジオかしらね。072-1919っと」
「最っ低な番号ハメね」
番号を押し、受話器を耳へ当てる。
やがて、呼び出し音が鳴り始めた。
一回、二回、三回。
誰も出ない。
「……この私がかけてるってのに、0.1コールで出ないとか舐めてんのかしら? ムカつくから、出るまで鳴らしちゃろ」
「最っ高に贅沢な時間の使い方ハメ」
それでもパイ☆ズリーシャはかけ続けた。
十回、二十回、三十回。
途中からは、もはや誰かを探すためではない。
意地。もしくは、ただの嫌がらせである。
そして──六十一回目。
再び受話器を耳へ当てた、その時だった。
『うるっせぇよ!!!』
遂に、応答があった。
『おまえ何回かけんだよ! 諦めろよ!! バカなのか!?』
「はぁ!? 私からの電話が来たら即応すんのが世の常識でしょうが!! 脳味噌腐ってんじゃないの!?」
『腐ってんのはテメェだよキチガイピンク!! 常識ある奴は局の扉吹っ飛ばさねぇし、何十回もプルプルプルプル電話鳴らさねぇから!!』
「え? なんで知ってるの? やだ、もしかしてストーカー? 気持ち悪い」
一瞬、電話の向こうが沈黙した。
『死ね』
ガチャリ。
ツーツーツー、と電話の切れた音が虚しく響く。
それは、マスターベーション後の賢者タイムよりも虚しく、休日に同年代くらいの人が妻子を連れて出かけているのを見かけた時と同じくらいの虚無感であった。
「あ~あ、なんでキミはそんなに他人の地雷を踏み抜くのが上手いハメ?」
「褒めても何もでないわよ」
決して、褒めてはいないだろう。
その時だった。
「「「「「「「「「「イッ──ー!」」」」」」」」」」
ロビーの柱の陰、廊下、階段。
それまで無人だったはずの空間から、次々と黒ずくめの男たちが姿を現す。
アクメンダーの戦闘員である。
気が付けば、パイ☆ズリーシャたちは完全に取り囲まれていた。
「なるほど、アクメンダーに乗っ取られてるハメね。お約束ハメ。確か、ここは手頃な道具が見つからなかったから、けしかけてないハメよね?」
「そうね。しょうがないから、社長の親族でも使って交☆渉するつもりだったけど……」
パイ☆ズリーシャは周囲を見回した。
そして、嬉しそうに口角を上げる。
「降って湧いたチャンスね。普段の行いが良いからかしら? コイツら血祭りに上げて恩売って、番組制作続けさせりゃ完璧ね。ついでに、私のプロパガンダも作らせましょ」
「とんでもなく邪悪な思惑がまろび出たハメね」
「んなこたぁどうでもいいのよ! 殺るわよ!!」
そこから始まったのは、ただの蹂躙劇であった。
戦闘員たちは、その数を頼みに勇敢にもパイ☆ズリーシャへ攻めかかる。
だが、数の差など彼女の前では何の意味もない。
一人の拳を軽くいなし、返す手でその腹へ腕を突っ込んだ。
「モツ抜きは、乙女の嗜み☆、5・7・5。上手い!」
ずるりと、引き抜かれた腸が床へ長く垂れ落ちる。
それは血と脂に塗れてテラテラと輝き、強引に引きずり出されたせいだろうか。その一部は裂け、中から『中身』が悪臭と共にわずかに顔を覗かせていた。
端的に言って、とてもグロテスクな光景であった。
「テッテレー! マジカル☆ウィップ〜!」
「イッ!?」
パイ☆ズリーシャはそれを両手で握ると、鞭のようにしならせた。
「イッ──ー!?」
そして始まる、マジカル☆ウィップ(本人命名)による制圧戦。
魔法?
そんなものは必要ない。というか、こんな所で使えば局が壊れる。
パイ☆ズリーシャに、自身の所有物を破壊する趣味はないのだ。
いつからお前の物になったんだ?
「オラオラオラァ!! どォしたァ!! 天下の悪の組織が腸一本にビビってんじゃねぇですわよォ!!」
「倫理観はどこハメ?」
「ママの子宮においてきた。ハッキリいって、魔法少女の戦いにはついていけないわ!」
「そうハメか」
「だからァ──」
パイ☆ズリーシャがマジカル☆ウィップを大きく振りかぶる。
その光景は、さながら戦場を舞う戦乙女のようであり、その持ち物をリボンと見立てるならば、ワンチャン一流新体操選手と言っても憚れないだろう。
多分。
「倫理観の分まで!! 私が頑張るしかないのよォ!!!」
「大変ハメね」
ブオン、ビチャビチャと、タンパク質100%の鞭が、豪快な風切り音を立ててロビーを薙ぐ。
飛び散る体液、舞い散る汚物。
最悪である。
そして。
「イッ!?」
「イィッ!?」
「イッ──ー!!」
憐れな犠牲者は、三人。
彼らは仲良く吹き飛び、無事上半身と下半身が泣き別れた。
「よォし! 三枚抜きィ!!」
残る戦闘員たちは、一斉に後ずさる。
無理もない。
目の前にいるのは、嬉々として内臓を振り回す蛮族である。
誰だって関わりたくない。
俺も関わりたくない。
「イ、イッ……」
「あら?」
一人の戦闘員が踵を返した。
それを皮切りに、一人、また一人と逃げ出していく。
「あァん?」
「イィィィィ──ー!!」
悪の組織の戦闘員としての誇りより、生存本能が勝った瞬間であった。
「逃げるな卑怯者!! 逃げるなァ!!! いつだって私は、お前らに有利な状況で戦ってやってる!!!! 可憐な美少女が!!! ミロのヴィーナスも嫉妬で憤死する私が!!! お前らゴミよりも価値のあるこの私が!!!」
逃げる戦闘員たちの背中へ向けて、パイ☆ズリーシャが声を張り上げる。
「逃げるな馬鹿野郎!! 馬鹿野郎!! 卑怯者!!!!」
演説は続く。
「お前らなんかより私の方がずっと価値があるのよ!!! それに強い!! 私は美しい!!」
まだ?
「お前らしか死なせなかった!!! 戦い抜いた!!! 全て殺した!!!」
長ない?
「お前の負けだ!! 私の!!! 勝ちだ!!!!!」
ようやく終わった演説らしき物。それを聴いてる者は、誰一人居なかった。
唯一残ったハメ鶏くんも、鼻糞をほじりながら白けた目。
さもありなん。
「意味わかんねぇ事言ってないで早く追いかけるハメ」
「一回言ってみたいセリフだったのよね」
満足したパイ☆ズリーシャが床を蹴る。
逃げ遅れた者へ瞬く間に追いつき、追いついた端から的確に処理していく。
彼女の通った後には、一本の屍の道が築かれていった。
すべての道はローマに通ずと言うが、流石にここには通じたくないであろう。
「一匹たりとも逃がさないわよォ!!」
「イィィィィィィ──ー!!」
逃げる戦闘員。追う魔法少女。そして急かすマスコット。
この世で最も醜い鬼ごっこが繰り広げられていた。
「「待ちなさーい《ハメ》!」」
「イッ! イッ!!」
戦闘員たちは必死だった。
廊下を曲がり、観葉植物を蹴倒し、
閉じかけたエレベーターへ向かって一直線。
「あいつら上階へ逃げるつもりハメ!」
「そんなの許さないわ!」
間一髪。アクメンダー達はエレベーターに身体を滑り込ませると同時に、扉が閉じた。
──かに思われた。
「に が す か」
閉じきる寸前の扉。
その隙間から、ぬるりと指が生えてくる。
「イッ……?」
ギギギギギ……といった耳障りな金属音と共に、左右の扉がじわじわと押し広げられていく。
「イッ!? イィッ!!」
一人の戦闘員が閉ボタンを狂ったように連打する。
だが無意味。すでに扉は三分の一ほど開いている。
そして、その向こうには──。
「私のお出ましよ!」
満面の笑みを浮かべたパイ☆ズリーシャがいた。
新手のホラーである。
「「「イィィィィィィィィ──ー!!!」」」
「あら、歓声ありがとう。喜んでくれて何よりね。そんなに私の手で往きたいなんて、魔法少女冥利につきるわね」
「恐怖の悲鳴ハメ」
「何処にも恐怖する要素ないでしょ」
要素しかない。
戦闘員は必死に閉ボタンを連打するも、最早無駄。出来るのは、なるべく早くに意識が途切れるのを祈るくらいであろう。
ここから入れる保険は無いのである。
「だァかァらァ! 無駄なんだよォ!!!」
べきんと、遂にエレベーターの扉が悲鳴を上げ、左右へ大きくひしゃげる。
「開け胡麻☆ってね」
「「「イ、イィ……」」」
エレベーターの奥。
追い詰められたアクメンダーたちは、互いの身体を抱き寄せ、震えていた。
悪の組織の戦闘員たちが、正義の味方を前に肩を寄せ合って怯えている。
そこだけを切り取って見るのならば、正しい正義の姿な気がしなくもなくもない。
「さぁ! 私の登場に咽び泣いて歓びなさい!!!」
彼らのその後は、語るべくもないだろう。
π π
「さて、それじゃあスタジオに向かいますか。キショいストーカーゲボ野郎もまだそこに居るだろうし」
一仕事終えたような爽やかな顔で、虐殺を終えたパイ☆ズリーシャは歩き出した。
その身体は返り血に濡れ、その腕は臓物の破片がこびりついている。
先ほどの電話の相手。
そして、この局を占拠しているアクメンダーの中心であろう人物。
その二つが同一人物であることは、もはや疑う余地もないのだから。
やがて辿り着いたスタジオ。
巨大な防音扉を開けた先には、大勢の局員たちが集められていた。
その周囲を戦闘員が囲み、さらに奥には、一際異様な雰囲気を纏った男が立っている。
男は、パイ☆ズリーシャを見るなり苦々しく顔を歪めた。
「来たか。待っていたぞ、キチガイクソピンク」
先ほど電話越しに聞いた声であった。
「我が名は、アクメン・ラー。お前の引き起こした惨劇、しかと見届けさせて貰った……⋯⋯ねぇなんであんな酷いこと出来るの? 悪人にも人権はあるんだよ?」
「家畜に人権はないッ!!」
「えぇ……」
「というかそんなのどうでも良いから、早く局員達を解放しなさい! それと、ついでになんでこんな事を引き起こしたのかも話しなさい!」
「そんなの……我らの人権は、そんなの……」
「Hurry! HurryHurry!! HurryHurryHurry!!!」
「そうハメ。尺押してるハメ。勿体ぶらずにさっさと吐いて、さっさと死ぬハメ」
パイ☆ズリーシャが両手を叩き、シンバルを鳴らす猿の玩具のようにウキウキと騒ぎ立てる。
ハメ鶏くんも、冷静にして冷血にして冷徹に、巻きでゆけと催促する。
勝手すぎるコンビであった。
「…………我らの密着取材ドキュメンタリー番組を作ってもらうためだ」
「それはなぜ?」
「だってお前らだけ狡いじゃん! 専用の番組ポンポコ作られてさぁ!」
それまでの威厳をかなぐり捨て、アクメン・ラーが不満をぶち撒ける。
「魔法の国の外交(圧力)努力の結果ハメ」
「我らだってみんなからチヤホヤされたい!! 良いじゃん! 番組の1つや2つ!」
どうやら今回のテレビ局占拠に、世界征服だの、人類滅亡だのといった壮大な目的は存在しないらしい。
ただテレビに出たかった。それだけである。
いつも肉塊役で出てるのに、なにが不満だと言うのだろうか。欲張りな男である。
「因みに番組名は?」
パイ☆ズリーシャに尋ねられたアクメン・ラーは、待ってましたと言わんばかりに胸を張る。
よほど自信のあるタイトルらしい。
「『プロジェクト
「よし殺そうすぐ殺そう今すぐ殺そう」
「お前らは存在してはいけない生き物ハメ」
「待て! 番組名だけで死刑判決を下すな!!」
しかし、判決はすでに下された。
二審はあり得ない。この裁判に、控訴など存在しないのだ。
そして当然、執行猶予も存在しない。
死刑判決が出たのなら、即日執行。冤罪などは考えない。
今ここに、司法は骸と化した。
「パクリ死すべし、慈悲はない!」
という訳で、先手必勝! 問答無用! 著作権への敬意を拳に込めて、パイ☆ズリーシャ、床を蹴るゥ!!
速い速い速い! そのスピードは留まることを知りません!! その速度は多分第三宇宙速度すらも超えて、光速の域にあることでしょう! 多分!!
縮まる距離! 消える間合い! もはや近づいたというより、気が付いたらそこに居たといった感じ!
知らんけど!
「死ねェ!!!」
「グボァッ!?」
右ストレートォォォォォ!!!
クリーンヒット!
アクメン・ラーの顔面、陥没ッ!!
陥没乳首さながらの陥没加減です!
おおっとこれは痛い! いや、痛いで済むのか!? 顔とは本来、拳を収納するためのスペースではありません!!
そして飛ぶ!
人が! 飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで! 回って回って回って回るゥ!
鳥人間コンテストに出場すれば優勝間違いなしの良い飛びっぷりですね。
これにより! 100ポインッの先制得点を獲得です!
セット一つ! 二つ!! 三つ!!! そしておまけに四つ目も巻き込んで壁に激突!! フゥ↑↑
大道具さん!! 今までお疲れッしたァ!
「…………」
崩れた大道具の山から、寂しげに一本だけ覗く腕!!
これは⋯⋯やったか!?
「終わったハメね」
「呆気なかったわね。尺余っちゃったじゃない」
「余った尺で謝罪会見でもするハメ?」
「何の?」
「心当たりが多すぎて特定できねーハメか」
おっとここで試合終了後の雑談タイム!
勝者、すでに敵への興味を失っております。
まぁそれも仕方がないでしょう。あそこまでなんかありそうな雰囲気を漂わせておいて、ワンパンで終わったのですから。
つまり逆ワン◯ンマンという事ですね!
じゃかぁしいわ! って事でね! HAHAHA!
「ん?」
おや? なにか動きがあったようですね。現場の私さん、リポートお願いしま~す。
はーい(裏声)えぇとですねぇ〜
はい、ありがとうございます。
という訳で、何故か生きておりました!
やはり、やったか! というのは生存フラグなんですねぇ。
「フ……フハハハハ……前が見ぇねェ……」
立ち上がったアクメン・ラー!
その顔面はさながら事故物件!
事故物件紹介サイトでこんな顔面見たことあるな〜といった感じです。あっ! それは画面に反射した私の顔か!
こりゃ失敬!
「残念だったな……その程度では、我を倒すことはできん!」
「あら。思ったより頑丈」
「顔、元に戻ってるハメね」
おおっとここで異変!
先ほど確かに崩壊していた顔が! 戻る! 戻る!! 戻ってゆく!!!
ぐにゃぐにゃむにむに、人体として大丈夫なのか非常に心配になる動きを見せながら、元通り!!
なるほど。つまり、彼は除霊師といったところですかな?
「なるほど。再生系?」
「フハハハ! その通り!」
「ボーナスステージじゃない。コンボ稼いでスコア上げるわよ!」
「ゲ、ゲーム脳……」
通常、ゲームのボーナスステージで凹ませるのは車、で・す・が!
ここは現実! 凹ませるのはすなわちアクメンダーという訳です!
エコですねぇ!
「ウッキィ!」
おっと。パイ☆ズリーシャ、待ちきれずに再突撃!
その姿はまるでエサに群がる猿そのもの!
とても人類とは思えません!
サル山にお帰り。
「ちょ、待──」
「オラァ!!」
パイ☆ズリーシャがぁ!!! 捕まえてぇぇ!!!
パイ☆ズリーシャがぁ! スタジオ端ぃぃっ!!!!
反撃読んでえぇっ!!! 腕捻るぅぅ!!
パイ☆ズリーシャがぁっ!!!! ⋯更に捻ってぇっ!!!
パイ☆ズリーシャがぁ引き抜いたぁぁーっ!!!!
「ギャアアアアアア!?」
おめでとうございます!
本日の戦利品、右腕一本!!
家畜のエサにいかがでしょうか!
え? 要らない? ⋯⋯捨てましょう!
捨てたァ!!
「さて。腕が無くなった感想は?」
「貴様ァ……!」
さあここで負け犬インタビュー!
負傷直後の選手へ容赦なくマイクを向けるスタイルです!
コンプラ? そんなの遵守してたら良い画は撮れませんよ? 遅れてますね。
おや? 肩口にご注〜目!!
蠢く! 肉が盛り上がる! 骨が伸びて、筋肉、血管、皮膚!! いや〜気持ち悪い!
人体3Dプリンターもびっくりの高速造形ですな!
アクメン・ラー! 新しい腕よ!
なおパン工場は関係ありませんので、あしからず。
これで人類の食料問題も解決間違いなしでしょう!
異物混入だろこんなん。
「えっ、キモ」
ええ! 全くの同意見! 賛同しかなくて、首がもげる勢いです!!
産道ではありませんよ?
「フハハハハ! 無駄だ無駄だ! 我にいかなる損傷を与えようとも──」
「ンッ、もう一本ッ!」
ぶちん。と一本。とりあえず生の勢いで引き抜きました。
世の居酒屋は血の海待ったなしですね!
「おまえなんなんだよッ!!!」
「…………フヘヘ」
⋯⋯おや!? パイ☆ズリーシャのようすが……!
BBBBBBBBBBBB
「なんかスイッチ入ったハメね?」
「これって、アソコも生えてくんのかしらね?」
「生えてくんじゃないハメ? 知らんけど」
「オモロ」
「嫌な方向に好奇心が向いたハメね」
間に合わなかったかぁ~。
最低な方向に興味が向いてしまったようです!
まぁ好奇心が人類の発展には不可欠でした。これも、いつか人類の為になるでしょう!
多分。恐らく。きっと。メイビー。
「ちょっとあんた。そこに這いつくばりなさい」
「グッ……この我が、そのようなことッ!」
「這いつくばれッてんでしょうが!!」
「グオッ!?」
顎へストレートォ!!
脳が震えるぅぅ!! 会心の一撃!
いくら肉体が再生しようとも、揺れた中身までは即座にどうにもならない!! はず。
医学監修はいませんが、多分そう!
「いくら再生するっつっても、脳揺れたらしばらく動けないでしょ」
本人も同じこと言ってるのでヨシ!
「よいしょっと」
「なにするハメ? なんか、とんでもなく良からぬことを企んでいる気がするハメ」
「なにって、そらアレよ」
わぁ可愛い!
シモがムラムラ⋯⋯もとい、ドキがムネムネします。
これは今回のエンドカードに決定です!
これをバックに提供スポンサー載せましょう!
バエますよ〜これは!
「キ☆ノ☆コ☆狩☆り」
「うわっ」
はい、解散。
私のムラムラを返していただきたい。
せっかくそそり勃った私のマイサンがシナシナですよ神。
それはそれとして、さァ始まりました秋の収穫祭!!
まだクソ暑いですが、暦の上では秋なのでね! キノコ狩りのお時間でございます。
引き抜く!
生える!
引き抜く!
生える!
引き抜く! 生える!
引き抜く! 生える!!
テンポいえ、チンポが上がってまいりました!
引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く引き抜く──!!
対するアクメン・ラーも負けてはいない!!
生える生える生える生える生える生える生える生える生える生える生える生える生える生える生える生える──!!
抜く!!
生える!!
抜く!!
生える!!
これは戦闘なのか!? いや、農業だ!
農家不足のこのご時世、こうして魔法少女が手ずから農業をして見せることにより、ちびっ子達への啓蒙活動が⋯⋯いや、無理あるなこれ。
ここはモザイク掛けません? ダメ? そうですか⋯⋯。
「ねえハメ鶏くん、見て見て~。キノコの山。なんつって」
「うわっ」
出ました渾身の一発ギャグ!
明◯に訴えられないと良いのですが⋯⋯。
「おまえ! いい加減にしろ!!」
「おっと、復活したか」
「貴様ァ……我を一体なんだと思って──」
「そんじゃ、おまけの心の臓抜き!」
「待っ──」
ズルリと心臓!
本来なら身体の内側にあるべき臓器が、まさかの屋外進出!
俺は体内に収まる器じゃねぇ! こんなとこ出ていって、BIGになるんだ!!! といった様相であります!
お! 今、心臓に残った血液がぴゅっと跳ねました!
その光景は、まるで私の言葉に応えたかのようであり、私の残尿のようでもありんした。
飛び散る血、残尿みたいで、綺麗だな。
本来は字余り。で・す・が! 今回は特別サービスでマイナス1文字で判定します!
なので、これは100点! 才能アリです!
「きちゃない!」
心外な! 私の残尿は綺麗な残尿であります!
訴訟。
「お前がやったハメ」
そしてパイ☆ズリーシャ被告!!
手にした心臓を地面へ叩きつけたァ!!
さらに!! 踏む! 踏む!! 踏む踏む踏む!!
残念ながら、BIGにはなれませんでしたね⋯⋯無残なるかな。
「お、おまえ……我に一体何の恨みが……」
「げぇまだ生きてる〜しつこ過ぎ。腕を引き抜いても、顔面陥没させても、心臓を抉り取ってもキリがない……まさか! ……鬼なのね!?」
「いい加減、◯滅引きずりすぎハメよ」
面白かったですよね、無限城編。
早く次やらないかな。
「フハハハ! 我が身体はアクメンダーの驚異の技術力による改造により、攻撃を受ける度に快楽物質が常人の3000倍発生する! そして、その快楽物質をエネルギーに変換! 身体の再生に回すことが出来るのだ! つまり、我は不死身!! 無敵なのだ!!!」
おっと、アクメン・ラー!
聞いてもいないのに突如能力解説を開始!
別に能力開示してもなにも起こらないと言うのに⋯⋯なにをトチ狂ってしまったのでしょうか?
これは、早急に介錯してあげるのが本人の為でしょうね。
では、実況に戻りましょう。
攻撃を受ける! 気持ちいい! エネルギーになる! 治る!
なんという永久機関! ノーベル賞は彼のものです!
熱力学第二法則? マクスウェル? なんか知らないけど、全員抱いたぜ。ということでしょう! キャー素敵! 抱いて!
そして常人の三千倍! いったい何を基準に測ったのか!
治験? もちろんしてない!
被験者? もちろん人間で!
倫理審査? なにそれおいしいの?
うーん真っ黒。でも、悪の組織なのでそんなもんでしょう!
「ご丁寧に長ったらしい説明ありがとう! でも今ので負けフラグが立ったわよ!」
敵が自分から能力を全部説明する!
古来より幾多の強敵が踏み抜いてきた、由緒正しき敗北フラグであります!
お労しぃ〜!
「ふん! ほざけ雑魚が!」
「それに、最近映画で不死身の攻略法は履修済みなのよね」
「ち◯かわハメか?」
履修済み! しかも、映画館で!
ポップコーン片手に学んだ不死者対策が今! 実戦投入されようとしております!
ちなみに、私はキャラメル味が好きです。
映画館に行ったら、コーラとキャラメルポップコーンはマストですね。外せません。
「あんたの敗因は1つよ。それは──」
出た! 勝利宣言!
指を突きつける主人公!
ここから名推理が飛び出すのか!?
もしくは私のデータにない新必殺技か!?
活目せよ!!!
「再生以外の特殊能力が特に無さそうなことよ!!!」
うーんしょっぱい。
π π
「はい、という訳で、始まりました! 『パイ☆ズリーシャの〜三分クッキング』!!! わ〜パチパチ……ほら、局員共。助けてやったんだからもっと盛り上げなさいよ」
突如として始まった料理番組に、局員たちは誰一人として拍手を送らなかった。
当然である。
つい先ほどまで自分たちを人質に取っていた悪の幹部は倒されたものの、今度は返り血まみれの魔法少女がスタジオを占拠している。
状況が好転したのかと問われれば、判断に困るところなのだから。むしろ、もっとヤベーやつ奴に占拠されたので、大いに悪化していると言っても良い。
「では、今回の食材は〜こちら!!! 敗北フラグを立てて、無様に首だけになってしまった
パイ☆ズリーシャが両手で掲げたのは、アクメン・ラーの生首。
首だけになってもなお、その目は動き、顔には確かな意思が残されている。
新鮮である。
取れたてである。
食材として適切かどうかは、こちらの関知する所ではない。
「止めろ! 我になにをする気だ! もう決着はついただろう!?」
「なに言ってるの? まだ生きてるじゃない」
パイ☆ズリーシャは、心底不思議そうに首を傾げた。
彼女の中に「戦闘不能」という概念は存在しない。
生きているか、死んでいるか。
それだけである。
「止めてくれ……頼む……」
「やーだ☆ で、用意する調理道具はこれ!」
パイ☆ズリーシャが、満面の笑みで両腕を広げた。
「生コンクリート〜」
主に死体の遺棄に使用され、稀に建材として使われる物質。それが生コンである。
もちろん、それは魔法少女の常識だ。つまり、奴らは狂ってる。
「で、これをドラム缶にドバドバ〜と」
楽しげな鼻歌交じりに、準備を進めていく。
その様子だけを見れば、休日に親子で菓子でも作っているような微笑ましさがあった。
材料について考えなければ。
「そして、この生首をボチャンと投入!」
「やめろォォォォォ!!」
アクメン・ラーの悲鳴がスタジオへ響き渡る。
しかし、料理人は止まらない。
「これが、不死身の敵の攻略法! すなわち、『ずっと狭くて暗いとこ』作戦よ!」
びしり、とパイ☆ズリーシャがカメラへ指を突きつける。
なお、いつの間にカメラを回し始めたのかは誰も知らない。
「ヤクザ系も混ざってたハメね」
「細かいことはいいのよ」
複数作品から学んだ知識が、彼女の中で悪魔合体を遂げた結果が、これである。
残念ながら、それらの作品で良識だとか倫理観だとかは学べなかったらしい。
「あとは、これを海に棄てにいけば、料理完成ね!!!」
ぱん、とパイ☆ズリーシャが両手を合わせた。
「3分以上かかってるハメ」
「バカね。私が三分と言えば三分なのよ」
「そうハメか」
こうして『パイ☆ズリーシャの〜三分クッキング』は、無事に終了したのであった。
夕陽が沈む港で、ドラム缶を片手に佇む竜宮城の乙姫も嫉妬する程の絶世の美少女は誰でしょう? そう、私です。
「アホなモノローグやってないで、沈めるもん沈めたらさっさと帰るハメ」
「あら、風情が無いのね。せっかくのラストシーンなのに」
「いいからさっさとやるハメ。ボクには、早く帰って出会い厨を一本釣りする使命があるハメよ」
「⋯⋯あんた、私のX垢で好き勝手すんの止めてくれない?」
「あっ⋯⋯ほら、アキラ。お待ちかねの番組がやってたハメよ」
「なんだよハメ鶏くん。俺には、円交オヂを釣って遊ぶという重大な使命が⋯⋯」
『かくして、偉大なる魔法少女。パイ☆ズリーシャ様によって、世界の平和は守られているのである! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! パイ☆ズリーシャ様万歳!!』
「ナニコレ」
「キミの待ち望んでいた、パイ☆ズリーシャのプロパガンダ放送ハメ」
「今すぐ局にクレーム入れるぞ」
「「次回予告のコーナー
「さて、唐突ハメが、メタネタは最初のうちは面白い反面、あまり続けすぎると読者が逃げていく諸刃の剣ハメ。という訳で、しばらくメタはお預けハメ」
「よくそんな秒で矛盾してる事言えるわね」
「ここは次回予告コーナーだからノーカンハメ」
「ガバガバね。老人のアナルくらいガバガバ」
「唐突に下ネタ挟むの止めるハメ。心の準備が出来てないから心停止するハメよ」
「しょうがないでしょ。この作品、メタを抜いたら残るのは下品な下ネタとしょうもないパロディのような何かくらいよ?」
「無残ハメね」
「「次回、『胎動する悪』次回も、
「ところで、胎動って言葉、なんか響きエロくない?」
「中学生の感性ハメな」
※番組の内容は予告なく変更される可能性があります。