では、どうぞ!
「ここなんかいいんじゃない?」
病院のベッドに横たわる母さんが指をさしたのは、母さんの手元にある、家に届いていたものを持ってきたいくつかの高校のパンフレットの一つ、それには大きな文字で
『国立音ノ木坂学院』
と書かれており、背景に年季の入った校舎が描かれている
「え?でも、ここ女子校だよ?」
と率直な疑問を投げかけてみる。それと同時に、何故これが家に届いていたのかという疑問が頭に浮かんできた。
だが、その2つの疑問は次の母の言葉によって解決された。
「ここ、今年から共学へのテスト生を1人募集してるみたい、しかも、歴史があって行事も盛んだし、偏差値も蓮斗にあってるし、編入テスト受けてみれば?」
「学校か…」
俺は学校という場所にトラウマがある。
あの、何を考えているか分からない、疑心暗鬼になる雰囲気、人の視線、仮面を被った様子…
だが、それだけがトラウマの要因じゃない…
ーーーやめてくれ…やめてくれ!!
ーーーうあぁ!
駄目だ、思い出したら手が震えだしてきた。
駄目だ、学校には行けない。また、あんな事になったら…もう迷惑掛けるわけにはいかない、絶対に…あんな事は…
「駄目だよ、やっぱり母さん俺、学校には行けない…」
「まだ、分からないでしょ?」
「でも今だって、母さんは俺のせいで‼︎」
「何を言ってるの?蓮斗は悪くない、あんな事にはもう絶対にさせないから、子は親に遠慮しない。我が家の家訓でしょ?」
震えていた手を、包帯が巻かれた母さんの手が握った。
「大丈夫。前へ踏み出しなさい」
俺の目を見て言った母さんの言葉は、不思議と説得力があった。
「ありがとう…母さん…」
目から涙が溢れそうなのを必死で我慢し、言葉を放った。
病院からの帰り道、そして、自宅にたどり着くまで、引っかかっていたことがあった。
二階の自分の部屋に入り、ベッドに腰掛け、一息つく。
そして、すっかり忘れていたのだ…
これから、編入テストを受けようとしている所が『女子校』だということを…
「やばいな…」
学校の事に頭が回っていて、女子校だという事をすっかりスルーしてしまっていた…
女子との接し方は、中学で色んな女子と話していたため、大丈夫だろう。一部では、女たらしと言われたが…
でも、流石に校内に男子1人はマズイだろう…
だが、母さんはそれを見越して…
「ふふ、子のことは何でも分かるってか。」
自分は、本当にいい親を持った。
本当に迷惑かけてばっかだな…
昨日の夜、編入テストについて連絡をしたところ、ちょうど、明日の午前中に筆記試験と面接を行なうという事だったため、今日音ノ木坂学園に向かうことになった。
「ここが、音ノ木坂学院…」
パンフレットで見た通り、年季の入った校舎で、正に伝統というものを感じさせ、今時珍しい古風な雰囲気も感じさせられた。
「そろそろ、時間か…」
腕時計を見ると、時計の短針と長針が10へと差し掛かっていた。約束の時間は10時なので、そろそろ校舎へ入らないといけなかった。
そして、俺は音の木坂学院へ足を踏み入れた。
今思えば、この時から、もう物語は始まっていたのかもしれない、9人の女神達と俺、柏崎蓮斗の物語が…
初投稿でしたが…どうでしたか?
今回はプロローグのため、あえて短くしました‼︎
至らぬ点もありますが、頑張りますので、よろしくお願いします。次回は、あの人が登場‼︎