説明が長いですが、どうぞ、お付き合いお願いします。
昇降口から、持参していた上履きに履き替え、持ってきた出願書を受け付けの人に渡し、校内に入ると、本当に誰もいないと感じるほど、静寂が校内を支配していた。
事前に言われていた教室を、案内版にそって探したが、校内がとてつもなく広く、迷子になりかけながら、やっと教室にたどり着いた。
『ガラガラガラ』
俺が扉を開けて入ると、もう、他のテスト受験者が席に座り待機していた。教室内も沈黙が支配しており、異様な雰囲気を醸し出していた。
鞄から筆記用具を出し、黒板に書いてある座席表通りの席に座った。丁度、その席は自分のお気に入りの席で、一番前列の左端、窓側だった。
受験者は、自分の他に7、8人おり、俺が最後にきたようだった。
『ガラガラガラ』
少し待機した後、若い女の先生がテストが入っていると思う、封筒を持ってきた。
その後、テストについての説明を受け、筆記試験が始まった。
問題は思っていたより、簡単で、結構しっかりと解けた。
全ての教科の試験が終わった後、先生から教室での待機を伝えられた。これから、理事長直々による面接が始まるらしい。
教室から、人が俺以外誰もいなくなり、自分が最後の番みたいだ。さっきの先生が俺の名前を呼び、面接場所前まで連れて行ってくれた。
面接場所は、『理事長室』とかかれており、明らかに他の部屋とは違う雰囲気が放たれていた。
「それでは、私はこれで。」
案内してくれた先生は、俺に微笑みを浮かべながら、颯爽とこの場を離れていった。
「ふーー」
静かに深呼吸をし、心を落ち着かせる。いつも、こういう事には慣れない。
『前へ踏み出しなさい。』
母さんの言葉を思い出し、手に力を入れしっかりとノックをした。
「どうぞ〜」
ドアノブを握りしめゆっくりと捻り、ドアを開けた。
「失礼しますーー」
目の前に飛び込んできたのは、窓からの明るい日差しと、麒麟とした表情と、優しめの目を浮かべながら、しっかりとした眼差しでこちらを見る、女性の理事長の姿だった。
「柏崎蓮斗君ね、どうぞお掛けください」
思わず棒立ちになってしまっていた体をゆっくりと動かし、理事長の席の前にある、パイプ椅子に腰掛ける。
「早速ですけど、我が校の共学化へのテスト生に志望した理由は?」
質問をいきなり振られ、頭が混乱する。そうだ、全く考えてなかった…こうなったら、頭に浮かんだ単語をなんとか繋げるしかない。
「…前の学校で色々ありまして…急いで編入先を探していた所、母に勧められて、ここなら昔のトラウマが気にならないと思い、志望しました…」
多少声が震えながらも、何とか言い切る。
「なるほど…」
理事長はそう言い、静かに立ち上がり窓から、外を見つめはじめた。
「あなたがもし、テスト生として編入した場合、あなたには、共学に向けての具体的な意見、感想などを私たちに伝え、それを聞いて、私たちは共学へ向けての学校改革を進めていきます。つまり、あなたが学校改革えの架け橋となるという事です。その覚悟、責任があなたには有りますか?」
俺はその言葉を聞いて身体が固まった。
俺に、学校改革の責任が負えるのだろうか、あんな事をした俺に…家族すらの責任も負えない俺に…
やはり、俺には無理だったようだ。こんなに責任重大な役目到底俺には…
「ごめんなさい、僕にはそんな覚悟、責任なんてありません…こんな半端な気持ちで、テストを受けてすいませんでした…」
俺は立ち上がり、一礼した後、扉へと急いで歩いた、だが…
「待って」
「え?…」
俺は体が硬直し、足が止まった。
「合格よ」
「はい?」
え?今なんて言った?
思わず、体を振り返らせ、確認の意味を込めて理事長を見る。
理事長の表情は、まるで女神のような微笑みを浮かべていた。
「ごめんなさい、今の話は嘘よ」
「えっ、えー⁉︎」
騙された、完全に…いやそれより、何故理事長はそんな真似を…
「でも、何故理事長は…」
「私のさっきの質問を、あなた以外の受験者にもしたの。でも、みんな、『ハイ、できてます!』と、答えたの。でも、目は嘘をついていた。そんな人にはテスト生は任せられない。だから、正直にできない、と言ってくれる人を探していたの。それが、あなた。」
そうだったのか…理事長は最初から、俺を試していたという事か…
ん?、ちょっと待て、さっき、合格って…
「ようこそ、国立音ノ木坂学院へ、柏崎蓮斗君。」
俺って、入学決定⁉︎
2話目の投稿でしたが、どうでしょうか?
理事長の性格が掴みづらくて…それは、ごめんなさい。
さて、次の回はついに音ノ木学院へ!