ロックマンゼクス&はぴねす!2〜激闘!超次元戦争〜   作:騎士誠一郎

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第8話 突入! ワイリー城!

**【瑞穂坂上空・要塞ワイリー・キャッスル外壁】**

ゴォォォォォォォッ!!

重力を歪める不吉な赤黒い放電が、要塞の至るところから牙を剥く。

東西南北の四大中継タワーを失い、バリアの七割を粉砕された『ワイリー・キャッスル』。だがその巨体は、生き物のように禍々しいナノマシンを脈動させ、瑞穂坂の街全体を巻き込む次元消滅のカウントダウンを刻み続けていた。

「全機、突入口を開けろ! 雄真たちを通すんだ!!」

クラウドを切り裂いて急降下してきたのは、フォックス・マクラウド率いるスターフォックス隊のアーウィン編隊であった!

「任せとけってなぁ! チャージショット、連射ァァァッ!」

ファルコのアーウィンが鋭い横ロールを打ちながら、要塞の分厚い防衛装甲へ高出力プラズマを叩き込む!

「テレパシーで捉えたわ! 第3機関部の防衛砲台、全滅!」

クリスタルの機体が鮮やかに旋回し、誘導レーザーで敵ドローン群を掃討。スリッピーの正確な後方支援と、グレートフォックスの主砲による牽制射撃が相まって、要塞外壁の重装甲隔壁は瞬く間に粉砕されていく!

「すごい……! これが、異世界の遊撃隊の力……!」

グレートフォックスのドロップ・コンテナから跳び出た神楽雄真(かぐら ゆうま)は、モデルXとモデルZを融合させた『モデルZX』を全身に纏い、その圧巻の空戦能力に目を見張った。

「感心している暇はないぞ、雄真! 前方、中央ドームへのバイパスが開いた!」

胸元のモデルZが叫ぶ!

「了解! 杏里! すもも! 小雪さん! 春姫! 行くぞッ!」

「「「「おーっ!!!』」」」

黄金の炎を纏う杏里(モデルF)、紫影を走らせるすもも(モデルP)、清冽な氷刃を掲げる小雪(モデルL)、そして翡翠の疾風を駆る春姫(モデルH)。四大タワーを破り、極限の覚醒を果たした四人の適合者たちが、雄真の背を追って破滅の城閣へと躍り出た!

 

**【ワイリー・キャッスル内部・中央回廊】**

ドカァァァン! バリバリバリッ!

要塞内部は、旧イザナミのナノマシン兵器とワイリーの自動防衛ロボットがひしめく死の迷宮であった。だが、スターフォックス隊が外壁の主エネルギー線を叩いてくれたおかげで、基地内部のセキュリティは著しいノイズと機能不全を起こしていた。

「邪魔よぉぉぉっ! 『プロミネンス・ナックル』!!」

杏里が解き放つ黄金の火柱が、迫り来る警備ロボットの群れを内部から一瞬で蒸着・爆砕する!

「影に潜む余地すらないわ! 『クロス・ファントム』!」

すももの投擲する光の手裏剣が、暗闇から迫るトラップ群を寸分の狂いもなく切断。

「水流よ、凍てつきなさい! 『ギガ・フリーズ』!」

「風の刃よ、道を拓いて! 『プラズマ・ソニック』!」

小雪と春姫のタッグ攻撃が、通路を塞ぐ自動隔壁と増殖ナノマシンを完璧に氷解・両断していく!

「みんな……本当に強くなった……!」

雄真は走る。

モデルZXがバスターモードで構え、迫り来るワイリーナンバーズの残党メカを的確なチャージショットで打ち抜きながら、一直線に要塞最深部——時空消滅炉の鎮座する『玉座の間』へと突き進む。

その傍らには、青き光の軌跡を描いて走る英雄——**ロックマン**と、赤き流星となって追従する**ブルース**の姿があった。

「雄真! この反応……最深部の次元消滅炉は限界まで出力を上げられている! ワイリーの狙いは、この要塞ごと地球と僕たちの世界を時空の塵にすることだ!」

ロックマンの澄んだ瞳に、強い悲壮感が宿る。

「させるかよ……! ここまで繋いできたみんなのバトンを、そんな狂気で消されてたまるか!!」

雄真が叫び、最深部の巨大なスカル・エントランスの扉を蹴り破った、その時であった。

 

**【要塞最深部・時空消滅炉『玉座の間』】**

ズズズズズズズズズズ重重重重……ッ!!

広大な球状空間の中央。禍々しい赤黒いプラズマの渦を巻き上げる巨大な炉の前に、その「絶対的な悪夢」は佇んでいた。

「……遅かったな、ロックマン。そして……異世界の泥鼠ども」

低く、地獄の底から響くような漆黒の殺気。

腕を組み、冷ややかに一行を見下ろしていたのは、ワイリーが誇る最強の黒きライバル——**フォルテ**であった。その足元には、牙を剥き出しにして唸るサポートメカ——**ゴスペル**が侍っている。

「フォルテ……! ワイリーの野望はもう終わりだ! 四大タワーは全て破壊された! すぐに次元消滅炉を止めろ!」

ロックマンがロックバスターを構えて叫ぶ。

しかし、フォルテは口元を歪め、蔑むような嘲笑を浮かべた。

「ワイリーの野望など、どうでもいい。……俺の望みはただ一つ。ロックマン……お前を、この手で完全に叩き潰すことだけだ」

「フォルテ……!?」

「見せてやる……ワイリーが俺に授けた、真の究極形態をな! 奴の遺した高濃度ナノエルフと……ゴスペルの全エネルギーを……融合する!!」

フォルテが咆哮すると同時に、ゴスペルが漆黒のエネルギー体へと姿を変え、フォルテの巨体へと吸い込まれていった!

**「フォルテ・ゴスペル・シビル・チェンジ……スーパーフォルテぇぇぇっ!!」**

ドガアァァァァァァァン!!!!!

爆発する漆黒のプラズマノイズ!

フォルテの背中に巨大な翼が打ち開かれ、その両腕は漆黒の超高出力バスターへと変貌! 全身から発せられる黒き衝撃波だけで、玉座の間の金属床がドロドロとガラス状に溶け落ちていく!

「な……なにこのプレッシャーは……!? 身体が……威圧感で動かない……!?」

杏里とすももが息をのんで息を詰まらせる。モデルFとモデルPの装甲が、激しい過負荷のノイズを上げて軋む!

「ハハハハハ! これが超絶の力! スーパーフォルテの力だぁぁぁっ! 散れ、雑魚どもがぁぁぁっ!!」

スーパーフォルテが右腕を掲げ、極大の漆黒波『バスター・コンバイナー』を解き放つ! 玉座の間全体を呑み込む、絶対的な破壊の光芒!

 

「みんな、下がるんだぁぁぁっ!!」

直後、その漆黒の光芒の真前へと躍り出たのは——青き英雄、ロックマンであった!

「ラッシュ! 僕に力を……僕たちの絆を貸してくれ!!」

『ワンッ!!』

赤いジェットメカ——サポート犬の**ラッシュ**が光の粒子となって分解され、ロックマンの全身へとしなやかに装着されていく!

背部に展開する二条の可変ジェットスラスター! 両腕を覆う重厚なアタッチメント装甲!

**「スーパーロックマン……装着っ!!」**

ズバアァァァァァンッ!!

赤き光の翼を広げたスーパーロックマンが、超高速で飛翔! スーパーフォルテのバスター・コンバイナーを、右拳の「スーパー・ロケットバスター」で正面から真っ二つに撃ち破った!

ドカァァァァァン!!

「なにぃぃぃっ!?」

スーパーフォルテの目が怒りに染まる。

「ロックマン……! お前もその形態を引っぱり出してきたか……! 面白い……! どちらが最強のロボットか、ここで決着をつけようじゃないかぁぁぁっ!!」

「フォルテ……! 僕は君と戦いたくはない! でも……世界を、みんなの未来を護るためなら……僕は君を撃ち破る!!」

**ガギィィィィィィンッ!!**

空中での超高速激突!

赤き光の翼を羽ばたかせるスーパーロックマンと、漆黒の悪魔の翼を舞わせるスーパーフォルテ。

二大巨星が放つ超高熱のプラズマとロケットパンチが交錯し、玉座の間全体を激しい衝撃波が揺るがしていく!

「ロックマン……!」

雄真はモデルZXのセイバーを握りしめ、二人の死闘を見上げた。

「雄真! フォルテはロックマンに任せろ!」

ブルースがシールドを構え、最深部の奥……『次元消滅炉』のメインコンソールを指し示した。

「あの炉の内部で……ワイリーが最終起動スイッチを入れようとしている! 俺たちの目的は、あの時空消滅炉の完全停止だ!」

「……了解だ、ブルース! みんな、行くぞ! ロックマンが創ってくれたこの機を逃すな!!」

スーパーロックマンとスーパーフォルテが爆炎の中で激しく相打つ背後を抜け、雄真、ブルース、そして四人の適合者たちは、世界を消滅させんとする悪の元元——ワイリー老人の待つ最果ての玉座へと一直線に雪崩れ込んだ!

激化する次元の歪み。砕け散る要塞の残骸。

全次元の命運を賭けた最終決戦の火蓋が、いま完全に切り落とされたのである——!

 

**【要塞最深部・時空消滅炉『コア・チェンバー』】**

スーパーロックマンとスーパーフォルテによる超絶の死闘が激震させる『玉座の間』を抜け、神楽雄真(かぎら ゆうま)たちは、ついに要塞の心臓部——時空消滅炉『コア・チェンバー』へと足を踏み入れようとしていた。

広大な円形ドーム空間。その中央に鎮座するのは、瑞穂坂の街どころか、時空の裂け目を通じて地球全体を赤黒い虚無へ呑み込もうとする過酷な暗黒物質(ダークマター)の奔流であった。

そして、その奔流の中心、高くそびえる高圧プラズマのステージの上に、その男はいた。

白髪を逆立て、白衣の裾を揺らしながら、狂気と愉悦に満ちた高笑いを上げる老科学者——**Dr.ワイリー**である。

「フォッフォッフォッ! 来たな、泥鼠ども! 四大タワーを破壊し、ワシのバリアを打ち破れば勝てるとでも思ったか! 愚かめ! 全ては……この時空消滅炉を完全稼働させるための計算通りよ!」

「ワイリー……ッ!!」

ブルースがシールドを強く構え、そのバイザー越しに冷徹な殺気を放つ。

「異次元のナノマシンとマザーエルフの残光を悪用し、この世界まで消し去ろうとするとは……どこまで狂えば気が済むんだ!」

「狂気だと? 違うな、これは『進化』だ!」

ワイリーが腕を大きく広げると、周囲のコンソールから不気味な黒い蒸気が噴き出し、ドーム天井から巨大な影が降臨した。

**ガコォォォォンッ!! ズゥゥゥゥゥンッ!!**

重低音が空間全体を揺らす。

現れたのは、巨大な骸骨(スカル)を模した胸部装甲に、無数の異次元兵器を合体させたワイリーの最終決戦兵器——**『ワイリーマシンXX号』**であった!

その装甲表面には、旧イザナミのナノマシンとマザーエルフの奪われたエネルギーが網の目のように這い回り、紫と赤の禍々しい閃光を交互に放っている。

「ヒハハハハ! この『ワイリーマシンXX号』こそ、過去・現在・未来の全てのワイリーメカの頂点に立つ至高の神だ! これでワシは、この世界の歴史を塗り替え、ワシだけの絶対帝国を築くのだぁぁぁッ!」

「ワイリーマシンXX号……! なんて凶悪なプレッシャー……!」

小雪がモデルLの氷刃を握り直すが、その強烈な威圧感に一歩後退りを余儀なくされる。杏里やすもも、春姫もあまりの巨躯と禍々しいエネルギー反応に言葉を失う。

「ハッハッハ! 恐怖に慄くがよい! お前たちの絆も、モデルZXの力も、このXX号の前にはゴミ屑と同義——」

ワイリーがコクピットから高らかに見下ろし、全武装のロックオン・シークエンスを起動させようとした、まさにその時であった。

 

「へいへいへーい! そこまで大口叩いといて何だけどさぁ、ジジイ!」

**ひょっこり。**

なんと、ワイリーマシンXX号の巨大な左肩のツノの上に、身軽な動作で腰掛け、優雅にポテトチップス(の幻影)を食べる真似をしている一人の男の姿があった。

その身に纏うのは、あらゆる対象へと姿を変える変幻自在の装甲——**『モデルA(』**!

先に単身でワイリー城へ潜入を果たしていた適合者——**高溝八輔**であった!

「……ぬ!? 誰だお前はぁぁぁッ!?」

ワイリーが目を見開き、コクピットの窓から身を乗り出す。

雄真たちも驚愕の声を上げた。

「ハチ……ッ!? いつからそこに!?」

「やあやあ雄真! みんな! お遅くなってごめんね〜! 四大タワーを壊すのに夢中になってる間、俺様は一足お先に城の最深部を観光させてもらってたのさ!」

八輔はヘルメットのバイザーをカシャリと上げると、ニヒッと軽薄な笑みを浮かべてワイリーマシンXX号の頭部をポンポンと足で叩いた。

「いや〜しかしさぁ、ワイリーのジジイ。お前、天才天才って威張ってる割には、センスが古臭くねぇか?」

「な……何だと……!? ワシのセンスが……古臭い……!?」

ワイリーの額に青筋が浮かび上がる。

「だってそうだろ? 骨だぜ? スカルだぜ? 昭和の悪役じゃあるまいし、令和のこの時代にそのデカいドクロマークはイタすぎるだろ! それにその『XX号』って名前も何だよ! 安直すぎ! 俺様が名前つけてやろうか? 『未練タラタラ・ジジイのドクロ戦車』でどうだ!?」

「が、ガハッ……! ぬううううっ……!!」

八輔の容赦のない軽口と煽りテクニックに、ワイリーの顔が赤から紫へと激変していく!

『ふふ、相変わらずいい度胸をしているな、八輔』

胸元のモデルAがクスクスと笑う。

『ワイリー、お前のそのマシン……確かにエネルギー出力だけは凄まじいが、異次元のナノマシンを無理やり組み込んだおかげで、背部の中継回路に重大な『ノイズ』が走っているぞ。変身のスペシャリストであるこのモデルAの目を誤魔化せると思うなよ?』

「く……くそがあぁぁぁっ! 異世界の若造が調子に乗りおってぇぇぇっ! 潰せ! 握り潰してしまえぇぇぇッ!!」

ワイリーの怒りが頂点に達し、ワイリーマシンXX号のアームが地鳴りを立てて八輔へと振り下ろされた!

 

**ズバァァァンッ!!**

巨大な鋼鉄の拳がXX号の左肩を砕くが、八輔は既に空中へと高く跳び出していた!

「ハハッ! 引っかかったな、怒りんぼジジイ! トランスオン——『モデルA・スチール・フォーム』!」

**シュババババッ!**

空中で八輔の身体が光に包まれ、直前に撃破したはずのワイリーナンバーズの装甲と能力を瞬時にコピー・変形してみせる!

「な……何ぃぃぃっ! ワシのロボットのデータをコピーしただと!?」

八輔は空中から高出力のレーザーをワイリーマシンのセンサー類へピンポイントで照射! 精密な照準システムを撹乱し、ワイリーの攻撃ラインを完全に狂わせていく!

「雄真! 今だッ!」

空中で反転しながら、八輔が叫ぶ!

「このジジイ、頭に血が上りすぎて足元の防御がガラ空きだ! マザーエルフのエネルギーが集中的に流れ込んでいる背中の『赤外線冷却ノズル』を叩け!」

「八輔……ナイス煽りだ!!」

雄真の瞳に、鮮烈な希望の光が宿る!

モデルZXのツインバスターに、モデルXの純粋なプラズマと、モデルZの熱きセイバーのエネルギーが極限までチャージされていく!

「みんな! 八輔が創ってくれたスキを逃すな! 集中砲火でワイリーマシンの冷却ノズルをぶち抜くぞ!」

「「「「了解っ!!!!』」」」

杏里のプロミネンス・フレイム、すももの闇討ち手裏剣、小雪の氷結槍、春姫の真空波、そしてブルースのチャージショットが、八輔の誘導によって一斉にワイリーマシンXX号の背部冷却ノズルへと向かって放たれた!

「な、なんじゃとぉぉぉっ! ワシのXX号の弱点が……全弾直撃だとぉぉぉっ!?」

**ドドドドドカァァァァァンッ!!!!**

### 第8幕:決戦の終曲(クライマックス)へ——引き出された運命

**バリバリバリバリッ!! ドカンッ! ボカンッ!!**

背部冷却ノズルを粉砕されたワイリーマシンXX号が、過熱したナノマシンの逆流を起こして激しく横揺れを起こす!

「ぬおおおおっ! ええい、うっとうしいノミどもめがぁぁっ! だが、時空消滅炉のカウントダウンは止まらん! あと数分で……この要塞もろとも、お前たちも世界も消滅するのだぁぁぁっ!」

ワイリーマシンXX号が狂乱の暴走モードに突入し、ドーム全体に無差別の時空破壊光線を撒き散らし始める!

だが——雄真たちの表情に、もはや恐れはなかった。

玉座の間から響いてくる、スーパーロックマンとスーパーフォルテの死闘の咆哮。

上空で要塞の防衛陣を食い止め続けているスターフォックスの爆音。

そして、この最深部に集った五人の適合者とブルース、モデルAの八輔。

「ワイリー……! お前の思い通りには絶対させない!」

雄真はモデルZXの光の刃を構え、赤黒く渦巻く時空消滅炉のコア、そして咆哮するワイリーマシンXX号を見据えた。

「みんなの想い……マザーエルフの祈り……そして、この世界と異次元の絆にかけて……俺たちが、お前の悪夢を完全に終わらせる!!」

時空の歪みが極限に達し、光と闇が激しく交錯する瑞穂坂の最深部。

全次元の未来をかけた最後の激突が、いまクライマックスを迎える——!

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