エイリアンは睡蓮鉢でたゆたう   作:照喜名 是空

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構想

 話し合った結果は結局再確認だった。

 節度を持ってしようとか。

 同胞がほかにもいるのはわかったから、騒ぎを起こす前にこっちの用意をしたほうがいいね、とか。

 

 しかし、準備はそれから一月ほどかかった。

 ソーラーを取り付けたり、恵比寿が川に魚とり用の罠を設置したり。

 中でも大変だったのは畑の整備だった。

 

 畑に埋まった岩や木の根っこを掘り出してそれらしい形に整えるのがもう大変で。

 もののついでで雑草やいらない樹木を伐採したり……ほっとくと森に返っちゃうからね。

 

「いよいよだね。これで社長とスポンサーが苗を持ってきてくれれば畑ができる」

「しかしなんで社長が自ら持ってくるんでしょうね?」

「遺伝子改良作物はそれ自体が企業秘密の塊だからよ。とくに苗はね。あと道明寺さんは暇だからよ」

 

 そういえばビジネスしつつも基本は不労所得だったなあの人。

 か~!資本主義だね!まあ感謝しなきゃいけない立場ではあるんだけど。

 

「お~!えらいド田舎まで来たんやね。ここなら安心やわ」

 

 道明寺さんの高そうなランドクルーザーと千歳社長の2トン平車トラックが村に来る。

 

「とりあえず不便だろうから食料含めて日用品も持ってきたよ。あと、スペシャルゲストがいるんだ」

 

 あっ、この感じは。

 

「ひょっとして私たちと同じ……?」

「ああやっぱりわかるものなんだね。そうだよ、どうぞ清水さん!」

 

 二トン車から降りてきたのはチビだが筋肉質のお姉さんだった。

 なんか服装がポロシャツにジーパンでおじさんぽいな。

 

「清水カナメだ。カナメでいいよ。とりあえず情報交換といこうか。このほうが早いだろ俺ら」

「ああ、よろしく頼む」

 

 カナメが握手を求めてきて私もそれに応じる。

 うおっ、この人の場合は工具棚か。どれどれ……

 この人、昼は男の姿で現場仕事して夜は女の姿で男をひっかけて効率的に子孫を増やしてるよ!

 それで自力で建設会社を子供たちと……?

 ものすごい現実主義者だな。現場で拾われたのか。

 

「……なるほどな、あんたは研究者に、俺は現場でか。いいんじゃねえの?」

「あっ、私もやっていいすか?」

 

 恵比寿がカナメに握手を求める。

 

「で、こっちは漁師か。ふぅん……あとはまあ自分でガキどもに共有してくれ」

 

 同胞同士で会話すると共有のおかげでめちゃくちゃ話が早い!

 これも留意すべきことだな。

 

「ああ、それで君は一枚噛みたいと。現場の人がいてくれるのはありがたいね」

「お前のやりたいことはわかるよ。俺もこういうの誰かやってくんねえかなって思ってた。ほんでお前もこういう集団必要だっただろ。隠し事がいらねえ建設会社がな」

 

 しかしどうやって私たちを……

 あっ、伝田さんか!やっぱり噂になってるじゃないか~!

 くそっ、私の自業自得だな。

 うわさを聞きつけてそこからアニマフィリアまで金の流れを追ったのか!

 カナメさんめちゃくちゃ有能じゃないか?

 

「わかった、助かるよ。対価はこちらが仕事を依頼することとここの使用権だよね。当たり前だけど」

「ああうん、そうだよ。まあ中で話そうや。それ含めていろいろあったんだよ」

 

 そういえば山の中で涼しいけど立ち話もなんだしね。

 

 ■

 

「発想はそっちの水乃星さんと同じだったんだよ。とにかく数を増やさなきゃ根絶されちまうってな」

 

 依織たちにも改めて説明するためにカナメはお茶を飲みながら話し始めた。

 今いるのは現場事務所風プレハブハウスの一番大きい正方形の中央棟だ。

 

「あとはまあ……俺も若いしな。だから昼は作業員、夜は美女になって逆ナンってわけだ」

「はえ~、都会ってやっぱすごいすねえ!」

「そんないいもんじゃねえって……そういうわけで夜の世界に片足突っ込んでそこで戸籍とかまあ……いろいろな」

 

 戸籍売買してるよこいつ。でも現状ではそれしかないのは事実だしなあ。

 

「まあ、清濁併せ呑むのは必要だね」

「だろ?けどあの世界思ったより俺らの種族多いぞ。成り代わりをやってるやべーやつもちょくちょくいる……ってところまではこの社長に話したんだよ」

 

 ここでカナメは千歳社長と道明寺さんを親指で指した。

 

「まあそういうわけでさ!納期短縮で悪いんだけど、先手を打って公開したいんだ」

「そのための情報共有会議っちゅうわけやね。舟木さんにも電話で参加してもろてるで」

 

 すごいな最近のスマホ。そんなのもできるのか。

 パソコンに舟木さんの顔がビデオ通話されている。

 

『どうも舟木です。なんだか……えらいことになったみたいで』

「えらいことになったというより、えらいことになってたのが分かったという感じかしらね」

『なるほど……』

 

 千歳社長は自分で持ってきた水ようかんをパクパク食べながらコピー紙に書いた計画書を回す。

 

「おおむねの計画は変わんないよ。前倒しになるだけさ。まずはらいふの生物データを見せて新種発見しました!すごい効能があります!と商品説明的に告知するのが第一段階」

 

 ここで依織が取ってた私の記録が生きるわけだね。

 

「次に育ててたら人型になっちゃいました!事情が事情なので言いづらくて保護していました、田舎で穏やかに暮らしています!が第二段階」

 

 道明寺さんが楽しそうに付け加えた。

 

「第三段階で疑うなら来てもうてください、ちゅうてユーチューバーとか学者とかをここに招くわけや。いやー、納期できてもうてすまんなあ」

「それは仕方ないさ。とはいえ、そうなると舟木さんには謝らなきゃいけない。いずれ安全に段階的に公開するって説明はしてたけど、軌道修正するんだからね」

 

 そして私は画面の中の舟木さんに頭を下げた。

 

「すいませんでした。恵比寿さんを安全に預かるはずがこうなってしまって」

『頭を上げてください、何事も計画通りに行くわけやないですけん、いちいち謝らんでええですよ』

「……なので、いざとなれば恵比寿たちだけでもこっそりそっちに帰ってもらえればと思います」

『しかし、あなただけ矢面に立たせるちゅうんは……』

 

 いい人だな~!こういう常識的な気遣いのできる人がまざることでいいブレーキになるだろ。

 

「いいえ、いざというとき全員が一か所に固まるより分散して逃げたほうが全滅は防げるわ。種子を一か所に保存しないのと同じよ。一部が欠けても誰かが生き残ればいい」

 

 うーん、ここは逆に依織の冷徹な科学的事実を突きつける言い方のほうが早いかもね。

 

「……ただ、これは最終手段にしたいわ。だって舟木さんを巻き込むことに他ならないから」

 

 依織もちゃんとそういう優しさはあるんだよな。だから私もついていくわけだが。

 舟木さんは深く考え込むような顔の後すぐにそれを笑い飛ばした。

 

「はははっ、ここまで来たら最後まで付き合いますわ。恵比寿を預かった時、いつでも帰って来ていいと言ったのは私ですから。良い時でも悪い時でも恵比寿は家族です。むしろ、ヨルさんに手を出したことを謝らにゃなりません……恵比寿、あとで話がある」

「ごめんなさいっす……これに関しては本当に……」

 

 義理堅い人だな~!お前はその人に育てられてどうして初日でやらかすんだよ。

 

「いえ、もう私はちゃんとその点は私が恵比寿にもう怒りましたし、依織は最初から許容してたので……もう遺恨はないです。ヨルが誰かのお嫁になるのもいずれは起こらねばならないことでしたから」

 

 恵比寿お前は助かったという顔をしないほうがいいと思うぞ。

 たぶん後できっちり詰められると思うから覚悟しておけよ。

 

『そういっていただければ、ふつつかな娘ですが、恵比寿をよろしくお願いします』

 

 ここで千歳社長がパンパンと拍手した。

 

「いいねえ!話がまとまってきた!じゃあまあ、前倒しで段階的に公開ってことでさ!」

「そのへんは僕らに任せとき。動画がいります、見学ツアー組みます言う段階になったらまた声かけるわ」

『よろしくお願いします……!』

 

 よし!なんとかまとまってきたな!

 

「まあ、SNSのアカウントでも作って見てたらよろしいよ。けど、僕らがええ言うまで本人ですて名乗り出たらあかんで。それが条件や」

 

 それは……そう!でもネットのカスみたいな意見に私が我慢できそうな気がしない。

 

「いや、やめておこう。見たら言いたくなる気がするから」

「じゃあこうしよう!僕らが間に入るのさ!君たちのメッセージは動画やアニマフィリアからの公式発表にする。つまり、SNS運営は僕らがうまくやるさ。得意分野だからね」

 

 カナメがお茶をぐびーっと飲みながらうなずいた。

 

「それがいいんじゃねえの?ろくなことにならねえよ本人が直で有象無象と話すのはよ」

 

 手慣れてるな~大人の余裕だな、あなたたちは……

 とにかく、そういうことで話はまとまった。

 

 ■

 

 会議が終わって仕事ばかりもどうかということになった。

 道明寺さんがバーベキューセットを持ってきていた。

 さっそくバーベキューパーティーだ。

 苗は水をやって休ませて明日植えようということだそうだ。

 手慣れてるな~段取りがすでに組まれているよ。

 

「ほんじゃ、まあ。村の発展を祈って!乾杯やね!」

「乾杯!」

 

 酒を飲んでいるのはカナメだけで、私たちはジュースだ。

 カナメが飲めるということはたぶん体質的には飲めるんだろうけどね。

 ちょっと飲んでみたけどまだ慣れないんだ。

 

「ガンガン焼こうか。余っても仕方ないしね」

「あらそう?冷凍庫に入れておけば大丈夫よ」

 

 和やかに宴は始まった。

 肉の焼けるにおいが森に立ち込めていく。うーんワイルドだ。

 

「これ良い肉使ってんなあ」

「A4和牛やで。霜降りはA5やね」

「……いくらかかったのかは聞かないことにするよ」

 

 野菜も異様にうまくないか?甘さと野趣深さのバランスが絶妙だ。

 

「なんかこれ野菜もすごくおいしいですけど、いったいどこから」

 

 ヨルが値段を気にしてやや申し訳なさそうに言った。

 

「ああこれ?私が昔創ったやつね。遺伝子改良を思う存分使うとこうなるのよ」

「さすがですね……これもいずれ?」

「味に極振りしてて管理がけっこう繊細だからだいぶ先になりそうね」

 

 依織の神業を舌で理解したよ……これは別格だ。

 

「この魚、恵比寿ちゃんが獲ったん?ここは魚の質がええみたいやね」

「あっ……はいそうっす。石を積んでネズミ捕りみたいな流れをつくったんでずっと定量採れるっすよ」

 

 恵比寿がテンションが低いのはさっき舟木さんに説教くらったからだね。

 まあ……私たちの種族的に仕方ないことだからちょっと気の毒だけど。

 でもケジメはケジメだからね。

 

「ええねえ、そうやって自給できとるのは強いわ」

「……東京じゃ食えねえ味だな」

 

 カナメがしみじみとアユの塩焼きをほおばる。

 実際おいしいからね。塩だけでここまでおいしいのは恵比寿のさばき方がうまいからだ。

 

「ああそうだ、都会でのこと詳しく聞かせてくれるかい?君たちの種族についてさ」

 

 千歳社長がビールを飲みながらにこやかに尋ねる。

 

「そうだな……夜の仕事で同族っぽいのが人気嬢に成り代わってんじゃねえかなとか、そいつがど派手に男をとっかえひっかえとか……」

「ルナにはあまりそういう事を聞かせたくないですね……」

「おかあさん?」

 

 ヨルはルナを撫でて気をそらすようにルナの皿に肉を持っていく。

 かわいいなあ。この子が私の孫か。孫……?生後数か月で?ミジンコか私は。

 

「なんでもないですよ。他にはどんな同族が?」

「そんで、そういうやらかした奴らを狩ってる自警団みてえな同族と……俺たちの力を手に入れた人間がいた」

 

 依織が興味深そうに笑う。

 良い人だけどどこまで行ってもマッドサイエンティストなんだよなあ。

 

「やはりあなたたちの細胞は人体の中で適合するのね」

「ああ、指一本も食えばある程度はな。同族の気配を感じたり多少の怪力なら出せる」

「先を越されちゃったねえ依織ちゃん」

「もうできるけど?少しならね」

「依織ちゃん?」

 

 依織がぐにゃりと指先をカッターのような鋭い形に変える。

 うわあいつの間にやったんだよ!

 あっ……私とあれだけスケベすればそれはそうなるか!

 私かこれ!なんてこった……

 

「い、依織それはまさか私が」

「ええ、あなたから()で分けてもらった機会はいっぱいあったでしょ?」

「それは教えてくれよ!ウッソだろ……」

「でもあなた聞いたら気にするでしょ。私も最近気づいたのよ」

 

 それは……そう!パートナーがいつのまにか人間やめてたらそれは気にするよ!

 しかも私のせいでだ!でも依織がそんな事気にしない人だというのはわかるよ。

 

「……君はこういうの気にしないのは知ってる。でもそれでよかったのか?」

「それが合意の上ってことでしょ。リスク込みで私はあなたを受け入れたわ」

「……だろうね、それでも……ごめん、ありがとう」

「いいのよ」

 

 カナメがヒュウと口笛を吹いた。

 千歳社長はあちゃ~という顔をしているが、あえて口をはさんでいない。

 あとで謝っておこうマジで。くそっ、私も恵比寿のこと言えないよ。

 

「お熱いね、話戻していいか?」

「そうしてくれるかい」

「まあ、あんたらみたいな関係だったり、単にわたしらの種族を拾った人間が利用してたり色々だけどよ。この腕力でのし上がろうって奴らもいたり、記憶を読む力で悪さしようってのと……」

 

 カナメはビールを飲んでため息をついた。

 

「逆にヒーローになれねえかとか、もうちょっとまともだと自分たちの種族を守るために悪さするのは自分の手で狩るっていうけっこう悲壮な奴らもいて……正直あの界隈はめんどくせえ。で、しばらくほとぼりを冷ますにはここはうってつけってわけだよ」

 

 マジヤバになってるな東京の群れは。人間社会は大丈夫なのか?

 

「ってことはすぐに君たちの群れ……株式会社要組(かなめぐみ)もこっちに来るのかな?」

 

 千歳社長がうれしい誤算というように尋ねる。

 

「ああ、さっさとこの村を丸ごとリフォームするよ。工期は一年ってところだし住み込みでやらせてもらう」

「助かるねえ、利害の一致だ。らいふたちは農業、君たちは建築、分業できていいじゃないか」

「……そうなると私たちの存在を公表するのは急いだほうがいいんだろうね」

 

 猶予あんまり残ってないんじゃないかこれ。

 

「そうだね。だからこそ先に、まともに暮らしてる例を出すんだよ」

「まともに暮らす、か……思ったよりそれは大事なのはわかった。でもいつまでもおんぶにだっこじゃ続かない」

 

 道明寺さんが魚を食い終えてデザートのスイカを食べながらニヤリと笑う。

 

「それなら僕のプロデュースを信じとき。ええねん普通のうまいもん食えて、ちょっとアクティビティがある観光地で。それを宇宙人がやっとります言うのが、世間の安心なんよ」

 

 普通の観光地かあ~。それで人が来るというか採算取れるのかなあ?

 

「……それで採算が取れるのかな?」

「採算は君らが作る作物と君の細胞から作った製品で取れるからええねん。この段階では君らが普通に商売してます暮らしてますでええんや。客寄せパンダにはなるんやけど、そんなもん初回で終わりや。飯がうまい、景色がええ、ちょっと珍しい。何回か来てもろう思たら、それがいるねん」

 

 ここでカナメがタバコをスパーっと吸って慎重に間を取って尋ねた。

 

「じゃあ次の段階ってなあ何だ?」

「そらもう、そうやって普通に受け入れてもろたら怪力も読心能力も普通に生かせるし、そしたら次は住民票に納税そんで戸籍や。その先で選挙権まで持てれば、国政も夢やない」

 

 マジか。だいぶ話が大きくないか?っていうか私たちが選挙権持っていいのか?

 

「はっ、大きく出たな道明寺さんよ」

「夢はでっかくや。せやけどこれは十年二十年のスパンの話やね。人間ものごとを受け入れるには十年くらいかかんねん。そこで工数を減らしたらあかんのや」

「あー、減らせない工数を減らすのはやべえよな。事故るか、あとで建屋になんか起こる」

「せやせや」

 

 ここは私が話の主導権を握る必要があるな。私の話なんだから。

 

「大筋では賛成だよ。でも私たちが本当に選挙権を持っていいのかい?」

「逆やねそれは。いま日本が落ち込んどるのは人口推移の問題や。老人に人口ボリュームが偏っとる歪みが出てるねん。だからいま日本が必要としとんのは()()な移民、その国に馴染んでくれて増え続ける人口なんよ」

「しかし選挙で私たちが合法的に国を動かせるとなると反感が」

 

 ここで千歳社長がくすくす笑いながら楽しそうに言った。

 

「そこは若者に味方しつづければいいのさ。老人の意見が通りすぎるのが問題なんだからねえ。そして老人はいつか死ぬ。そしてその時若者だった人たちは誰が味方してくれたかちゃんと覚えているのさ」

「……政治か。私たちが」

「だからここまで君たちに入れ込むのさ。大きなことができそうだからね」

 

 うーん、生々しい最終目標が決まってしまったな。

 政治家~!?私が?いや、適性のある同族もいるさ。きっとそうだよ。

 

「二十年後に政治家になるのが嫌なら、政治家を生む村の村長になればいいのよ。それなら現実的でしょうらいふ」

「それはまあ……そうだけど」

「まあ、おいおいやってこうぜ。少なくとも成り代わりで成り上がろうだの、現代異能バトルやろうだのよりずっと健全だろうよ」

 

 なんかみんなの目が私に向いてる!担がれようとしている気がする……!

 とはいえそれはそうなるんだよな。

 私が主体で同族を率いるというか、この村で避難所を作るというのなら。

 

「そ、そうだね!十年先の夢なんだからでっかく行こう!」

「いいっすねえ~!夢があるっすよ!まずはここをちゃんとした村にしてくんだからわかりやすいじゃないすか!」

「ですよね!母様が政治家が嫌なら私がやってもいいんですし、それもダメなら一人くらい向いてる同族はいますよ!」

「そ、そうだね!ハハハ……」

 

 本当にそう願うよ!頼んだぞ十年後の私!

 頑張って村長にとどまってくれ~!

 若干の空元気の笑いは、どこまでも深い星空に消えていった。

 

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